宇宙でコーラを飲むと?1985年の「宇宙コーラ戦争」はぬるい泡だらけで終わっていた

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無重力では、炭酸飲料の泡は地上と同じように上にのぼって抜けていく
浮力が働かないため、泡は液体の中にまざったままになる。
- 対象
- スペースシャトル乗員
- 規模
- 1回の飛行での試験
- 研究の種類
- 飛行中の試験(記録・証言)
- 確かさ
- ★★☆☆☆
無重力では炭酸の泡が上にのぼらず、液体の中にまざったまま。1985年にスペースシャトルで2社のコーラが試されたが、ぬるくて泡立ちすぎ、正式採用されなかった。
ひとことで言うと宇宙では炭酸の泡がぬけずに、ずっと中にまざったまま!
暑い日に飲むシュワッと冷たい炭酸飲料。宇宙飛行士も、宇宙で飲めたらうれしいはずですよね。
じつは1985年、2つの有名な炭酸飲料メーカーが、スペースシャトルに特製の缶を持ちこんだことがあります。のちに「宇宙コーラ戦争」とも呼ばれる出来事です。結果はどうなったのでしょうか。
011985年、チャレンジャー号の「宇宙コーラ戦争」
アメリカ国立航空宇宙博物館(スミソニアン)の記事によると、1985年7月29日に打ち上げられたスペースシャトル・チャレンジャー号のSTS-51Fミッションで、2社の炭酸飲料が試されました。
どちらの会社も、無重力でも飲めるように特別な缶を開発しました。ふつうの缶のままでは、開けたとたんに中身が飛び出したり、飲み口から出てこなかったりするからです。

02なぜ宇宙の炭酸はうまくいかないのか
地上で炭酸飲料をコップに注ぐと、泡はシュワシュワと上にのぼって、表面ではじけます。これは、液体より軽い泡に浮力が働くからです。
ところが無重力では、浮力が働きません。泡は上にものぼらず、液体の中にまざったまま。泡と液体がいつまでも分かれないので、飲み物は泡まじりのドロッとした状態になりがちです。
03おなかの中でも困ったことに
問題は飲んだあとにも起こります。地上では、胃の中で泡(ガス)は上に、液体は下に分かれ、げっぷとしてガスだけが出ていきます。
でも無重力では、胃の中でもガスと液体が分かれにくくなります。そのため、げっぷをすると液体まで一緒に上がってきやすい、と言われています。宇宙飛行士にとって、これはなかなか不快な体験です。
04宇宙で飲み物はどう飲むの?
ISSでは、飲み物は基本的にパック入りの粉末にお湯や水を注ぎ、ストローで飲みます。コーヒーやジュースのほか、日本の宇宙飛行士が緑茶を持ちこんだこともあります。炭酸飲料は、今も宇宙の定番メニューにはなっていません。
05泡の問題は宇宙船の大問題
泡の動きは、飲み物だけの問題ではありません。宇宙船の燃料タンクや、水をリサイクルする装置でも、液体の中に気体の泡がまざると、ポンプがうまく動かなかったり、測定がくるったりします。
そのため、無重力で泡と液体をきちんと分ける技術は、宇宙開発の大事な研究テーマです。装置を回転させて遠心力で分けたり、表面張力をうまく利用したりする工夫が使われています。宇宙のコーラは、意外と本格的な科学につながっているのです。
06まとめ
宇宙コーラ戦争の結末は、ぬるくて泡だらけの引き分けでした。原因は、無重力では泡が上にのぼらないという、とても基本的な物理です。
次に炭酸飲料を飲むときは、泡がちゃんと上にのぼっていくことに、ちょっとだけ地球の重力に感謝してみてください。
この研究を英語で読もう原田英語の English CornerIn July 1985, two well-known soda companies sent specially designed cans into space on the Space Shuttle…
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原田英語の English Corner
この研究を英語で読もう
In 1985, two famous soda companies sent special cans into space on the Space Shuttle. People later called it the "space cola war."
But the astronauts did not like the drinks very much. There was no refrigerator, so the drinks were warm. They were also too foamy. On Earth, bubbles in soda go up to the top. In space, they stay mixed in the drink.
65 words ・ CEFR A2
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1985年、2つの有名な炭酸飲料会社が、スペースシャトルで特別な缶を宇宙に送りました。人々は後にそれを「宇宙コーラ戦争」と呼びました。
しかし、宇宙飛行士たちはその飲み物をあまり気に入りませんでした。冷蔵庫がなかったので、飲み物はぬるかったのです。また、泡立ちすぎていました。地球では、炭酸飲料の泡は上にのぼります。宇宙では、泡は飲み物の中にまざったままなのです。
4択リーディングクイズ
Q1. What is the passage mainly about?
宇宙で炭酸飲料を飲む試みとその問題が主題なので D。
Q2. Why were the drinks warm?
There was no refrigerator, so the drinks were warm. とあるので B。
Q3. In the passage, "foamy" means ...
foamy は foam(泡)+-y で「泡だらけの」。A。
In July 1985, two well-known soda companies sent specially designed cans into space on the Space Shuttle Challenger. This event later became known as the "space cola war."
Normal cans would not work, because the drink might shoot out or refuse to come out at all. According to the Smithsonian, however, the astronauts were not impressed. The shuttle had no refrigerator, so the drinks were warm, and both were far too foamy.
Neither drink was added to NASA's official menu. The reason lies in physics. On Earth, bubbles rise because of buoyancy. In weightlessness, there is no buoyancy, so bubbles stay mixed in the liquid instead of separating from it.
110 words ・ CEFR B1
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1985年7月、2つの有名な炭酸飲料会社が、スペースシャトル・チャレンジャー号で特別に設計された缶を宇宙に送りました。この出来事は、のちに「宇宙コーラ戦争」として知られるようになりました。
ふつうの缶では、中身が飛び出したり、まったく出てこなかったりするかもしれないので、うまくいかないのです。しかしスミソニアンによると、宇宙飛行士たちは感心しませんでした。シャトルには冷蔵庫がなかったので飲み物はぬるく、どちらもあまりに泡立ちすぎていました。
どちらの飲み物もNASAの正式なメニューには加えられませんでした。その理由は物理にあります。地球では、泡は浮力によってのぼります。無重量状態では浮力がないので、泡は液体から分かれずに、中にまざったままになるのです。
4択リーディングクイズ
Q1. Why did the companies need special cans?
Normal cans would not work, because the drink might shoot out or refuse to come out at all. とあるので C。
Q2. What happened after the test?
Neither drink was added to NASA's official menu. とあるので A。
Q3. What causes bubbles to rise on Earth?
On Earth, bubbles rise because of buoyancy. とあるので D。
In July 1985, the Space Shuttle Challenger's STS-51F mission carried an unusual cargo: specially engineered cans from two rival soft-drink companies, an episode later nicknamed the "space cola war." Ordinary cans were unsuitable because, without gravity, the contents might spray out or fail to emerge. According to the Smithsonian's National Air and Space Museum, the crew's verdict was unenthusiastic.
With no refrigerator aboard, the drinks were warm and both turned excessively foamy; carbon dioxide dissolves less readily at higher temperatures, which may have added to the problem. Neither was adopted for NASA's standard menu, although one flown can is now in the museum's collection. The underlying problem is basic physics. On Earth, bubbles rise because buoyancy pushes the lighter gas upward through the denser liquid, so gas and liquid separate.
In microgravity, buoyancy effectively disappears, and bubbles remain dispersed in the liquid. The same issue may continue inside the body: because gas and liquid do not separate well in the stomach, burping can bring up liquid as well, though this is rarely studied. Cans do not explode, since the cabin is kept at nearly normal air pressure. Separating gas from liquid also matters for fuel tanks and water recycling.
199 words ・ CEFR B2
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1985年7月、スペースシャトル・チャレンジャー号のSTS-51Fミッションは、珍しい積み荷を運びました。ライバル関係にある2つの清涼飲料会社が特別に設計した缶で、この出来事はのちに「宇宙コーラ戦争」というあだ名で呼ばれました。重力がないと中身が噴き出したり、まったく出てこなかったりするかもしれないため、ふつうの缶は不向きでした。スミソニアン国立航空宇宙博物館によると、乗員の評価は芳しくありませんでした。
船内に冷蔵庫がなかったため飲み物はぬるく、どちらも過剰に泡立ちました。二酸化炭素は温度が高いと溶けにくいので、それも一因だったかもしれません。どちらもNASAの標準メニューには採用されませんでしたが、宇宙を飛んだ缶の一つは現在、博物館に収蔵されています。根本的な問題は基本的な物理です。地球では、浮力が軽い気体を重い液体の中で上へ押し上げるので泡はのぼり、気体と液体が分かれます。
微小重力では浮力が実質的になくなり、泡は液体の中に散らばったままになります。同じ問題は体の中でも続くかもしれません。胃の中で気体と液体がうまく分かれないため、げっぷをすると液体まで上がってくることがありますが、これはほとんど体系的に研究されていません。なお、船内はほぼ通常の気圧に保たれているので、缶が爆発するわけではありません。気体と液体を分けることは、燃料タンクや水のリサイクル装置にとっても重要です。
4択リーディングクイズ
Q1. According to the passage, what may have added to the foaming problem?
carbon dioxide dissolves less readily at higher temperatures, which may have added to the problem とあるので B。
Q2. What does the author say about cans exploding in space?
cans do not explode, since the cabin is kept at nearly normal air pressure とあるので A。
Q3. Why does the author mention fuel tanks and water recycling systems?
気体と液体を分けることは燃料タンクや水リサイクルにも重要、と述べて、泡の問題が飲み物だけでなく工学上の課題であることを示しているので C。
重要単語
- carbonatedB2形容詞炭酸のCarbonated drinks behave strangely in space.
carbon(炭素)から。carbonated water は「炭酸水」。soda, fizzy drink とも言う。 - bubbleA2名詞泡The bubbles did not rise to the top.
1つ1つの泡。bubble economy(バブル経済)も同じ語。 - foamB2名詞泡(の固まり)The drink turned into foam.
bubble が集まったもの。形容詞 foamy。memory foam(低反発素材)の foam は「発泡素材」。 - dispenserB2名詞注ぎ口のついた容器A special dispenser was made for space.
dispense(分配する)+-er。water dispenser(ウォーターサーバー)。 - burpB1動詞げっぷをするIt is hard to burp properly in microgravity.
くだけた語。硬い言い方は belch。 - buoyancyC1名詞浮力Buoyancy makes bubbles rise on Earth.
発音は /ˈbɔɪənsi/。buoy(ブイ)の名詞形。 - dissolveB2動詞溶ける、溶かすCarbon dioxide dissolves less in warm water.
名詞 dissolution。「(組織を)解散する」の意味もある。
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1985年、スペースシャトルに有名コーラ2社が特製の缶を持ちこむ「宇宙コーラ戦争」があったらしい。結果は、ぬるい&泡立ちすぎで引き分け。無重力では泡が上にのぼらないのが原因。
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※本記事は上記の研究・公開資料をもとに、原田英語が独自の言葉で解説したものです。引用は著作権法第32条の範囲で行い、出典を明記しています。画像はすべてオリジナルのイメージです。研究結果には限界や個人差があります。誤りのご指摘は原田英語のお問い合わせフォームから。









