Line-up(英語で並びかえ)― 誕生日順・起きた時刻順に、英語だけで聞き合って1列に並ぶ
「When is your birthday?」「My birthday is May 3rd.」。しゃべらずに見せ合うのは禁止。ルール上、英語で聞き合って並ぶので、日付・時刻・数字の表現を使う必要が生まれます。
- ⏱ 時間
- 5-10分
- 🧰 準備
- なし
- 👥 形態
- 全体(立ち歩き)または班
- 🎯 技能
- 帯活動・やり取り・スピーキング・リスニング
- 📶 CEFR
- A1-A2

- 日付(序数)・時刻・数字などの表現を、並ぶという目的のために何度も聞いて言う。
- 聞き取れなかったときに「Sorry?」「Fifteen or fifty?」と確認する習慣をつける。
- 学級開きや帯活動で、クラス全員が短時間で言葉を交わす。
Line-up ってなに?
ひとことで言うと、「誕生日の順」「今朝起きた時刻の順」などのお題で、英語だけで聞き合い、クラスや班で1列に並ぶ活動です。
「声だけで並ぶ背の順」です。体育の背の順は見ればわかりますが、Line-up は見せ合いが禁止なので、口で聞いて、口で伝えるしかありません。大事なのは「見せずに言う」というルール。これがあるから、日付や数字の英語を使う必要が生まれます。
英語の日付は、中学生が混乱しやすいところです(May third か May three か)。Line-up では、相手の誕生日を正しく聞き取らないと自分の位置が決めにくいので、日付を聞き取り、伝える必要が生まれます。数字の聞き分け(fifteen / fifty)も、ここで問題になります。
Find Someone Who とのちがい
| Find Someone Who | Line-up | |
|---|---|---|
| ゴール | 当てはまる人を見つけて名前を書く | 全員で正しい順に並ぶ |
| 主に使う英語 | Do you ...? などの疑問文 | 日付・時刻・数字と、確認の言い方(Sorry? / Fifth or fifteenth?) |
| 動き方 | 歩き回って、次々に聞く | 近くの人と聞き合い、前後に場所を入れかわる |
やり方を3ステップで
- 確認する:日付・序数・確認の言い方を全体で練習し、列の端と端を決める。
- 聞き合って並ぶ:英語だけで聞き合い、自分より前か後ろかを判断して並ぶ(4分)。
- 答え合わせ:端から順に1人ずつ My birthday is ... と言い、まちがっていたらその場で入れかわる。
授業の流れ(分ごと)
| 時間 | 活動 | 先生の動き |
|---|---|---|
| 0:00〜2:00 | 表現の確認(日付・序数・確認の言い方) | 先生の誕生日で実演、序数を板書 |
| 2:00〜3:00 | ルール説明・並ぶ場所の指示 | 「1月1日はドア側、12月31日は窓側」 |
| 3:00〜7:00 | 英語で聞き合って並ぶ(4分) | 日本語や見せ合いが出たら止める |
| 7:00〜9:00 | 端から順に言って答え合わせ | 1人ずつ「My birthday is …」と言わせる |
| 9:00〜10:00 | 前後の人の答えをメモ・振り返り | 序数のまちがいを全体で確認 |

- 表現の確認(2分):「When is your birthday?」「It's May 3rd.」を全体で練習。1st / 2nd / 3rd / 20th / 21st の序数を板書して、リズムよく言う。
- 並ぶ場所を決める:教室の後ろ(または廊下)に、端と端を指定する。「January 1st is here. December 31st is there.」
- ルール:①英語だけ ②日付や数字そのものを紙・指・スマホで見せるのは禁止 ③少なくとも3人に自分から聞き、自分の答えも言う ④並べたら座らずに待つ。
- 聞き合って並ぶ(4分):生徒は近くの人と聞き合い、自分より前か後ろかを判断して位置を変える。「Your birthday comes before mine.」「Let's change places.」
- 答え合わせ:端から順に1人ずつ「My birthday is …」と言う。順番がまちがっていたら、その場で入れかわる(同じ日付の人どうしは、どちらが先でもよい)。クラス全員で答えを聞くので、日付のリスニングにもなる。
- メモ:列にいる間に前後の人の答えをもう一度聞いてワークシートに書き(答え合わせが終わったので、ここでは書いてよい)、席に戻る。
- くり返し:別の授業で、起きた時刻・通学時間・好きな数字など、お題を変えて行う。並んだ順でそのままペア(端から2人ずつ。1人余ったら3人組)やグループを作ると、ふだんとちがう組み合わせの班分けにも使える。
お題(やさしい順)
- Birthday(誕生日):When is your birthday?
- Time you got up today:What time did you get up this morning?
- Time you went to bed:What time did you go to bed last night?
- Minutes from home to school:How long does it take from your home to school?
- A number on your card(配られた数字カードの小さい順):What's your number?(家庭のことにふれないお題として使いやすい)
- Shoe size:What's your shoe size?
- First letter of your first name(ABC 順):How do you spell your name?
- Favorite number:What's your favorite number?
- Number of books you read this year
- How many hours you sleep
- Animal cards(体高を書いた動物カードを配り、低い順に:How tall is your animal?)
- Year of a famous event(年号カードを配って古い順に:中3・高校の歴史題材)
- Words on cards(配られた単語カードを ABC 順に)
- Sentences of a story(1文ずつ配られた物語の文を、話の順に並ぶ:高校向け)
- Opinion line(「とても賛成〜とても反対」の度合いで並ぶ:意見の活動への橋渡し)
確認の言い方:Sorry? / One more time, please. / Fifteen or fifty? / Do you go before or after me? / Let's change places.
- 小学校:誕生月だけ(January, February …)で並ぶ。月の歌を歌ってから始めると、月の名前を思い出しやすい。
- 中学:中1は誕生日、中2は過去形(What time did you …?)、中3は比較(裏向きに配った数字カードで Is your number larger than mine?)など、単元の文法に合わせる。
- 高校:物語の文を1文ずつ配り、読み上げ合って話の順に並ぶ「人間ストリップ・ストーリー」にすると、談話のつながりを考える活動になる。
- 大人数クラス:40人で1列は時間がかかるので、10人×4班で並び、どの班が早く正確に並べるかを競う。
- 苦手な生徒が多いクラス:使う文を2つ(When is your birthday? / It's …)だけにして、カードを見ながら言ってよいことにする。
- オンライン・タブレット:共有スライドに名前の付箋を置き、音声で聞き合いながら付箋を動かして並べる。
帯活動・学級開きの活動なので、記録に残す評価ではなく、日付・数字の表現や確認のしかたの定着を見る「指導に生かす評価」に使います。
| 観点 | 見るところ | A(十分満足) | B(おおむね満足) | C への手立て |
|---|---|---|---|---|
| 知識・技能 | 日付(序数)・時刻・数字の言い方 | 序数を正しく使い、すらすら言える | 少し迷いながらも言える | 序数表を見ながら言わせる |
| 思考・判断・表現 | 順番を決めるための伝え合い | 順番を決めるために、相手の情報と自分の情報を比べ、必要に応じて確認しながら伝え合っている | 相手の情報を聞き、前か後ろかを判断して伝えられる | 「Sorry?」だけでも言えたらほめる |
| 主体的に学習に取り組む態度 | 伝わらないときに工夫して伝え直そうとする | 聞き取れないとき、言い方を変えたり数字を1けたずつ言ったりして確かめ直す。振り返りで決めた工夫を次の回で試す | 聞き返されたら、もう一度言い直す | 先生がとなりで一緒に聞き、確かめ方の見本を見せる |
- 紙や指で見せ合ってしまう→ 最初に「日付や数字そのものを見せたらやり直し」とルール化する(身ぶりで気持ちを伝えるのはかまわない。支援が必要な生徒には、先生が認めた手段を使ってよいことにする)。
- 数人だけが仕切り、ほかは黙って並ばされる→ 並ぶ途中で「少なくとも3人に自分から質問し、自分の情報も伝える」をルールにする(最初に全員が隣の人と1回ずつ交換してから並び始めてもよい)。先生は途中のやり取りを見て回り、話していない生徒の近くで一緒に聞く。最後の答え合わせで全員が自分の情報を言うことも予告しておく。
- 日付の序数が言えない→ 始める前に1st〜31st を全体でリズムよく1回言う。並んだあとで、まちがいの多かった日付をもう一度確認する。
- プライバシーへの配慮が必要なお題(体重・家族構成・家庭の持ち物など)→ 使わない。誕生日も、言いたくない生徒は「好きな日付」を答えてよい、と全員に同じ形で伝えておく(その子だけ目立たないようにする)。
- 時間がかかりすぎる→ 班ごとに並ぶ形にする。4分で打ち切り、答え合わせで直せばよいと伝える。
タスクの種類と学習者の話し方の関係を調べた古典的な研究では、参加者が情報を交換しないと課題が終わらない「情報交換が必須」のタスクで、聞き返しや確認などの会話の調整が多く起きました。また、先生が前に立つ一斉授業よりも、グループやペアの方が会話の調整が多くなりました 1。Line-up は、自分の情報を伝え、近くの人の情報を聞かないと正しい位置が決まりにくい活動で、この「情報交換が必須」の考え方を取り入れています(ただし Line-up そのものを調べた研究ではありません)。一部の生徒が情報を集めて仕切れば並べてしまうので、「少なくとも3人に自分から聞き、自分の答えも言う」を参加の条件にしておくと、全員の情報交換が必要な形に近づきます。なお、この研究が調べたのは会話の調整がどれだけ起きるかで、Line-up で日付や数字の表現が身につくかどうか(学習効果)を直接確かめたものではありません。
一方で、実際の教室を観察した研究では、情報交換のタスクでも意味のやり取り(聞き返し・言い直し)は思ったほど起きず、小グループでは一言も話さない生徒も多く、ペアでも小グループでも意味のやり取りを自分から始めない生徒が多く、うまくいった結果は一部の生徒に支えられていたと報告されています 2。Line-up でも、仕切る生徒だけが話して終わる危険があります。答え合わせで全員に自分の答えを言わせる、班を小さくする、といった工夫で、全員が話す場面をつくることが大切です。
❓ よくある質問
Q. Line-up のルールは?
①英語だけ ②日付や数字そのものを紙・指・スマホで見せるのは禁止 ③少なくとも3人に自分から質問し、自分の情報も伝える ④並べたら座らずに待つ、の4つです。最初に「January 1st is here. December 31st is there.」と端と端を指定します。並ぶ時間は4分で打ち切り、端から順に「My birthday is …」と言わせて答え合わせします。
Q. 誕生日以外には、どんなお題がありますか?
起きた時刻・通学時間・好きな数字・配った数字カードなど、お題を変えてくり返せます。体重・家族構成などプライバシーへの配慮が必要なお題は使いません。誕生日も、言いたくない生徒は「好きな日付」を答えてよいと全員に伝えておきます。
Q. 数人だけが仕切って、ほかの生徒が黙って並ばされるときは?
並ぶ途中で「少なくとも3人に自分から質問し、自分の情報も伝える」をルールにし、先生は途中のやり取りを見て回ります。最後の答え合わせで全員が自分の情報を言うことも予告しておきます。教室の観察研究でも、小グループでは一言も話さない生徒が多く、ペアでも小グループでも意味のやり取りを自分から始めない生徒が多かったと報告されています 2。班ごとに並ぶ形にするのも有効です。
Q. 日付の序数が言えない生徒が多いときは?
始める前に 1st〜31st を全体でリズムよく1回言います。1st / 2nd / 3rd / 20th / 21st は板書しておきます。並んだあとで、まちがいの多かった日付をもう一度全体で確認します。
🎁 玉手箱で使えるツール
原田英語の「英語の先生の玉手箱」の無料ツール。登録なしで授業にそのまま使えます。
📑 出典(2件)
本文の上付き数字に対応。✔ は DOI / ISBN / 公式ページを書誌データベースと機械照合した印です。
- Doughty, C., & Pica, T. (1986). "Information gap" tasks: Do they facilitate second language acquisition?. TESOL Quarterly, 20(2), 305-325. doi:10.2307/3586546 ✔ DOI照合済情報交換が「必須」のタスクほど、聞き返し・言い直しなどの会話の調整が多く起きることを示した古典的研究
- Foster, P. (1998). A classroom perspective on the negotiation of meaning. Applied Linguistics, 19(1), 1-23. doi:10.1093/applin/19.1.1 ✔ DOI照合済実際の教室では意味交渉がほとんど起きず、話さない生徒も多かったと報告した観察研究
最終更新 2026-10-18 ・ 原田英語 まちがいのご指摘はこちら






