なぜTOEFLでは単語が大切なのか
単語はすべてのセクションの土台です。特に2026年の新形式では、単語の力がより直接的に問われるようになりました。
- リーディング:Complete the Wordsでは、単語の後半を補うためにつづりまで正確に知っている必要がある
- リスニング:講義の中で出てくる専門的な単語を、音ですぐに理解する必要がある
- ライティング:意見を正確に伝えるために、使い分けられる単語が必要
- スピーキング:Listen and Repeatで正確に再現するには、単語を知っていることが前提になる
つまりTOEFLの単語は、「見て意味がわかる」だけでは足りません。つづり・音・使い方の3つをセットで覚えることが目標です。
ポイント:TOEFLの単語学習は「見てわかる」から「書ける・聞ける・使える」へ。
覚える単語を選ぶ:どこから手をつける?
まず、どの単語から覚えるかを決めましょう。
ステップ1:基礎の単語を固める
高校基礎レベルの単語に抜けが多い場合は、TOEFL用の単語帳に進む前に、基礎の単語帳を1冊仕上げるのが先です。土台が不安定なまま難しい単語を覚えても、文章の中で使いこなせません。
ステップ2:TOEFL向けの単語帳を1冊決める
TOEFL対策用の単語帳はいくつもありますが、大切なのは1冊を決めてやり切ることです。選ぶときは次の点を見ましょう。
- 例文がついているか
- 音声がついているか
- 2026年の新形式に対応しているか(単語自体は旧形式向けでも役立つが、例文や問題は新形式対応が望ましい)
ステップ3:自分の「出会った単語」を足す
問題集や模試、英文記事の中で出会った知らない単語は、単語帳にはない「自分専用の単語」です。これをノートやアプリにためていくと、実際の文脈で覚えた、忘れにくい語彙になります。
つづりまで覚えるコツ:Complete the Words対策
新形式のComplete the Wordsでは、単語の後半を自分で補う必要があります。つまり、書けない単語は点にならないということです。
覚え方のコツ
- 見て、隠して、書く――単語を見たら、隠して書いてみる。書けなかったらもう一度
- 音とつづりをつなげる――発音しながら書くと、音とつづりの関係が身につく
- 間違えやすいつづりに印をつける――environment(n が入る)、necessary(c が1つ、s が2つ)、occur(c が2つ)など
自作の練習問題
次の単語の後半を補ってみましょう。
- The experiment produ___ unexpected results.(produced)
- Many species depe___ on this river for water.(depend)
- The population increa___ rapidly in the 1900s.(increased)
意味と文法(時制、単数・複数)の両方を考えて埋めるのがポイントです。単語を覚えるときに、原形だけでなく過去形や複数形も書けるか確認しておくと、本番で迷いにくくなります。
意味を深く覚える:語源・分野・コロケーション
単語をただ丸暗記するより、つながりを作って覚えると記憶に残りやすくなります。
語源(パーツ)で覚える
英単語の多くは、意味を持つパーツの組み合わせでできています。
- pre-(前に):predict(予測する)、previous(前の)
- inter-(間に):interact(交流する)、interval(間隔)
- -able(〜できる):renewable(再生可能な)、sustainable(持続可能な)
- bio-(生命):biology(生物学)、biodiversity(生物多様性)
パーツを知っていると、初めて見る単語でも意味の見当がつきやすくなります。
分野ごとにまとめる
TOEFLの講義や学術文では、生物、地学、歴史、心理など、分野ごとによく出る単語があります。
- 生物:organism、species、evolve、habitat
- 地学:erosion、volcano、sediment、climate
- 心理:behavior、memory、perception、stimulus
同じ分野の単語をまとめて覚えると、文章の中で出会ったときに思い出しやすくなります。
コロケーション(よく一緒に使う組み合わせ)で覚える
ライティングやスピーキングで単語を使いこなすには、組み合わせで覚えるのが効果的です。
- conduct research(研究を行う)
- play a role in ...(〜で役割を果たす)
- have an impact on ...(〜に影響を与える)
似た単語の使い分けと「言い換え」力
TOEFLでは、同じ意味を別の言葉で言い換える力がとても大切です。リーディングやリスニングの正解の選択肢は、本文の表現をそのまま使わず、言い換えた形になっていることが多いからです。
言い換えのペアで覚える
新しい単語を覚えるときは、知っている簡単な単語とセットにしておきましょう。
- significant = important(重要な)
- obtain = get(手に入れる)
- decline = decrease(減る)
- approximately = about(およそ)
- demonstrate = show(示す)
こうしたペアを知っていると、本文で significant と書かれていた内容が、選択肢で important と言い換えられていても気づけます。
似た単語の使い分け
意味が似ていても、使い方が違う単語もあります。
- affect(動詞:影響を与える)と effect(名詞:影響、効果)
- rise(自動詞:上がる)と raise(他動詞:上げる)
- economic(経済の)と economical(節約になる)
ライティングで使い分けを間違えると、意味が伝わりにくくなります。迷いやすいペアは、それぞれ例文を1つずつ作って覚えておきましょう。
スピーキングにも効く
スピーキングで言いたい単語が出てこないとき、言い換えの力があれば別の言葉で説明できます。単語を覚えるときに「簡単な言葉で言うと?」と考えるクセをつけると、話す力にもつながります。
忘れない仕組み:間隔反復と想起練習
覚えた単語を忘れないためには、復習のタイミングが大切です。
間隔反復
一度にまとめて何度も見るより、時間をあけて何度も復習するほうが記憶は長持ちすることが、学習研究で繰り返し確かめられてきました。たとえば次のようなスケジュールが目安です。
- 1日目:新しい単語を覚える
- 2日目:1回目の復習
- 4日目ごろ:2回目の復習
- 1週間後:3回目の復習
- 2〜3週間後:4回目の復習
AnkiやQuizletなど、間隔反復の機能があるアプリを使うと、復習のタイミングを自動で管理できます。
想起練習
単語帳を眺めるだけでなく、答えを隠して思い出す練習をしましょう。思い出そうとすること自体が、記憶を強くするとされています。
- 英語を見て、日本語の意味を言う
- 日本語を見て、英単語を書く(つづりの練習にもなる)
- 音声を聞いて、つづりを書く(リスニングとスペルの両方の練習になる)
1日のスケジュール例とまとめ
最後に、単語学習の1日のスケジュール例を紹介します。
1日30分の単語メニュー
- 朝5分:前日に覚えた単語を、何も見ずに書き出す(想起練習)
- 通学中10分:アプリで今日の復習分を片付ける(間隔反復)
- 夜10分:新しい単語を20語。音声を聞き、発音しながら書く
- 寝る前5分:今日覚えた単語で1つ例文を作る
よくある失敗
- 1日に大量の単語を覚えようとして、復習が追いつかなくなる
- 単語帳を「眺める」だけで、書いたり言ったりしない
- 新しい単語ばかり追いかけて、覚えたはずの単語を忘れていく
単語は、1日にたくさん覚えるより、毎日少しずつ、何度も出会うほうが定着します。今日はまず、単語帳を開いて、昨日までに覚えた単語を10個、答えを隠して書けるか試してみましょう。



