英語が苦手になる原因は「どこかの段差」
英語が苦手な人の多くは、「英語の才能がない」のではなく、どこかの段差でつまずいたまま進んでしまっただけです。
英語は、前に習ったことの上に新しいことを積み上げていく教科です。たとえば、
- be動詞と一般動詞の区別があいまい
→ 疑問文・否定文がわからない
→ 過去形・進行形がわからない
→ 受け身・現在完了がわからない
というように、1つの段差が、その後の単元すべてに影響します。今の単元がわからないのは、今の単元のせいではなく、もっと前の段差が原因であることが多いのです。
ポイント:苦手の立て直しは「今の単元をがんばる」ではなく「つまずいた段差まで戻る」ことから始まります。
戻ることは、遠回りのように感じるかもしれません。でも、段差を直さずに今の単元の問題を解き続けるより、ずっと早く追いつけます。
どこまで戻るかを見極める「3つのチェック」
まずは、自分がどこでつまずいているかを確かめましょう。次の3つのチェックを順番にやってみてください。
チェック1:be動詞と一般動詞
次の文を、正しい形に直せますか?
- × She is like music. → ○ She likes music.
- × Do you are a student? → ○ Are you a student?
ここで迷ったら、中1の最初から戻りましょう。
チェック2:過去形
次の日本語を英語にできますか?
- 私は昨日、友だちとサッカーをした。→ I played soccer with my friends yesterday.
- 彼はその本を読まなかった。→ He didn't read the book.
ここで迷ったら、中1の後半(過去形)から戻りましょう。
チェック3:中2の文法
次の文の意味がわかりますか?
- I want to be a doctor in the future.
- This bag is bigger than that one.
- This song is loved by many people.
ここで迷ったら、中2の該当単元から戻りましょう。
3つとも大丈夫なら、今の単元の基本問題から取り組んで問題ありません。
戻る順番:中1文法を「最短ルート」で
戻る場所が決まったら、次の順番で進めます。全部を完璧にしようとせず、各単元の基本文が1つ言える・書けることを目標にしましょう。
中1文法の最短ルート
- be動詞の文(I am / You are / He is)
- 一般動詞の文(I play / He plays)
- 疑問文と否定文(Are you 〜? / Do you 〜? / I don't 〜.)
- 疑問詞(What / Where / When / Who)
- 現在進行形(I am playing 〜.)
- 過去形(played / went / was)
各単元の基本文の例
- I am a member of the art club.
- My brother plays basketball.
- Do you have any pets?
- Where do you live?
- I am studying English now.
- We went to the zoo last Sunday.
1つの単元につき、基本文を1つ覚え、簡単な問題を5問解けたら次へ進みます。1日1〜2単元のペースなら、中1の文法は1〜2週間で一通り見直せます。
ポイント:「わかる」より「言える・書ける」をゴールに。基本文が言えれば、その単元の骨組みはつかめています。
単語と音読の「最低ライン」
英語が苦手な人は、文法だけでなく単語や読み方でもつまずいていることが多いです。文法の立て直しと並行して、毎日の「最低ライン」を決めておきましょう。
単語:1日5語でいい
苦手なうちは、1日10語や20語は多すぎます。まずは1日5語を確実に覚えることから始めましょう。
- 音声を聞いて、発音を確認
- 3回声に出して言う
- 日本語を見て、英語を書く
- 次の日、もう一度テスト
1日5語でも、1か月続ければ約150語。中1の教科書の基本的な単語は、かなりカバーできます。
音読:教科書を1日1ページ
教科書を読めない単語があると、授業にもついていけなくなります。音声に合わせて、1日1ページだけ音読しましょう。
- 最初は音声を1文ずつ止めて、まねして読む
- 読めない単語には、小さくカタカナで読み方をメモしてもOK(慣れたら消す)
「読める」ようになるだけで、授業の聞こえ方が大きく変わります。英語への苦手意識は、「読めない」ことから始まっていることも多いのです。
3週間の立て直しプラン
ここまでの内容を、3週間のプランにまとめました。1日20〜30分を目安にしています。
1週目:中1の前半を固める
- 毎日:単語5語+教科書1ページ音読
- 月〜水:be動詞・一般動詞・疑問文と否定文
- 木・金:疑問詞、三単現のs
- 土:1週間の単元の基本文を全部言えるか確認
- 日:休み
2週目:中1の後半を固める
- 毎日:単語5語+教科書1ページ音読
- 月・火:現在進行形、can
- 水〜金:過去形(規則動詞・不規則動詞、be動詞の過去形)
- 土:2週間分の基本文を全部言えるか確認
- 日:休み
3週目:中2につなげる
- 毎日:単語5語+教科書1ページ音読
- 月・火:未来の表現(will / be going to)
- 水・木:不定詞の基本(I want to 〜.)
- 金:比較の基本(taller than)
- 土:今の授業の単元の基本問題にチャレンジ
- 日:3週間を振り返り、次の目標を決める
3週間たつと、「前よりわかる」という感覚が必ず出てきます。その感覚を大切にしてください。
やる気が続くコツと、保護者の方へ
やる気を続けるコツ
- できたことを記録する:カレンダーに、やった日に丸をつける。丸が続くと、やめたくなくなります。
- 小さな目標にする:「英語を得意にする」ではなく、「今週は be動詞の文が言えるようになる」。
- 好きなものと結びつける:好きなスポーツ選手や音楽、ゲームの英語を調べてみる。たとえば、I like this song because it makes me happy. のように、好きなものについて1文書くのも立派な練習です。
- わからないことを聞く:学校の先生は、質問に来る生徒を歓迎してくれることがほとんどです。
よくある失敗
- いきなり分厚い問題集を買って、最初の数ページで止まる
- 苦手な単元を避けて、得意な単元ばかりやる
- 1日に何時間もやって、次の日から続かない
保護者の方へ
英語が苦手な子に「もっと勉強しなさい」と言っても、何をすればいいかわからず、かえって苦しくなってしまうことがあります。「今日はどの単元をやったの?」「基本文を1つ読んでみて」と、具体的に聞いてあげると、子どもは話しやすくなります。
苦手からの立て直しは、最初の一歩が一番重いものです。今日は3つのチェックをやって、自分が戻る場所を見つけるところから始めましょう。



