原田英語の英語大全勉強法ぜんぶ入り
英文法大全5 / 25入試の重要度 ★★★★★

助動詞+have p.p.・助動詞の慣用表現今の自分から過去をのぞく“推理メガネ”と、丸ごと覚える助動詞フレーズ

講義 12レッスン問題 195問瞬間英作文 20基礎〜超難関

この単元で

「あいつ、寝坊したに違いない」「もっと勉強しておけばよかった」――判断しているのは“今”、中身は“過去”。この時間のズレを英語は 助動詞+have p.p.(p.p.=過去分詞)で表します。後半は may well・might as well・cannot help ~ing など、丸ごと覚えるだけで点になる助動詞の慣用表現を一気に攻略。長文の“筆者の後悔・推理”も、会話のひねった言い回しも読めるようになります。

知ってた? 目から鱗

Q1cannot help ~ing の help は「手伝う」じゃない?

この help は「避ける・やめる」という古い意味です。I can't help laughing. は「笑うのを避けられない」=笑わずにはいられない。I can't help it.(どうしようもない)の help も同じ意味です。

Q2ネイティブも should have を should of と書き間違える?

よくあります。should've の 've は「ヴ」と弱く発音され、of とほぼ同じ音に聞こえるため、ネイティブの子どもや大人も should of / could of と書き間違えます。正しくは have です。

Q3くしゃみをした人への God bless you. はどういう文?

May God bless you.(神のご加護がありますように)の May が省かれた祈願の文です。だから主語が God(3人称単数)なのに bless に s がつきません。Long live the King! も同じ仲間です。

Q4プレゼントのお礼に You shouldn't have! と言うのはなぜ?

直訳は「そんなことするべきじゃなかったのに」ですが、「こんなに気をつかってくれなくてよかったのに」という遠慮と感謝を表す決まり文句です。非難ではなく、むしろうれしさを伝える言葉です。

Q5needn't have p.p. はアメリカ人はあまり使わない?

needn't はイギリス英語寄りで、アメリカ英語では You didn't have to do that! や You didn't need to ~ がふつうです。プレゼントを受け取ったときの You didn't have to! も「わざわざありがとう」の意味です。

01助動詞+have p.p. の正体――「今」から「過去」をのぞく推理メガネ 基礎

「ケン、遅刻してる。寝坊したに違いない」。この文で、推理しているのは今の自分。でも推理の中身(寝坊した)は過去の出来事です。英語はこのズレを 助動詞 + have + 過去分詞(p.p.) で表します。過去分詞(p.p.)は eaten・written のように、完了形で have の後ろに置く形のことです。

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  • Ken is late. He must have overslept.
    ケンが遅刻している。寝坊したに違いない。
  • I should have studied harder.
    もっと勉強しておくべきだった。

なぜ「have p.p.」なのか
must には過去形がありません。could / might / would は形こそ過去形ですが、「今の控えめな推量(根拠から“たぶん〜だろう”と推しはかること)」や「仮定(“もしも〜なら”という想像)」を表すのが仕事で、単独ではふつう「過去についての推量」を表せません(間接話法などは別)。そこで英語は、助動詞はそのまま(判断は今)にして、後ろの動詞を完了形(have p.p. の形)にして時間を1つ前にずらすという方法をとったのです。

HeS must助動詞 have oversleptV.

彼は寝坊したに違いない。
グループ形意味
推量must have p.p.〜したに違いない
推量can't / couldn't have p.p.〜したはずがない
推量may / might / could have p.p.〜したかもしれない
推量should / ought to have p.p.(もう)〜したはずだ
後悔・非難should / ought to have p.p.〜すべきだったのに(しなかった)
後悔・非難shouldn't have p.p.〜すべきではなかったのに(した)
後悔・非難needn't have p.p.〜する必要はなかったのに(した)
反実could / would / might have p.p.〜できた/しただろう/したかもしれない(のに)

推量=過去を推しはかる/後悔・非難=過去の行動を悔やむ・責める/反実=事実と反対の「もしも」

助動詞は今に居残り、have p.p. だけタイムスリップ

must・may・should などの“判断”は今の自分のもの。have p.p. をつけると、動詞の中身だけが過去へワープします。「判断は今、出来事は過去」と唱えれば、どの組み合わせでも訳せます。

ひっかけ注意:形のミスに注意

助動詞の後ろは必ず原形(-s も -ed もつかない、動詞のもとの形)なので、have のまま。
✕ He must has overslept.
✕ He must had overslept.
✕ He must overslept.
○ He must have overslept.

生徒must have p.p. って「〜しなければならなかった」じゃないの?

先生それは had to。must have p.p. はほぼ必ず「〜したに違いない」っていう推理の方なんだ。

生徒義務の過去と推理の過去で、形がまるっきり違うんだ。

先生そう。推理メガネをかけたら must have p.p.、昔の義務なら had to。ここ、入試でよく狙われるよ。

確認問題 The street is wet. It ( ) have rained last night.

02must have p.p. と can't have p.p.――過去への確信の両端 標準

must have p.p. は「〜したに違いない」、can't(cannot / couldn't)have p.p. は「〜したはずがない」。過去の出来事について、話し手が「ほぼ100%そう」「ほぼ0%」と判断するときの2本柱です。

  • Yuki's eyes are red. She must have cried.
    ユキの目が赤い。泣いたに違いない。
  • Tom can't have written this letter. He doesn't know any French.
    トムがこの手紙を書いたはずがない。彼はフランス語をまったく知らないのだから。
  • She couldn't have finished the job alone.
    彼女がひとりでその仕事を終えたはずがない。(couldn't have p.p. も同じ意味)
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must have p.p.(推量)

「〜したに違いない」。今の話し手の推理。

He must have left early.

had to(義務の過去)

「〜しなければならなかった」。過去の義務。

He had to leave early.

ひっかけ注意:must have p.p. の反対は can't have p.p.

「〜したはずがない」は can't / couldn't have p.p.。must not have p.p. ではありません。
なお特にアメリカ英語の He must not have heard me. は「聞こえなかったに違いない」(not が動詞側を否定)で、「聞いたはずがない」とは意味の組み立てが違います。入試の「〜したはずがない」は can't have p.p. と覚えましょう。

超絶テク:“根拠”を見つけて向きを決める

must have / can't have の問題には、たいてい文中に根拠(目が赤い・フランス語を知らない・カギがかかっていた)がある。根拠が「そうだった」を支えるなら must have、「そうじゃない」を支えるなら can't have。

なぜ効く? 推量の助動詞は「根拠からの推理」を表すので、出題者は必ず判断材料を文中に置く。根拠を読まずに訳のフィーリングで選ぶと逆を選んでしまう。

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  • The door was locked from the inside. The thief can't have left through it.
    ドアは内側から鍵がかかっていた。泥棒がそこから出ていったはずがない。
  • You must have been tired after the trip.
    旅行のあとで疲れていたに違いないね。(have been +形容詞で「〜だったに違いない」)

確認問題 Ken got full marks on the test. He ( ) have studied very hard.

03may / might / could have p.p.――「〜したかもしれない」 標準

may have p.p. / might have p.p. / could have p.p. は「〜したかもしれない」。過去の出来事について「そうかもしれないし、違うかもしれない」と、はっきりしないときに使います。

  • I can't find my umbrella. I may have left it on the train.
    傘が見つからない。電車に置き忘れたかもしれない。
  • Emma isn't here yet. She might have missed the bus.
    エマがまだ来ない。バスに乗り遅れたのかもしれない。
  • Who ate my pudding? — It could have been Ken.
    私のプリン食べたの誰?—ケンだったかもしれないね。
“かも”三兄弟は May・Might・Could

「〜したかもしれない」は may have・might have・could have のどれでもOK。自信の強さは may > might ≧ could のイメージだけど、差はほんのわずか。「“かも”三兄弟は似たもの同士」とまとめて覚えてしまいましょう。

否定の形意味例
may / might not have p.p.〜しなかったかもしれないHe may not have heard the news.
can't / couldn't have p.p.〜したはずがないHe can't have heard the news.
must not have p.p.(主にアメリカ英語)〜しなかったに違いないHe must not have heard the news.

not がどこにかかるかで意味が変わる。may not は「しなかったかも」、can't は「したはずがない」

may not have p.p.

「〜しなかったかもしれない」。可能性の話。

She may not have read my message.

can't have p.p.

「〜したはずがない」。可能性ゼロの判断。

She can't have read my message. Her phone was broken.

might have / could have だけが持つ“もうひとつの顔”
might have p.p. と could have p.p. には、「(実際はそうならなかったが)〜していたかもしれない」という顔もあります。
○ You might have been hurt!(けがをしていたかもしれないんだよ!)
これは「実際はけがをしなかった」とわかっている場面の言い方。may have p.p. は「本当に〜したかどうかわからない」ときに使うので、この意味では使わないのが正式です。
※実際にはこの意味で may have を使う例も(特にくだけた英語で)増えていますが、入試・正式な文では might / could を選びます。

  • The package may have been delivered while we were out.
    留守の間に荷物が届けられたのかもしれない。(受動態は have been p.p.)
  • Be careful! You could have fallen off the stage.
    気をつけて!ステージから落ちていたかもしれないよ。(実際は落ちていない)

確認問題 I can't find my wallet anywhere. I ( ) have dropped it on my way home.

04should / ought to have p.p.――「しとけばよかった」と「したはず」 標準

should have p.p. には2つの意味があります。①「〜すべきだったのに(実際はしなかった)」という後悔・非難。②「(もう)〜した・しているはずだ」という推量。入試でも日常でも圧倒的に多いのは①です。

  • I should have started studying earlier.
    もっと早く勉強を始めておくべきだった。(後悔(始めなかった))
  • You should have told me about the change.
    変更のことを言ってくれればよかったのに。(非難(言わなかった))
  • I shouldn't have eaten so much.
    あんなに食べるんじゃなかった。(後悔(食べてしまった))
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裏の事実を読む
後悔・非難の should have p.p. にはふつう「実際はしなかった」が、shouldn't have p.p. には「実際はしてしまった」がくっついています。長文や会話で should have p.p. を見たら、反対の事実を頭の中で補って読むのがコツです。

シュッド・ハブ=「シュッとやっとけばよかった」

should have p.p. は「あのとき、シュッとやっておけば…」という後悔の味。shouldn't have p.p. は「シュッとやるんじゃなかった」。

後悔・非難の should have p.p.

「〜すべきだったのに」。I / you が主語で、人の行動について言うことが多い。

You should have left earlier.

推量の should have p.p.

「(予定どおりなら)もう〜したはずだ」。by now / already などと一緒に使われやすい。

The train should have arrived by now.

ought to have p.p. も同じ意味で、should have p.p. より少し硬い言い方です。否定は ought not to have p.p.(〜すべきではなかったのに)。

  • We ought to have booked the tickets in advance.
    チケットを前もって予約しておくべきだった。
  • You ought not to have said that to her.
    彼女にあんなことを言うべきではなかった。

生徒テスト返ってきた…。I should have studied harder. ってこういうときに使うんだね。

先生まさにそれ。「勉強しなかった」という事実の裏返しだね。

生徒じゃあ I shouldn't have played games all night. も言えるね…。

先生完璧。反省が英作文の練習になってる。次は should have p.p. を使わずにすむようにがんばろう。

確認問題 I feel sick. I ( ) have eaten so much cake.

05could have p.p.・would have p.p.――仮定法への架け橋 応用

could have p.p. には3つの顔があります。①「〜できたのに(実際はしなかった)」、②「〜したかもしれない」(推量)、③「〜してくれてもよかったのに」(非難)。どれも「実際に起きたこと」とは別の可能性を見ています。

  • You could have won the match. You were so close!
    試合に勝てたのに。あと少しだったね!(①できたのに)
  • The noise could have been the wind.
    あの物音は風だったのかもしれない。(②推量)
  • You could have called me!
    電話してくれてもよかったのに!(③非難)

might have p.p. にも「〜してくれてもよかったのに」という非難の使い方があります。You might have told me!(言ってくれてもよかったのに!)。could have よりやや改まった、少し恨みがましい響きです。

would have p.p. は「(もし〜だったら)〜しただろう」。実際には起こらなかったことを想像する言い方です。これは仮定法過去完了の後半(帰結)の形そのものです。仮定法過去完了とは、If S had p.p., S would have p.p.(あのとき〜だったら、…しただろう)のように過去の事実の反対を想像する形のこと。帰結は後半の「…しただろう」の部分です。

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形意味(実際は反対)例
would have p.p.〜しただろうI would have helped you.
could have p.p.〜できただろうI could have helped you.
might have p.p.〜したかもしれないI might have helped you.

仮定法過去完了の帰結=「過去の事実の反対」

if 節がなくても“もしも”は隠れている
would / could / might have p.p. は、if 節がなくても使われます。but ~(でも実際は〜)、without ~(〜がなければ)、otherwise(そうでなければ)、to 不定詞、主語などに“もしも”が隠れていることが多いのです。

  • I would have come to your party, but I had a fever.
    (本当なら)パーティーに行ったんだけど、熱があったんだ。(but 以下が“実際”)
  • Without your help, I couldn't have finished it.
    あなたの助けがなかったら、終えられなかっただろう。
  • A true friend would have kept the secret.
    本当の友だちなら秘密を守っただろうに。(主語に“もしも”(本当の友だちなら))
ひっかけ注意:反実の「〜していたかもしれない」に may have は使わないのが原則

「(実際は無事だったけど)死んでいたかもしれない」のように、事実の反対を言うときは might have / could have。may have p.p. は「〜したかどうか不明」のときの形です。
✕(入試では)If he hadn't worn a helmet, he may have been killed.
○ If he hadn't worn a helmet, he might have been killed.
(くだけた英語では may have も見かけますが、入試・正式な英語では might)

If you had asked me,if節 I would have helped you主節.

頼んでくれていたら、手伝ったのに。

確認問題 I ( ) have come to your party, but I had to work late.

06needn't have p.p. と didn't need to――「やった」のか「やらなかった」のか 応用

どちらも「〜する必要はなかった」と訳せますが、決定的な違いがあります。needn't have p.p. は「実際にはやった(のにムダだった)」。didn't need to は「必要がなかった」ことを述べるだけで、たいていは「だからやらなかった」と続きます。

needn't have p.p.

〜する必要はなかったのに(実際はした)。ムダ骨・取り越し苦労。

I needn't have brought an umbrella. It didn't rain.

didn't need to +原形

〜する必要がなかった(ふつうはしなかった)。必要の有無を述べるだけ。

I didn't need to bring an umbrella, so I left it at home.

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形実際にした?例
needn't have p.p.した(ムダだった)You needn't have waited for me.
didn't need to doたいていしなかった(文脈次第)I didn't need to wait long.
didn't have to doたいていしなかった(文脈次第)We didn't have to pay.
shouldn't have p.p.した(すべきでなかった)I shouldn't have said that.
ニードント・ハブは「やっちゃった」あとのムダ骨

needn't have p.p. は、やってしまった“あと”で「やらなくてよかったのに〜」と言う形。「ハブ(have)がついたら、もうやっちゃってる」と覚えます。

didn't need to は「必要があったかどうか」を述べるだけなので、文脈によっては「必要はなかったけど、やった」という意味にもなります(I didn't need to go, but I went anyway.)。「絶対にしなかった」わけではない点に注意。

  • You needn't have bought me a present. But thank you so much!
    プレゼントなんて買わなくてよかったのに。でも本当にありがとう!(お礼+遠慮の決まった言い方)
  • Luckily the bus came right away, so I didn't need to wait.
    運よくバスがすぐ来たので、待たずにすんだ。
ひっかけ注意:アメリカ英語では?

needn't have p.p. は主にイギリス英語で使われ、やや硬い響きです。アメリカ英語では didn't need to / didn't have to で両方の意味を表すことが多く、「実際にやった」ことは文脈や but I did anyway などで示します。入試では「needn't have p.p.=実際にした」の区別がよく問われます。

確認問題 Thanks for the flowers, but you ( ) have brought anything. Just coming was enough.

07may well・may as well・might as well――“well”で意味が激変 応用

may に well がつくか、as well がつくかで、意味がガラッと変わります。どれも丸暗記に見えますが、well と as well の意味から考えると筋が通ります。

表現意味例
may well +原形①〜するのももっともだ ②たぶん〜だろうYou may well be angry.
may as well +原形〜した方がいい・〜してもいい(ほかにいい手もないし)We may as well start now.
might as well +原形同上(より控えめ)/〜するのも同然だI might as well go home.
might as well A as BB するのは A するようなものだ/B するくらいなら A した方がましYou might as well talk to a wall as talk to him.

well 1語か、as well か。ここが分かれ目

may well の well は「十分に・大いに」。「〜する十分な理由がある」→「〜するのももっともだ」、「十分ありうる」→「たぶん〜だろう」(may だけより確信が強め)。どちらの意味かは文脈で決まります。

  • You may well be angry. He broke his promise again.
    君が怒るのももっともだ。彼はまた約束を破ったんだから。
  • It may well snow tomorrow. Check the forecast.
    明日はたぶん雪になるだろう。予報を見ておいて。

may as well / might as well の as well は「同じくらいよく」。「〜しないでいるのと同じくらい、〜してもよい」→「どっちでも大差ないなら〜しようか」→「(どうせなら)〜した方がいい」という、ちょっと消極的なおすすめです。had better のような強い忠告ではありません。

  • The last train has gone. We might as well take a taxi.
    終電は行っちゃった。タクシーで帰るしかないか。
  • There's nothing to do. I may as well go to bed early.
    やることもないし、早く寝ちゃおうかな。

might as well A as B は「比較の as」
might as well A as B は as ~ as の比較の形。「B するのは A するのと同じくらいだ」→「B するのは A するようなものだ(どちらもムダ・無意味)」。A には明らかにバカげた行為が入り、B の無意味さを強調します。A と B はどちらも原形。

YouS might as well助動詞 throwV your moneyO awayM as比較 lendV itO to himM.

彼に金を貸すのは、金を捨てるようなものだ。
ウェル1語は「もっとも・たぶん」、アズ・ウェルは「しゃーない、〜しよ」

may well(ウェル1語)=「〜するのももっとも」「たぶん〜」。may as well / might as well(アズ・ウェル)=「ほかにやることないし、〜しよっか」という消極的な選択。

ひっかけ注意:had better とまちがえない

may as well は「どっちでもいいけど、まあ〜した方がいいか」、had better は「〜しないとまずいぞ」。強さがまるで違います。
○ We may as well walk. It's only ten minutes.(10分だし歩こうか)
○ We had better hurry. The show starts in five minutes.(急がないとまずい)

確認問題 The game has already started. We ( ) as well watch it on TV at home.

08cannot を使う慣用表現――「せずにはいられない」「いくら〜しても」 応用

cannot help ~ing は「〜せずにはいられない・思わず〜してしまう」。この help は「助ける」ではなく「避ける」の意味。「〜することを避けられない」→「ついやってしまう」です。

形ニュアンス例
cannot help ~ingいちばん標準的I couldn't help laughing.
cannot help but +原形アメリカ英語でよく使う・会話でもI couldn't help but laugh.
cannot but +原形硬い・書き言葉I could not but laugh.

3つとも「〜せずにはいられない」。後ろの形がちがうので要注意

help は“よける”――よけきれずに笑っちゃう

cannot help ~ing の help は「避ける」。笑いのボールが飛んできて、よけきれずに当たる=思わず笑ってしまう。I can't help it.(仕方ないよ、どうしようもない)も同じ help。

ひっかけ注意:後ろの形のまぜこぜ

✕ I couldn't help to laugh.
✕ I couldn't help but laughing.
○ I couldn't help laughing.
○ I couldn't help but laugh.
help の後ろは ~ing、but の後ろは原形。

cannot ~ too … は「いくら〜してもしすぎることはない」。直訳は「〜しすぎることはできない」。どれだけやっても“やりすぎ”にならない=いくらやっても足りない、というわけです。too の代わりに enough を使ったり、「動詞+too much」の代わりに over- のついた動詞を使ったりすることもあります(cannot overemphasize=cannot emphasize too much)。

  • You cannot be too careful when you ride a bike at night.
    夜に自転車に乗るときは、いくら注意してもしすぎることはない。
  • I can't thank you enough.
    感謝してもしきれません。
  • The importance of sleep cannot be overemphasized.
    睡眠の大切さはいくら強調してもしすぎることはない。

cannot ~ without … は「…せずに〜することはできない」→「〜すると必ず…する」。否定が2つ(cannot と without)で強い肯定になる二重否定です。never ~ without … も同じ仲間。

IS cannot lookV at this photoM without thinking of my grandmotherM.

この写真を見ると、必ず祖母のことを思い出す。
  • These two never meet without arguing.
    この2人は会えば必ず口げんかをする。
  • = Whenever these two meet, they argue.
    (同じ意味)この2人は会うたびに口げんかをする。
超絶テク:二重否定は「必ず」に変換

cannot / never + without を見たら、「〜すると必ず…」「〜するたびに…」と肯定に変換して訳す。同意文選択では whenever / every time を探す。

なぜ効く? 「…せずに〜しない」=「〜するときは…している」という論理なので、否定を2回たどるより肯定に置きかえた方が速く正確。

確認問題 When I saw his costume, I couldn't help ( ).

09would rather・had better・would like to・I would appreciate it if 応用

would rather は「(どちらかと言えば)むしろ〜したい」。後ろに原形をとる形と、「主語+過去形」をとる形の2種類があります。

形意味例
would rather +原形むしろ〜したいI'd rather stay home.
would rather A than B(A・Bは原形)B するよりむしろ A したいI'd rather walk than take a crowded bus.
would rather not +原形できれば〜したくないI'd rather not talk about it.
would rather S +過去形S に(今・これから)〜してほしいI'd rather you didn't smoke here.
would rather S +had p.p.S に(あのとき)〜してほしかったI'd rather you had told me the truth.

別の主語が来たら仮定法。今のことなら過去形、過去のことなら過去完了

なぜ過去形?
I'd rather you didn't smoke here. は「あなたが吸わない」というまだ現実ではない願いを言っています。現実から一歩離れた内容なので、仮定法と同じく時制を1つ過去にずらすのです。I wish you didn't ~ と同じ発想です。

ひっかけ注意:than の後ろも原形・not の位置

✕ I'd rather stay home than going out.
○ I'd rather stay home than go out.
✕ I wouldn't rather go.
○ I'd rather not go.
would rather で1つの助動詞のカタマリ。A と B は同じ形(原形)でそろえます。
※ふつうの文の話。疑問文の Wouldn't you rather ~?(〜の方がよくない?)は正しい英語です。

had better は単元「助動詞」で習った表現の復習です。「〜しないとまずいぞ」という強い忠告で、否定は had better not。さらに had better have p.p. で「(ある時までに)〜し終えておくこと」という言い方もできます。

  • You'd better not tell anyone about this.
    このことは誰にも言わない方がいいよ。
  • You'd better have finished your homework by the time I get back.
    私が帰るまでに宿題を終えておきなさいよ。(完了形で「その時点までに」)

would like to +原形 は want to の丁寧版。would like O to do で「O に〜してほしい」、Would you like me to ~? で「(私が)〜しましょうか」。過去の「〜したかったのに(できなかった)」は would have liked to +原形 や would like to have p.p. で表します。

  • Would you like me to carry your bag?
    カバンをお持ちしましょうか。
  • I would have liked to see the fireworks, but it rained.
    花火を見たかったんだけど、雨が降ってしまった。

I would appreciate it if you could ~ の it
「〜していただけるとありがたいのですが」というメール・手紙の超定番。appreciate は他動詞(すぐ後ろに「〜を」にあたる目的語が必要な動詞)です。その目的語の位置に置いた it が、後ろの if 節の内容を指しています。✕ I would appreciate if you could ~ は it 抜けの誤り(くだけたメールでは見かけますが、正式な英語・入試では誤りとされます)。

I would appreciate it if ~

書き言葉・メールで丁寧に頼む。if の中は could / would が多い。

I would appreciate it if you could reply by Friday.

Would you mind ~ing?

会話で丁寧に頼む。承諾は Not at all.

Would you mind replying by Friday?

アプリシエイトは“it”をイット(言っと)け

I would appreciate it if ~ の it を忘れないために。「アプリシエイトの後ろに it を言っとけ(イットけ)」。appreciate は他動詞なので必ず目的語が要る、という理由もセットで。

確認問題 I'd rather you ( ) me the truth yesterday.

10譲歩の may・祈願の May・as ~ as can be 難関

may には「〜かもしれないが(…だ)」という譲歩の使い方があります。相手の言い分をいったん認めてから、but で本当に言いたいことを出す形です。

  • He may be young, but he is very reliable.
    彼は若いかもしれないが、とても頼りになる。
  • It may sound strange, but it's true.
    変に聞こえるかもしれないが、本当のことだ。

whatever / however / whoever ~ may … の may も譲歩で「〜しようとも」。今の英語では may を省いたふつうの形がよく使われ、may を入れるとやや硬くなります。

  • Whatever you may say, I won't change my mind.
    君が何と言おうと、考えは変えない。
  • However hard you may try, you can't finish it in a day.
    どんなにがんばっても、1日では終えられない。(however+形容詞・副詞の語順に注意)

もっと難しいのが 動詞の原形 + as + S + may / might という倒置(ふつうの語順をひっくり返すこと)の譲歩。「いくら〜しても」という意味で、物語文や難関大の長文で出てきます。

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譲歩の形意味
S may ~, but …〜かもしれないが…
Whatever S may ~何を〜しようとも
However +形容詞・副詞 S may ~どんなに〜しようとも
原形 + as S may / mightいくら〜しても
Come what may何が起ころうとも(決まり文句)

祈願の May は May + S + 原形 …! で「〜でありますように」。式典のスピーチ、カード、祈りの言葉などで使われる改まった表現です。

  • May you live a long and happy life!
    長く幸せな人生を送られますように。
  • May peace prevail on Earth.
    地球に平和が広がりますように。

最後に as ~ as can be。「なれる限り〜」→「この上なく〜・最高に〜」という強調表現です。過去の話なら as ~ as could be。

  • My grandmother is as happy as can be with her new puppy.
    祖母は新しい子犬が来て、この上なく幸せそうだ。
  • The weather was as perfect as could be for the school trip.
    修学旅行にはこれ以上ないほどの天気だった。

確認問題 ( ) as she might, she couldn't remember his name.

11難関大の差がつくポイント 難関

ここでは、知らないと手も足も出ない“細部”をまとめます。特に、感情・判断を表す should は難関大の常連です。

感情・判断の should =「〜するなんて」
It is strange / surprising / natural / a pity that S should ~ のように、驚き・意外・当然・残念などの感情を表す語のあとの that 節では、should が「〜するなんて・〜するとは」という話し手の気持ちを表します。過去のことなら should have p.p.。

  • It is strange that he should say such a thing.
    彼がそんなことを言うなんて変だ。
  • It is natural that she should be angry.
    彼女が怒るのも当然だ。
  • It is a pity that you should have missed the concert.
    君があのコンサートを見逃したなんて残念だ。(過去のことは should have p.p.)
要求・必要の should感情・判断の should
例It is necessary that he (should) go.It is strange that he should say so.
前にくる語necessary / essential / demand / suggest などstrange / surprising / natural / a pity など
should を省くと原形(he go)ふつうの時制(he says / said)
訳〜する(べき)こと〜するなんて・〜するとは

同じ that ~ should でも正体が違う。省いたときの形で見分ける

疑問詞と一緒に使う should も感情の仲間です。Why should I ~?(なぜ私が〜しなきゃいけないんだ=〜するものか)、How should I know?(私が知るわけないでしょ)、Who should ~ but …!(〜したのはなんと…だった)。

  • Why should I apologize? It wasn't my fault.
    なんで私が謝らなきゃいけないの?私のせいじゃないのに。
  • Who should I meet at the station but my old teacher!
    駅で出会ったのは、なんと昔の先生だった!(やや古風な驚きの表現)
ひっかけ注意:might as well の皮肉

might as well には「〜するのも同然だ(ムダだ)」という皮肉な使い方があります。
○ He never listens. I might as well be talking to a wall.(あいつは全然聞かない。壁に話してるのと同じだ)
文字通り「壁に話した方がいい」と訳すと、筆者の皮肉を取り逃します。

needn't have p.p. は“お礼”にもなる
You needn't have bought me a present. は、字面は「買う必要はなかった」ですが、実際には「気をつかわなくてよかったのに(でもありがとう)」という感謝と遠慮の言葉として使われます。needn't have p.p.=「実際にやった」だからこそ、相手の行為へのお礼になるのです。

will have p.p. は未来完了(「未来のある時までに〜してしまっているだろう」を表す形)ですが、「(今ごろは)もう〜しただろう」という今の推量にも使えます。It's ten o'clock. They will have arrived in Osaka by now.(10時だ。もう大阪に着いているだろう)。will の「推量」と have p.p. の「完了」の組み合わせです。

may have p.p.

本当に〜したかわからない。

He may have been injured in the accident.

might have p.p.(反実)

実際は〜しなかったとわかっている。

He might have been injured if he hadn't worn a helmet.

確認問題 It is surprising that such a shy boy ( ) in front of the whole school yesterday.

確認問題 “He never listens to me. I might as well be talking to a wall.” の下線部に最も近い意味はどれか。

12超上級:ネイティブの“たられば”フレーズ 超難関

助動詞+have p.p. は、会話では should've / could've / would've と縮まり、「シュダヴ」「クダヴ」「ウダヴ」のように聞こえます。この音から、英語話者でも should of と書きまちがえることがあるほど。もちろん of は誤りです。

フレーズ字面実際の意味
You should have seen his face!彼の顔を見るべきだった彼の顔、見せたかったよ(見ものだった)
I might have known.知っていたかもしれないやっぱりね・そうだと思ったよ
You could have fooled me.私をだませたかもしれないとてもそうは見えなかったよ(信じられないね)
I couldn't have done it without you.あなたなしではできなかっただろうあなたのおかげです
I couldn't agree more.これ以上賛成できない大賛成です
It couldn't be better.これ以上よくなりえない最高だよ

字面どおりに訳すと意味が逆になるものも。まるごと覚える

couldn't +比較級 = 最上級
I couldn't be happier. は「これ以上幸せになることはできない」→「最高に幸せ」。否定+比較級で最上級の意味になるパターンです。逆に I couldn't care less.(これ以上どうでもよくなれない)は「まったくどうでもいい」。

You could have fooled me. は、相手の I'm not tired.(疲れてないよ)のような言葉に対して「(そう言われても)とてもそうは見えなかったよ」と返す皮肉。could have p.p. の「〜できただろう(実際はそうならなかった)」を使って、「あやうくだまされるところだった=全然信じられない」と言っています。

ちょっと脱線:woulda, coulda, shoulda

would have・could have・should have を縮めて並べた、口語の決まり文句。「ああすればよかった、こうもできた…」と過去をいくら悔やんでもしょうがない、という意味で使われます。日本語の「たられば」にかなり近い感覚です。

生徒友だちに I'm not nervous at all. って言ったら You could have fooled me. って返された。どういう意味?

先生「だまされるところだったよ」→「全然そうは見えないけど?」っていうツッコミだね。

生徒つまり、めちゃくちゃ緊張してるのバレてた…。

先生そういうこと。could have p.p. の「実際はそうならなかった」を知ってると、皮肉が一発でわかるんだ。

  • You should have seen the look on his face when he opened the box!
    箱を開けたときのあいつの顔、見せたかったよ!
  • He's late again? I might have known.
    またあいつ遅刻? やっぱりね。

祈願の May の“化石”も会話に残っています。God bless you. は May God bless you. と同じ意味の祈りですが、may を使わず動詞の原形だけで祈る形なので、主語が God(3人称単数)でも bless に3単現の s がつきません。Long live ~!(〜万歳)、Heaven forbid!(とんでもない)も同じく原形で祈る“仮定法現在”(動詞の原形で願い・要求を表す古い形)の生き残りです。

確認問題 A: “I'm not tired at all.” B: “You could have fooled me.” B の発言の意図に最も近いものはどれか。

瞬間英作文チャレンジ

日本語を見て、3秒で英語にして声に出す。カードをタップすると答えが出ます。

超絶テク

“根拠”で must have / can't have の向きを決める 標準

文中の根拠(目が赤い・満点だった・カギがかかっていた)を探し、「そうだった」を支えるなら must have p.p.、「そうじゃない」を支えるなら can't / couldn't have p.p.、どちらとも言えないなら may / might / could have p.p.。

なぜ効く? 推量の助動詞は「根拠からの推理」を表すので、出題者は必ず判断材料を文中に置く。訳のフィーリングで選ぶと向きを逆にしやすい。

The door was locked. He can't have gone out.

裏の事実を即補完 応用

後悔・非難の should have p.p. → 実際はしなかった。shouldn't have p.p. / needn't have p.p. → 実際はした。could / would / might have p.p.(反実)→ 実際はそうならなかった。内容一致問題では“裏の事実”の方が選択肢になる。

なぜ効く? 後悔・非難・反実の形は「現実と違う過去」を語るので、現実はその反対。出題者は和訳や内容一致でこの反転を問う。

You should have come. → 実際は来なかった

時の副詞で「have p.p. か原形か」を即決 基礎

must / may / might / should / can't など「今の判断」を表す助動詞のあとの空所で、yesterday / last night / then など過去の時の語があれば have p.p.。now / tomorrow なら原形がふつう(by tomorrow のように「〜までに完了」なら have p.p. も)。※could(過去の能力)・would(過去の習慣)はそれ自体で過去を表せるので I couldn't sleep last night. は原形でよい。

なぜ効く? 助動詞そのものは「今の判断」なので、過去の出来事を語るには後ろを完了形にするしかない。時の副詞がそのまま決め手になる。

He must have been busy yesterday.

「〜しなければならなかった」か「〜したに違いない」か 標準

過去の話で、空所の後ろが原形なら had to(義務の過去)、have p.p. なら must(推量)。日本語訳の「〜した」に引っぱられて must have を義務と読まない。

なぜ効く? must には過去形がないので、義務の過去は had to、推量の過去は must have p.p. と、意味によって形が完全に分かれている。

I had to wait. / He must have waited.

well の前に as があるか 応用

may well → 「もっともだ/たぶん」。may as well / might as well → 「〜した方がいい(消極的)」。さらに後ろに as B があれば「B するのは A するようなもの」。

なぜ効く? well(十分に)と as well(同じくらいよく)で中身が違う。as の有無という見た目で機械的に判別できる。

You may well be proud. / We may as well go.

help の直後を見る 標準

cannot help の直後が ~ing ならOK、but があれば後ろは原形、to 不定詞は×。

なぜ効く? help は「避ける」の意味の他動詞で動名詞を目的語にとる。but の後ろは cannot but do(〜するほかない)の流れで原形になる。

I couldn't help crying. / I couldn't help but cry.

二重否定は「必ず」に変換 応用

cannot / never + without を見たら「〜すると必ず…」。同意文なら whenever / every time を選ぶ。

なぜ効く? 「…せずに〜しない」=「〜するときはいつも…」という論理。否定を2回たどるより、肯定に置きかえた方が速い。

They never meet without fighting. = Whenever they meet, they fight.

would rather の後ろに主語があるか 応用

would rather の直後が動詞なら原形。主語(you / he など)なら仮定法:今・これからのことは過去形、過去のことは過去完了。

なぜ効く? 別の人の行動についての願いは「まだ現実でない」ので、I wish と同じく時制を1つ過去にずらす。

I'd rather go. / I'd rather you went. / I'd rather you had gone.

that ~ should は前の形容詞で正体を見抜く 難関

necessary / essential / demand / suggest など→要求の should(省けば原形)。strange / surprising / natural / a pity など→感情の should(省けばふつうの時制、訳は「〜するなんて」)。

なぜ効く? 同じ should でも、要求は「まだ実現していない内容」、感情は「実際の出来事への驚き」。正体が違うので省略したときの形も違う。

It is strange that he should say so.(彼がそう言うなんて変だ)

反実の「〜していたかも」に may have は選ばない 難関

if S had p.p.、but ~、without ~ などで「実際はそうならなかった」ことがわかる文では might / could have p.p.。may have p.p. は正式には「本当にそうだったか不明」のときだけ(くだけた英語では反実の may have も見られるが、入試では選ばない)。

なぜ効く? might / could は過去形=現実からの距離を表せるが、may にはその力がない。正式な英語ではこの区別が守られる。

If you hadn't warned me, I might have fallen.

語呂・暗記フック

助動詞は今に居残り、have p.p. だけタイムスリップ助動詞+have p.p. の時間の構図

must・may・should などの“判断”は今の自分のもの。have p.p. をつけると出来事だけが過去へワープする。「判断は今、出来事は過去」と唱えれば、どの組み合わせも訳せる。

マスト・ハブは名探偵の決めゼリフ、キャント・ハブはアリバイ成立must have p.p.(〜したに違いない)/can't have p.p.(〜したはずがない)

名探偵が証拠をそろえて「犯人は彼だ、そうしたに違いない!」=must have。「その時間は別の場所にいた、彼がやったはずがない」=アリバイ成立の can't have。

“かも”三兄弟は May・Might・Couldmay / might / could have p.p.(〜したかもしれない)

3つとも「〜したかもしれない」。自信は may > might ≧ could のイメージだが差は小さい。ただし「実際は起きなかったけど危なかった」の反実は、正式には might と could だけ。

シュッド・ハブ=「シュッとやっとけばよかった」should have p.p.(すべきだったのに)

あのときシュッとやっておけば…という後悔。裏にはふつう「やらなかった」がある。shouldn't have p.p. は「シュッとやるんじゃなかった(やってしまった)」。

ニードント・ハブは「やっちゃった」あとのムダ骨needn't have p.p. と didn't need to

have がついたら、もうやっちゃってる。「やらなくてよかったのに〜」は needn't have p.p.。didn't need to は「必要なかった」と言うだけで、ふつうはやっていない。

ウェル1語は「もっとも・たぶん」、アズ・ウェルは「しゃーない、〜しよ」may well / may as well・might as well

may well=「〜するのももっとも」「たぶん〜」。as が入った may as well / might as well=「ほかにやることないし、〜しよっか」という消極的な選択。

help は“よける”――よけきれずに笑っちゃうcannot help ~ing(〜せずにはいられない)

この help は「避ける」。笑いのボールをよけきれずに当たる=思わず笑ってしまう。help の後ろは ~ing、but を入れたら原形。

アプリシエイトは“it”をイット(言っと)けI would appreciate it if you could ~

appreciate は他動詞なので目的語の it が必須。「アプリシエイトの後ろに it を言っとけ」で it 抜けを防ぐ。

ひっかけ図鑑

must have p.p. を「〜しなければならなかった」と読む

must have p.p. はほぼ必ず「〜したに違いない」という推量。義務の過去は had to。

✕ ✕ I must have gotten up at five yesterday to catch the first train.(〜しなければならなかった、のつもり)

○ ○ I had to get up at five yesterday to catch the first train.

「〜したはずがない」を must not have p.p. で

「〜したはずがない」は can't / couldn't have p.p.。must not have p.p. は(主にアメリカ英語で)「〜しなかったに違いない」という別の組み立てで、実際の会話では近い意味で使われるが、入試の「〜したはずがない」は can't have。

✕ ✕(入試では)He must not have written this. He can't speak French.(書いたはずがない、のつもり)

○ ○ He can't have written this. He can't speak French.

needn't have p.p. と didn't need to の取り違え

needn't have p.p. は「実際にやった(のにムダだった)」。やらなかったなら didn't need to。

✕ ✕ The bus came right away, so I needn't have waited.(待たなかった、のつもり)

○ ○ The bus came right away, so I didn't need to wait.

cannot help の後ろを to 不定詞に

help の後ろは ~ing、but の後ろは原形。to 不定詞は入らない。

✕ ✕ I couldn't help to cry at the end of the movie.

○ ○ I couldn't help crying at the end of the movie.

would rather A than B の B を ~ing に

A も B も原形でそろえる。than の後ろに引っぱられて ~ing にしない。

✕ ✕ I'd rather walk than taking the crowded train.

○ ○ I'd rather walk than take the crowded train.

I would appreciate の it 抜け

appreciate は他動詞。if 節の内容を受ける it が必要。(くだけたメールでは it なしも見かけるが、正式な英語・入試では誤り)

✕ ✕ I would appreciate if you could help me.

○ ○ I would appreciate it if you could help me.

反実の「〜していたかもしれない」に may have

実際にはそうならなかったとわかっている過去には might / could have p.p.。(くだけた英語では may have も見られるが、正式な英語・入試では×)

✕ ✕(入試では)Without the seat belt, she may have been badly hurt.

○ ○ Without the seat belt, she might have been badly hurt.

may well と may as well の混同

may well は「もっとも・たぶん」、may as well は「〜した方がいい(消極的)」。as の1語で意味が変わる。

✕ ✕ You may as well be angry.(怒るのももっともだ、のつもり)

○ ○ You may well be angry.

might as well A as B の as を than に

as ~ as の比較なので、B の前は as。than にしない。

✕ ✕ You might as well throw your money away than lend it to him.

○ ○ You might as well throw your money away as lend it to him.

感情の should を省いて原形にしてしまう

strange / surprising などの後ろの that 節で should を使わないなら、ふつうの時制(says / said)にする。原形にするのは要求・必要の that 節だけ。

✕ ✕ It is strange that he say such a thing.

○ ○ It is strange that he should say such a thing. / It is strange that he says such a thing.

生徒のギモン

could have p.p. と might have p.p. はどう違うの?

「〜したかもしれない」(推量)の意味ではほとんど同じです。違いが出るのは、could have p.p. の「〜できたのに(能力・機会があった)」という使い方。You could have won.(勝てたのに)を might にすると「勝っていたかもしれない」と、能力より可能性の話になります。

should have p.p. が「〜したはず」なのか「〜すべきだった」なのか、どう見分ける?

文脈がすべてですが、目安はあります。主語が人で、行動を後悔・非難している流れなら「すべきだった」。by now / already と一緒で、予定や見込みの話(電車・荷物・結果など)なら「したはず」。迷ったら「すべきだった」の方が圧倒的に多い、と考えてかまいません。

cannot help の help が「避ける」なのはなぜ?

help には昔から「(望ましくないことを)防ぐ・避ける」という意味があり、主に can't / couldn't と一緒の否定で生き残っています。I can't help it.(どうしようもない)、if I can help it(避けられるものなら)も同じ help です。「助ける」とは別の使い方として覚えましょう。

cannot help but do は間違いだと聞いたけど?

cannot help ~ing と cannot but do が混ざってできた形だとして、昔は批判する人もいました。しかし今ではアメリカ英語を中心にごくふつうに使われ、辞書にも載っています。入試でも正しい形として扱われるので安心してください。ただし cannot help but ~ing は×です。

might as well と had better、どっちを使えばいい?

気持ちの強さで選びます。had better は「しないとまずいことになる」という警告。might as well は「ほかにいい手もないし、〜しようか」という消極的な選択です。電車を逃してタクシーを使うなら We might as well take a taxi.、遅刻しそうで急がせるなら We'd better hurry.。

would rather の後ろが過去形になるのは仮定法なの?

はい、仮定法と同じ発想です。I'd rather you didn't smoke. は「あなたが吸わない」という、まだ現実ではない願い。現実から一歩離れた内容なので時制を1つ過去にずらします。I wish you didn't ~ や It's time you went ~ と同じ仲間です。

It is strange that he should ~ の should は省略できる?

できます。ただしそのときは It is strange that he says / said so. のようにふつうの時制になります(要求の that 節のように原形にはなりません)。should を使うと「〜するなんて」という話し手の驚きや感情が強く出る、やや硬い言い方になります。

超絶おもしろコラム

“should of” 事件――耳から覚えた英語の落とし穴英語のネイティブも、should have をまちがえて書くことがあります。

英語圏のSNSやネット掲示板を眺めていると、I should of known better. のような文にときどき出会います。もちろん正しくは I should have known better.(もっと分別を持つべきだった)。なぜこんな書きまちがいが生まれるのでしょう?

答えは発音にあります。会話では should have は縮まって should've になり、「シュダヴ」のように発音されます。この「ヴ」の部分が、弱く読んだときの of(「オヴ」→「ア(ヴ)」)とほとんど同じ音になるのです。could've・would've・must've も同じで、音だけで英語を覚えた人は、つい could of・would of と書いてしまう。英語話者向けの文法ガイドや辞書の使い方欄でも、よくある誤りとして取り上げられています。

小説では、この書きまちがいをわざと使うこともあります。登場人物のセリフを could of と書くことで、その人の話し方のくだけた感じや、あまり書き慣れていない人物像を表現するのです。つまり of は「音をそのまま写した綴り」として、ある種のキャラクター表現になっているわけです。

ここに、外国語として英語を学ぶ私たちの強みがあります。ネイティブの子どもは、まず耳で言葉を覚え、あとから文字を学びます。だから音が同じ語を混同しやすい。一方、受験生は「助動詞の後ろは原形」「have +過去分詞で完了」というしくみから入るので、should of が文法的にありえないことが一目でわかります。

ただし、リスニングでは逆にこの縮約が弱点になります。should've・could've・would've は、ほとんど「シュダ」「クダ」「ウダ」のように聞こえることも多く、さらにくだけると shoulda・coulda・woulda と表記されるほど。「シュダ」と聞こえたら should have、つまり「〜すべきだったのに」の後悔か非難だ、と瞬時に変換できるようにしておきましょう。

文法の知識は、読み書きの正確さを守ってくれるだけでなく、崩れた音の中から意味を拾い出すための“設計図”にもなるのです。

“たられば”の心理学――銀メダリストはなぜ悔しそうなのかcould have p.p. は、人間の頭の中で毎日のように鳴っている文法です。

「あのとき、もう少し早く家を出ていれば間に合ったのに」「あと1問解けていれば合格できたのに」。私たちは、起こらなかった過去を想像する“たられば”を毎日のようにくり返しています。心理学ではこれを反実仮想(カウンターファクチュアル思考)と呼び、英語ではまさに could have p.p.・should have p.p.・would have p.p. が担当する領域です。

この分野でよく紹介されるのが、オリンピックのメダリストの表情を調べた研究です(Medvec, Madey & Gilovich, 1995)。表彰台の映像などを分析すると、銀メダリストより銅メダリストの方が満足そうに見える傾向がある、と報告されました(その後、選手の事前の期待の大きさによって結果が変わるという指摘もあり、いつでも当てはまる法則というわけではありません)。

理由は“たられば”の向きにあると考えられています。銀メダリストは「あと少しで金だったのに(I could have won gold.)」と、上の可能性と比べてしまう。一方、銅メダリストは「一歩まちがえればメダルなしだったかもしれない(I might have ended up with nothing.)」と、下の可能性と比べてほっとする。同じ“反実”でも、上と比べるか下と比べるかで気持ちがまったく変わるわけです。

後悔の研究では、ほかにも有名な知見があります。短い期間で見ると、人は「やってしまったこと」(I shouldn't have said that.)を強く後悔しやすい。ところが長い目で見ると、「やらなかったこと」(I should have tried.)の後悔の方が心に残りやすい、という研究結果が知られています(Gilovich & Medvec, 1995)。

英語の文法に当てはめると、shouldn't have p.p. の後悔はやがて薄れ、should have p.p. の後悔は長く残る、ということになりそうです。受験生にとっての教訓は明らか。「あのとき勉強しておけばよかった(I should have studied.)」を未来の自分に言わせないように、今やっておくことです。

文法を覚えるとき、例文を自分の経験に結びつけると記憶に残りやすくなります(精緻化)。今日の失敗を1つ、should have p.p. で英語にする。それだけで、後悔がそのまま復習に変わります。

祈りの化石――God bless you はなぜ blesses じゃない?くしゃみのあとに聞こえるあの言葉には、1000年前の文法が生きています。

英語圏では、誰かがくしゃみをすると、まわりの人が (God) bless you. と声をかける習慣があります。ここで文法好きなら気づくはず。主語は God(3人称単数)なのに、動詞は blesses ではなく bless。これはミスではありません。

この bless は仮定法現在、つまり「こうでありますように」という願いを表す原形です。もともとは May God bless you. と may を使った祈願文と同じ意味で、may を使わずに動詞の原形だけで祈る古い形が、決まり文句として残ったものです。この単元で学ぶ「祈願の May + S + 原形」と、根っこは同じ発想です。

同じような“化石”は、ほかにもたくさんあります。

■ 原形で祈る・願う決まり文句
Long live the King!(国王万歳)の live、Heaven forbid!(とんでもない、そんなことがありませんように)の forbid、イギリス国歌のタイトル God Save the King の save も、すべて3単現の s がつかない原形です。どれも「〜でありますように」という願いを表しています。

■ 譲歩の化石
Come what may(何が起ころうとも)、Be that as it may(それはそうとしても)、Suffice it to say(〜とだけ言っておこう)も、仮定法現在の名残です。語順まで古い英語のままなので、初めて見ると面食らいますが、まるごと覚えてしまえば長文でも会話でも怖くありません。

かつての英語では、願い・仮定・譲歩を表す動詞の形(仮定法)が今よりずっと活発に使われていました。それが時代とともに may / might / should などの助動詞に仕事を譲り、動詞の形としての仮定法は、決まり文句や「提案・要求の that 節(that he go)」などにひっそりと生き残っています。

くしゃみひとつに1000年分の文法史。次に bless you を聞いて「あ、仮定法現在だ」と心の中でつぶやけたら、もう立派な文法通です。

最終まとめ(暗記カード)

  1. 助動詞+have p.p.=判断は今、出来事は過去
  2. must have p.p.=〜したに違いない(義務の過去 had to と区別)
  3. can't / couldn't have p.p.=〜したはずがない(入試では must not have ではない)
  4. may / might / could have p.p.=〜したかもしれない
  5. should / ought to have p.p.=①すべきだったのに(しなかった)②もう〜したはず/shouldn't have p.p.=すべきでなかったのに(した)
  6. needn't have p.p.=する必要はなかったのに(実際はした)/didn't need to=必要がなかった(ふつうはしなかった)
  7. could have p.p.=できたのに・したかもしれない・してくれてもよかったのに
  8. would / could / might have p.p.=仮定法過去完了の帰結(実際は反対)。反実に may have は使わない(正式には)
  9. may well=もっともだ・たぶん/may (might) as well=〜した方がいい/might as well A as B=BするのはAするようなもの
  10. cannot help ~ing=cannot help but 原形=cannot but 原形=〜せずにはいられない
  11. cannot ~ too …=いくら〜してもしすぎない/cannot ~ without …=〜すると必ず…
  12. would rather A than B(原形)/would rather S+過去形(今)・had p.p.(過去)
  13. I would appreciate it if you could ~(it を忘れない)
  14. 譲歩:whatever S may ~/原形+as S might/祈願:May S 原形!/as ~ as can be=この上なく〜
  15. 感情の should:It is strange that he should ~=〜するなんて(過去は should have p.p.)
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