和製英語はなぜ生まれるのか
和製英語とは、英語の単語をもとに日本で作られた言葉や、日本で独自の意味に変わった言葉のことです。「和製英語はダメ」というわけではありません。日本語として定着した、便利な言葉がたくさんあります。
問題になるのは、英語だと思い込んで、そのまま英語で使ってしまうときです。和製英語には主に次のパターンがあります。
- 英語の単語を組み合わせて作った言葉:ノートパソコン、ガソリンスタンド
- 英語の一部を省略した言葉:パソコン(personal computer)、エアコン(air conditioner)
- 英語とは意味が変わった言葉:マンション、スマート、クレーム
- 英語以外の言語から来た言葉:アルバイト(ドイツ語由来)、アンケート(フランス語由来)
特に3つ目の「意味がずれた言葉」は、英語でも存在する単語なので、通じないどころか別の意味で伝わってしまうことがあり、注意が必要です。
ポイント:カタカナ語を英語で使う前に、「これは本当に英語でも同じ意味?」と一度疑う習慣をつけましょう。
家・学校・身の回りの和製英語
家・住まい
- マンション → apartment(米)/ flat(英)、分譲なら condo(米)
- 英語の mansion は「大邸宅」。I live in a mansion. と言うと、ものすごいお金持ちだと思われるかもしれません。
- コンセント → outlet(米)/ socket(英)
- ガスコンロ → gas stove
- リフォーム → renovate / remodel
- reform は制度や組織の「改革」に使うのがふつうです。
学校・文房具
- シャープペンシル → mechanical pencil
- ホッチキス → stapler
- カンニング → cheating
- 英語の cunning は「ずる賢い」という形容詞です。
- ノート → notebook
- note は「メモ・短い手紙」の意味で使われることが多い。
服・身の回り
- ワンピース → dress
- トレーナー → sweatshirt
- trainer は「トレーナー(指導する人)」や、英国では「運動靴」の意味。
- キーホルダー → key ring / keychain
自作例文
- I live in an apartment near the station.(駅の近くのマンションに住んでいます)
- Is there an outlet I can use?(使えるコンセントはありますか)
街・仕事・旅行の和製英語
街・交通
- ガソリンスタンド → gas station(米)/ petrol station(英)
- ハンドル(車の)→ steering wheel
- handle は「取っ手」。
- ゲームセンター → arcade
- ベビーカー → stroller(米)/ pushchair / pram(英)
- ジェットコースター → roller coaster
仕事
- サラリーマン → office worker / company employee
- アルバイト → part-time job
- クレーム → complaint
- claim は「主張する」「(権利として)要求する」の意味。make a complaint で「苦情を言う」。
- ノートパソコン → laptop
- パソコン → computer / PC
旅行・食事
- フロント(ホテルの)→ front desk / reception
- モーニングコール → wake-up call
- バイキング(食べ放題)→ buffet
- フライドポテト → French fries / fries(米)/ chips(英)
- ペットボトル → plastic bottle
自作例文
- Could I have a wake-up call at seven?(7時にモーニングコールをお願いできますか)
- I work part-time at a convenience store.(コンビニでアルバイトをしています)
意味がずれる要注意の単語
英語にも存在する単語なので、ついそのまま使ってしまいがちなのがこのグループです。
- スマート:日本語では「細身の」。英語の smart はふつう「賢い」。
- 細身なら slim / slender。
- ナイーブ:日本語では「繊細な」。英語の naive は「世間知らず・考えが甘い」で、ほめ言葉ではないことが多い。
- 繊細なら sensitive。
- テンションが高い:英語の tension は「緊張」。
- 「テンション高いね」なら You're so excited! / You're full of energy!
- マイペース:英語でそのまま言っても伝わりにくい。
- He does things at his own pace.
- ドンマイ:Don't mind. は英語では自然な励ましになりません。
- Don't worry about it. / It's OK.
- アピールする:英語の appeal は「訴える・魅力がある」で、「自分を売り込む」なら show / highlight / promote。
ポイント:ほめたつもりが失礼に聞こえることもあるのが、このグループの怖いところ。特に人の性格や見た目を表す言葉は要注意です。
和製英語の覚え方とよくある失敗
覚え方のコツ
- 場面ごとにまとめる:「家」「学校」「旅行」のように場面で分けると、使う場面を想像しながら覚えられます。
- 英語の本当の意味もセットにする:mansion=大邸宅、cunning=ずる賢い、のように英語側の意味も覚えると、間違えたときの「おかしさ」が印象に残ります。
- 例文を1つ作る:apartment なら I live in an apartment. のように、自分に関係のある文で覚えます。
- 写真と結びつける:身の回りのもの(ホッチキス、シャープペンシル)は、実物を見ながら英語で言ってみます。
よくある失敗
- カタカナをそのまま英語っぽく発音する:「コンセント」を英語風に言っても通じません。言い方そのものを変える必要があります。
- 一覧を一気に暗記しようとする:100個のリストを一度に覚えるより、自分がよく使う言葉から少しずつ覚えるほうが確実です。
- すべての和製英語を避けようとして話せなくなる:多少間違えても、会話の流れで伝わることも多いです。気づいたら言い直せば大丈夫です。
迷ったときの確認方法
英和辞典で調べると、和製英語には注意書きがついていることがよくあります。英英辞典でその単語の意味を確認するのもよい方法です。
1週間の和製英語チェックメニュー
1日5〜10分でできるメニューです。
- 月曜:家の中探検――家の中のカタカナ語(コンセント、エアコン、リモコンなど)を5つ探し、英語で何と言うか辞書で調べる。
- 火曜:筆箱チェック――筆箱の中身(シャープペンシル、ホッチキス、消しゴムなど)を英語で言う。
- 水曜:街で探す――通学・通勤路で見かけるカタカナ語を3つメモし、英語を調べる。
- 木曜:意味ずれ単語――smart・naive・tension・claim の英語での本当の意味を例文で確認する。
- 金曜:旅行シミュレーション――ホテルで wake-up call を頼む、fries を注文する、など旅行の場面を英語で3文言う。
- 土曜:自己紹介の見直し――自己紹介文の中に和製英語が混ざっていないかチェックする(アルバイト、サラリーマン、マンションなど)。
- 日曜:クイズ――今週調べた言葉を、日本語だけ見て英語で言えるかテストする。
ポイント:土曜の自己紹介チェックは、英検の面接やオンライン英会話の前に特におすすめです。
まとめ:カタカナ語は「宝の山」
和製英語は、知らないと恥ずかしい思いをするかもしれない一方で、身の回りにある最高の英語教材でもあります。毎日目にするカタカナ語を1つずつ英語に置きかえていくだけで、生活に直結した語彙がどんどん増えていきます。
- マンションは apartment、コンセントは outlet
- smart や naive は意味がずれているので要注意
- 場面ごとに、例文と一緒に覚える
今日は、今いる部屋の中にあるカタカナ語を3つ見つけて、英語で何と言うか調べてみてください。意外な発見がきっとあります。



