英語学習向きの曲を見分ける5つのポイント
まずは、英語学習に向いている曲かどうかを見分けるためのチェックポイントを紹介します。
① テンポがゆっくりめか
言葉が詰め込まれた速い曲は、ネイティブでも聞き取りにくいことがあります。最初は、バラードのようなゆったりした曲を選びましょう。
② 発音がはっきりしているか
歌手によって、一語一語をていねいに歌う人もいれば、崩して雰囲気で歌う人もいます。学習の最初は、発音がクリアな歌手を選ぶのがおすすめです。
③ くり返しが多いか
サビが何度もくり返される曲は、覚えやすく、達成感も得やすいです。
④ スラングが少なめか
くだけた表現や若者言葉が多い曲は、辞書を引いても意味がつかみにくいことがあります。慣れてきたら挑戦しましょう。
⑤ 自分が好きかどうか
何より大切なのがこれです。どんなに学習向きでも、好きになれない曲は続きません。5つのうち、①〜④を満たしていて、なおかつ⑤で「好き」と思える曲が、理想の1曲目です。
レベル1:ゆっくり・発音がはっきりした曲
英語の歌を学習に使うのが初めての人や、リスニングに自信がない人は、まずこのレベルから始めましょう。
目安は、ピアノやアコースティックギター中心の、ゆったりしたバラードです。伴奏がシンプルな曲は声がよく聞こえ、書き取り(ディクテーション)の練習にも向いています。
たとえば、カーペンターズのように昔から英語の授業で使われてきたアーティストや、ディズニー映画・ミュージカル映画の曲は、発音がはっきりしていて聞き取りやすいものが多いです。映画の曲は、場面やストーリーを知っていれば内容を推測しやすいのも利点です。
このレベルの曲では、「全体を丸ごと書き取ってみる」という練習に挑戦できます。一時停止をくり返しながら、聞こえた通りに書き、あとで正規の歌詞と照らし合わせてみましょう。最初は半分も書けなくて当然です。少しずつ聞き取れる割合が増えていくのを楽しんでください。
STUDY HACKの洋楽コーナーでは、このタイプの曲に「レベル1」の印をつけています。
レベル2:ふつうのテンポのポップス
レベル1の曲に慣れてきたら、ふつうのテンポのポップスに進みましょう。2000年代以降のヒット曲の多くは、このレベルに入ります。
このレベルの曲は、テンポも発音もほどほどで、口語的な表現や短縮形が増えてきます。教科書とは少し違う、生きた英語に触れられるのが魅力です。音のつながり(リンキング)も多くなるので、「文字で見れば分かるのに、音だと分からない」という体験をたくさんするはずです。その気づきこそが、リスニング力アップのチャンスです。
このレベルでは、シャドーイングを中心にするのがおすすめです。サビや好きなフレーズを選び、歌声に少し遅れてついていくように口を動かしてみましょう。全部を歌えなくても、1フレーズを完璧に言えるようになるだけで、発音とリズムの感覚が変わってきます。
また、同じレベルの曲でも、アメリカ英語とイギリス英語で響きが違うことがあります。いろいろな国の歌手を聴き比べるのも、この段階ならではの楽しみ方です。
レベル3:速い・スラング多めの曲
ラップ部分がある曲、早口の曲、スラングや遊び心のある言葉選びが多い曲は、上級者向けです。ネイティブスピーカーでも、歌詞を見なければ聞き取れないことがあるレベルなので、「分からなくて当たり前」と考えて大丈夫です。
このレベルの曲を学習に使うなら、次の工夫が役立ちます。
- 再生速度を落とす:YouTubeの設定で0.75倍などにして、音を確認してから通常速度に戻す
- 範囲を絞る:1曲全部ではなく、15秒ほどの区間だけを集中して聴く
- スラングは例文とセットで調べる:意味だけでなく、どんな場面で使うかも確認する
スラングは、使う場面を間違えると失礼になることもあります。「聞いて分かる」ことを目標にし、自分で使うのは意味と場面をしっかり理解してからにしましょう。
一方で、レベル3の曲はノリがよく、気分を上げるにはぴったりのものが多いです。学習用というより、「勉強前の気合い入れ」として楽しむのもおすすめです。
気分別の選び方
英語学習は、気分に合わせて曲を選ぶと、ぐっと続けやすくなります。STUDY HACKの洋楽コーナーでも、気分別のタグで曲を探せるようにしています。
気分をアゲたいとき(agaru)
勉強を始める前や、テスト明けのごほうびに。明るいテンポのダンス曲やロックは、やる気のスイッチを入れてくれます。
勇気がほしいとき(yuki)
試験前や、新しいことに挑戦する前に。自分らしさや前に進む気持ちをテーマにした曲は、英語の意味が分かるとさらに心に響きます。
泣きたいとき(namida)・恋の気分のとき(love)
失恋ソングやラブバラードは、テンポがゆっくりなものが多く、実は学習に向いています。気持ちを表す形容詞もたくさん学べます。
まったりしたいとき(chill)
休日の午後や寝る前に。アコースティックやジャズ系の曲は、リラックスしながら英語の音に触れられます。
永遠の名曲(classic)
長く愛されてきた名曲は、学校の授業や英語の教材で使われることも多く、学習の定番です。
年代・ジャンル別の楽しみ方
レベルや気分のほかに、年代やジャンルで選ぶのも楽しい方法です。
60〜80年代の名曲
ビートルズやカーペンターズ、ABBAなどの名曲は、テンポがゆったりで、はっきり歌われるものが多い傾向があります。親や先生の世代とも話題を共有できるのがうれしいポイントです。
90〜2000年代のポップス・ロック
バラードからロックまで幅広く、学校の英語から一歩進んだ口語表現に触れられます。イギリスのバンドを聴けば、イギリス英語の響きにも親しめます。
2010年代以降のヒット曲
今の英語の言い回しや、SNSで見かけるようなカジュアルな表現に出会えます。友だちと話題にしやすいのも魅力です。
映画・ミュージカルの曲
ストーリーがあるので、場面を思い浮かべながら内容を理解できます。英語が苦手な人の入口としても最適です。
いろいろな年代を少しずつ聴いてみると、自分の好みや、聞き取りやすいタイプの曲が見えてきます。
勉強中のBGMとして使うときの注意
「勉強しながら洋楽を流したい」という人も多いと思います。ただ、言葉の入った音楽は、読書や英作文など言葉を使う作業の邪魔になりやすいことが、いくつかの研究で指摘されています。特に、よく知っている英語の曲だと、つい歌詞に意識が向いてしまうかもしれません。
そこでおすすめなのが、次の使い分けです。
- 単語暗記や読解のとき:歌のない音楽や、無音で集中する
- 計算や単純作業、片づけのとき:好きな洋楽を流してもOK
- 休憩時間:好きな曲をしっかり聴いてリフレッシュ
STUDY HACKの洋楽コーナーには、落ち着いた曲調で作業のじゃまになりにくい曲に「勉強BGM向き(benkyo)」のタグをつけています。とはいえ、音楽が集中にどう影響するかは人によって違います。自分で試してみて、はかどる組み合わせを見つけてください。
公式動画を選ぶことも大切
YouTubeで洋楽を探すと、同じ曲でもたくさんの動画が出てきます。英語学習に使うなら、アーティスト本人やレーベルの公式チャンネルがアップロードした動画を選びましょう。
公式動画を選ぶ理由は2つあります。1つは、音質や内容が正確であること。非公式の動画には、音質が悪いものや、歌詞の字幕に聞き間違いが含まれているものもあります。もう1つは、アーティストや作り手をきちんと応援できることです。公式動画を再生することは、好きなアーティストの活動を支えることにもつながります。
公式チャンネルでは、ミュージックビデオのほかに、歌詞が画面に表示される「公式リリックビデオ」が公開されていることもあります。歌詞を確認したいときは、公式リリックビデオや、正式な許諾を受けた歌詞サービス、CDの歌詞カードを使いましょう。なお、歌詞は著作物なので、ブログやSNSに書き写して公開するのは、権利者の許諾がない限り著作権の問題になります。学習記録を共有するときは、曲名と「何を学んだか」を自分の言葉で書くようにしましょう。
まとめ:まずは「好き」と「ゆっくり」の重なる1曲から
英語学習におすすめの洋楽の選び方を、レベル別・気分別に紹介しました。
ポイントをまとめると、次の通りです。
- 最初の1曲は「ゆっくり・発音がはっきり・くり返しが多い・好き」がそろった曲
- 慣れてきたら、ふつうのテンポのポップスでシャドーイング
- 速い曲やスラングの多い曲は、範囲を絞って挑戦するか、気合い入れ用に
- 気分に合わせて曲を選ぶと、学習が続きやすい
- 動画は公式チャンネルのものを選び、歌詞は正規の方法で確認する
大切なのは、完璧に聞き取ることではなく、楽しみながら英語に触れる時間を増やすことです。今日、まずは1曲、「この曲で英語を学んでみよう」と思える曲を探してみてください。STUDY HACKの洋楽コーナーでは、レベルや気分、英語学習おすすめ度で曲を絞り込めるので、1曲目探しの参考にしてみてくださいね。見つけたら、別のコラム「洋楽で英語を学ぶ方法」の5ステップで、さっそく使い倒してみましょう。



