🔍
🎲 授業アクティビティ集中学校高校📖 約10分

PREP スピーチ ― 結論→理由→例→結論の1分スピーチを、相手を替えて3回

Point(結論)、Reason(理由)、Example(例)、Point(もう一度結論)。この型に沿ってメモを作り、相手を替えて3回話すと、回を重ねるうちにメモに頼る回数や言いよどみを減らしやすくなります。

⏱ 時間
20-30分
🧰 準備
少し
👥 形態
ペア(相手を替えて3回)
🎯 技能
スピーキング
📶 CEFR
A2-B1
🛡️
このページのウラ取り 出典 5 件 ― 原田英語.comが集めて読んだ論文・専門書・公的資料。DOI・ISBN・公式ページは書誌データベースとも照合済み 原田英語.comと校閲担当が、主張と出典を1つずつ照合・AI(Codex)による独立チェック済み(2026-10-18) ウラ取りの仕組み →
PREP スピーチ ― 結論→理由→例→結論の1分スピーチを、相手を替えて3回のイメージ
💡ねらい
  • 意見を、結論・理由・例・結論の順に、論理の筋道がわかる形で話す。
  • 原稿を読み上げるのではなく、キーワードのメモから話す力を育てる。
  • 同じスピーチを相手を替えてくり返し、流暢さと話し方の工夫を伸ばす。

PREP スピーチってなに?

ひとことで言うと、Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(例)→ Point(もう一度結論)の順に話す型を使った、1分間の意見スピーチです。

🎈たとえるなら

サンドイッチです。結論という2枚のパンで、理由と例という具をはさみます。最初と最後に同じ結論があるので、聞き手が途中で少し迷っても、何の話だったかがわかります。最初に結論を言い、最後にもう一度言うのがこの型の大事な所です。

似た活動とのちがい

PREP スピーチ 原稿を読み上げるスピーチ パラグラフ・ライティング
準備 キーワードだけのメモ 全文の原稿 アウトライン → 文章
伝え方 話す(相手を替えて3回) 読み上げる 書く
型 結論 → 理由 → 例 → 結論 決まっていない 主題文 → 理由と例 → 結論

やり方を3ステップで

  1. メモを作る:お題を選び、P・R・E・P の欄にキーワードだけを書く(3分)。
  2. 話す:ペアで1人1分ずつ話し、聞き手は P と R をメモして質問を1つする。
  3. くり返す:相手を替えて3回。2回目は「止まらない」、3回目は「メモを伏せる」など、回ごとに目標を変える。

授業の流れ(分ごと)

時間 先生 生徒
0:00〜3:00 先生がモデルスピーチ(1分)。P・R・E・P のカードを指しながら 聞いて、4つのパートを当てる
3:00〜5:00 型と書き出し表現の確認 ワークシートの表を見る
5:00〜8:00 お題選びとメモ作り(キーワードのみ・3分) メモを書く
8:00〜11:00 Round 1:ペアで1分ずつ話す+聞き手の質問1つ 話す・聞いてメモ・質問
11:00〜14:00 Round 2:相手を替えて 改善点を意識して話す
14:00〜17:00 Round 3:相手を替えて、メモを伏せて メモなしに挑戦
17:00〜22:00 代表2〜3人が全体の前で/全体フィードバック 聞いて良い点を共有
22:00〜25:00 振り返り 記録表・チェックリスト
PREP スピーチ ― 結論→理由→例→結論の1分スピーチを、相手を替えて3回の教室の配置と動き方
🗺️ 教室の配置と動き方(イメージ)
👣手順
  1. モデルを見せる:先生が1分のスピーチをする。黒板に P・R・E・P のカードを貼り、話しながら該当するカードを指す。終わったら「理由は何だった?例は?」と聞き、型を意識させる。
  2. お題を選ぶ:素材のお題から1つ選ばせる(賛否が分かれるもの、自分の経験が例に使えるもの)。立場はどちらでもよい。
  3. メモ(3分):ワークシートの表にキーワードだけを書く。文で書いたら消して語にする、と最初に約束する。Example には「自分の体験」か「具体的な数字・事実」を入れる。
  4. Round 1:ペアで向かい合い、1人1分。聞き手はワークシートに相手の P と R を1語でメモし、話し終わったら質問を1つ(Why do you think so? / Can you give me another example?)。
  5. Round 2・3:相手を替える(列を1つずらす)。2回目は「止まった回数」を減らすことを、3回目は「メモを伏せて話す」ことを目標にする。
  6. 全体で共有:3回目が終わったら、数人に全体の前で話してもらう。先生は内容(理由と例が結論を支えているか)と話し方(目線・間)の良い点を1つずつ取り上げる。
  7. 振り返り:記録表に止まった回数・時間・次の改善点を書く。学校の端末で録音して提出させると、評価の資料にも使える。家で録音させる場合は、録音データの扱いを学校の決まりで確かめ、家に端末や通信環境がない生徒には校内で録音できる時間を用意する。
🗣️先生の英語(そのまま使える)
TListen to my speech. Watch which PREP card I point to as I speak.
TI think high school students should have part-time jobs. The main reason is that they can learn how to work with adults. For example, when I worked at a bakery, I learned how to talk politely to customers. So, I think part-time jobs are good for students.
TWhat was my point? What was my example?
SYour point was that high school students should have part-time jobs.
TRight. Now write your memo. Key words only, no sentences.
TRound 1. Speakers, you have one minute. Listeners, write their point and reason.
TAsk one question. "Can you give me another example?"
TChange partners. This time, try to keep going without long pauses.
TRound 3. Turn your memo over. You can do it!
TGreat job. Who wants to share with the class?
🏫そのまま使える素材

お題(中3〜高1)

  1. Which is better, summer or winter?
  2. Should students wear school uniforms?
  3. Is it better to read books on paper or on a screen?
  4. Should we have school on Saturdays?
  5. Which is better, living in a city or in the countryside?
  6. Should junior high school students have smartphones?
  7. Is it better to study alone or with friends?

お題(高1〜高2) 8. High school students should have part-time jobs. 9. Homework should be optional. 10. Japan should introduce a four-day school week. 11. Students should learn programming at school. 12. Plastic bags should be banned in all stores. 13. Every high school student should study abroad. 14. Online classes are as good as face-to-face classes. 15. Social media does more harm than good to teenagers. 16. AI will take away more jobs than it creates.

Example を強くする言い方

  • In my case, ...(自分の体験)
  • I read in the textbook that ...(読んだ情報)
  • My father told me that ...(身近な人の話)
  • Imagine you are ...(相手に想像させる)
🔁アレンジ
  • 小学校:PREP の P と R だけ。I like summer because I can swim. のように結論と理由を言い、ペアを替えて3回言う。
  • 中学:例(E)は省き、「P → R1 → R2 → P」の型にする。理由を2つ(First, ... Second, ...)言い、メモ表の E の欄には2つ目の理由のキーワードを書かせる。1分ではなく40秒から。
  • 高校:教科書の社会的な話題を読んだ後のアウトプットに。Example に本文の情報を使わせる(According to the text, ...)と、読んだことを活用して話す練習になる。2回目以降は反論を予想した一文(Some people may say ..., but ...)を加える。
  • 大人数クラス:教室を2列の向かい合わせにして、片方の列が1つずつずれる「回転すし方式」にすると、相手替えが素早くできる。
  • 苦手な生徒が多いクラス:メモ欄に書き出し表現をあらかじめ印刷し、キーワードを入れるだけにする。1回目はメモを見てよい。
  • オンライン・タブレット:1分スピーチを録画して提出。3回目の録画を1回目と比べる「ビフォー・アフター」を生徒自身に書かせる。
📊評価のポイント
  • 知識・技能:意見を述べる表現・理由や例を示す表現を使って、ある程度なめらかに話せる。
  • 思考・判断・表現:結論を理由と例が支えている(例が理由と合っている)。聞き手に伝わるように、構成を意識して話している。
  • 主体的に学習に取り組む態度:記録表をもとに自分の課題をつかみ、次の回の目標や話し方を調整しながら、粘り強く取り組もうとしている(記録表で見る)。この活動の記録は形成的な評価(次の指導に生かすもの)の資料にとどめ、評定は単元のほかの記録と合わせて判断する。
観点 A B C
構成 P・R・E・P がそろい、例が理由を具体的に支えている 4つのパートはあるが、例と理由のつながりが弱い 結論または理由が抜けている
流暢さ メモをほぼ見ず、長い沈黙なく1分話せる メモを見ながら1分近く話せる 途中で止まり、30秒未満で終わる
伝え方 聞き手を見て、区切りや強調を工夫している 聞き手を見ようとしている 下を向いたまま話している

パフォーマンステストに使う場合は、お題を当日くじで決め、準備時間を2分にすると「その場で構成する力」も見られます。

⚠️よくあるつまずきと対処
  • メモに文を全部書いて、読むだけになる → 「メモは1行に3語まで」と数で制限する。3回目はメモを伏せるので、文で書いても役に立たないことに自分で気づきます。
  • 理由と例がずれる(理由は健康、例は友だちの話) → 聞き手に「例は理由を具体的に説明していた?」と質問させる。全体共有で、ずれた例とぴったりの例を比べて見せる。
  • 1回目で燃え尽き、2・3回目が雑になる → 各回の目標を変える(2回目=止まらない、3回目=メモなし)。同じ話だからこそ、違う点に挑戦できると伝える。
  • 立場が決められない → 「本当の意見でなくてよい。話しやすい方を選ぶ」と伝える。ディベートの準備練習にもなる。
  • 聞き手が退屈そう → 聞き手に「P と R のメモ」と「質問1つ」の仕事を必ず与える。聞くことも評価の対象だと伝える。
🔬なぜ効く?

高校の「論理・表現Ⅰ」では、スピーチやプレゼンテーションなどを通して、論理の構成や展開を工夫して話して伝えることが目標とされ、学習指導要領の解説には、意見を整理する→理由や根拠を考えてアウトラインを作る→モデルから表現を学ぶ→メモを準備する→練習する、という段階的な手順の例が示されています。また、事前に書いた原稿をそのまま読み上げるだけに終始しないことが重要だとされています 1。PREP の型とキーワードのメモは、この手順を1時間の授業の中で最後までできる形にしたものです。

研究の裏づけもあります。話す前の準備(プランニング)の研究をまとめたメタ分析は、準備が、その後の発話にはっきりした効果をもつと結論しています。ただし、効果の大きさは、文の複雑さ・正確さ・流暢さなど、どの指標で見るかによって異なります 2。これは準備したその課題での話し方への効果で、長く続く話す力の伸びを直接示したものではありません。準備の種類を整理した総説では、どの準備も流暢さにはプラスで、文の複雑さや正確さへの効果は条件しだいとされています 3。くり返しについては、日本の大学生(英語学習者)32人が、聞き手を毎回替えながら同じ話すタスクを続けて6回くり返した研究で、その場での話す速さの伸びは最初の3回が最も大きく、5回目まで続きました。意見を述べるタスクも含め、タスクの種類や習熟度にかかわらず流暢さが伸びていました 4。

「同じ話を3回もさせたら飽きるのでは?」と思いがちですが、3回目ごろには言葉を探す負担が減り、内容や話し方にも注意を向けやすくなると考えられます(研究で測ったのは話す速さや間の取り方で、注意の向け方そのものではありません)。ただし、時間を短くしながらくり返す方法では、前の回の言い回しをそのまま再利用することが多く、流暢さは伸びても正確さは伸びにくかったという報告もあります 5。正確さも高めたいときは、録音を聞き直して1か所直す、といった段階を加えましょう。

❓ よくある質問

Q. PREP法の英語スピーチとは、どんな活動ですか?

意見を Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(例)→ Point(結論)の順に述べる型で話す活動です。キーワードだけのメモを作り、ペアで1人1分ずつ、相手を替えて3回話します。聞き手は相手の P と R をメモし、質問を1つします。

Q. 同じスピーチを3回もくり返すと、飽きませんか?

各回の目標を変えます(2回目=止まらない、3回目=メモを伏せる)。日本人の大学生32人が同じ話すタスクを続けて6回くり返した研究では、その場での話す速さの伸びは最初の3回が最も大きく、5回目まで続きました 4。

Q. 原稿を書かせて読ませてはいけないのですか?

高校の学習指導要領の解説も、事前に書いた原稿をそのまま読み上げるだけに終始しないことが重要だとしています 1。メモは「1行に3語まで」と数で制限し、3回目はメモを伏せて話させます。

Q. 話す前の準備時間は必要ですか?

話す前の準備(プランニング)の研究をまとめたメタ分析は、準備が、その後の発話にはっきりした効果をもつと結論しています(効果の大きさは、文の複雑さ・正確さ・流暢さなど指標によって異なります)2。準備の種類を整理した総説では、どの準備も流暢さにはプラスで、文の複雑さや正確さへの効果は条件しだいとされています 3。

Q. 中学生にも PREP のスピーチはできますか?

例(E)は省いて「P → R1 → R2 → P」の型にし、理由を2つ(First, ... Second, ...)言わせて、40秒から始めます。苦手な生徒が多いクラスでは、メモ欄に書き出し表現を印刷しておき、キーワードを入れるだけにします。

🎁 玉手箱で使えるツール

原田英語の「英語の先生の玉手箱」の無料ツール。登録なしで授業にそのまま使えます。

📑 出典(5件)

本文の上付き数字に対応。✔ は DOI / ISBN / 公式ページを書誌データベースと機械照合した印です。

  1. 文部科学省 (2018). 高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編 公式ページ ✔ リンク確認済高校の科目構成(英語コミュニケーションⅠ〜Ⅲ・論理・表現Ⅰ〜Ⅲ)、「支援」の考え方、語数、授業は英語での趣旨を説明した公式の解説
  2. Johnson, M. D., & Abdi Tabari, M. (2022). Task planning and oral L2 production: A research synthesis and meta-analysis. Applied Linguistics, 43(6), 1143-1164. doi:10.1093/applin/amac026 ✔ DOI照合済話す前の準備(プランニング)の効果をまとめた研究統合とメタ分析
  3. Ellis, R. (2009). The differential effects of three types of task planning on the fluency, complexity, and accuracy in L2 oral production. Applied Linguistics, 30(4), 474-509. doi:10.1093/applin/amp042 ✔ DOI照合済リハーサル・事前の準備・話しながらの準備の3種類の研究をまとめた総説。どれも流暢さにはプラス、複雑さ・正確さは条件しだい
  4. Lambert, C., Kormos, J., & Minn, D. (2017). Task repetition and second language speech processing. Studies in Second Language Acquisition, 39(1), 167-196. doi:10.1017/S0272263116000085 ✔ DOI照合済日本人英語学習者32人が3種類の話すタスクを6回ずつくり返した研究。話す速さの伸びは最初の3回が最大で、5回目まで続いた
  5. Boers, F. (2014). A reappraisal of the 4/3/2 activity. RELC Journal, 45(3), 221-235. doi:10.1177/0033688214546964 ✔ DOI照合済同じ話を4分・3分・2分でくり返す 4/3/2 活動で、流暢さは伸びるが正確さは伸びにくいことを示した研究

最終更新 2026-10-18 ・ 原田英語 まちがいのご指摘はこちら