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ジェスチャー当てクイズ ― 体で表して、英語で当てる「動き」の語彙ゲーム

1人が声を出さずに動作をして、みんなが英語で当てる。swim、cook、play the piano……。5歳児の小さな実験では、ジェスチャーをまねして覚えた英単語の方が、絵で覚えた場合より「言える」成績が高かったという報告もあります。

⏱ 時間
10-15分
🧰 準備
少し
👥 形態
全体→班
🎯 技能
小学校・語彙・スピーキング・ゲーム
📶 CEFR
Pre-A1-A1
🛡️
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ジェスチャー当てクイズ ― 体で表して、英語で当てる「動き」の語彙ゲームのイメージ
💡ねらい
  • 動作を表す語(swim, cook, play the piano など)を、体の動きと結び付けて覚える。
  • 当てる側は英語で答えることで、聞いて覚えた語を自分で言う段階に進む。
  • 5・6年は I can ... . / Can you ...? のやり取りにつなげ、自分のことを伝える活動の準備にする。

ジェスチャー当てクイズってなに?

ひとことで言うと、1人が声を出さずに動作(泳ぐ・料理する など)をして、ほかの子がそれを英語で当て、当たったらみんなで同じ動作をしながら英語を言うゲームです。

🎈たとえるなら

英語版の「ジェスチャーゲーム」です。遊び方はおなじみのものですが、大事なのは当たったあと。答えがわかって終わりにせず、全員で同じ動きをしながら英語を言うことで、「動き」と「ことば」をセットにして覚えます。

サイモン・セズとのちがい

サイモン・セズ ジェスチャー当てクイズ
英語を言うのは 主に先生(子どもは聞いて動く) 当てる子ども(動作を見て英語で言う)
動くのは 指示を聞いた全員 出題する子と、当たったあとの全員
主に使う力 英語を聞いて、意味がわかる 動作を見て、英語の語を思い出して言う

やり方を3ステップで

  1. 見せる:出題する子がお題カードを引き、声を出さずに動作をする。
  2. 当てる:ほかの子が Swimming! のように英語で当てる。
  3. みんなでまねる:当たったら全員で動作をしながら言う。5・6年は Can you swim? と聞かれて、一人ひとりが自分のことを答える。

授業の流れ(分ごと)

時間 先生 子ども
0:00〜3:00 動作の語を、ジェスチャーをつけて導入 先生と同じ動きをしながら言う
3:00〜6:00 先生がジェスチャーを出題 英語で当てる(単語または文)
6:00〜11:00 班で出題者を交代しながらクイズ 出題・回答・ワークシートに✓
11:00〜13:00 代表数人が前で出題 全員で当て、当たったら動きながら言う
13:00〜15:00 ふりかえり(5・6年は I can ... . の書き写しも) 自分のできることを絵に描く(5・6年は文も書き写す)
ジェスチャー当てクイズ ― 体で表して、英語で当てる「動き」の語彙ゲームの教室の配置と動き方
🗺️ 教室の配置と動き方(イメージ)
👣手順
  1. お題カードを作る:動作の語を10〜20枚、カードにする(絵+英語)。班に1セット。玉手箱のジェスチャーのお題ツールを画面に出してもよい。
  2. 導入(動きとセットで):先生が swim と言いながら泳ぐ動作。子どもは同じ動作をしながら言う。全員が「同じ動き」をするのがポイントです。
  3. 先生が出題:声を出さずに動作をして "What am I doing?"。子どもは Swimming! のように語で当てる(5・6年は、当たったあとの Can you swim? のやり取りで can を使う)。
  4. 当たったら全員で:動作をしながら全員で "Swimming!"(先生は "Yes, swimming. The word is swim." と基本の形も示す。5・6年は "Swimming!" と言ったあと、先生が Can you swim? と聞き、一人ひとりが自分に合わせて Yes, I can. / No, I can't. と答える)。この「みんなでまねして言う」は、研究で効果が示された「自分で動作をして覚える」形を取り入れる段階です 1。
  5. 班で進める:4人班でカードを伏せて置き、1人が引いて動作。ほかの3人が当てる。当てた人がワークシートに✓、出題者を時計回りに交代。1問30秒。
  6. 前で出題:班で一番盛り上がったお題を代表が前で出す。
  7. 書き写す(5・6年):自分ができることを1つ絵に描き、I can ______ . を書き写す。
🗣️先生の英語(そのまま使える)
TWatch me. (gesture: swimming) What am I doing?
SOyogu!
TYes! In English?
SSwimming!
TGreat! Yes, swimming. The word is "swim." Everyone, do it with me. Swimming!
SSwimming! (gesture)
TNext one. (gesture: playing the piano)
SPlaying the piano?
TYes! Playing the piano. Can you play the piano?
SNo, I can't.
TOK. Now in your groups. Take a card. Don't show it!
TNo talking. Gestures only. Thirty seconds. Ready, go!
🏫そのまま使える素材

お題30(やさしい→むずかしい)

  1. swim 2. run 3. jump 4. walk 5. sleep 6. eat 7. drink 8. sing 9. dance 10. cook
  2. read a book 12. write 13. draw a picture 14. play soccer 15. play basketball 16. play the piano 17. play the guitar 18. ride a bike 19. ride a unicycle 20. skate
  3. ski 22. fly 23. climb a tree 24. wash my face 25. brush my teeth 26. take a bath 27. watch TV 28. play video games 29. fish 30. skip rope

当て方のレベル

  • レベル1(3〜6年):語で Swimming! / Dancing!
  • レベル2(5・6年・can の単元):当てたあと Can you swim? と出題者に聞き、Yes, I can. / No, I can't. と答える。
  • 発展(中学校への橋渡し):Are you swimming? / You're dancing! と文で当てる。現在進行形は中学校で学ぶ文法なので、小学校では先生の言い方を聞いてまねる程度にとどめ、評価の対象にはしない。

動物版(3・4年):rabbit / monkey / elephant / snake / bird / frog / penguin / gorilla ― 当て方は Are you a rabbit?

🔁アレンジ
  • 小学校3・4年:動物や遊びのお題で、単語で当てる。出題を恥ずかしがる子には、2人組で一緒に出題してよいことにする。
  • 小学校5・6年:can の単元で、当てたあと Can you ...? と聞き合い、クラスの「できる人」を探す活動へ。
  • 中学:現在進行形(What is he doing? He is cooking.)の練習に。出題者以外が三人称で答える。
  • 大人数クラス:班で同時進行。先生は「動作が大きい班」「英語で当てている班」をほめて回る。
  • 苦手な子が多いクラス:答えの選択肢(お題の絵カード)を黒板に全部貼っておき、「この中から当てる」にする。
  • オンライン・タブレット:カメラの前で動作。チャットで答えを打たせると、全員の答えが同時に見える。
📊評価のポイント
  • 知識・技能:動作を表す語を、ジェスチャーを見て英語で言える。5・6年は Can you ...? の質問の意味がわかり、Yes, I can. / No, I can't. で答えられる。
  • 思考・判断・表現:このゲームだけでは見きわめにくい観点です(語を当てる・Yes / No を選ぶのは主に知識・技能)。5・6年で見るなら、「クラスの友だちのできることを知る」という目的で、自分で選んだ動作について Can you ...? とたずね、わかったことを I found ... can ... . のように伝える活動を別に設けます。本時で3観点すべてを記録する必要はありません。出題者の動作の上手・下手は評価しない。
  • 主体的に学習に取り組む態度:わからないときも、絵カードや友だちの発話を手がかりにして、英語で答えようとしている(人前に出るのが得意かどうかは評価しない)。3・4年の外国語活動は、評定ではなく文章で記録する材料にする。
段階 3・4年の目安 5・6年の目安
◎ 絵カードや友だちの声に頼らず、動作を表す語を英語で言って当てられる 語で当て、Can you ...? / Yes, I can. / No, I can't. のやり取りを自分から続けられる
○ 絵カードや友だちの声を手がかりに、英語の単語で当てられる 語で当てられ、先生や友だちの助けで Can you ...? のやり取りができる
△ 日本語で当て、先生の言い直しをまねして言う段階 語で当てるのが中心で、Can you ...? のやり取りはまねして言う段階
⚠️よくあるつまずきと対処
  • 出題者がつい声を出したり、口で説明したりする → 「No talking!」を合言葉に。出題者は口を手で押さえて動作する、というルールにすると笑いも起きます。
  • 日本語で当ててしまう → 日本語の答えも受け止め、"In English?" と返すだけで十分。正解を英語で言えた人にポイントを。
  • 恥ずかしくて動けない子がいる → 2人組で出題、または「座ったままできるお題(read, write, eat)」から。全員でまねする段階を先に何度もやっておく。
  • 騒がしくなりすぎる → 1問30秒のタイマーと、終わりの合図(手を挙げたら静かに)を決める。
  • 当てるのが一部の子だけになる → 班の中で答える順番を決める、または全員が指で答えのカード番号を示す形にする。
🔬なぜ効く?

フランスの5歳児20人が英語の語8つを覚えた実験では、絵で覚えたグループより、ジェスチャーをまねしながら覚えたグループの方が、語を「言える」力(産出)が高くなりました。研究者は、自分でジェスチャーをすると、見た情報に加えて体を動かした情報も記憶に残るためだと説明しています 1。

ドイツの8歳の小学生を対象にした3つの実験では、英語の語をジェスチャーつき、または絵つきで覚えると、何もつけない場合より成績がよく、その差は6か月後まで続きました。おとなの研究から「ジェスチャーの方が絵より効く」と予想されていましたが、子どもでは両者は同じくらいでした 2。ドイツ語を話すおとな(平均約21歳)20人が、イタリア語風に作った人工の言語で抽象的な語を覚えた研究でも、ジェスチャーつきで覚えた語の方がよく覚えていて、新しい文を作るときにも使われやすかったと報告されています。こちらは子どもの研究ではないので、小学生への直接の証拠ではなく参考として読んでください 3。

ポイント:ジェスチャーは「盛り上げ役」だけでなく、記憶の手がかりにもなり得ます。研究で子どもが行ったのは、ジェスチャーを「自分でまねして動く」学び方でした。見ているだけの場合と直接比べた子どもの研究ではないものの、研究に近い形にするために、当たったあと全員で動作をしながら言う段階をできるだけ入れましょう。また、上の研究は語を教える場面の研究で、当てっこゲームそのものを調べたものではない点には注意が必要です 12。

❓ よくある質問

Q. 3・4年と5・6年で、やり方は変えますか?

どの学年も Swimming! のように語で当てます(Are you swimming? のような現在進行形は中学校で学ぶ文法なので、小学校では発展的に聞かせる程度にします)。当たったら全員で動作をしながら "Swimming!" と言い、5・6年はそのあと Can you swim? と聞かれて、一人ひとりが自分に合わせて Yes, I can. / No, I can't. と答えます。5・6年は最後に、自分ができることを絵に描いて I can ______ . を書き写します。

Q. 恥ずかしくて動けない子がいたら?

2人組で出題させるか、read, write, eat のような座ったままできるお題から始めます。先生の動作を全員でまねする段階を先に何度もやっておくと、前に出て動くハードルが下がります。

Q. 出題者が声を出したり、日本語で当てたりしてしまうときは?

「No talking!」を合言葉にし、出題者は口を手で押さえて動作するルールにすると笑いも起きます。日本語の答えも受け止め、"In English?" と返すだけで十分です。正解を英語で言えた人にポイントを渡します。

Q. ジェスチャーをつけると、単語を覚えやすくなりますか?

フランスの5歳児の実験では、ジェスチャーをまねしながら覚えたグループの方が、絵で覚えたグループより語を言える力が高くなりました 1。ドイツの8歳の子どもの実験でも、ジェスチャーつきで覚えた語は何もつけない場合より成績がよい状態が6か月後まで続きました(ただし絵つきで覚えた場合も同じくらいの効果でした)2。どちらも語を教える場面の研究で、当てっこゲームそのものを調べたものではありません。

🎁 玉手箱で使えるツール

原田英語の「英語の先生の玉手箱」の無料ツール。登録なしで授業にそのまま使えます。

📑 出典(3件)

本文の上付き数字に対応。✔ は DOI / ISBN / 公式ページを書誌データベースと機械照合した印です。

  1. Tellier, M. (2008). The effect of gestures on second language memorisation by young children. Gesture, 8(2), 219-235. doi:10.1075/gest.8.2.06tel ✔ DOI照合済フランスの5歳児20人。英単語を、ジェスチャーをまねしながら覚えた子は、絵で覚えた子より言える語が多かった
  2. Andrä, C., Mathias, B., Schwager, A., Macedonia, M., & von Kriegstein, K. (2020). Learning foreign language vocabulary with gestures and pictures enhances vocabulary memory for several months post-learning in eight-year-old school children. Educational Psychology Review, 32(3), 815-850. doi:10.1007/s10648-020-09527-z ✔ DOI照合済ドイツの8歳児。ジェスチャーや絵をつけて覚えた英単語は、6か月後まで記憶がよかった
  3. Macedonia, M., & Knösche, T. R. (2011). Body in mind: How gestures empower foreign language learning. Mind, Brain, and Education, 5(4), 196-211. doi:10.1111/j.1751-228X.2011.01129.x ✔ DOI照合済ジェスチャーをつけて覚えた外国語の語は、つけなかった語よりよく覚えていて、新しい文でも使われやすかった

最終更新 2026-10-18 ・ 原田英語 まちがいのご指摘はこちら