3つの試験の概要
TOEFL iBT
米国の非営利団体ETSが作成・運営する英語の4技能テストで、大学での授業や学生生活に必要な英語力を測ります。北米を中心に世界の大学・大学院の出願で広く使われています。2026年1月から改訂版が始まり、スコアは1〜6の0.5刻みで示されます。個人で申し込み、テストセンターまたは自宅(Home Edition)で受験します。
TOEFL ITP
学校や企業などの団体向けに実施されるテストです。ETS Japanの案内では、個人または個人の集まりでの申し込み・受験はできないとされています。ペーパー版とデジタル版があり、団体の都合に合わせて試験日や会場を設定できます。
TOEFL Junior
11歳以上の生徒向けの試験です。生徒の英語コミュニケーション力を測り、クラス分けや学習の進み具合の確認などに使われるものとして案内されています。
ポイント:海外の大学への出願には、一般にTOEFL iBTが求められます。
TOEFL iBTとTOEFL ITPの違い
大学生が最も混同しやすいのが、iBTとITPです。
申し込み方法
- iBT:個人で申し込む
- ITP:所属する学校や企業などの団体を通じて受験する(個人では申し込めない)
主な用途
- iBT:海外の大学・大学院への出願、国内大学の入試、交換留学の選考など
- ITP:団体内での英語力の測定、クラス分け、学内の交換留学の選考など(団体の判断による)
大学での使われ方の例(一般論)
多くの大学では、学内の英語クラス分けや、学内選考の一次審査にITPを使うことがあります。一方で、海外の協定校への正式な出願にはiBTを求められることがあります。
注意点
「ITPのスコアで海外の大学に出願できるか」は、出願先によって異なります。一般に海外の大学の出願にはiBTが求められるので、ITPで代用できると思い込まずに、必ず出願先の指定を確認しましょう。
TOEFL Juniorの位置づけ
TOEFL Juniorは、11歳以上の生徒向けに設計された試験です。ETSの公式サイトでは、生徒の英語コミュニケーション力を測り、得意・不得意を把握してクラス分けや学習の進み具合の確認に役立てる試験として紹介されています。
TOEFL iBTとの違い
- 対象:Juniorは中学生前後の生徒を主な対象としているのに対し、iBTは大学での学習を想定している
- 用途:Juniorは学習の確認や進路の参考、iBTは大学・大学院の出願など
どんな人に向いているか(一般論)
- 中学生で、自分の英語力を国際的な基準で知りたい人
- 将来TOEFL iBTに挑戦する前に、TOEFLの形式に触れておきたい人
- 学校で団体受験の機会がある人
試験の具体的な形式や申し込み方法は、公式サイトで最新情報を確認してください。
目的別の選び方
海外の大学・大学院に出願したい
→ TOEFL iBT。出願先がiBT以外を認めるかどうかは、個別に確認しましょう。
所属大学の学内選考(交換留学など)
→ 大学の案内に従う。ITPで一次選考、協定校への出願でiBTが必要になるケースもあります。
国内大学の入試で英語外部試験として使いたい
→ 入試要項で指定された試験。TOEFL iBTが対象になっていることが多いですが、ITPやJuniorが対象かどうかは要項で確認しましょう。
中学生で英語力を測りたい
→ TOEFL Junior(学校での団体受験の機会があるかも確認)
会社で英語力を測る
→ 会社の指示に従う。団体で実施するITPが使われることもあります。
迷ったときは、スコアの提出先に「どの試験のスコアが必要か」を正確に確認することが一番確実です。
スコアの見方の違い
それぞれの試験は、スコアの表し方も異なります。
TOEFL iBT
2026年1月からの新形式では、各セクションと総合が1〜6の0.5刻みで示されます。2028年1月までの移行期間中は、0〜120に相当するスコアとCEFRレベルも併記されます。スコアの有効期限は受験日から2年間です。
TOEFL ITP・TOEFL Junior
それぞれ独自のスコア体系があり、iBTのスコアとは直接比べられません。ETS JapanのITPの案内では、CEFRとの対応づけについての説明も示されています。
比べるときはCEFRを目安に
異なる試験のスコアを比べたいときは、CEFRレベルが共通の目安になります。ただし、試験ごとに形式や測る技能が違うため、あくまで目安として使いましょう。提出先が特定の試験を指定している場合は、その試験のスコアが必要です。
ITPからiBTへステップアップするには
大学でITPを受けたことがある人が、iBTに挑戦する場合のポイントです。
iBTで新たに必要になる力
- ライティング:語順の並べ替え、メール、オンライン討論への意見の書き込み
- スピーキング:聞いた英文の再現、面接形式の質問への回答
- パソコンでの受験:タイピング、画面での解答
ITPでリスニングとリーディングの力をつけてきた人も、ライティングとスピーキングは別に練習が必要になることが多いです。
ステップアップの手順
- ETSの公式サンプル問題でiBTの4セクションを試す
- 特にライティングとスピーキングの現状を確認
- 出願先の要件に合わせて目標を決める
- ライティングとスピーキングの練習時間を多めに確保
英語配列キーボードでのタイピング練習も早めに始めておくと安心です。
TOEFL iBTの受け方の基本
海外の大学などへの出願でTOEFL iBTが必要だとわかったら、次の基本を確認しておきましょう。
受験方法
- テストセンターで受ける
- 自宅で受けるHome Edition(パソコンやカメラ、静かな個室などの条件あり。日本からの受験では身分証明書がパスポートに限られる)
試験の構成(2026年1月からの新形式)
- リーディング(約30分・適応型)
- リスニング(約29分・適応型)
- ライティング(約23分)
- スピーキング(約8分)
受付から終了まで約2時間を見ておくよう案内されており、予定された休憩はありません。
受験料と回数
日本での通常申込(試験日の7日前まで)はUS$195と案内されています。受験回数に上限はありませんが、3日以内に続けて受験することはできません。最新の情報は日本の公式サイトで確認しましょう。
よくある誤解と今日やること
よくある誤解
- 「TOEFLならどれでも同じ」→ 試験によって対象や用途が異なります
- 「ITPを個人で申し込める」→ ITPは団体向けで、個人では申し込めません
- 「ITPのスコアで海外の大学に出願できる」→ 一般には iBT が求められます。出願先の指定を確認しましょう
- 「Juniorは子ども向けだから簡単」→ 対象年齢に合わせた設計で、目的が異なる試験です
今日やること
- スコアの提出先を書き出す
- それぞれの提出先が指定している試験名を確認する
- iBTが必要なら、ETSの公式サンプル問題で現状を確認する
今日は、自分がスコアを出す予定の提出先を1つ選び、指定されている試験名を正確に確認しましょう。



