Find Someone Who ― 歩き回って同じ質問を何度も言う「ビンゴ型」インタビュー
「〜な人を探せ」のリストを持って教室を歩き回り、Yes と答えた人の名前を書く。同じ疑問文の型を、内容を変えながら何度も使うことになる文法練習の定番です。
- ⏱ 時間
- 12-18分
- 🧰 準備
- 少し
- 👥 形態
- 全体(立ち歩き)
- 🎯 技能
- やり取り・文法・スピーキング
- 📶 CEFR
- A1-A2

- 単元の文法(Do you ...? / Can you ...? / Have you ever ...? など)を、本当に知りたい情報を集めるために何度も使う。
- 普段あまり話さないクラスメートとも話すきっかけをつくる。
Find Someone Who ってなに?
ひとことで言うと、「〜したことがある人」「〜が好きな人」などが書かれたリストを持って教室を歩き回り、英語で質問して、当てはまる人を見つけて名前を書いてもらう活動です。
スタンプラリーのようなものです。ただし、スタンプの代わりに「Yes, I have.」と答えてくれた人のサインを集めます。いろいろな人のところへ行くたびに同じ形の質問を言うので、質問の型を、本当に知りたいことを聞くために何度も使うことになります。さらに Yes の人には「When?」などと1つ質問を足すので、決まった文のくり返しだけで終わりません。
文法ドリルや一斉の質問とのちがい
| 文法ドリル(くり返し練習) | 先生が1人ずつ当てる質問 | Find Someone Who | |
|---|---|---|---|
| 聞く理由 | 練習のため(答えは決まっている) | 先生が確かめるため | 本当に知りたいから(答えは相手しだい) |
| 一人が話す量 | 全員で声を出すが、内容は同じ | 当たった生徒だけ | 全員が同時に、何人もの相手に質問する |
| 広がり | なし | 先生しだい | Yes なら追加の質問、最後に三人称で報告 |
やり方を3ステップで
- 練習する:リストの質問の形(Have you ever ...? など)を全員で声に出して確認する。
- 歩いて聞く:1人につきリストの質問は1問だけ聞き、Yes の人には名前を書いてもらい、追加で1つ質問してメモする。
- 報告する:席に戻り、見つけた1人のことを三人称で2文にまとめて発表する。
授業の流れ(分ごと)
| 時間 | 活動 | 先生のポイント |
|---|---|---|
| 0:00〜3:00 | 質問の形を全員で練習 | 表の Question 欄を一緒に埋める |
| 3:00〜4:00 | ルール確認・モデル | 先生と生徒で1回やって見せる |
| 4:00〜12:00 | 立ち歩きインタビュー | リストの質問は1人1問、Yes なら追加質問を1つ。聞き取れなければ聞き返す |
| 12:00〜13:00 | 着席・レポート文を書く | 1人を選んで2文(経験+追加質問の答え) |
| 13:00〜16:00 | 報告 | 三人称で発表させる |

- リストを配る:8〜12マス。例「Find someone who ... has been to Okinawa / has climbed a mountain」。
- 質問の形を全員で言う(3分):表の Question 欄を全員で埋めながら、Have you ever ...? / Yes, I have. / No, I haven't. を声に出す。
- ルールを確認(1分):①1人につき、リストから聞く質問は1問だけ ②Yes の人の名前を書いてもらう ③Yes だったら、その内容について追加の質問を1つしてメモ(When? / Who with? など) ④聞き取れない・意味がわからないときは Sorry? / What do you mean? / Do you mean ...? で確かめる。先生と代表生徒でモデルを見せる。
- 立ち歩き(7〜8分):机は動かさず、通路を使う。全マス埋まったら席に戻ってレポート文を書く(時間内に全部埋まらなくてもよい)。
- 報告(3分):何人かに当てて、"Ken has been to Okinawa. He went there last summer." "Yuki has made a cake. She made it for her mother's birthday." のように、経験と追加質問の答えの2文を三人称で言わせる。
中1(Do you ...? / Can you ...?)
- likes natto. — Do you like natto?
- plays a musical instrument. — Do you play ...?
- can swim 100 meters. — Can you swim 100 meters?
- can cook curry. — Can you cook curry?
中2(過去形・未来) 5. got up before six this morning. — Did you get up before six? 6. watched a movie last weekend. — Did you watch ...? 7. is going to study tonight. — Are you going to study tonight?
中3〜高1(現在完了・経験) 8. has been to a foreign country. — Have you ever been to ...? 9. has seen a shooting star. — Have you ever seen ...? 10. has read a book in English.
高校(意見・希望) 11. thinks school uniforms are necessary. — Do you think ...? Why? 12. would like to live abroad in the future. — Would you like to ...?
- 小学校:「Find a friend who likes ...」を絵カード8枚で。名前の代わりにサインをもらう形にすると盛り上がる。
- 中学:単元の文法ごとに作れる(can、過去形、現在完了、比較など)。最後の報告を三人称単数の練習にする。
- 高校:意見の項目を入れ、Yes の相手に Why? と聞いて理由をメモする。結果をグラフにして短い報告文を書く。
- 大人数クラス:40人が一斉に立つと騒がしくなるので、班ごとに時間差で立つ、または「班の中だけ→隣の班まで」と範囲を区切る。
- 苦手な生徒が多いクラス:表の Question 欄を最初から印刷しておき、読み上げるだけで聞けるようにする。マスを6つに減らし、追加質問は When? だけでよい。
- オンライン・タブレット:共有スプレッドシートに全員が自分の答えを入れておき、ブレイクアウトルームで「表を見ずに」質問し合う。
- 知識・技能:疑問文(例:Have you ever + 過去分詞)と答え方を正しく使えているか。報告で三人称の形を使えているか。
- 思考・判断・表現:Yes の答えに対して、内容に合った追加の質問をしているか。報告で相手のことを聞き手にわかるように伝えているか。
- 主体的に学習に取り組む態度:質問が通じなかったときに、言い直したり例文を見たりして、方法を変えながら英語で聞き出そうとしているか。ふりかえりで、次に使いたい追加質問を決めているか。だれに話しかけたかなどの行動だけでは判断せず、記録に残すなら振り返りなどと合わせて単元を通して見ます(この観点は、粘り強い取組の中で自分の学習を調整しようとしているかを含めて見るものです 1)。
| 観点 | A | B | C |
|---|---|---|---|
| 疑問文 | どのマスも正しい形で質問できる | 一部でまちがいがあるが通じる | 質問の形にならない |
| 追加の質問 | 内容に合った追加質問をして答えをメモ | 決まった追加質問だけ | 追加質問をしない |
| 報告 | 三人称で2文(経験+追加質問の答え)を正しく伝える | 1文で伝える | 報告できない |
- 日本語で「沖縄行ったことある?」と済ませていたら → 「質問は英語、名前は本人に書いてもらう」と約束し、英語で聞かれたらサインする決まりにする。
- 名前集めの競争になって Yes/No だけで次へ行くなら → 「Yes なら追加の質問」をルールにし、報告でその中身を聞く。
- 同じ友だちにばかり聞いていたら → 「リストの質問は1人1問」「同じ班の人は2人まで」などで、話す相手を広げる。
- 全員が No で埋まらないマスが出たら → 「5人に聞いて誰も Yes がいなかったら、そのマスには No one と書いて次のマスへ進んでよい」と最初に伝えておく(時間内に全部埋まらなくてもよい)。お題はクラスの実態に合わせて、Yes の人が何人かいそうなものを選ぶ。
- 話しかけられずに立ち止まる生徒には → 先生が一緒に最初の1人に話しかけ、2人目からは自分で行かせる。
大人の ESL 学習者34人を対象にした実験では、タスクを通したやり取りが疑問文の発達を助けること、そしてやり取りを見ているだけでなく、実際に参加することが大切であることが示されました 2。ここでいう「やり取り」は、相手とのタスクの中で、通じないときに聞き返したり言い直したりする意味のやり取りのことです。Find Someone Who そのものを調べた研究ではなく、決まった Yes/No の質問をくり返すだけでは、研究で扱われたやり取りと同じにはなりません。Yes のあとの追加の質問は会話を広げる工夫ですが、それ自体が意味のやり取りになるわけではありません。そこでこの活動では、聞き取れない・意味がわからないときに Sorry? / What do you mean? / Do you mean ...? で確かめるルールも入れて、相手に合わせて言い直したり確かめたりする場面が生まれるようにしています。研究とは、対象(大人の ESL 学習者)も、相手も、タスクもちがう点に注意してください。
また、学習者どうしの会話は、タスクの組み立てに気を配れば、先生主導の一斉の「足並みそろえ型」授業に代わる有力な選択肢になると論じられてきました 3。先生が1人ずつ当てる形では一人あたりの発話はわずかですが、この活動なら40人学級でも、全員が同時並行で、リストのマスの数(8〜12)を上限に、何度も質問する機会を得られます。
❓ よくある質問
Q. Find Someone Who のルールは?
①1人につき、リストから聞く質問は1問だけ ②Yes の人には名前を本人に書いてもらう ③Yes だったら、その内容について追加の質問を1つしてメモする(When? / Who with? など)、の3つです。聞き取れないときは Sorry? / What do you mean? で確かめます。リストは8〜12マスにし、先生と代表の生徒でモデルを見せてから始めます。
Q. 日本語で聞いて済ませてしまう生徒がいたら?
「質問は英語、名前は本人に書いてもらう」と約束し、英語で聞かれたらサインする決まりにします。名前集めの競争になって Yes/No だけで次へ行くなら、Yes なら追加の質問をするルールにして、報告でその中身を聞きます。
Q. 全員が No で、埋まらないマスが出たら?
「5人に聞いて誰も Yes がいなかったら、そのマスには No one と書いて次のマスへ進んでよい」と最初に伝えておきます(時間内に全部埋まらなくてもかまいません)。お題はクラスの実態に合わせて、Yes の人が何人かいそうなものを選びます。同じ友だちにばかり聞くなら「同じ班の人は2人まで」などで、話す相手を広げます。
Q. Find Someone Who はなぜ文法の練習になるのですか?
大人の学習者の実験で、聞き返しや言い直しをともなうやり取りのタスクに実際に参加することが、疑問文の発達を助けると示されました 2。この活動そのものの研究ではないので、Yes のあとに追加の質問をするなど、決まった文のくり返しで終わらせない工夫をします。40人学級でも全員が同時並行で、マスの数を上限に何度も質問できます。
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📑 出典(3件)
本文の上付き数字に対応。✔ は DOI / ISBN / 公式ページを書誌データベースと機械照合した印です。
- 文部科学省 (2019). 小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知) 公式ページ ✔ リンク確認済観点別学習状況の評価を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に整理した文科省の通知(2019年)
- Mackey, A. (1999). Input, interaction, and second language development: An empirical study of question formation in ESL. Studies in Second Language Acquisition, 21(4), 557-587. doi:10.1017/S0272263199004027 ✔ DOI照合済やり取り(インタラクション)が疑問文の発達を助けるかを調べた実験。自分からやり取りに参加することの大切さを示した
- Long, M. H., & Porter, P. A. (1985). Group work, interlanguage talk, and second language acquisition. TESOL Quarterly, 19(2), 207-228. doi:10.2307/3586827 ✔ DOI照合済学習者どうしのグループワークを、第二言語習得研究の立場から支持した古典的論文
最終更新 2026-10-18 ・ 原田英語 まちがいのご指摘はこちら






