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横向き?仰向け? 「正しい寝る姿勢」は人によって違った。いびき・胸やけ・妊娠中の研究

横向き?仰向け? 「正しい寝る姿勢」は人によって違った。いびき・胸やけ・妊娠中の研究

読む前に予想してみよう!

誰にとっても、仰向けで寝るのが一番体にいい

研究カード(どんな研究?)
対象
働く成人ほか
規模
664人(寝相の測定)+複数の臨床研究
研究の種類
観察研究+メタ分析
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

大人は寝床にいる時間の半分以上を横向きで過ごしていた。いびきや睡眠時無呼吸、胸やけ、妊娠後期など、条件によって「おすすめの向き」は変わる。

ひとことで言うと「いちばん正しい寝相」はない。体の困りごとで変わる!

もくじ
  1. 大人は「横向き」で寝ている時間が一番長い
  2. いびき・無呼吸なら「横向き」
  3. 胸やけなら「左向き」?
  4. 妊娠後期は「横向きで寝始める」
  5. まとめ

あなたは、横向き派? 仰向け派? それともうつぶせ派?

「仰向けがいちばん体にいい」「いや、横向きが正解」など、寝る姿勢についてはいろいろな説があります。

ところが研究を調べてみると、答えは「全員に共通の正解はない」。困りごとによって、おすすめの向きが変わることがわかってきました。

01大人は「横向き」で寝ている時間が一番長い

つまり多くの人は、一晩のうちに何度も姿勢を変えながら、半分以上を横向きで過ごしていたのです。

「ずっと同じ姿勢で寝なきゃ」と気にする必要は、あまりなさそうです。

02いびき・無呼吸なら「横向き」

睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする睡眠時無呼吸の人では、姿勢の影響がはっきりしています。

1984年に米国のカートライト(Cartwright)さんが発表した研究では、睡眠時無呼吸の男性患者24人で、仰向けで寝ているときの無呼吸の回数が、横向きのときの約2倍になることが示されました。仰向けだと、重力で舌やのどの奥が下がり、空気の通り道がせまくなりやすいからです。

このタイプの人にとっては、横向きで寝る工夫が無呼吸への対策の一つになる可能性があります。

03胸やけなら「左向き」?

胃酸が食道に上がってくる逆流性食道炎の人では、向きの左右が関係するという研究があります。

1999年の米国の研究では、10人の患者さんの夜の姿勢と食道の酸の量を同時に測ったところ、右向きで寝ているときの方が、左向きより逆流が多い傾向が見られました。胃の形と位置の関係で、左を下にすると胃酸が食道に上がりにくいと考えられています。

胃の形のせいで、寝る向きによって胃酸の上がりやすさが変わる
胃の形のせいで、寝る向きによって胃酸の上がりやすさが変わる

04妊娠後期は「横向きで寝始める」

妊娠中の人にとって、寝る姿勢はもっと大切な話になります。

2019年、複数の国の研究データを一人ひとりのレベルで統合した分析では、妊娠28週以降に仰向けで寝始めた人は、左向きで寝始めた人に比べて死産のオッズが約2.6倍でした。右向きと左向きでは差はほぼありませんでした。

おなかの大きな子宮が、仰向けだと太い血管を圧迫し、赤ちゃんへの血流が減るためと考えられています。

ちなみに、うつぶせ寝は大人では7%ほどと少数派でした。首を大きくひねった姿勢になりやすいため、首や肩がこりやすい人は避けたほうが楽かもしれません。

そして、赤ちゃんは話がまったく別です。乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを減らすため、1歳になるまではあおむけに寝かせることが国内外で推奨されています。大人向けの「横向きがいい」を、赤ちゃんに当てはめないよう注意しましょう。

05まとめ

「正しい寝相」は、ひとつではありませんでした。いびきなら横向き、胸やけなら左向き、妊娠後期なら横向きで寝始める——。

特に困りごとがなければ、自分がいちばん楽な姿勢で大丈夫。体は一晩に何度も、自分で寝返りを打って調整しています。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerIs there one correct way to sleep? 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

Is there one correct way to sleep? Research suggests the answer depends on your situation. In a 2017 study, researchers attached sensors to 664 working adults in Denmark and found that they spent about 54 percent of their time in bed on their side, 38 percent on their back, and only 7 percent on their front. They also changed position about 1.6 times an hour.

For people with sleep apnea, lying on the back often makes breathing stop more frequently, because the tongue and throat fall back. For people with acid reflux, one study found more reflux when lying on the right side than on the left. In late pregnancy, going to sleep on the side is recommended.

118 words ・ CEFR B1

和訳を見る

寝方に一つの正解はあるのでしょうか?研究は、答えはあなたの状況次第だと示しています。2017年の研究で、研究者たちはデンマークの働く大人664人にセンサーを取り付け、彼らが寝床にいる時間の約54%を横向き、38%を仰向け、うつぶせはわずか7%で過ごしていることを発見しました。また、彼らは1時間に約1.6回姿勢を変えていました。

睡眠時無呼吸の人にとっては、仰向けに寝ると舌やのどが後ろに落ちるため、呼吸がより頻繁に止まることがよくあります。胃酸の逆流がある人については、ある研究で、左向きより右向きで寝ているときに逆流が多いことがわかりました。妊娠後期には、横向きで寝始めることが勧められています。

4択リーディングクイズ

Q1. How often did people change position during the night?

Q2. Why might lying on the back be a problem for people with sleep apnea?

Q3. Which position would probably be better for someone with acid reflux?

重要単語

  • postureB2
    名詞姿勢Your sleeping posture changes many times a night. good posture「よい姿勢」。position より「体の構え方」に焦点がある語。
  • supineC1
    形容詞仰向けのSleep apnea is often worse in the supine position. 反対語は prone(うつぶせの)。prone には「~しがちな」の意味もあり入試頻出。
  • lateralC1
    形容詞横向きの、側面のMany people prefer a lateral sleeping position. lateral thinking「水平思考」。bilateral「両側の、二国間の」。
  • refluxC1
    名詞逆流Acid reflux can cause heartburn at night. re-(後ろへ)+flux(流れ)。influx「流入」と同語源。
  • stillbirthC1
    名詞死産Researchers studied sleep position and stillbirth risk. still は「動かない」の意味。stillborn「死産の」。
  • accelerometerC1
    名詞加速度計An accelerometer recorded each change in position. accelerate「加速する」+-meter(計器)。スマホにも内蔵されている。

動画でもっと知る

デンマークの働く大人664人の寝相を測ったら、横向き54%、仰向け38%、うつぶせ7%。いびきや睡眠時無呼吸なら横向き、胸やけなら左向きが良さそう、など「正解」は人によって違うらしい。

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出典・参考文献(4件)タップで表示
  1. Skarpsno ES et al. (2017) Sleep positions and nocturnal body movements based on free-living accelerometer recordings, Nature and Science of Sleepdoi.org
  2. Cartwright RD (1984) Effect of Sleep Position on Sleep Apnea Severity, Sleepdoi.org
  3. Khoury RM et al. (1999) Influence of Spontaneous Sleep Positions on Nighttime Recumbent Reflux in Patients With Gastroesophageal Reflux Disease, American Journal of Gastroenterologydoi.org
  4. Cronin RS et al. (2019) An Individual Participant Data Meta-analysis of Maternal Going-to-Sleep Position, Interactions with Fetal Vulnerability, and the Risk of Late Stillbirth, EClinicalMedicinedoi.org