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天の川とアンドロメダ銀河の衝突、「確実」から「五分五分」へ。そして最新研究は…

天の川とアンドロメダ銀河の衝突、「確実」から「五分五分」へ。そして最新研究は…

読む前に予想してみよう!

天の川銀河とアンドロメダ銀河の衝突は、確実に起こると分かっている

研究カード(どんな研究?)
対象
天の川銀河と周囲の銀河
規模
銀河4つの位置・運動・質量
研究の種類
観測データにもとづくシミュレーション
確かさ
★★☆☆☆
3秒でわかる

2012年、NASAは約40億年後の正面衝突を予測。2025年の研究で合体確率は約50%に下がったが、2026年の再計算では約90%とする結果も出た。

ひとことで言うと天の川とアンドロメダは、ぶつかるかも。でも確実ではない!

もくじ
  1. 2012年:「約40億年後に正面衝突」
  2. 2025年:「五分五分」に
  3. 2026年:「やっぱり約90%?」
  4. なぜこんなに結果が変わるのか
  5. もし衝突したら、地球はどうなる?
  6. まとめ

秋の夜空に、肉眼でも見えるぼんやりした光のしみがあります。私たちの天の川銀河のお隣さん、アンドロメダ銀河です。

距離は約250万光年。そしてこの銀河は、私たちの方へ近づいてきています。

「いつか2つの銀河はぶつかる」――長いあいだ、これは天文学の“確定した未来”だと思われてきました。ところが最近、その未来がゆらいでいます。

012012年:「約40億年後に正面衝突」

NASAは2012年、ハッブル宇宙望遠鏡でアンドロメダ銀河の星の動きを何年もかけて測りました。

その結果、アンドロメダはほぼまっすぐ天の川に向かっていることが分かり、約40億年後に衝突し、その約20億年後に1つの大きな銀河に合体する、と発表しました。

銀河の衝突は、何十億年もかけてゆっくり進む
銀河の衝突は、何十億年もかけてゆっくり進む

022025年:「五分五分」に

ポイントは、大マゼラン雲の存在です。天の川の近くを回るこの銀河の引っぱりが、アンドロメダとの軌道を少しずらし、合体を起こりにくくする方向に働いたのです。

032026年:「やっぱり約90%?」

ところが話はここで終わりません。2026年、別の研究チーム(ウー〈Wu〉さんら)が、アンドロメダとM33の動きをより精密に補正した最新のガイアのデータを使って、同じ方法で計算し直しました。

その結果、合体の確率は約90%、合体までの時間は約65億年(中央値)に上がりました。ただしこのチームも、アンドロメダの横向きの動きのわずかな測定差で確率が大きく変わるため、「まだ結論は出せない」としています。

04なぜこんなに結果が変わるのか

アンドロメダが近づく速さ(視線方向)は精密に分かっています。でも、横方向にどれくらいずれて動いているかを測るのが、とても難しいのです。250万光年先の銀河の、ごくわずかな横ずれ。その小さな差が、数十億年後の「ぶつかる・ぶつからない」を左右します。

05もし衝突したら、地球はどうなる?

「銀河の衝突」と聞くと大災害を想像しますが、星と星が直接ぶつかることはほとんどないと考えられています。銀河の中の星どうしの間隔は、星の大きさに比べてとてつもなく広いからです。

ただし、重力の影響で星の配置は大きくかき回され、太陽系が銀河の中の別の場所へ移される可能性はあります。もし合体が起きれば、夜空には2つの銀河の光が重なり合う、壮大な景色が広がるかもしれません。

06まとめ

「天の川とアンドロメダは必ずぶつかる」は、今の科学では「たぶんぶつかる、でも確実ではない」というのが正確なところです。

どちらにしても数十億年先の話。そのころには太陽も年老いています。それでも、遠い未来の予報が新しいデータで書き換わっていくのは、科学の面白いところですね。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerThe Andromeda galaxy, about 2.5 million light-years away, is moving toward our Milky Way. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

The Andromeda galaxy, about 2.5 million light-years away, is moving toward our Milky Way. In 2012, NASA used the Hubble Space Telescope to measure its movement and announced that the two galaxies would crash head-on in about 4 billion years.

However, in 2025, a team in Finland ran 100,000 computer simulations that also included the pull of two smaller nearby galaxies. They found only about a 50 percent chance of a merger within the next 10 billion years. In 2026, another team used more accurate data and found a chance of about 90 percent. The results change so much because it is very hard to measure how Andromeda is moving sideways.

111 words ・ CEFR B1

和訳を見る

約250万光年離れたアンドロメダ銀河は、私たちの天の川銀河に向かって動いています。2012年、NASAはハッブル宇宙望遠鏡でその動きを測定し、2つの銀河は約40億年後に正面衝突すると発表しました。

しかし2025年、フィンランドのチームが、近くにある2つの小さな銀河の引力も含めて10万通りのコンピューター・シミュレーションを行いました。その結果、今後100億年以内に合体する確率は約50%にすぎないことがわかりました。2026年には別のチームがより正確なデータを使い、約90%という確率を出しました。結果がこれほど変わるのは、アンドロメダが横方向にどう動いているかを測るのがとても難しいからです。

4択リーディングクイズ

Q1. What did NASA announce in 2012?

Q2. What did the Finnish team include in their simulations?

Q3. According to the passage, why do the results differ so much?

重要単語

  • collisionB2
    名詞衝突A galaxy collision takes billions of years. 動詞 collide(collide with ~「~と衝突する」)。意見の衝突にも使う。
  • mergerC1
    名詞合体The two galaxies may form one giant galaxy after a merger. 動詞 merge。ビジネスでは M&A(mergers and acquisitions:合併と買収)。
  • probabilityB2
    名詞確率The probability of a merger is about fifty percent. probable(ありそうな)の名詞形。in all probability「十中八九」も覚えておこう。
  • simulationB2
    名詞模擬計算Scientists ran thousands of simulations. run a simulation「シミュレーションを行う」の run に注意。動詞 simulate。
  • uncertaintyB2
    名詞不確かさSmall uncertainties can change the result. un-(否定)+certain+-ty。科学では「誤差の幅」の意味でもよく使う。
  • head-onB2
    形容詞・副詞正面からのNASA predicted a head-on collision. 頭と頭がぶつかるイメージ。deal with a problem head-on「問題に正面から取り組む」も頻出。
  • medianC1
    名詞・形容詞中央値(の)The median time to a merger was about 6.5 billion years. average(平均)・median(中央値)・mode(最頻値)の区別はグラフ問題で狙われる。

動画でもっと知る

4コマでわかる

天の川とアンドロメダ銀河の衝突、「確実」から「五分五分」へ。そして最新研究は…の4コマ漫画
「天の川銀河とアンドロメダ銀河は40億年後に衝突する」が定説だった。ところが2025年に計算し直すと確率は五分五分に。さらに2026年の研究では約90%。銀河の未来、まだ決まっていないらしい。

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出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. van der Marel et al. (2012) The M31 Velocity Vector. II. Radial Orbit toward the Milky Way and Implied Local Group Mass, The Astrophysical Journaldoi.org
  2. Sawala et al. (2025) No certainty of a Milky Way–Andromeda collision, Nature Astronomydoi.org
  3. Wu et al. (2026) The Fate of the Milky Way–Andromeda System: To Merge or Not?, The Astrophysical Journal Lettersdoi.org
  4. NASA Science: Apocalypse When? Hubble Casts Doubt on Certainty of Galactic Collisionscience.nasa.gov