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第10章|スピーキングコラム2026-09-282026-10-10 更新

小学生のスピーキング活動 Small Talkのやり方|話題例と進め方

小学校の英語の授業でよく行われる Small Talk(スモールトーク)。「どうやって始めればいいの?」「子どもが話してくれない」という声もよく聞きます。この記事では、Small Talk のねらいから、先生のモデルの見せ方、子ども同士のやり取りに広げる手順、学年別の話題例まで、すぐに使える形で紹介します。

01Small Talk とは?ねらいを確認しよう

Small Talk は、授業の最初などに、先生や子ども同士が身近な話題について英語で短いやり取りをする活動です。

主なねらいは次の2つです。

  1. 既習表現を思い出して使う:これまでに学んだ表現を、新しい場面で使うことで、表現が定着していきます。
  2. やり取りを続ける力をつける:相手の話に反応したり、質問を返したりして、会話を続ける経験をします。

Small Talk は、正しい英語を言うことよりも、「伝えたい」「知りたい」という気持ちでやり取りすることを大切にします。

ポイント:Small Talk は「テスト」ではなく「おしゃべり」。間違いを直すより、言おうとしたことを受け止めましょう。

まずは先生が話すモデルから

Small Talk の第一歩は、先生が自分のことを英語で話し、子どもに問いかけることです。

先生のモデル例(週末の話題)

  • T: I went to the park last Sunday. I saw many flowers. They were beautiful. I was happy.
  • T: How about you? What did you do last Sunday?
  • S1: I played soccer.
  • T: Oh, you played soccer! That's nice. Was it fun?
  • S1: Yes!

モデルのポイント

  • 写真や絵を見せながら話す
  • 3〜4文程度の短い話にする
  • 最後に必ず子どもに質問を投げかける
  • 子どもの答えを繰り返して(リキャスト)、正しい形を自然に聞かせる

子どもが I play soccer. と言ったら、Oh, you played soccer! と正しい形で繰り返します。「違うよ」と直すのではなく、自然に正しい形を聞かせるのがコツです。

Small Talkのデモを見て学ぶ文部科学省/mextchannel|デモンストレーション①(Small Talk)

使い方:文部科学省による Small Talk のデモンストレーション映像です。先生が話題を示して子どもとやり取りを広げる流れを見て、この節のリキャストの場面を探します。

02子ども同士のやり取りに広げる5ステップ

先生のモデルに慣れてきたら、少しずつ子ども同士のやり取りに広げていきます。

  1. 先生のモデルを聞く:先生の話を聞き、内容について質問に答えます。
  2. 先生と代表の子どもでやり取りを見せる:全体の前で、やり取りの見本を見せます。
  3. ペアで1回目のやり取り(1分):同じ話題でペアになって話します。
  4. 中間指導:一度止めて、「言いたかったけれど言えなかった表現」を全体で共有します。例:「『すごい』って英語で何て言うの?」→ That's great! / Wow!
  5. ペアを変えて2回目のやり取り(1分):中間指導で出た表現を使ってみます。

特に中間指導が大切です。ここで出てきた表現を2回目に使うことで、子どもは「言えた!」という手応えを感じられます。

やり取りの進め方を映像で学ぶ文部科学省/mextchannel|小学校の外国語教育はこう変わる!⑥〜やり取りの進め方〜

使い方:子ども同士や先生とのやり取りの進め方を映像で紹介する回です。この節のペアでのやり取りを始める前に見て、ペアを変える場面のイメージをつかみます。

03学年別の話題例と会話例

3・4年(外国語活動)

話題:好きなもの、色、数

  • A: What color do you like?
  • B: I like blue.
  • A: Me, too! / Oh, nice!

5年(外国語科)

話題:好きな教科、誕生日、できること

  • A: What subject do you like?
  • B: I like P.E. I can run fast.
  • A: Wow, that's great! I like music.

6年(外国語科)

話題:週末の出来事、夏休みの思い出、将来の夢

  • A: What did you do in summer vacation?
  • B: I went to the sea. I enjoyed swimming.
  • A: Sounds nice! Was it fun?
  • B: Yes, it was fun.

会話を続けるための「反応の言葉」

  • Me, too. / Really? / Nice! / That's great! / Sounds fun!

反応の言葉を教室に掲示しておくと、子どもがやり取りの中で使いやすくなります。

04Small Talk の話題に困らない:公式動画と話題探しのサイト

Small Talk を続けるコツは、話題の引き出しを増やしておくことです。公式の映像で進め方を確かめ、話題は質問集のサイトから探しましょう。

使うもの中身使い方
文部科学省の「Small Talk の進め方」の動画(下)小学校の Small Talk の進め方この記事の5ステップのうち、中間指導の場面を特に見る
光村図書の「ネタが尽きてしまった」Q&A 動画話題の探し方と続け方のヒント単元が変わるたびに見返し、次の話題を3つ書き出す
All Things Topics話題ごとの単語と質問がそろう(一部は有料会員向け)食べ物・スポーツなど単元に近い話題のページで、子どもに聞けそうな質問を探す
Conversation Questions(The Internet TESL Journal)テーマ別の英語の質問が何百も並ぶ大人向けの質問も多いので、既習表現で答えられるものだけを選ぶ

学期の話題カレンダー(例:6年)

月話題使う既習表現
4月春休みにしたことI went to 〜. I enjoyed 〜.
6月好きな季節I like 〜. Why? 〜 is fun.
9月夏休みの思い出I went to 〜. I saw 〜.
12月冬にしたいことI want to 〜.

話題を先に決めておくと、先生のモデルの準備が「写真を1枚選ぶ」だけで済むようになります。

Small Talkの進め方文部科学省/mextchannel|小学校の外国語教育はこう変わる!⑦ 〜Small Talkの進め方〜

使い方:文部科学省による小学校の Small Talk の進め方の動画です。先生と児童の短いやり取りの積み重ね方を見て、この記事の5ステップの中間指導の入れ方を確かめます。

05Small Talk がうまくいく「つなぎの一言」

やり取りを続けるためには、答えるだけでなく、質問を返したり、一言付け足したりする力が必要です。次のような「つなぎの一言」を段階的に教えていきましょう。

段階1:反応する

  • Me, too. / Really? / Nice! / I see.

段階2:質問を返す

  • How about you? / Do you like it?

段階3:一言付け足す

  • I like baseball. I'm on a baseball team.
  • I went to Kyoto. I ate matcha ice cream.

段階4:聞き返す

  • Pardon? / One more time, please.
  • Sorry? What sport?

特に「聞き返す」表現は大切です。わからないときに黙ってしまうのではなく、Pardon? と言えれば、やり取りが途切れません。先生が Small Talk の中で、わざと聞き返す場面を見せるのも効果的です。

ポイント:1つの単元で1つの「つなぎの一言」を目標にすると、1年で子どものやり取りが見違えるように変わります。

06続けるための工夫:帯活動として毎回5分

Small Talk は、毎回の授業で少しずつ続けることで効果が出てきます。

1週間のテーマ例(6年・週2回授業)

  • 1回目:先生の週末の話→子どもへの質問
  • 2回目:ペアで週末の話→中間指導→ペアを変えて再度

続けるコツ

  • 話題は、子どもが話したくなる身近なものを選ぶ
  • 同じ話題を何回か続け、慣れてから新しい話題にする
  • 先生の話に、写真や実物を使って興味を引く
  • 上手に話せたペアを紹介し、全体で共有する

ポイント:同じ話題を繰り返すことで、子どもは「前より言えるようになった」と成長を実感できます。

スモールトークのネタ切れ対策光村図書|#19 Here We Come!「スモールトークのネタが尽きてしまいました。」(令和2年度版・小学校)

使い方:「スモールトークのネタが尽きた」という悩みに答える2分の動画です。この節の帯活動を続けるために、次の単元で使う話題を3つ書き出します。

07子どものやり取りを見取るポイント

Small Talk は、子どもの成長を見取るよい機会でもあります。ペアのやり取りを見て回るときは、次のような点に注目しましょう。

  • 相手の話に反応しているか(Me, too. / Really? など)
  • 質問を返しているか(How about you?)
  • 知っている表現を使って、伝えようと工夫しているか(ジェスチャーや言いかえ)
  • 前の授業より、やり取りが長く続いているか

気づいたことは、座席表に一言メモしておくと、評価の材料や次の中間指導のネタになります。例えば「Aさん:How about you? を自分から使えた」のようにメモしておけば、中間指導で「Aさんが How about you? と聞き返していたよ」と全体に紹介できます。

全員を毎回見る必要はありません。1回の授業で5〜6人に絞って見取ると、無理なく続けられます。

08よくある失敗と今日からの一歩

  • 先生が話しすぎる:先生のモデルは1分程度に。子どもが話す時間を多くとりましょう。
  • 間違いをその場で直す:やり取りの流れが止まり、子どもが話すのをためらうようになります。リキャストで自然に正しい形を聞かせましょう。
  • 話題が難しすぎる:まだ学んでいない表現が必要な話題は避け、既習表現で話せる話題を選びます。
  • 中間指導をしない:言えなかった表現を共有しないと、2回目も同じところでつまずきます。

まずは次の授業で、先生自身の話を3文だけ準備し、最後に How about you? と子どもに問いかけるところから始めてみましょう。

このコラムで使うサイト・アプリ

もっと見たい人へ

Small Talkの進め方がわかる文部科学省/mextchannel|小学校の外国語教育はこう変わる!② Small Talk の進め方
教科書でやり取りを促すコツ光村図書|#17 Here We Come!「教科書を使ったやり取りの活動は、どのようにさせたらよいのでしょうか。やり取り指導のコツを教えてください。」(令和2年度版・小学校)

今日やること

よくある質問

Small Talk で子どもが英語を話してくれません。

まずは先生の話を聞いて、Yes/No で答えたり、単語で答えたりするところから始めましょう。反応の言葉を掲示しておくと、子どもも一言返しやすくなります。

子どもの英語の間違いはどう扱えばいいですか?

その場で「違うよ」と直すのではなく、先生が正しい形で自然に繰り返す(リキャスト)方法がおすすめです。やり取りの流れを止めずに、正しい形を聞かせることができます。

外国語活動(3・4年)でも Small Talk はできますか?

できます。好きな色や食べ物など、慣れ親しんだ表現で答えられる話題を選び、先生の話を聞いて答える形から始めるとよいでしょう。

読了ボーナス

最後まで読んだあなたに、目から鱗をもう1枚

ホント?ウソ?10問チャレンジ目から鱗をぜんぶ見る

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