
食べもの ・ 185/300
わさびはなぜ鼻にツーンとくるの?
Why does wasabi make your nose sting?

わさびをすりおろすと、ツーンとする成分が新しく生まれ、それが空気にまざって口から鼻のおくへ上がり、いたみを感じるセンサーをしげきするからだよ。
やさしい英語でEasy English ・ 英検5〜4級くらい
Wasabi is a green plant. When you grate it, it makes a strong, hot smell. The smell flies up into your nose. It pokes the inside of your nose, so it stings! But the sting goes away fast. Just eat a little bit.
日本語の訳を見る
わさびは緑色の植物です。すりおろすと、強くて辛いにおいが生まれます。そのにおいが、鼻の中へ飛んでいきます。においが鼻の中をつつくので、ツーンとするのです!でも、ツーンはすぐに消えます。ほんの少しだけ食べましょう。
ふつうの英語でStandard English ・ 英検3〜準2級くらい
Wasabi is the thick stem of a plant that grows in cold, clean water in Japan. When the plant is whole, it is not very hot. But when you grate it, its tiny cells break open. Two things that were kept apart inside the cells mix together and make a new chemical. This chemical evaporates easily, and its vapor travels up from your mouth into your nose. Inside your nose, there are sensors that feel pain and danger. The vapor touches these sensors, and they shout, "Ouch!" That is the sting you feel, and your eyes may even water. Chili peppers are different. Capsaicin, their hot chemical, does not evaporate easily, so you mainly feel it where the food touches your mouth. The good news is that wasabi's sting fades quickly, because its vapor soon spreads into the air.
日本語の訳を見る
わさびは、日本の冷たくてきれいな水の中で育つ植物の、太い茎です。まるごとのままでは、あまり辛くありません。でも、すりおろすと、小さな細胞がこわれます。細胞の中で別々にしまわれていた二つのものがまざり合い、新しい化学物質ができます。この物質は蒸発しやすく、その蒸気が口から鼻の中へ上がってきます。鼻の中には、いたみや危険を感じるセンサーがあります。蒸気がこのセンサーにふれると、センサーは「いたっ!」とさけびます。それが、あなたが感じるツーンで、なみだが出ることもあります。とうがらしはちがいます。辛さのもとになるカプサイシンは蒸発しにくいので、食べ物が口にふれた所でおもに辛さを感じます。うれしいことに、わさびのツーンは、蒸気が空気中へ広がるため、すぐに弱くなります。
この質問の英単語
- grateすりおろす
- nose鼻
- stingsひりひりする、ツーンとする
- cells細胞
- gas気体、ガス
- sensorsセンサー
- painいたみ
超絶解説もっと知りたい人へ
ツーンは「すりおろした瞬間」に生まれる
わさびの細胞の中には、シニグリンという物質と、それを分解する「こうそ(物質を変化させる体の道具)」が、別々の部屋に分かれてしまわれています。すりおろして細胞がこわれると、2つが出会い、アリルイソチオシアネートというツーン成分ができます。つまり、まるかじりではあまり辛くなく、こまかくすりおろすほど辛くなるのです。もともとは、虫や動物にかじられたときに「辛い攻撃」をして身を守るためのしかけだと考えられています。この成分は、おろしてから数分でいちばん強くなり、時間がたつと空気中に逃げて弱くなります。お寿司屋さんが食べる直前にすりおろすのはこのためです。
鼻にくるわさび、口にくるとうがらし
じつは「辛い」は、舌で感じる五つの味には入りません。いたみや熱さを感じるセンサーがしげきされた感覚です。とうがらしの辛さのもと、カプサイシンは、熱さを感じるTRPV1というセンサーをしげきします。このしくみの発見に大きくこうけんしたアメリカのデービッド・ジュリアスさんは、2021年にノーベル生理学・医学賞を受けました。わさびの成分が主にしげきするのは、TRPA1という別のセンサーです。わさびの成分は蒸発しやすいので、口から鼻へぬけ、鼻のおくのセンサーまでしげきします。カプサイシンは蒸発しにくいので、鼻のおくへは届きにくく、食べ物がふれた口やのどでおもにヒリヒリするのです。
冷たい清流で、ゆっくり育つ
本わさびは、1年じゅう冷たくてきれいなわき水が流れる「わさび田」で育ちます。植えてから収穫まで1年半から2年もかかる、手間のかかる植物です。静岡県の山あいでは、およそ400年前からわさびの栽培が行われてきたといわれ、2018年には「静岡水わさびの伝統栽培」が世界農業遺産にえらばれました。長野県の安曇野にも、広いわさび田があります。
本わさびと「西洋わさび」
チューブ入りのわさびには、ホースラディッシュ(西洋わさび)という別の植物を使ったものも多くあります。こちらは白い根で、ツーンの成分はよくにていますが、香りがちがいます。海外のお店の「WASABI」には、ホースラディッシュに緑の色をつけたものが少なくありません。本わさびは、すりおろすとさわやかな香りと、ほのかなあまみがあるのがとくちょうです。
みんなが驚く豆知識
2011年、日本の研究者たちが「わさびのにおいで知らせる火災報知器」でイグ・ノーベル賞を受賞しました。音が聞こえにくい人でも、ツーンとくるにおいで目をさませるように考えられたものです。
わさびは、ダイコンやキャベツ、カラシナと同じアブラナのなかまです。ダイコンおろしのピリッとした辛さも、わさびとよくにた成分がすりおろしたときに生まれるからです。
英語では、わさびは Japanese horseradish(日本のホースラディッシュ)とよばれることがありますが、今では wasabi という日本語のまま通じることが多くなりました。sushi や tofu と同じく、世界に広まった日本語です。

おうちでやってみよう
大根でもためせるよ。おうちの人に大根を2回に分けてすりおろしてもらい、おろしたてと、30分おいたものを、ほんの少しずつ味見してくらべてみよう。どちらがピリッと辛いかな?辛さが時間で変わるのは、わさびと同じしくみです。
英文と解説は、このコーナーのために子ども向けに書き下ろしたものです(AIと人が作成。Codex で英語・和訳・事実をチェックし、人の目でも順次確認しています)。100年以上前の原文をそのまま載せている「おはなし」のページとは分けています。






