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磁石はなぜくっつくの?
Why do magnets stick?

鉄などの中では、原子の中にある「とても小さな磁石」の向きがそろうことができ、その力が合わさって引き合うからだよ。
やさしい英語でEasy English ・ 英検5〜4級くらい
A magnet has two poles. One is N. The other is S. N and S pull each other. Two N poles push each other away. Two S poles do too. A magnet can pull iron things, such as nails and paper clips. Inside a magnet, many tiny parts point the same way. This makes it strong.
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磁石には、N極とS極という2つの極があります。N極とS極は引き合います。2つのN極は、たがいをおし返します。2つのS極も同じです。磁石は、くぎやゼムクリップのような鉄でできたものを引きつけます。磁石の中では、たくさんの小さな部分がみんな同じ向きを向いています。だから磁石は強いのです。
ふつうの英語でStandard English ・ 英検3〜準2級くらい
A magnet has a north pole and a south pole. Opposite poles pull toward each other, while matching poles push apart. Everything is made of atoms, and atoms contain even smaller electrons. Each electron has a magnetic property, a little like a tiny magnet. In many materials, electron pairs or groups point in ways that cancel one another. In iron, however, large regions called magnetic domains can line up. When many domains point the same way, their effects join to make a strong magnet. A nearby magnet can also make domains in a piece of iron line up for a while, so the iron is pulled toward it. This is why magnets attract iron but do not noticeably attract paper, plastic, or aluminum cans.
日本語の訳を見る
磁石にはN極とS極があります。ちがう極どうしは引き合い、同じ極どうしはおし返し合います。すべてのものは原子でできていて、原子の中には、さらに小さな電子があります。電子には、とても小さな磁石に少し似た性質があります。多くの物質では、電子がペアになったり、ちがう向きを向いたりして、たがいの磁石の力を打ち消しています。ところが鉄の中には、「磁区」という大きなまとまりがあり、その向きがそろうことができます。多くの磁区が同じ向きを向くと、その力が合わさって強い磁石になります。鉄に磁石を近づけたときも、鉄の磁区がしばらく同じ向きにそろい、鉄が磁石に引きつけられます。だから磁石は鉄を引きつけますが、紙やプラスチック、アルミのかんは目に見えるほど引きつけません。
この質問の英単語
- magnet磁石
- poles極
- pull引く
- pushおす
- iron鉄
- electrons電子
- line up並ぶ
超絶解説もっと知りたい人へ
すべての原子の中に、小さな磁石がある
ものをつくる原子の中では、電子というとても小さなつぶが動いています。電子は1つ1つが、ごく小さな磁石のような性質を持っています。ふつうの物質では、電子が2つずつペアになって、たがいの磁石の力を打ち消してしまいます。ところが鉄やニッケル、コバルトなどでは、ペアにならない電子があり、そのうえ、となりどうしの電子が同じ向きにそろおうとする性質があります。なぜそろうのかは、ミクロの世界のルール「量子力学」を使わないと説明できない、とても深い問題です。ノーベル賞をとった物理学者ファインマンも、テレビで「磁石はなぜ引き合うのか」と聞かれ、身近な言葉だけで説明するのはとても難しい、と語っています。
鉄の中にある「小さな国々」
鉄の中は、小さな磁石の向きがそろった、たくさんの区画に分かれています(磁区といいます)。ただし、区画ごとに向きがばらばらなので、ふつうのくぎは磁石になっていません。そこに磁石を近づけると、区画たちが磁石の向きにそろって、くぎ自体が一時的な磁石になり、引きつけられるのです。くぎを磁石で同じ向きに何度もこすると、磁石になるのも同じしくみです。アルミや銅、紙では向きがそろわないので、くっつきません。
磁石のかけらにもN極とS極
棒磁石を2つに分けたと考えてみましょう。N極だけ、S極だけの磁石になるのでしょうか。答えは「いいえ」です。ふつうの大きさのかけらなら、それぞれがN極とS極を持つ小さな磁石になります。これまで、N極だけ、またはS極だけを持つ「磁気単極子」は見つかっていません。ただし、原子に近いほど小さな粒になると、熱のゆれによって磁石の向きを保てないことがあります。また、磁石は熱に弱く、鉄は約770度をこえると、強い磁石としての性質を失います。熱の動きによって、電子が作る小さな磁石の向きがそろわなくなるからです。
最強の磁石は日本生まれ
磁石の研究で、日本は世界をリードしてきました。1917年、本多光太郎が当時世界最強の磁石「KS鋼」を発明。1931年には三島徳七が「MK鋼」を生み出しました。そして1982年、佐川眞人が発明した「ネオジム磁石」は、今も世界でいちばん強い永久磁石です。小さくても強力なので、電気自動車のモーター、スマートフォンのふるえる部品、イヤホン、風力発電機など、身の回りのあらゆるところで活やくしています。
みんなが驚く豆知識
宇宙には「マグネター」とよばれる星があり、その磁力は地球の磁力の1000兆倍以上と考えられています。月までのきょりの半分ほどはなれていても、クレジットカードの磁気データが消えてしまうほど強いといわれます。
とても強い磁石を使うと、磁石につかないはずの水も、わずかにしりぞけられます。1997年、科学者アンドレ・ガイムたちはこれを利用して、生きたカエルを宙に浮かせました。この研究は2000年にイグ・ノーベル賞を受けました。ガイムはその後、グラフェンの研究で2010年のノーベル物理学賞も受賞しています。
英語の magnet は、ギリシャ語で「マグネシアの石」を表す言葉から来たと考えられています。ただし、どの「マグネシア」を指したのかなど、くわしい由来ははっきりしていません。英語では、人を引きつける人を a people magnet(人を引きつける磁石)とよぶこともあります。

おうちでやってみよう
冷蔵庫用の大きめの磁石で、家の中のスプーン、アルミホイル、クリップ、1円玉、10円玉などにくっつくか、予想してから調べてみよう。実は日本のお金はどれもくっつかないよ。小さくて強い磁石は、飲みこむととても危ないので使わないでね。
英文と解説は、このコーナーのために子ども向けに書き下ろしたものです(AIと人が作成。Codex で英語・和訳・事実をチェックし、人の目でも順次確認しています)。100年以上前の原文をそのまま載せている「おはなし」のページとは分けています。






