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ムダ毛は剃ると濃くなる? 100年前から実験で否定されていた「気のせい」の正体

ムダ毛は剃ると濃くなる? 100年前から実験で否定されていた「気のせい」の正体

読む前に予想してみよう!

カミソリで剃ると、次に生えてくる毛は太く濃くなる

研究カード(どんな研究?)
対象
若い成人
規模
数人規模
研究の種類
比較実験(片側だけ剃る など)
確かさ
★★★☆☆
3秒でわかる

剃っても毛の太さや色、伸びる速さは変わらないことが、1920年代から実験で示されている。濃く見えるのは、切り口が太く、日焼けしていない新しい毛だから。

ひとことで言うと剃っても毛は濃くならない。切り口が太く見えるだけ!

もくじ
  1. 1928年、すでに確かめられていた
  2. 毛の運命を決めるのは「毛根」
  3. じゃあ、なぜ濃く見えるの?
  4. もうひとつの“犯人”は「成長期」
  5. 剃るときに気をつけたいこと
  6. まとめ

「ムダ毛は剃っちゃダメ。剃ると、もっと太くて濃いのが生えてくるよ」

中学生くらいになって、初めてカミソリを手にしたとき、家族や友達にこう言われた人も多いのでは? 実際、剃った後に生えてくる毛はチクチクして、前より濃くなったように見えますよね。

でもこの話、なんと約100年前の実験で、すでに否定されていたのです。

011928年、すでに確かめられていた

その後、1970年にも別の研究者たちが、若い男性の脚の片側だけを定期的に剃って比べる実験を行いました。結果はやはり同じで、剃った側と剃っていない側で、毛の太さや伸びる速さに違いは見られませんでした。

02毛の運命を決めるのは「毛根」

なぜ剃っても毛は変わらないのでしょうか? カギは、毛がつくられる場所にあります。

毛は、皮膚の奥にある毛包(もうほう=毛をつくる小さな“工場”)で生まれます。毛の太さや色、伸びる速さを決めているのは、この工場のほう。

カミソリで剃るのは、皮膚の表面から出ている部分だけです。工場には一切さわっていないので、次に生えてくる毛の性質は変わらないのです。

03じゃあ、なぜ濃く見えるの?

「濃くなった」と感じるのには、ちゃんと理由があります。

  • 切り口が太い:自然に伸びた毛は、先に向かってだんだん細くなっています。剃ると、根元近くのいちばん太い部分で切られるので、断面が太く見えます
  • 先が尖っていない:切り口が平らなので、触るとチクチク硬く感じます
  • まだ日焼けしていない:伸びっぱなしの毛は、日光などで少し色が抜けていることがあります。生えたての毛は色が濃く見えます
自然な毛先は細く尖っている。剃ると太い部分の断面が見えるので、濃く感じる
自然な毛先は細く尖っている。剃ると太い部分の断面が見えるので、濃く感じる

04もうひとつの“犯人”は「成長期」

もうひとつ、見落とされがちな理由があります。それは、剃り始める年齢です。

多くの人がムダ毛を剃り始めるのは、思春期のころ。この時期は、ホルモン(=体の成長や変化を指示する化学物質)の働きで、体毛が自然と太く濃くなっていく時期でもあります。

つまり、「剃り始めた」のと「毛が濃くなっていく時期」がちょうど重なっているのです。これでは、剃ったせいで濃くなったと感じても無理はありません。原因と結果を取り違えてしまう、典型的なパターンです。

05剃るときに気をつけたいこと

剃っても毛は濃くなりませんが、肌への負担には気をつけたいところです。

06まとめ

  • 剃っても毛の太さ・濃さ・伸びる速さは変わらないことが、1928年から実験で示されている
  • 濃く見えるのは、太い断面、尖っていない毛先、日焼けしていない新しい毛のせい
  • 剃り始める時期と、体毛が濃くなる思春期が重なっていることも誤解のもと

ムダ毛の処理は、するもしないも自由。どちらを選ぶにしても、「剃ると濃くなる」という心配だけは、もう手放して大丈夫です。

この研究を英語で読もう原田英語の English CornerIt is widely believed that shaving makes hair grow back thicker and darker. 音声 4択クイズ9問A2・B1・B2タップして開く

原田英語の English Corner

この研究を英語で読もう

It is widely believed that shaving makes hair grow back thicker and darker. However, this idea was tested long ago. In 1928, the American anatomist Mildred Trotter studied people who shaved their legs for several months. Shaving did not make the hair thicker, darker, or faster-growing.

A 1970 study, in which young men shaved only one leg, found the same result. The reason is simple. Hair is produced in the hair follicle under the skin, and a razor only cuts the part above the surface.

So why does it seem thicker? Natural hair becomes thinner toward the tip, but shaving cuts it at its widest part, leaving a blunt end that feels rough. In addition, people often begin shaving during puberty, when hormones naturally make body hair darker.

128 words ・ CEFR B1

和訳を見る

剃ると毛が太く濃くなって生えてくると広く信じられています。しかし、この考えはずっと前に検証されていました。1928年、アメリカの解剖学者ミルドレッド・トロッターは、数か月間脚の毛を剃り続けた人々を調べました。剃っても毛は太くも濃くもならず、速く伸びることもありませんでした。

若い男性が片脚だけを剃った1970年の研究も、同じ結果でした。理由は単純です。毛は皮膚の下の毛包で作られ、カミソリは表面より上の部分を切るだけだからです。

では、なぜ太く見えるのでしょうか。自然な毛は先に向かって細くなっていますが、剃るといちばん太い部分で切られ、ざらざらした感触の平らな切り口が残ります。さらに、人はしばしば思春期に剃り始めますが、この時期はホルモンが体毛を自然に濃くするのです。

4択リーディングクイズ

Q1. How was the 1970 study carried out?

Q2. Why does shaved hair feel rough?

Q3. What can we infer from the last sentence?

重要単語

  • shaveB1
    動詞剃るShaving does not make hair grow back thicker. a close shave は「危機一髪」という口語表現にもなる。
  • hair follicleC1
    名詞(句)毛包(毛をつくる部分)The hair follicle decides how thick a hair will be. follicle はラテン語の「小さな袋」。医学・生物系の長文で出る。
  • coarseC1
    形容詞(毛などが)硬い、粗いStubble feels coarse because of its blunt tip. 同音の course(コース)と混同注意。反対は fine(細かい)。
  • pubertyC1
    名詞思春期Body hair naturally gets darker during puberty. adolescence(青年期)より体の変化に焦点がある語。reach puberty「思春期を迎える」。
  • hormoneB2
    名詞ホルモンHormones control changes in body hair. 英語の発音は「ホーモウン」。ギリシャ語「刺激する」から。
  • bluntB2
    形容詞(先が)とがっていない、鈍い/率直なA razor leaves a blunt end on each hair. 人について使うと「ぶっきらぼうな・率直な」。to be blunt「率直に言うと」。
  • coincidenceB2
    名詞偶然の一致It was a coincidence in timing, not cause and effect. coincide(同時に起こる)の名詞形。What a coincidence!「なんて偶然!」。

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4コマでわかる

ムダ毛は剃ると濃くなる? 100年前から実験で否定されていた「気のせい」の正体の4コマ漫画
「ムダ毛は剃ると濃くなる」って、1928年の時点で実験で否定されてたらしい。剃った毛がチクチク濃く見えるのは、毛のいちばん太い部分で切った“断面”を見てるから。

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出典・参考文献(3件)タップで表示
  1. Trotter (1928) Hair growth and shaving, The Anatomical Recorddoi.org
  2. Lynfield & Macwilliams (1970) Shaving and Hair Growth, Journal of Investigative Dermatologydoi.org
  3. Paus & Cotsarelis (1999) The Biology of Hair Follicles, New England Journal of Medicinedoi.org