文字だけで覚えると起きること
単語を目だけで覚えていると、頭の中で自分流の読み方が作られます。たとえば次のような単語です。
- vitamin:日本語では「ビタミン」ですが、英語ではアクセントが前にあり、アメリカ英語では「ヴァイ」に近い音で始まります。
- label:「ラベル」ではなく「レイブル」に近い音。
- allergy:「アレルギー」ではなく、アクセントが最初にある「アラジー」に近い音。
- theme:「テーマ」ではなく、th の音で始まる「スィーム」に近い音。
自分流の読み方で覚えていると、本物の音を聞いたときに頭の中の単語と結びつきません。つまり、「知っている単語」なのに「聞き取れない単語」になってしまうのです。
さらに、音があいまいな単語は、声に出すときにも自信が持てず、会話やスピーキングテストで使えません。
ポイント:単語を覚えるときは「つづり・意味・音」の3点セット。音が抜けると、リスニングとスピーキングで使えない単語になります。
アクセントが命:位置で意味や品詞が変わる
英語の単語は、どこを強く読むか(アクセント・強勢)がとても大切です。アクセントの位置がずれると、正しい音で言っても通じにくくなることがあります。
品詞によってアクセントが変わる単語
2音節の単語には、名詞は前、動詞は後ろにアクセントが来るものがあります。
- REcord(名詞:記録)/ reCORD(動詞:記録する)
- PREsent(名詞:贈り物)/ preSENT(動詞:提示する)
- OBject(名詞:物)/ obJECT(動詞:反対する)
- INcrease(名詞:増加)/ inCREASE(動詞:増える)
すべての単語に当てはまるわけではありませんが、よく出る単語が多いので覚えておくと便利です。
語尾でアクセントが動く単語
- PHOtograph(写真)
- phoTOGrapher(写真家)
- photoGRAPHic(写真の)
-tion や -ic で終わる単語は、多くの場合その直前の音節にアクセントがきます(inforMAtion、ecoNOMic)。
カタカナ語のアクセントに注意
- Energy(エナジー):最初が強い
- CAreer ではなく caREER(キャリア):後ろが強い
- HOtel ではなく hoTEL(ホテル):後ろが強い
カタカナ語は日本語の音に引っぱられやすいので、特に注意して音声を確認しましょう。
発音記号は最低限これだけ
発音記号をすべて覚える必要はありませんが、日本語にない音の記号だけでも読めると、辞書で発音を確かめるときに便利です。
覚えておきたい記号
- /æ/:「ア」と「エ」の中間。cat、apple
- /ʌ/:短く軽い「ア」。cup、love
- /ə/:力の抜けたあいまいな音。about の a、banana の最初と最後の a
- /θ/ /ð/:舌先を歯に軽く当てる音。think、this
- /r/ と /l/:right と light、read と lead
- /v/:上の歯を下くちびるに当てる音。very、vote
- /ɜːr/:口をあまり開けずに出す「アー」。bird、work
特に大切なのは /ə/(シュワ) です。英語でアクセントのない音節は、この弱い音になることがとても多く、日本語のようにすべての母音をはっきり読むと英語らしく聞こえません。
例:chocolate
日本語は「チョ・コ・レー・ト」と4拍ですが、英語ではアクセントが最初にあり、後半の母音が弱く短くなるため、全体がずっと短く聞こえます。
ポイント:発音記号は辞書で「確認する」ための道具。全部暗記するより、音声と一緒に見て慣れるほうが実用的です。
音と一緒に覚える具体的な方法
1. 単語帳の音声を「最初に」聞く
意味を見る前に、まず音声を聞きます。最初に正しい音を入れると、自分流の読み方が作られにくくなります。
2. 聞いたら、すぐ声に出す
音声を聞いたら、まねして1〜2回声に出します。口を動かすと、音の記憶が強くなります。周りに人がいるときは、口の形だけまねするのでもOKです。
3. 例文ごと音読する
単語だけでなく、例文を音読すると、文の中でのリズムや弱くなる音にも慣れます。
- I want to record this song.(動詞なので後ろが強い)
- She broke the world record.(名詞なので前が強い)
4. アクセントに印をつける
単語帳の見出し語の強く読む部分に、ペンで小さな点や下線を引きます。見ただけでアクセントの位置を思い出せるようになります。
5. 音から意味を当てるテスト
音声だけを流して、意味を答える練習をします。これができれば、リスニングで「知っているのに聞き取れない」が減っていきます。
よくある失敗
失敗1:カタカナでふりがなを書く
単語帳に「ヴァイタミン」とカタカナで書くと、そのカタカナの音で覚えてしまいます。書くならアクセントの印や、発音記号のポイントだけにしましょう。
失敗2:音声を「ながら聞き」だけで済ませる
BGMのように流しているだけでは、なかなか身につきません。少なくとも最初は、聞く→まねするをセットにしましょう。
失敗3:1音ずつはっきり読みすぎる
「イン・フォ・メー・ション」と全部の音を同じ強さで読むと、英語のリズムになりません。強いところをはっきり、弱いところは軽く短く、を意識しましょう。
失敗4:発音練習を後回しにする
「単語を覚えてから発音を直そう」と考えると、自分流の読み方が定着してから直すことになり、かえって時間がかかります。最初から音つきで覚えるのが近道です。
1週間の発音つき単語練習
1日10〜15分のメニューです。
- 月曜:カタカナ語チェック――energy、hotel、vitamin、label、allergy など、カタカナ語になっている単語を5つ選び、辞書の音声で本当の発音を確認する。
- 火曜:品詞でアクセントが変わる単語――record、present、object、increase を名詞・動詞で言い分ける。
- 水曜:語尾でアクセントが動く単語――photograph / photographer / photographic、economy / economic を音読。
- 木曜:単語帳の今日の範囲を「音から」――意味を見る前に音声を聞き、まねしてから意味を確認する。
- 金曜:音→意味テスト――今週の単語の音声だけを聞いて意味を答える。
- 土曜:例文音読――今週の単語の例文を5つ、音声に合わせて音読する。
- 日曜:録音チェック――自分の発音をスマホで録音し、音声と聞き比べる。
ポイント:日曜の録音は少し恥ずかしいですが、自分の弱点がいちばんよくわかる方法です。
まとめ:単語は音から入れよう
英単語を発音と一緒に覚えるポイントです。
- つづり・意味・音の3点セットで覚える
- アクセントの位置を必ず確認する(品詞や語尾で動くこともある)
- カタカナ語ほど注意して、本物の音を聞く
- 聞く→まねする→音から意味を当てる、の流れで練習する
今日は、身近なカタカナ語を3つ選んで、辞書アプリで本物の発音を聞いてみてください。「こんな音だったの?」という発見が、きっとあるはずです。



