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こころとくらし ・ 260/300

なぜ忘れちゃうの?

Why do we forget things?

ひとことで言うと

忘れるのは、よく見聞きしていなかったり、時間とともに記憶が弱くなったり、ほかの記憶にじゃまされて思い出せなかったりするからです。忘れ方にはいろいろあり、脳がわざと全部を消しているわけではありません。

やさしい英語でEasy English ・ 英検5〜4級くらい

Your brain gets lots of new information every day. Sometimes you do not pay close attention. Sometimes a memory gets weaker, or other memories make it hard to find. Forgetting is normal, and it has many causes. To remember something, think about it again on different days, and get enough sleep.

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あなたの脳には、毎日たくさんの新しい情報が入ってきます。よく気をつけて見たり聞いたりしていないこともあります。記憶が弱くなったり、ほかの記憶にじゃまされて見つけにくくなったりすることもあります。忘れるのはふつうのことで、理由はいろいろあります。覚えておきたいことは、日をあけて何度か思い出し、十分にねましょう。

ふつうの英語でStandard English ・ 英検3〜準2級くらい

Every day, your brain takes in a huge amount of information from what you see, hear, read, and do. A memory can fail at several steps. You may not pay enough attention when something happens. Later, the memory may become weaker, new information may interfere with it, or the right clue may be missing when you try to remember. Using a memory again can make it easier to find, much like making a path clearer by walking on it. Sleep also supports memory. During sleep, patterns of brain activity linked to recent experiences can happen again. The hippocampus and other brain areas work together as memories become more stable. Scientists are still studying exactly how this works. Forgetting is normal, but the brain does not simply choose unwanted memories and throw them away.

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毎日、あなたの脳には、見たこと、聞いたこと、読んだこと、したことから、ものすごい量の情報が入ってきます。記憶は、いくつかの段階でうまくいかなくなることがあります。できごとが起きたときに、よく注意を向けていなかったのかもしれません。あとになって記憶が弱くなったり、新しい情報にじゃまされたり、思い出すための手がかりが足りなかったりすることもあります。ある記憶をもう一度使うと、草原の道を歩くほど道がはっきりするように、その記憶を見つけやすくなることがあります。ねむることも記憶を助けます。ねむっている間には、最近の経験と関係する脳の活動が、もう一度起こることがあります。海馬と脳のほかの部分がいっしょに働き、記憶は少しずつ安定します。くわしいしくみは、今も研究中です。忘れるのはふつうのことですが、脳がいらない記憶を選んで捨てているわけではありません。

この質問の英単語

  • brain脳
  • remember覚えている・思い出す
  • forgetting忘れること
  • memories記憶
  • practice練習する
  • sleepねむる
  • storageたくわえておく所

超絶解説もっと知りたい人へ

忘れ方にはグラフがある

1885年、ドイツの心理学者エビングハウスは、自分自身を使って記憶の実験をしました。「ゾフ」「ダクス」のような意味のないつづりを覚え、時間をおいてから、どのくらい覚え直しやすいかを調べたのです。その結果、覚えた直後は急に忘れ、そのあとは忘れ方がゆるやかになる形のグラフができました。これを「忘却曲線(ぼうきゃくきょくせん)」といいます。ただし、よく知られる「何分後に何%忘れる」という数字が、すべての人や学習に当てはまるわけではありません。材料、学び方、思い出す手がかりなどで結果は変わります。日をあけて何度か思い出す練習をすると、覚えたことを思い出しやすくなります。

記憶の道は使うほど太くなる

脳の中には、神経細ぼうという細ぼうが約860億個あり、たがいにつながって働いています。何かを覚えると、このつながりの働き方が変化します。同じことを何度も思い出すと、あとでその記憶を取り出しやすくなることがあります。反対に、長い間思い出さない記憶は、取り出しにくくなることがあります。ただし、取り出せないからといって、記憶が完全に消えたとはかぎりません。手がかりがあれば思い出せることもあります。教科書を何度も読むだけでなく、本をとじて「何が書いてあったかな」と思い出す練習をすると、記憶に残りやすいことが多くの研究でたしかめられています。

ねむっている間の記憶の整理

新しいできごとの記憶を作るときには、脳のおくにある「海馬」が大切な役目をします。海馬という名前は、形がタツノオトシゴににていることからつけられました。ねむっている間には、起きていたときの経験と関係する脳の活動が、もう一度起こることがあります。海馬と脳の外側にある部分などがいっしょに働き、記憶は時間をかけて安定していきます。記憶が箱から箱へそのまま移されるわけではなく、くわしいしくみは今も研究中です。テストの前の日に夜ふかしするより、十分にねたほうが、学んだことを思い出しやすくなります。

忘れられない人のなやみ

1920年代、ロシアの心理学者ルリヤは、シェレシェフスキーという、とても強い記憶力を持つ男性を調べ始めました。彼は、長い数字のならびや意味のない言葉を、長い時間がたってからも思い出せることがありました。ただし、何でも完全に覚え、まったく忘れなかったと確認されたわけではありません。ルリヤの記録によると、彼は細かなイメージがたくさんうかぶため、文章の大事な意味をまとめて考えることなどに苦労しました。この一人の例だけですべての人の記憶を説明することはできませんが、覚える量が多いことと、上手に考えられることは同じではないと教えてくれます。

みんなが驚く豆知識

  1. 「わすれなぐさ」に当たる花の名前は、英語の forget-me-not やドイツ語の Vergissmeinnicht など、ヨーロッパのいくつもの言葉で「わたしを忘れないで」という意味になっています。ドイツには、恋人のために花をつもうとして川に落ちた騎士が、この言葉をさけんだという伝説があります。これは昔から伝わる物語で、実際のできごとだと確認された話ではありません。

  2. ほとんどの人は、3歳ごろより前のできごとをほとんど覚えていません。これを幼児期健忘(ようじきけんぼう)といいます。原因は一つには決まっていません。脳の発達だけでなく、言葉の力、自分についての理解、できごとを家族と話す経験なども関係すると考えられています。

  3. 「海馬」という名前は、ギリシャ語で「タツノオトシゴ」を意味する hippocampus を訳したものです。脳の中の小さなタツノオトシゴが、毎晩記憶を整理しているのです。

おうちでやってみよう

知らない言葉を10こ覚えて、すぐ・1時間後・次の日に、いくつ言えるかためしてみよう。ねる前に1回だけ思い出す練習をした日としなかった日で、次の日の結果をくらべてみてね。

英文と解説は、このコーナーのために子ども向けに書き下ろしたものです(AIと人が作成。Codex で英語・和訳・事実をチェックし、人の目でも順次確認しています)。100年以上前の原文をそのまま載せている「おはなし」のページとは分けています。

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