英語の論説文の構造とは|主張・理由・譲歩を見抜く読み方
英検やIELTS、大学入試の長文でよく出るのが、筆者が何かを主張する「論説文」です。論説文は、ただ事実を並べるのではなく、読者を説得するための「型」に沿って書かれていることが多いジャンルです。その型を知っていれば、どこに筆者の言いたいことがあるのかを見つけやすくなります。この記事では、論説文の基本構造とよく出る展開パターンを、例文つきで解説します。

01論説文とは?物語文・説明文との違い
英語の文章は、目的によって大きく3つに分けられます。
- 物語文(narrative):出来事を時間の流れに沿って語る
- 説明文(expository):ある事柄について情報をわかりやすく伝える
- 論説文(argumentative / persuasive):ある問題について筆者の立場を示し、理由を挙げて読者を説得する
論説文の最大の特徴は、筆者の「主張」があることです。「〜すべきだ」「〜は誤りだ」「〜のほうが良い」といった立場があり、文章全体がその主張を支えるために組み立てられています。
だからこそ、論説文を読むときに一番大事な問いは、「この筆者は結局何を言いたいのか」です。細部を全部理解できなくても、主張とその理由がつかめれば、内容一致問題や要約問題の多くに対応できます。
なお、パラグラフ単位の読み方(トピックセンテンスの見つけ方など)は長文読解全般で役立つ考え方ですが、この記事では特に文章全体の組み立てと論説文ならではの展開に焦点を当てます。
02基本の型:序論・本論・結論
英語の論説文の多くは、次のような構成で書かれています。
序論(Introduction)
- 話題の導入:多くの人が知っている事実や、よくある意見から入る
- 問題提起:その話題の何が問題なのか
- 主張(thesis statement):筆者の立場。序論の最後に置かれることが多い
本論(Body)
- 理由1とその具体例
- 理由2とその具体例
- (場合によって)反対意見への反論
結論(Conclusion)
- 主張の言い換え・繰り返し
- まとめや今後への提案
自作の例で見てみよう
次は短い論説文の骨組みです。
- 序論:Many schools ban smartphones in class. Some people think this is necessary. However, I believe students should be allowed to use smartphones for learning.
- 本論1:First, smartphones give students quick access to useful information, such as online dictionaries.
- 本論2:Second, learning to use technology responsibly is an important skill for the future.
- 反論への対応:It is true that some students may play games during class. However, clear rules can solve this problem.
- 結論:For these reasons, schools should teach students how to use smartphones wisely rather than ban them.
太字の部分を見ると、筆者の主張と結論が同じ内容を言い換えていることがわかります。序論の最後と結論をまず確認するだけで、文章の骨格がかなり見えてきます。
使い方:エッセイの書き方を4分で順に解説する動画です。書き手の組み立て方を知ると読む手がかりになるので、序論・本論・結論の役割を確かめてから自作例を読み直します。
03よく出る展開パターン4つ
論説文の本論には、よく使われる展開パターンがあります。
① 主張・理由型
「Aだと考える。なぜならBだから。たとえばC」という最も基本的な形です。First, Second, Finally や One reason is … などの表現が目印です。
② 問題・解決型
「今こんな問題がある → 原因はこれ → 解決策はこれ」という展開です。problem、issue、cause、solution、should、need to などの語がよく出ます。環境問題や社会問題を扱う長文で頻出の型です。
③ 比較・対照型
「Aには〜という特徴がある。一方Bは…」と2つを比べて、どちらが良いかを論じる形です。while、whereas、on the other hand、in contrast、compared with などが目印です。
④ 通説否定型
「一般には〜と考えられている。しかし実際は…」と、よくある考え方を否定して新しい見方を示す形です。Many people believe … / It is often said that … のあとに、But や However、In fact が続きます。
ポイント:④の型では、最初に書かれている「一般的な考え」は筆者の主張ではありません。ここを筆者の意見と取り違えると、内容一致問題で間違えやすくなります。
使い方:英文の構成に注目して読むパラグラフリーディングを30分ほどで学べる動画です。見たあと長文を1本選び、本論の各段落が4つの展開パターンのどれかを目印の語から判定します。
04譲歩と逆接を見抜く
論説文を読むうえで特に大事なのが、「譲歩→逆接→主張」の流れです。
筆者は、反対意見を一度認めてから(譲歩)、それでも自分の意見のほうが正しいと述べる(逆接→主張)ことで、説得力を高めようとします。
譲歩の目印
- It is true that …(確かに〜だ)
- Of course, …(もちろん〜だ)
- Admittedly, …(確かに〜だ)
- Some people argue that …(〜と主張する人もいる)
- 文中の may や might(〜かもしれない)
逆接の目印
- But / However / Yet
- Nevertheless / Still(それでもなお)
- Although / Even though(〜だけれども)
例文
It is true that online classes save time and money. However, they cannot fully replace the experience of learning together in the same room.
1文目は「確かにオンライン授業には利点がある」という譲歩で、筆者が本当に言いたいのは However 以下の「同じ部屋で学ぶ経験の代わりにはならない」です。譲歩の文を読んだら、「本音はこのあとに来る」と構えて読むのがコツです。
05本物の論説文で練習できるサイトと使い方
型を覚えたら、実際の論説文・解説文で「主張+理由2つ」を探す練習をしましょう。
| サイト | 特徴 | 使い方 |
|---|---|---|
| The Conversation | 大学の研究者が一般向けに書くニュース解説 | 見出しと第1段落から主張の候補を探し、各段落の1文目で役割(理由・例・反論)をメモする |
| The Learning Network(New York Times) | NYT の中高生向けの学びの場。意見を考える問いが多い | 問いに対する賛成・反対の両方の理由を英語で1つずつ書き、譲歩→逆接の文を作る(記事の閲覧には登録が必要な場合がある) |
| Breaking News English | 1つのニュースを7段階で読める | やさしい版で話題をつかんでから、上の版で However や In fact の前後を探す |
| UEfAP | 論文の読み書きを学べるアカデミック英語の教材 | 論説文の構成や議論の組み立て方の解説を読み、土曜メニューで自分の5文の論説文を書く前の参考にする |
1本20分の読み方
- 第1段落の最後の文に線を引き、主張の候補にする
- 各段落の1文目を読み、段落の横に「理由」「例」「反論」と書く
- It is true that / Of course のあとの However に丸をつける
- 結論の段落で主張が言い換えられているか確かめ、3行で要約する
06論説文を読む手順と1週間メニュー
読む手順
- タイトルと第1段落を読み、話題と主張の候補を見つける
- 各段落の最初の文を読み、それぞれの段落の役割(理由・具体例・反論など)を予想する
- However、In fact、Therefore などの論理の目印に印をつけながら全体を読む
- 最終段落で主張を確認する
- 「主張+理由2つ」を日本語で3行にまとめる
1週間メニュー(1日20分)
- 月曜:論説文を1本読み、主張の文に線を引く
- 火曜:同じ文章の各段落に「理由」「例」「反論」などの役割をメモする
- 水曜:新しい論説文を読み、譲歩と逆接の目印に印をつける
- 木曜:水曜の文章を「主張+理由2つ」で3行に要約する
- 金曜:展開パターン①〜④のどれに当たるかを考えながら新しい文章を読む
- 土曜:読んだ論説文の型を借りて、自分で5文の論説文を書く
- 日曜:1週間分の要約を見直し、主張の見つけ方を振り返る
使い方:段落ごとの役割に注目して読むパラグラフリーディングの解説です。読む手順の2番目(各段落の役割を予想する)を、この動画のやり方で練習します。
07よくある失敗
最初の一般論を筆者の主張だと思う
特に通説否定型では、冒頭に書かれた考えは否定されるためにあります。However や In fact のあとを必ず確認しましょう。
具体例に時間をかけすぎる
具体例は主張を支えるためのものです。For example や such as のあとは、主張と理由がつかめていれば、軽めに読んでも大丈夫です。
型に当てはめることに必死になる
すべての論説文がきれいに型どおりではありません。型は「読むための地図」として使い、実際の文章の流れを優先しましょう。
読むだけで書かない
論説文の型は、ライティングでもそのまま使えます。英検やIELTSの意見論述は、まさに主張・理由・結論の型で書くものです。読んだ型を自分で書いてみると、読解でも型が見えやすくなります。
使い方:批判的思考のコツを紹介するアニメーションです。主張と理由のつながりを疑ってみる視点を学び、読んだ論説文の理由が主張を本当に支えているかを点検します。
08まとめ:「筆者は結局何が言いたいのか」を探そう
論説文の読み方をまとめます。
- 序論の最後と結論に主張が置かれることが多い
- 主張・理由型、問題・解決型、比較・対照型、通説否定型を知っておく
- 譲歩(It is true that …)のあとの逆接(However)に本音がある
今日は、手元の長文を1本選んで、筆者の主張の文に線を引くところから始めてみてください。
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よくある質問
主張が文章のどこにも1文で書かれていない場合は?
そういう文章もあります。その場合は、各段落の要点を集めて、全体として筆者が何を言いたいのかを自分の言葉でまとめてみましょう。結論部分の表現がヒントになることが多いです。
論説文の型は英検やIELTSのライティングにも使えますか?
使えます。主張・理由・具体例・結論という流れは、意見を述べるライティングの基本的な構成と共通しています。読んだ論説文から、つなぎ言葉や言い回しを借りるのもおすすめです。
説明文と論説文の見分け方は?
筆者の意見や評価(should、I believe、it is important to など)がはっきり出ているかが一つの目安です。説明文は情報を伝えることが中心で、筆者の立場があまり表に出ません。ただし、両方の性質をもつ文章もあります。
読了ボーナス


