
海の生きもの ・ 143/300
サケはなぜ川をのぼるの?
Why do salmon swim up rivers?

多くのサケは、たまごを産むために、生まれた川の近くへもどるよ。広い海では地球の磁気を、川の近くでは子どものころに覚えた水のにおいを手がかりにすると考えられているんだ。
やさしい英語でEasy English ・ 英検5〜4級くらい
Many salmon are born in rivers. When they are young, they swim down to the sea. They eat and grow there. One or more years later, they swim back toward the river where they were born. They lay eggs in fresh water. Near the river, they can use its special smell to find the right way.
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多くのサケは川で生まれます。子どものころ、海へ下ります。海で食べて大きくなります。1年または数年たつと、生まれた川へ向かってもどります。そして淡水にたまごを産みます。川の近くでは、その川の特別なにおいを使って正しい道を見つけることができます。
ふつうの英語でStandard English ・ 英検3〜準2級くらい
Many salmon begin life in cool, clean rivers. Their eggs develop in gravel, where flowing water brings oxygen. Young salmon of many species later swim to the ocean, where they can find abundant food and grow. Some salmon, however, stay in fresh water, and life cycles differ among species. After one to several years at sea, many adults return to the river where they began life to spawn. Scientists think they use Earth’s magnetic field to navigate across the ocean. Near the coast and in rivers, they also follow smells learned when they were young. The upstream trip is hard: the fish swim against currents and may leap over obstacles. At the spawning place, females lay eggs in gravel, males release sperm, and the next generation begins.
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多くのサケは、冷たくきれいな川で一生を始めます。たまごは砂利の中で育ち、流れる水が酸素を運びます。多くの種類の子どもは、その後、海へ下ります。海には食べ物が多く、大きく育つことができます。ただし、海へ行かず淡水にとどまるサケもいて、くらし方は種類によってちがいます。海で1年から数年をすごした多くの成魚は、たまごを産むため、自分が育ち始めた川へもどります。科学者は、サケが地球の磁気を使って海を進むと考えています。海岸や川の近くでは、子どものころに覚えたにおいもたどります。川をのぼる旅は大変です。流れにさからい、じゃまになる場所をとびこえることもあります。産卵場所では、メスが砂利の中にたまごを産み、オスが精子を出して、次の世代が始まります。
この質問の英単語
- river川
- hatch(たまごから)かえる
- ocean海
- smellにおい
- current流れ
- leapとびはねる
- waterfalls滝
超絶解説もっと知りたい人へ
川はゆりかご、海はレストラン
サケのたまごは、冷たくて酸素の多い川の砂利の中で育ちます。流れる水がたまごに酸素を運び、砂利がたまごをかくして守ります。多くの種類では、子どものサケはやがて海へ下り、食べ物の多い海で大きくなります。ただし、海へ行かず、川や湖で一生を送る仲間もいます。種類によって、海へ下る時期や海でくらす年数はちがいます。北海道のシロザケ(秋サケ)は北太平洋やベーリング海まで何千キロも旅をし、多くは3〜5年ほどで生まれた川の近くへもどります。
鼻でふるさとを覚えている
1950年代、アメリカの学者ハスラーたちは、サケの鼻をふさぐ実験をしました。すると、鼻をふさがれたサケは生まれた川を選べなくなったのです。サケは子どものころ、ふるさとの川の水にとけている、わずかなにおいを覚えこんでいる(これを「刷りこみ」といいます)と考えられています。広い海では地球の磁気を手がかりに方角を知り、川の近くまで来たら、においをたよりに枝分かれした川を1本ずつ選んでいくのです。
命がけの川のぼり
川をのぼるサケは、ほとんど何も食べません。海でためた栄養だけを使って、流れにさからって進みます。滝があれば何度もジャンプし、3メートル近くとびあがることもあります。ふるさとの川にたどり着くとメスは尾びれで川底をほってたまごを産み、オスがそこに精子をかけます。日本のサケ(シロザケ)は、たまごを産み終えると、ほとんどが一生を終えます。
サケが森を育てる
命を終えたサケの体は、クマやワシ、キツネのごちそうになります。クマはサケを森の中へ運んで食べるので、食べ残しやふんが森の土の栄養になります。北アメリカの研究では、サケののぼる川の近くの木の葉にふくまれる窒素(植物の栄養)のうち、2割ほどが海からサケが運んできたものだとわかりました。サケは海の栄養を山の森まで届ける、大切な「運び屋」なのです。
サケとマス、どうちがう?
日本では、川から海へ下って大きく育つものを「サケ」、小さめのものを「マス」とよぶことが多いのですが、じつは生きものの分類の上では、はっきりした区別はありません。英語でも salmon(サケ)と trout(マス)の線引きはあいまいです。たとえば川で一生をすごすことの多いニジマスも、海へ下って大きく育つものがいて、スチールヘッドとよばれ、サケのように川をのぼってきます。
みんなが驚く豆知識
サケの身はピンク色ですが、じつは白身魚の仲間です。エサのエビやオキアミにふくまれる赤い色素(アスタキサンチン)が身にたまって、あの色になるのです。
北海道では毎年たくさんのサケの赤ちゃんが川に放流されますが、大人になってもどってくるのは、そのうちわずか数%ほど。広い海での旅は、それほどきびしいのです。
英語の salmon の l は発音しません。昔のフランス語から l のない形で英語に入ったあと、学者がラテン語の salmo に合わせて、つづりだけに l をもどしたからです。

おうちでやってみよう
コップに水を入れ、もう1つのコップには水にほんの少しだけお茶をたらして、目をつぶっておうちの人ににおいをくらべてもらおう。ほんのわずかなにおいのちがいがわかるかな?サケはもっと小さなちがいがわかるんだよ。
英文と解説は、このコーナーのために子ども向けに書き下ろしたものです(AIと人が作成。Codex で英語・和訳・事実をチェックし、人の目でも順次確認しています)。100年以上前の原文をそのまま載せている「おはなし」のページとは分けています。






