英語の宿題の出し方|家庭学習につながる課題づくりと回収のコツ
宿題を出しても、答えを写しただけのワークが提出される。出さない生徒への声かけに追われる。確認に時間がかかる…。宿題は、量を増やすほど効果が上がるわけではありません。**授業とつながり、短時間で終わり、次の授業で使われる**。この3つがそろうと、宿題は家庭学習の習慣づくりの入り口になります。

01良い宿題の3条件
宿題の目的は、授業で学んだことを定着させ、生徒が自分で学ぶ習慣をつくることです。そのために、次の3つを意識して課題を設計します。
- 授業とつながっている:今日の授業で学んだことを使う、または次の授業の準備になる
- 短時間で終わる:平日なら15〜20分程度で終わる量にする
- 次の授業で使われる:提出するだけでなく、授業の中で活用される
特に3つ目が重要です。宿題が授業で使われると、生徒は「やらないと授業で困る」と感じるだけでなく、「やったことが役に立った」という実感を持てます。
ポイント:「提出させる宿題」より「授業で使う宿題」。宿題の価値は、次の授業でどう扱うかで決まります。
使い方:思い出す練習を授業のルーティンにする方法の紹介です。定着型の宿題を「答えを見ずに思い出す」形に変える例を1つ作り、次の授業の冒頭2分で使います。
02英語の宿題の種類と使い分け
宿題にはいくつかの種類があり、目的によって使い分けます。
定着型(復習)
- 今日の新出語を使って例文を3つ書く
- 本文の音声を聞きながら、意味を思い浮かべて2回読む
- 授業で扱った文法の問題を5問解く
準備型(予習)
- 次のパートの新出語の意味を調べる(発音記号の確認も)
- 次のパートの題名と挿絵から、内容を予想して1文書く
表現型(自分のことを書く)
- 今日の文法を使って、自分の週末について3文書く
- 本文の登場人物に向けて、短いメッセージを書く
英語の指示例
- "Write three sentences about your weekend. Use the past tense."
- "Look at the title and the picture of Part 3. Guess the story in one sentence."
- "Choose two new words from today and make your own sentences."
準備型と表現型は、次の授業の冒頭でペアで共有する活動にすると、自然に授業につながります。
03自由課題の選択肢に入れられる無料の道具と、リストの作り方
週1回の自由課題を続けるには、生徒が迷わず選べる具体的な選択肢が必要です。次の道具は無料で使える範囲があり、15〜20分で区切りやすいものです。
| 選択肢 | 道具 | 生徒への指示の例 |
|---|---|---|
| 単語の復習 | Quizlet(無料版は広告あり)・このサイトの単語SRS | 先生が共有したセットを、全部正解するまで1回やる |
| 音声をまねる | このサイトのシャドーイング道場 | 1本を選び、3回まねして読む |
| 歌で聞き取る | LyricsTraining(広告あり。一部有料) | 好きな曲を1曲選び、いちばんやさしいレベルで歌詞の穴埋めをする |
| やさしい本を読む | このサイトの多読ストーリー・多読ログ | 1話読んで、題名と一言の感想を記録する |
| 書く | このサイトの英語日記 | 今週の出来事を3行で書く |
自由課題リストの作り方(20分)
- 上の表から、学年に合う選択肢を4〜5個選ぶ
- それぞれに「何を・どれだけ・何分で」を1行で書く
- 記録カードに「選んだ活動」と「かかった時間」の2欄を作る
- 次の授業の冒頭で、ペアで「何を選んだか」を英語で1文ずつ伝え合う
家庭のインターネット環境は生徒によって違います。紙だけでできる選択肢(教科書の音読、単語カード)も必ず1つは入れておきましょう。歌詞の内容は曲によって違うため、選曲は家の人と相談するよう伝えておくと安心です。
041週間の宿題サイクル例
毎日違う宿題を考えるのは大変です。曜日ごとに型を決めておくと、教師も生徒も迷いません。
中学2年・週4時間の例
- 月曜の授業後:新出語の例文づくり(定着型・10分)
- 火曜の授業後:本文の音声を聞いて意味を確認(定着型・10分)
- 木曜の授業後:今日の文法で自分のことを3文書く(表現型・15分)
- 金曜の授業後(週末):次のパートの予想+1週間の単語の自己テスト(準備型+定着型・20分)
授業での活用
- 月曜の例文→火曜の導入でペアで読み合う
- 木曜の3文→金曜の導入で2〜3人が発表
- 週末の予想→月曜の導入で答え合わせ
"Show your sentences to your partner. Choose the best one and read it to the class."
このように「宿題→次の授業の導入」という流れを固定すると、宿題をやってくる必然性が生まれ、授業の導入の準備も楽になります。
使い方:決まった手順のくり返しで生徒が学習に集中できるようにする考え方の紹介です。この節の曜日ごとの宿題の型を、生徒に見える形で掲示する案を作ります。
05高校では「予習」の中身を見直す
高校では、「本文を全文和訳してくる」という予習を課している学校も少なくありません。全文和訳には、丁寧に英文を読む習慣がつくという利点がある一方で、次のような課題もあります。
- 時間がかかりすぎて、他の教科や復習の時間を圧迫する
- 授業が「和訳の答え合わせ」になりやすく、読む活動が減る
- 和訳を写してくる生徒が出てくる
そこで、予習の中身を「授業で読むための準備」に絞る方法があります。
予習の例
- 新出語のうち、指定した5〜8語の意味と発音を確認する
- 各段落の内容を日本語で一言ずつメモする
- 分からなかった文に印をつけ、1つだけ質問を書いてくる
"Read Part 2 before the next class. Mark one sentence you don't understand. We will start with your questions."
復習の比重を上げる
授業で内容を理解したあとの復習のほうが、定着には効果的な場合があります。「授業で扱った本文の音声を聞き、意味を思い浮かべながら読む」「本文の要約を3文で書く」など、授業後の課題を充実させることも検討してみてください。
予習と復習のどちらに時間をかけるかは、生徒の実態と授業のねらいによって変わります。学年の英語科で方針をそろえておくと、生徒も迷いません。
0640人分の確認を楽にする回収方法
宿題の確認に時間がかかりすぎると、続けること自体が難しくなります。
提出と確認を授業中に済ませる
授業の冒頭2分で、ペアで宿題を見せ合い、チェック欄に互いのサインを書き合います。教師は教室を回りながら、何人かの宿題に目を通します。
"Show your homework to your partner. If it's done, sign your partner's checkbox."
全部を回収しない
毎回全員分を回収するのではなく、表現型の宿題だけを週1回回収する、あるいは列ごとに順番に回収するなどして、確認の量を調整します。
確認のポイントを絞る
回収した宿題は、「提出したか」「条件を満たしているか(3文書いたか、指定の文法を使ったか)」の2点だけを見ます。細かい添削は行わず、よい表現に下線を引く程度にとどめます。
名簿でチェックする
名簿にチェック欄を作り、提出状況を記録します。未提出が続く生徒には、授業の中で早めに声をかけます。
使い方:Googleフォームのテスト機能の公式紹介です。端末が使える学校なら、週末の単語の自己テストを自動採点のフォームにして、確認の手間を減らします。
07家庭学習の習慣につなげる工夫
宿題は、最終的に生徒が自分で学習を進める力につながることが理想です。
自由課題の枠をつくる
週1回、「自分で選ぶ英語の学習」を宿題にします。選択肢の例を示すと取り組みやすくなります。
- 教科書の音声を聞いてまねして読む
- 単語アプリや単語カードで復習する
- 英語の歌詞を1曲分読んでみる
- 英語で3行の日記を書く
"This week, choose one activity from the list. Write what you did and how long you did it."
記録を見える化する
学習記録表に日付と内容、時間を書かせると、生徒自身が積み上げを実感できます。1か月たったら、記録を振り返る時間を取りましょう。
家庭の状況に配慮する
家で勉強する環境が整っていない生徒もいます。宿題が負担になりすぎないよう量に配慮し、休み時間や放課後に取り組める選択肢も示しておくと安心です。
使い方:家庭で英語を学ぶ子どもを家族がどう支えるかのセッションです。保護者会や学級通信で伝える「家でできる支え方」を3つにまとめる材料にします。
使い方:自分の学び方を振り返り調整する力の育て方の紹介です。自由課題の記録カードに「次はどうするか」の欄を足し、自分で学習を選ぶ力につなげます。
08よくある失敗
- 量が多すぎる:答えを写すだけの作業になりがちです。→平日は15〜20分で終わる量に。
- ワークの丸写しが続く:答えを見て写すだけでは力がつきません。→答え合わせを授業でペアで行う、または自分の言葉で書く表現型を増やす。
- 提出させて終わる:授業で使われないと、宿題の意味が伝わりません。→次の授業の導入で必ず活用する。
- 未提出への対応が叱責だけ:やる気をさらに下げてしまいます。→理由を聞き、量や取り組み方を一緒に調整する。
ポイント:宿題は「量」より「つながり」。授業と家庭学習を一本の線でつなぐ意識が、習慣づくりの鍵です。
まずは来週の宿題を、曜日ごとの型に当てはめてみてください。そして、その宿題を次の授業の導入でどう使うかを、1行だけメモしておきましょう。
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よくある質問
宿題を出さない生徒にはどう対応すればよいですか?
まずは理由を聞くことが大切です。量が多すぎる、やり方が分からない、家庭の事情など、原因によって対応が変わります。取り組みやすい課題から始めて、できたことを認める声かけを続けるのが効果的です。
市販のワークを宿題にするのは効果がありますか?
定着の練習として有効ですが、答えを写すだけになりやすい点に注意が必要です。答え合わせを授業で行う、間違えた問題だけ解き直させるなど、使い方を工夫すると効果が高まります。
長期休みの宿題はどのように出せばよいですか?
量よりも継続を重視し、毎日少しずつ取り組める形にするのがおすすめです。学習記録表をつけさせ、休み明けの授業で振り返りや発表の場を設けると、次の学期につながります。
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