小学校英語の授業の流れ|45分モデルと時間配分・教室英語の例
「45分の英語の授業、何から始めて何で終わればいいの?」。小学校で英語を担当することになった先生から、いちばんよく聞く悩みです。この記事では、外国語活動(3・4年)にも外国語科(5・6年)にも使える45分の基本モデルを、時間配分と具体的な教室英語つきで紹介します。まずは「型」を1つ持つことで、準備も授業もぐっとラクになります。

01なぜ「型」があると授業がラクになるのか
小学校の英語の授業は、担任の先生が他教科と並行して準備することが多い授業です。毎回ゼロから流れを考えていると、準備に時間がかかるうえ、子どもたちも「今日は何をするの?」と落ち着きません。
そこでおすすめなのが、毎回同じ流れ(ルーティン)を持つことです。流れが決まっていると、子どもは次の活動を予想でき、安心して英語を聞いたり話したりできます。先生も「今日変えるのは真ん中の20分だけ」と考えればよくなります。
ポイント:前半と最後は毎回ほぼ同じ、真ん中だけ単元に合わせて入れ替える。これが続けられる授業づくりのコツです。
45分モデルの全体像と時間配分
次のモデルは、多くの学校で見られる授業の流れを、担任の先生が使いやすい形に整理したものです。
- あいさつ・ウォームアップ(3分):日付や天気、気分のやり取り
- 歌・チャンツ(5分):単元の表現をリズムで口慣らし
- Small Talk(5分):先生が身近な話題を英語で話し、子どもとやり取り
- めあての確認(2分):今日できるようになることを共有
- インプット・導入(10分):絵カードや映像で新しい表現をたっぷり聞く
- やり取り・コミュニケーション活動(15分):ペアやインタビュー、ゲーム
- 振り返り(5分):できたこと、友だちのよかったところを書く・話す
外国語活動(3・4年)は聞くことと話すことが中心なので、5と6を厚めにします。外国語科(5・6年)では、6の後半や振り返りの前に読む・書く活動(5〜8分)を入れ、そのぶん歌やゲームを短くするとバランスがとれます。
ポイント:「聞く時間」を削りすぎないこと。話す活動の前には、十分に聞いた経験が必要です。
使い方:文部科学省による小学校外国語の授業づくりのポイントの解説です。単元の見通しと1時間の組み立ての部分をメモし、この節の45分モデルに当てはめて授業案を確かめます。
02そのまま使える教室英語(場面別)
授業の流れに合わせて、決まったフレーズを繰り返し使うと、子どもは自然に意味を覚えていきます。発音に自信がなくても、ジェスチャーをつければ十分伝わります。
あいさつ
- Hello, everyone! How are you today?
- What's the date today? / How's the weather?
活動の切り替え
- Let's sing a song! / Let's start the chant.
- Make pairs. / Stand up, please. / Sit down, please.
- Are you ready? / 3, 2, 1, go!
ほめる・励ます
- Good job! / Nice try! / Great idea!
- That's OK. Try again.
終わり
- Let's look back on today's lesson.
- That's all for today. See you next time!
最初の1か月は、この中から5つだけ選んで毎回使いましょう。慣れてきたら1つずつ増やします。黒板の端に「今月のクラスルーム・イングリッシュ」として貼っておくのもおすすめです。
使い方:授業でよく使う英語の指示表現を紹介する短い動画です。この節の教室英語と重なる表現に印をつけ、今月使う5つを選ぶ材料にします。
03真ん中20分の組み立て方:好きな食べ物の単元の例
ここでは「What food do you like?」を扱う単元を例に、インプットとやり取りの部分を具体的に見てみます。
インプット(10分)
- 先生が食べ物の絵カードを1枚ずつ見せ、I like curry and rice. I don't like natto. と自分の話をする
- 子どもに Do you like curry and rice? とたずね、Yes/No で手を挙げてもらう
- 絵カードを使った「カード当て」で、食べ物の語を何度も聞かせる
やり取り(15分)
- 先生とALT(またはデジタル教材の音声)がモデル会話を見せる
- ペアで練習:A: What food do you like? B: I like pizza. A: Me, too!
- インタビュー活動:3人にたずねてワークシートにメモする
- 途中で一度止め、「Me, too! が言えた人?」と良かった表現を全体で共有する
ポイントは、やり取りの途中で1回止めて全体に返すことです。「困ったこと」「うまくいった言い方」を共有すると、後半の活動の質が上がります。
0445分の流れを映像で確かめる:公式の授業動画と、すぐ使える教材サイト
45分モデルを自分の授業に当てはめる前に、実際の授業の映像を1本見ておくと、時間の感覚がつかみやすくなります。まず文部科学省の外国語教育のページを開くと、学校段階ごとの外国語活動・外国語科の授業動画や、学習指導要領解説・指導用参考資料がまとめられています。
| 使うもの | 中身 | 45分モデルのどこで使うか |
|---|---|---|
| 文部科学省の外国語教育のページ | 授業動画と指導用の参考資料 | 自分の学年の授業動画を1本見て、あいさつ・Small Talk・やり取り・振り返りに何分使っているかをメモする |
| Super Simple Songs | 英語の先生が作った、くり返しの多い子ども向けの歌 | 「歌・チャンツ(5分)」のあいさつソングに。毎回同じ曲で始める |
| MES English | 子ども向けの絵カードやゲームを無料で印刷できる | 「インプット・導入(10分)」の絵カード作りに。単元の語を8枚選んで印刷する |
| LearnEnglish Kids | ブリティッシュ・カウンシルの子ども向けサイト。歌・お話・ゲームがある | 単元と同じテーマ(食べ物・動物など)のページを、導入の映像や音声として使う |
指導メモに「使う教材」の欄を足す
この記事の指導メモの5項目に、「6. 使う教材(歌の曲名・絵カードの枚数・音声)」を足しておくと、翌年同じ単元をするときにすぐ準備ができます。動画やサイトを授業で見せるときは、事前に最後まで確認し、広告や関連動画が表示されない形で映しましょう。
使い方:ウォームアップ、ゲーム、まとめまでを1本で見られる子ども向けのデモ授業です。活動が切り替わる場面に印をつけ、この記事の45分モデルの時間配分と比べます。
05よくある失敗と立て直し方
- ゲームだけで終わる:盛り上がっても、何ができるようになったかが残りません。振り返りで「今日言えるようになった英語」を1文書かせましょう。
- 先生の説明が日本語ばかり:説明は短く、デモンストレーション(やって見せる)を中心にすると、英語のままでも伝わります。
- いきなり話させる:聞く量が足りないまま話す活動に入ると、子どもは固まります。インプットの時間を削らないことが大切です。
- 時間オーバーで振り返りがなくなる:タイマーを使い、振り返りの5分は「必ず残す時間」と決めておきましょう。
ポイント:うまくいかなかった日は、流れではなく「真ん中の活動」を1つ変えるだけで十分です。
使い方:活動の指示をわかりやすく出すヒントを紹介する先生向けの回です。この節の「説明が日本語ばかり」の対策として、言葉を減らしてやって見せる方法を1つ試します。
063年生と6年生では何を変える?学年別の調整
同じ45分モデルでも、学年によって中身の比重を変えると、ぐっと授業が合ってきます。
3年生の場合
- 歌・チャンツを長めに(7〜8分)とり、体を動かす時間を多くする
- 一つの活動は5〜7分程度で切り替える(集中が続く長さを意識)
- 振り返りは「顔マーク」に丸をつける程度の簡単な形でOK
6年生の場合
- 歌は短くし、Small Talk を長めにとる
- やり取りの活動では「質問を1つ付け足す」など、少し高い目標を出す
- 読む・書く活動を毎時間5〜8分入れる
- 振り返りは「今日使った英語」を1文書き写す形にする
例えば同じ「好きなもの」の話題でも、3年生は I like red. を言えれば十分ですが、6年生では I like red. It's my favorite color. What color do you like? のように、つなげて話すことを目指せます。
ポイント:高学年ほど「ゲームの楽しさ」より「伝わった手応え」がやる気につながります。
07単元全体の中で45分をどう位置づけるか
1時間の授業は、単元(おおむね数時間のまとまり)の一部です。単元の最初は聞く活動を多めに、中盤はやり取り、最後は発表やインタビューなどのまとめの活動、という流れを意識すると、1時間ごとのめあても立てやすくなります。
1単元(6時間)のイメージ
- 1〜2時間目:表現をたっぷり聞く、歌・チャンツで慣れる
- 3〜4時間目:ペアやグループでやり取り
- 5時間目:まとめの活動の準備(外国語科なら書き写しなども)
- 6時間目:発表・インタビューなどのまとめの活動
授業の準備に困ったら、教科書の指導書やデジタル教材の流れを基本にし、この記事の45分モデルに当てはめてみてください。まずは次の授業で、あいさつと振り返りの5分ずつを固定するところから始めましょう。
使い方:単元第1時の授業を丸ごと見られる文部科学省の映像です。新しい表現との出会わせ方と単元ゴールの共有の場面を見て、この節の単元の1〜2時間目の計画に生かします。
08準備を10分で終わらせる指導メモの書き方
毎回の授業準備を短くするには、A4用紙1枚の「指導メモ」を決まった形で書くのがおすすめです。
- めあて:Let's ask and answer about favorite food.(日本語でもOK)
- 使う表現:What food do you like? / I like 〜. / Me, too.
- インプット:絵カード8枚、先生の自己紹介の話
- やり取り:ペア練習→インタビュー(3人)
- 振り返りの問い:「友だちの好きな食べ物で意外だったのは?」
前半(あいさつ・歌・Small Talk)と振り返りは毎回同じなので、メモに書くのは真ん中の3〜4だけです。単元が終わったらメモをファイルに綴じておけば、翌年の自分や同じ学年の先生の財産になります。
このコラムで使うサイト・アプリ
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よくある質問
英語の発音に自信がないのですが、教室英語を使っても大丈夫ですか?
大丈夫です。子どもにとって大切なのは、先生が英語を使おうとする姿を見ることです。正確な発音のモデルは、デジタル教材の音声やALTに任せる、と役割を分けて考えましょう。
外国語活動と外国語科で流れを変える必要はありますか?
基本の流れは同じで構いません。外国語科では読む・書く活動を短く入れる時間を作り、そのぶん歌やゲームの時間を調整するとバランスがとれます。
振り返りでは何を書かせればいいですか?
「今日言えるようになった英語」「友だちの良かったところ」「次にやってみたいこと」の3つから1つ選ばせる形が書きやすくおすすめです。
読了ボーナス


