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🧒 子どもの英語特集

子どもの英語、早いほどいい?

「英語は早く始めるほどいい」「臨界期を過ぎたら手遅れ」「バイリンガルは頭がよくなる」。子どもの英語でよく聞く“常識”を、論文をもとに確かめました。

1「何歳から」より「どれだけ」

週に数時間の授業だけなら、早く始めた子がはっきり有利とは言えない、という研究が多くあります。始める年齢と同じくらい、英語にふれる量と続け方が大事です。

2小さい子ほど「画面」より「人」

赤ちゃんの研究では、外国語の音の聞き分けは、映像を見せるだけでは育たず、目の前の人とのやりとりの中で育ちました。

3あせらなくて大丈夫

年齢の影響が大きいのは「ネイティブと見分けがつかないか」という高い基準の話。大人になってからでも、英語で伝え合う力は身につけられます。子どもが英語を嫌いにならないことが、いちばんの土台です。

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英語は早く始めるほどいい(幼児・小学校に入る前から)のイラスト1

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英語は早く始めるほどいい(幼児・小学校に入る前から)

8歳で始めた子と11歳で始めた子。同じ授業時間なら、速く伸びたのは11歳だった。

💡 家庭でできること:始める年齢を急ぐより、英語にふれる量を少しずつ増やし、楽しく長く続けることを大事にしましょう。年齢が上がってからの学びにも、ちゃんと伸びしろがあります。

🔬 研究ではどうだった?

英語の国で暮らす場合は、早く始めた人ほどネイティブに近づきやすいことがわかっています。ところが、週に数時間の授業だけで学ぶ場合は話が違います。外国語として学ぶ環境の研究42本をまとめた Huang(2016)は、早く始めた子が有利だという確かな証拠はないと結論しました。環境によって答えが変わるため「部分的」としました。

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「臨界期」を過ぎたら英語は手遅れのイラスト2

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「臨界期」を過ぎたら英語は手遅れ

67万人のデータで、文法を学ぶ速さが落ち始めたのは17.4歳ごろ。思われていたより、ずっと遅かった。

💡 家庭でできること:年齢をあきらめる理由にせず、目標を「伝わる英語」に置きましょう。大人は、ルールを理解して効率よく学ぶ力では子どもに負けていません。

🔬 研究ではどうだった?

約67万人の文法クイズを分析した Hartshorne ほか(2018)では、文法を学ぶ速さが下がり始めるのは17.4歳ごろでした。ネイティブそっくりになるには10〜12歳までに始める必要がある、とも推定しています。ただ、それは「文法でネイティブ並み」のレベルの話です。大人になってから英語が身につかないという意味ではないため「根拠薄い」としました。

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バイリンガルに育てると頭がよくなるのイラスト3

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バイリンガルに育てると頭がよくなる

“バイリンガルは頭がいい”。4,500人の子どもで確かめたら、差はほぼ消えた。

💡 家庭でできること:英語を学ぶ理由は「頭がよくなるから」ではなく「英語で話せる人や読めるものが増えるから」で十分です。目的がはっきりしていると、親も子も長続きします。

🔬 研究ではどうだった?

18歳以下の子どもを調べた研究をまとめた Gunnerud ほか(2020)では、バイリンガルの子の「頭の切り替え・集中の力」の有利さは、あってもごくわずか(g=0.06)でした。しかも、有利な結果ほど論文になりやすい偏りの影響が見られました。米国の9〜10歳4,524人を調べた研究でも、家庭の条件をそろえるとほぼ差はありませんでした。「頭がよくなる」とまでは言えないため「根拠薄い」としました。

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早くから英語をやると日本語があやしくなる

授業の大半がフランス語のカナダの子でも、母語の遅れは一時的だった。

💡 家庭でできること:英語のために日本語の時間を削る必要はありません。日本語の会話と読書をしっかり続けながら、英語を少しずつ足していくのがおすすめです。

🔬 研究ではどうだった?

4歳から週1〜3時間の英語を受けたオランダの子どもでは、母語のオランダ語の発達に影響は見られず、大多数が年齢相応でした(Goorhuis-Brouwer & de Bot, 2010)。週に数時間の習い事くらいの英語で母語が損なわれた、という研究は見当たりません。日本の家庭で確かめた研究もまだありませんが、心配を裏づける根拠は乏しいため「根拠薄い」としました。

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字幕つきの英語番組・ゲームで育つ(オランダ・ベルギー・北欧)

英語の授業はまだゼロ。なのに4人に1人が、聞き取りでA2レベルだった。

💡 家庭でできること:英語の番組は「流しておく」より、子どもが好きで夢中になれるものを選び、セリフをまねしたり、英語で話す機会と組み合わせたりするのがおすすめです。

🔬 研究ではどうだった?

英語の授業を受ける前のベルギーの10〜12歳780人では、聞き取りで約4人に1人が、ヨーロッパの基準(CEFR)でA2相当(簡単な日常の英語がわかるレベル)の力を持っていました。英語のメディアにふれる子ほど英語ができる、という関係は、くり返し報告されています。ただ、どれも「片方が多いと、もう片方も多い」という関係(相関)を調べた研究で、原因かどうかはわかりません。しかも字幕つきテレビとの関係は弱かったため「部分的」としました。

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英語の絵本を読み聞かせるのイラスト6

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英語の絵本を読み聞かせる

くり返し読むだけなら12%。単語の説明を足すと22%。覚えた単語がここまで変わった。

💡 家庭でできること:読むだけで終わらせず、絵を指さして単語を説明したり、「これは何?」と問いかけたりしましょう。くり返し読んで、子どもが言える部分をふやしていくのがコツです。

🔬 研究ではどうだった?

英語圏で英語を学ぶ幼児の研究では、読み聞かせに単語の説明を加えると、ただ読むより難しい単語をよく覚えました(Collins, 2010)。一方、日本の英語イマージョン幼稚園の26人や、香港の幼稚園児51人の小さな研究では、はっきりした効果は出ていません。英語にふれる量が少ない日本の家庭での証拠はまだ乏しいため「部分的」としました。

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日本人の親が家で英語で話しかける

英語は“聞いた量”で伸びる。量が同じなら、いろんな人から聞く子のほうが語彙が多かった。

💡 家庭でできること:親が無理に全部を英語にするより、絵本の読み聞かせや歌など「型」がある場面で英語を使うほうが続けやすく、言葉の種類も豊かになりやすいはずです。英語を話す人とじかにふれあう機会も足しましょう。

🔬 研究ではどうだった?

子どもの英語の語彙は、英語を聞く量が多いほど増えていました(Place & Hoff, 2011)。家で英語を使えば量は確実にふえるので、方向は研究と合っています。ただ、英語に自信のない親の語りかけは、使う単語の種類が少なく文が短くなりがちでした(Hoff ほか, 2020)。日本の家庭で確かめた研究も見当たらないため「部分的」としました。

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英語で過ごす保育園・プリスクール(イマージョン保育)のイラスト8

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英語で過ごす保育園・プリスクール(イマージョン保育)

毎日英語で過ごしても、カギは“時間の長さ”と“先生の英語”だった。

💡 家庭でできること:英語の保育園は「聞いてわかる力」と英語への親しみを育てる場と考えましょう。卒園後も英語にふれる量を保ち、話したり書いたりする機会を少しずつ足していくことが大切です。

🔬 研究ではどうだった?

ドイツなどのバイリンガル保育園400人超を調べたEUのプロジェクトでは、英語を聞いてわかる力は、英語にふれた期間と保育者の英語の質に応じて伸び、ドイツ語にも悪影響は見られませんでした。一方、何年も授業の大半をフランス語で受けたカナダの子でも、話す・書く正確さはネイティブに届きにくいことがわかっています。「わかる力」は伸びても「ネイティブ並み」までは言えないため「部分的」としました。

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英語は耳から。文字はあとで(子どもに文字を見せない)

新しい単語は、つづりも見せたほうが“言い方”まで覚えやすかった。

💡 家庭でできること:文字を避けるより、「耳でなじんだ単語を、あとから文字と結びつける」のが研究と学習指導要領に合った順番です。フォニックスのように音と文字のつながりを楽しく学ぶ方法もあります。

🔬 研究ではどうだった?

23の研究をまとめたレビューでは、新しい単語を教えるときにつづりを見せると、言い方もつづりも覚えやすくなるという強い証拠がありました(Colenbrander ほか, 2019)。外国語を学ぶ小学生でも同じ効果が出ています。文字で発音がずれる例は大人の研究で報告されていますが、子どもで示した研究は見当たりません。「文字を見せないほうがいい」という根拠は乏しいため「根拠薄い」としました。

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🔎子どもの英語に関係する、ほかの判定

赤ちゃん向けDVD、フォニックス、英語の歌、体を動かす教え方(TPR)など。

※このページの判定は、公開された論文・メタ分析の結論にもとづいています。「根拠うすい」は「その説を支える研究の根拠が乏しい」という意味です。