社会人が3か月で取り組むときの前提
このプランは、次のような人を想定しています。
- 平日は1日1時間程度、週末は1日3時間程度の学習時間を確保できる
- 大学受験や仕事で英語の基礎はある程度身についている
- 新形式のTOEFL iBTは初めて、または旧形式で受けたことがある
3か月(約12週間)で使える時間は、平日1時間×5日+週末3時間×2日=週11時間、合計約130時間です。この時間を、新形式の各タスクに慣れることと、一番弱いセクションを伸ばすことに集中して使います。
最初にやること
- 提出先の要件(総合・セクション別の最低点、Home Editionの可否など)を確認
- 受験日と出願締め切りを決める
- ETSの公式サンプル問題で4セクションの現状を把握
ポイント:社会人は時間が限られているぶん、「何をやらないか」を決めることが大切です。
第1〜4週:新形式を知り、基礎を整える
最初の1か月は、新形式の全タスクに一通り触れ、語彙と音の基礎を整えます。
平日(1時間)
- 通勤中(20分):アカデミック語彙のアプリ、講義系の音声
- 夜(40分):日替わりでタスクを練習
- 月:リーディング(Complete the Words、日常文)
- 火:リスニング(応答問題、会話)
- 水:ライティング(Build a Sentence)
- 木:スピーキング(Listen and Repeat)
- 金:語彙の復習とつづりテスト
週末(3時間×2日)
- 土:Write an EmailとAcademic Discussionを1本ずつ書く、講義リスニング
- 日:Take an Interviewの録音練習、1週間の復習
この期間の目標は、すべてのタスクを1回以上経験することです。まだ点数を気にする必要はありません。
第5〜8週:弱点セクションに集中
2か月目は、第1〜4週で見えてきた弱点に時間を集中させます。
弱点の見つけ方
公式サンプル問題や新形式対応の問題集の結果、ライティングとスピーキングの自己評価から、一番低いセクションを1つ選びます。提出先にセクション別の最低点がある場合は、それを下回りそうなセクションを最優先します。
時間配分の例(スピーキングが弱い場合)
- 平日の夜40分のうち、3日をスピーキングに
- 残り2日をライティングとリーディング・リスニングに
- 通勤中はシャドーイング(声を出せない場合は口の動きだけでも)
仕事と結びつける
社会人の強みは、仕事の経験です。Take an Interviewの具体例やAcademic Discussionの理由づけに、仕事の経験を使いましょう。
例(自作):In my job, I often coordinate projects with overseas teams, so I've learned that clear written communication saves a lot of time.
第9〜12週:本番形式で仕上げる
最後の1か月は、本番と同じ形式・時間で練習し、仕上げに入ります。
週末の通し練習
受付から終了まで約2時間で、予定された休憩はありません。週末に1回、4セクションを本番と同じ順番で通して解き、集中力と時間配分を確認します。
平日の復習
- 通し練習で間違えた問題の復習
- ライティングの見直し(主語と動詞の一致、冠詞、つづり)
- スピーキングの録音を聞き直し、改善点を1つ決めて再録音
英語配列キーボード
テストセンターのキーボードは米国式配列です。会社のパソコンが日本語配列の場合は、自宅で英語配列に切り替えて練習しておきましょう。
最終週
新しい教材には手を出さず、よく使う表現リストとミスの記録を見直します。睡眠リズムを本番に合わせ、会場の場所や持ち物、Home Editionなら機材と部屋の準備を済ませます。
忙しい週の「最低ライン」
社会人の勉強で一番の敵は、仕事の繁忙期や出張です。忙しい週でもゼロにしないための「最低ライン」を決めておきましょう。
1日15分の最低ライン
- 語彙10語(アプリ):5分
- 講義や会話の音声:5分
- Listen and Repeat形式のリピーティング5文:5分
出張中にできること
- 移動中にリスニング
- ホテルでメールを1本書く(7分)
- 45秒スピーキングを3問録音
立て直しのルール
1週間まったく勉強できなかったら、翌週は新しいことをせず、それまでの復習だけに使います。遅れを一気に取り戻そうとすると、疲れて続かなくなります。
「完璧な週」を目指すより、「ゼロの日を作らない」ことを目標にしましょう。
受験計画と再受験の考え方
社会人の場合、出願締め切りまでに複数回受験する前提で計画を立てるのが現実的です。
受験のルール(公式情報に基づく)
- 受験回数に上限はない
- 3日以内に続けて受験することはできない
- 公式スコアは受験後およそ3日で確認できる
- スコアの有効期限は受験日から2年間
- 日本での通常申込の受験料はUS$195(最新情報は公式サイトで確認)
マイベストスコア
複数回の受験から各セクションの最高点を組み合わせたマイベストスコアを認める提出先もあります。認める場合は、回ごとに「今回はこのセクションを伸ばす」と目標を絞る戦略も考えられます。ただし認めない提出先もあるので、事前の確認が必要です。
おすすめの計画
- 1回目:8週目ごろに受けて現状を確認
- 2回目:12週目に本命として受験
- 必要なら、弱点を補強してもう1回
社会人に向いている教材と環境
時間が限られている社会人は、教材を増やしすぎないことが大切です。
教材の選び方
- 公式教材:ETSの公式サンプル問題や練習教材で、新形式の形式を正確に把握
- 新形式対応の問題集:1冊に絞り、繰り返し解く
- 単語アプリ:通勤中に使えるもの
- 講義・ニュースの音声:スマートフォンで聞けるもの
学習環境の工夫
- 朝型:出勤前の30分を確保すると、仕事の疲れに左右されにくい
- 昼休み:15分だけ語彙やリスニング
- 夜:スピーキングの録音は自宅で、ライティングはパソコンで
スピーキングの場所問題
社会人にとって意外な壁が、声を出して練習する場所です。自宅で家族がいる場合は、時間帯を決めたり、カラオケボックスや防音の個室スペースを使ったりする人もいます。スピーキングの練習時間を確保するために、場所も計画に入れておきましょう。
よくある失敗と今日やること
よくある失敗
- 旧形式の教材だけで準備する
- 忙しさを理由に、ライティングとスピーキングを後回しにする
- 平日にまったく勉強せず、週末にまとめてやろうとする
- 通し練習をしないまま本番を迎え、集中が続かない
今日やること
- 提出先の要件を確認し、目標スコアを書き出す
- 出願締め切りから逆算して、受験日の候補を2つ決める
- 通勤時間に聞く音声を1つ決める
3か月は短いようで、毎日少しずつ積み重ねれば十分に変化を感じられる期間です。今日は、手帳やカレンダーに「平日1時間」の枠を書き込むところから始めましょう。



