Two Truths and a Lie ― 3つの文のうち1つはウソ。質問して見破れ
自分について3文言い、そのうち1つだけウソをまぜる。聞き手は質問を重ねてウソを見破る。「当てたい」気持ちが、質問する力と聞く力を同時に引き出します。
- ⏱ 時間
- 15-20分
- 🧰 準備
- なし
- 👥 形態
- グループ(4人)
- 🎯 技能
- やり取り・スピーキング・帯活動・ゲーム
- 📶 CEFR
- A1-B1

- 「当てたい」という目的のために、質問をたくさん作って言う。
- 相手の答えをよく聞き、矛盾に気づく聞き方を育てる。
Two Truths and a Lie ってなに?
ひとことで言うと、自分について3つの文を言い、そのうち1つだけウソをまぜて、聞き手が英語で質問を重ねてウソを見破るゲームです。
たとえば "I have been to Egypt. / I can play the guitar. / I have three cats." と言い、聞き手は "When did you go to Egypt?" "What song can you play?" と質問して、答えの内容や話のつじつまを手がかりにウソを探します(英語でつかえたり言い直したりするのは、ウソの手がかりではありません)。ウソを見破るには質問するしかないので、聞き手は自分から疑問文を作り続けることになります。
刑事ドラマの取り調べのようなものです。「その日はどこにいましたか?」「だれと?」と質問を重ねるうちに、話のつじつまが合わないところが見えてきます。大事なのは、いきなり当てるのではなく、質問で確かめてから判断することです。
似た活動とのちがい
| Two Truths and a Lie | 20 Questions | Find Someone Who | |
|---|---|---|---|
| 答える人 | 3文を言った本人(その場で詳しく答える) | 出題者(Yes / No で答える) | 質問された人(Yes / No と少しの説明) |
| 主に使う質問 | 5W1H の質問・Yes/No 疑問文 | Yes/No 疑問文 | リストの決まった疑問文 |
| ゴール | 3文の中のウソを見破る | 秘密の答えを当てる | 条件に合う人を見つける |
やり方を3ステップで
- 3文を作る:自分について3文を書き、1つだけ「本当っぽいウソ」をまぜる。
- 質問する:班で1人ずつ3文を言い、ほかの人が1分間質問する(聞き手は1人1問以上、順番に質問してから投票)。
- 当てて種明かし:相談して「ウソは何番?」を当て、本人が種明かしをする。
授業の流れ(分ごと)
| 時間 | 活動 | 先生のポイント |
|---|---|---|
| 0:00〜4:00 | 先生のお手本(3文→質問タイム→投票) | クラス全体で質問させる |
| 4:00〜7:00 | 自分の3文を書く | 単元の文法を1つ入れる |
| 7:00〜15:00 | 4人班で1人ずつ順番に(1人2分) | 聞き手は1人1問以上質問してから投票 |
| 15:00〜17:00 | 班の「最高のウソ」を全体で | 代表1〜2班だけ、全体で当てる(時間があれば増やす) |

- 先生がお手本(4分):自分について3文を板書。例 "I have been to Egypt. / I can play the guitar. / I have three cats." クラス全体で先生に質問させ、手を挙げて投票、種明かし。
- 3文を作る(3分):生徒がワークシートに自分の3文を書く。単元の文法を1つ入れる条件をつける。
- 4人グループで1人ずつ順番に(1人2分×4):机を4つくっつける。話し手が3文を言う→3人が順番に1人1問以上質問(1分)→相談して当てる→種明かし。
- 記録:ワークシートの表に「いちばん良かった質問」と予想を書く。
- 全体で(2分):代表の1〜2班に「最高のウソ」を出してもらい、クラス全体で当てる。全班分を回すなら、さらに5分ほど見ておく。
中1(be動詞・一般動詞・can)
- I have two brothers. / I can ride a unicycle. / I don't like chocolate.
- My favorite color is green. / I play the drums. / I can speak a little Korean.
中2(過去形・比較) 3. I went to Hokkaido last winter. / I ate ten dumplings yesterday. / I lost my shoe at the beach. 4. I am taller than my father. / My dog is older than me. / I got up at 4:30 this morning.
中3〜高1(現在完了・受け身) 5. I have met a famous soccer player. / I have never eaten sushi. / I have lived in three cities. 6. My name was chosen by my grandfather. / I was born in a hospital in Osaka. / My bike was stolen last year.
高校(仮定・意見) 7. If I could live anywhere, I would choose Iceland. / I have read the same book five times. / I want to be a vet.
質問の例 8. When did you ...? / Who were you with? 9. How many ... ? / What are their names? 10. Why did you ...? / How did you feel? 11. Can you tell us more?(写真や個人の情報を見せる必要はありません) 12. What happened next?
- 小学校:「I like ... .」「I can ... .」の3文。聞き手は "Really?" と1つ質問して当てる。絵カードを指さしてもよい。
- 中学:過去形の単元なら「夏休みにしたこと」で3文。答える側は即興でウソの詳細を作るので、話す力の練習にもなる。
- 高校:3文を少し長くする(理由や詳細を1つ足す)。質問は1人2つまでにして、核心をつく質問を考えさせる。
- 大人数クラス:全体でやるのは先生のお手本と、代表の班の「最高のウソ」だけ。それ以外は4人班で同時に進めるので、40人でも待つ時間が出ません。
- 苦手な生徒が多いクラス:例文の一部を入れかえるだけで3文が作れるように、例をたくさん板書しておく。質問はワークシートの語群から選んで言えばよい。
- オンライン・タブレット:3文をチャットに書き込み、質問は音声で。投票機能で当てると盛り上がる。
- 知識・技能:単元の文法を使って、自分について正しく3文を言えているか。疑問文を正しく作れているか。
- 思考・判断・表現:相手の答えを聞いて、ウソを見破るのに役立つ質問を考えているか。答える側は、その場で詳細を足して答えているか。
- 主体的に学習に取り組む態度:「1人1問以上(できれば2問)質問する」は活動のルール・形成的なチェックにとどめます。評価として見るなら、相手の答えをふまえて質問を選び直す、ふり返りをもとに次のやり取りを工夫する、といった粘り強さと調整のようすを、この1回だけでなく何回かの活動で見ます。
下の表は活動中に使う形成的な評価の簡易ルーブリックです(観点別評価の公式の規準ではありません。3文は主に知識・技能、質問と応答は主に思考・判断・表現に対応します)。
| 活動内の評価項目 | A | B | C |
|---|---|---|---|
| 3文 | 単元の文法を正しく使い、内容も工夫 | 3文は言えるが一部まちがい | 3文が言えない |
| 質問 | 核心をつく質問を2つ以上する | 決まった質問を1つする | 質問しない |
| 応答 | 質問に詳細をつけて即興で答える | 一言で答える | 答えられない |
- ウソがすぐばれて盛り上がらないときは → 「I am a dog.」のような明らかなウソではなく、「本当っぽいウソ」を作るのがコツと伝え、先生のお手本で見せる。
- 話したくない個人情報が出そうなら → 家族や体のことなど、言いたくないことは言わなくてよいと最初に約束する。ウソの内容も人を傷つけないものに。
- 質問せずに当てずっぽうで投票したら → 「聞き手は1人1問以上、順番に質問してから投票」のルールで、質問の量を確保する。
- 答える側が日本語で言い訳を始めたら → 「わからないときは I don't remember. でもOK」と教える。
- 3文が思いつかない生徒には → 例文の数字や場所を変えるだけでよいと伝え、1文目だけ一緒に作る。
大人の ESL 学習者34人を対象にした実験では、タスクを通したやり取りと疑問文の発達とのつながりを支持する結果が出て、とくに、やり取りを見ているだけでなく、質問したり答えたりする当事者として、意味のやり取りを伴うタスクに参加することの大切さが示唆されました 1。ただしこれは母語話者と学習者の二者のタスクの研究で、生徒どうしの班活動であるこの活動への当てはめは間接的です。Two Truths and a Lie では、ウソを見破るために聞き手が自分から質問を重ねる必要があり、受け身では参加できません。
もう1つの利点は、気持ちのハードルの低さです。外国語の不安と外国語の成績(到達度)の関係をまとめたメタ分析(約2万人分のデータ)では、不安が強いほど成績が低いという中くらいの負の相関(r = −.36)が見られました 2。相関なので「不安を下げれば必ず伸びる」とは言えませんが、ゲームの形で自分のことを話せる活動は、学年はじめの緊張をやわらげる工夫の1つとして使えます(この活動で不安が下がるかを調べた研究ではありません)。
❓ よくある質問
Q. Two Truths and a Lie は、どう進めますか?
先生が自分の3文を板書してお手本を見せたあと、生徒が単元の文法を1つ入れて自分の3文を書きます。4人班で、話し手が3文を言う→3人が質問(1分)→相談して当てる→種明かし、を1人2分で回します。最後に代表の班の「最高のウソ」を全体で当てます。
Q. 質問せずに、当てずっぽうで投票してしまいます。
「聞き手は1人1問以上、順番に質問してから投票」のルールにして、全員が質問する機会を確保します。ウソを見破るには質問が必要なので、Yes/No 疑問文や 5W1H の質問を使う機会が作れます。
Q. ウソがすぐばれて、盛り上がりません。
I am a dog. のような明らかなウソではなく、「本当っぽいウソ」を作るのがコツだと伝え、先生のお手本で見せます。たとえば I have been to Egypt. / I can play the guitar. / I have three cats. のような3文です。
Q. 個人的な話をさせるのが心配です。
家族や体のことなど、言いたくないことは言わなくてよいと最初に約束し、ウソの内容も人を傷つけないものにします。自分の話でも「ウソも混ざっている」ので、本当のことだけを話すより負担を感じにくい生徒もいて、学年はじめのアイスブレイクにも向きます(実践上の見立てです)。
Q. Two Truths and a Lie は、なぜ英語の力になるのですか?
大人の学習者の実験で、タスクを通したやり取りと疑問文の発達のつながりを支持する結果が出て、見ているだけでなく、質問したり答えたりする当事者として参加することの大切さが示唆されています(母語話者との二者のタスクの研究で、この活動への当てはめは間接的です) 1。また、外国語の不安と外国語の成績には中くらいの負の相関(r = −.36)があり 2、相関なので因果はわかりませんが、ゲームの形で自分のことを話せる活動は、緊張をやわらげる工夫の1つとして使えます。
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📑 出典(2件)
本文の上付き数字に対応。✔ は DOI / ISBN / 公式ページを書誌データベースと機械照合した印です。
- Mackey, A. (1999). Input, interaction, and second language development: An empirical study of question formation in ESL. Studies in Second Language Acquisition, 21(4), 557-587. doi:10.1017/S0272263199004027 ✔ DOI照合済やり取り(インタラクション)が疑問文の発達を助けるかを調べた実験。自分からやり取りに参加することの大切さを示した
- Teimouri, Y., Goetze, J., & Plonsky, L. (2019). Second language anxiety and achievement: A meta-analysis. Studies in Second Language Acquisition, 41(2), 363-387. doi:10.1017/S0272263118000311 ✔ DOI照合済外国語不安と成績の関係をまとめたメタ分析(105サンプル・約2万人)
最終更新 2026-10-18 ・ 原田英語 まちがいのご指摘はこちら





