まずはこの3つ
- 見て覚えるより、隠して「思い出す」(テスト効果)
- 1日で完璧より、日をあけて何度も(分散学習)
- 1語に粘らない。出なければ答えを見て次へ
まず知っておくこと:忘れるのは当たり前
たいていの単語は1回では覚えられない。人の記憶は、忘れかけた頃に思い出すたびに強くなる。だから「昨日覚えたのに忘れた」は失敗ではなく、もう一度思い出すチャンス。単語は「覚える」より「何度も思い出す」ものと考えると、気がラクになり、しかも残る。
効果が確かめられている5つのコツ5
- 1隠して思い出す日本語を隠して、英語を見て意味を言う。ながめるだけだと「見たことがある」止まりで、テストで出てこない。思い出す練習そのものが記憶を強くする(テスト効果)。
- 2日をあけて何度も同じ回数くり返すなら、1日にまとめるより、翌日・数日後・1週間後と間をあけて思い出す方が長く残る(分散学習)。言えた語も、間隔をのばして確かめる。
- 31語に粘らない数秒考えて出なければ、答えを見て印をつけ、次へ。テンポよく回すほど、1日に思い出す回数が増える。
- 4音を聞いて声に出す発音を聞いて、自分でも言ってみる。声に出した語は、黙って読んだ語より記憶に残りやすい。発音を知っていればリスニングでも聞き取りやすくなる。
- 5短いフレーズで覚えるmake a mistake(まちがえる)・take a photo(写真を撮る)のように、よくいっしょに使う語とセットで。使い方まで覚えられ、長文でも気づきやすい。
最初の1週間はこう進める4
- 1範囲を小さく決める単語帳の最初の50〜100語など。最初は「英語を見て日本語の意味が言える」だけでよい。
- 21周目は音と意味をざっと音声を聞いて声に出し、意味を見る。ここでは覚えようとしなくてよい。
- 32周目から隠してテスト意味を隠して言う。出なかった語にだけ印をつけ、印の語をもう1周する。
- 4翌日・3日後・1週間後同じ範囲をもう一度テスト。言えた語も外さず、印が減っていくのを確かめる。
1日15分のメニュー例
編集部のおすすめ例。時間がない日は①だけでもよい。
| 時間 | すること |
|---|---|
| ① 最初の5分 | 昨日・3日前・1週間前の単語を、隠してテスト(復習が先) |
| ② 次の7分 | 新しい単語を音声つきで見て、声に出す → 隠して1周 |
| ③ 最後の3分 | 今日の印がついた語だけ、もう1周 |
| +すきま時間 | 通学中に印の語だけ見直す。音声を聞いて意味を言う |
その覚え方、こう変える
| ありがちなやり方 | こう変える |
|---|---|
| 10回書き写す | 先に意味を思い出してから、1〜2回書く |
| ながめて「わかった気」になる | 必ず隠して思い出す(口に出すとなおよい) |
| 1日で100語を完璧にしようとする | 毎日少しずつ、何周もする |
| マーカーを引いて終わり | 引いた語を隠して、言えるか試す |
| 覚えた語はもう見ない | 間隔をのばして、ときどき確かめる |
それでも覚えられない語の救済策4
全部の語にやると時間が足りない。何度やっても残る語にだけ使う。
- 1家族でまとめるhappy(幸せな)・happiness(幸せ)・unhappy(不幸な)のように、形の変わった仲間をセットで。
- 2パーツで分けるre-(再び・元へ)+view(見る)=review(復習する)。recycle(再び回す)・return(元へ戻る)も re- の仲間。
- 3自分の例文を作るI borrowed a pen from Ken. のように、自分や友だちの話にすると思い出しやすい。
- 4似た語は対でborrow(借りる)↔ lend(貸す)のように、まぎらわしい語は2つ並べて違いを言えるようにする。
単語帳の使い方Q&A4
- 1英→日と日→英、どっちから?最初は英語を見て意味を言う(英→日)。読んでわかる語が増えれば長文が読める。英作文や会話で使いたい語は、日→英でも言えるようにする。
- 2意味はいくつ覚える?1周目は太字の1つだけ。2周目以降で2つ目の意味を足す。最初から全部覚えようとすると進まない。
- 3書いて覚えるのはダメ?ダメではない。先に思い出してから書くなら効果がある。答えを見て写すだけの作業は避ける。
- 4単語帳は何冊やる?まず1冊。何冊も手を出すより、同じ1冊を何周もする方が残りやすい。
最初に覚えたい「動詞+名詞」のセット10
単語1つより、よく使う組み合わせで覚えると使い方まで身につく。
- make a mistakeまちがえる✕ do a mistake
- take a picture写真を撮るtake a photo も同じ
- do my homework宿題をする宿題の持ち主で your・his など
- have a good time楽しく過ごす=enjoy oneself
- catch a coldかぜをひくhave a cold は「かぜをひいている」
- keep a promise約束を守る破るは break a promise
- tell the truth本当のことを言う✕ say the truth とはふつう言わない
- make a decision決める=decide
- take a breakひと休みするtake a rest も近い意味
- pay attention to 〜〜に注意を払うto は前置詞→後は名詞か -ing
なぜ効く?研究の話
Karpicke & Roediger(2008, Science)は、外国語の単語を覚える実験で、覚えた後もテストを続けたグループが、テストをやめたグループより1週間後の成績がずっと高いことを示した(テスト効果)。Cepeda ら(2008, Psychological Science)は、長く覚えておきたいほど復習の間隔も長くするのがよいことを示した(分散学習)。Dunlosky ら(2013)は学習法を比べ、練習テストと分散学習を効果が高い方法、読み返しやマーカー引きを効果が低い方法と評価している。
確認テスト
- 1単語を覚えたか確かめるのに、いちばん効果的なのは?正解は 隠して意味を言う。思い出す練習が記憶を強くする
- 2同じ30語を同じ回数くり返すなら、どちらがよく残る?正解は 日をあけてくり返す。分散学習
- 3思い出せない単語に出会ったら?正解は 答えを見て印をつけ、次へ。テンポよく回して回数を増やす
- 4このシートの「1日15分のメニュー例」で、最初にやるのは?正解は 前の日までの単語の復習テスト。復習が先(忘れかけた語を思い出す)
- 5「まちがえる」を英語にすると? I often mistakes.正解は make。make a mistake
- 6単語帳はどう使うのがよい?正解は 1冊を何周もする。同じ範囲を何度も思い出す
参考にした資料
単語の覚え方入門を一覧にまとめ、A4 2枚で印刷できる無料PDFにしました。Web版は赤シート・覚えたチェック・カード・4択テストつき。