
植物 ・ 164/300
桜はなぜいっせいにさくの?
Why do cherry blossoms all bloom at the same time?

ソメイヨシノの多くは、同じ木から増やしたクローンで、体のしくみがよくにています。さらに、近くの木は同じ冬の寒さと春の暖かさを受けるので、同じころに咲くんだよ。
やさしい英語でEasy English ・ 英検5〜4級くらい
Many cherry trees in Japanese parks are Somei-Yoshino. Almost all Somei-Yoshino trees are copies of the same old tree. People cut small branches and join them to other young trees. The trees also share the same weather. So when spring gets warm, many of them bloom at about the same time.
日本語の訳を見る
日本の公園にある桜の多くは、ソメイヨシノです。ソメイヨシノのほとんどは、同じ古い木のコピーです。人は小さな枝を切り、ほかの若い木につなぎます。近くの木は同じ天気の中で育ちます。そのため、春に暖かくなると、多くの木がだいたい同じころに咲きます。
ふつうの英語でStandard English ・ 英検3〜準2級くらい
In spring, the cherry trees in a park often bloom all at once, almost as if they agreed on a day. There are two reasons. First, the buds are made the summer before. They go to sleep in fall, and the cold of winter wakes them up. Then, as the days get warmer, the buds grow little by little. When they have collected enough warmth, they open. Second, most of the cherry trees you see are a kind called Somei-Yoshino. Seeds from a Somei-Yoshino grow into different kinds of cherry trees, so people make new trees by joining branches onto other young trees. This means almost every Somei-Yoshino is a copy, or clone, of the same tree. Because they are all the same inside, they feel the warmth the same way and bloom together.
日本語の訳を見る
春、公園の桜の木は、まるで日にちを決めていたかのように、いっせいに咲くことがよくあります。それには二つの理由があります。一つめに、つぼみは前の年の夏に作られます。つぼみは秋にねむりにつき、冬の寒さで目をさまします。そして、暖かい日がふえると、つぼみは少しずつ育ちます。暖かさを十分に集めると、花が開くのです。二つめに、みなさんが見る桜の木のほとんどは、ソメイヨシノという種類です。ソメイヨシノのたねからは別の種類の桜が育ってしまうので、人は枝をほかの若い木につぎ合わせて、新しい木を作ります。つまり、ほとんどすべてのソメイヨシノは、同じ木のコピー、つまりクローンなのです。どれも中身が同じなので、暖かさを同じように感じて、いっしょに咲くのです。
この質問の英単語
- budsつぼみ・芽
- bloom(花が)咲く
- warmth暖かさ
- branches枝
- cloneクローン
- seedsたね
超絶解説もっと知りたい人へ
日本中のソメイヨシノは『同じ1本』の分身
ソメイヨシノは、江戸時代の終わりごろ、江戸の染井村(今の東京都豊島区駒込のあたり)の植木屋さんから広まった桜です。エドヒガンとオオシマザクラという2種類の桜がもとになって生まれたことが、DNAの研究でも確かめられています。ソメイヨシノは、ソメイヨシノどうしではたねができにくく、ほかの桜と交ざったたねからは別の桜が育ちます。そこで、枝を切ってほかの木の根にくっつける『つぎ木』で増やされてきました。だから全国のソメイヨシノは、ほとんどがもとの木と同じ体をもつ『クローン』なのです。明治時代に、奈良の吉野山の桜と区別するため、染井村の名前をとって『染井吉野』とよばれるようになりました。
冬の寒さが目ざまし時計
桜のつぼみ(花芽)は、じつは前の年の夏、7~8月ごろにはもうできています。秋になると花芽はねむったような状態(休眠といいます)になり、暖かい日があっても咲きません。冬にしっかり寒さを感じると休眠から目ざめ、そこから春の暖かさを受けて少しずつ育ちます。冬の寒さが足りないと、暖かくなってもつぼみがうまく目ざめず、咲き方がそろわないことがあります。「2月1日から毎日の最高気温を足し、その合計が約600度になるころに咲く」という目安もあります。これは積み重なった暖かさを表す目安なので、地域やその年の天気によってずれます。同じクローンの木が近い場所で同じ寒さと暖かさを受けるため、町じゅうの桜が同じころに咲くのです。
『開花』は5〜6輪から
気象庁は、各地で決めた『標本木』を見て、桜の開花を発表しています。東京の標本木は靖国神社にあり、5〜6輪以上の花が咲いたら『開花』、つぼみの約80%以上が開いたら『満開』です。ソメイヨシノは葉が出る前に花が咲くので、満開になると木全体がピンクの雲のように見えます。開花から満開までは、東京ではおよそ1週間ほどです。気象庁が桜の開花の観測を始めたのは1953年。長い記録をくらべると、東京の開花日は昔より早くなる傾向が見られます。
沖縄の桜は北から南へ
沖縄で1月ごろ咲くカンヒザクラは、本州とは反対に、北のほうから南へ咲き進むといわれます。冬の寒さで目をさます性質があるため、早く寒くなる北の山のほうが先に咲くと考えられています。また、地球の温暖化で冬が暖かくなると、九州の南などではソメイヨシノの目ざめがおくれ、開花がおそくなったり、そろって咲かなくなったりする心配も指摘されています。
みんなが驚く豆知識
1912年、東京市長の尾崎行雄が、アメリカの首都ワシントンD.C.に約3000本の桜をおくりました。その桜は今も毎年春に咲き、全米桜祭りが開かれています。
気象庁の『開花』の決め手は、標本木にたった5〜6輪の花が咲くこと。東京の標本木は靖国神社にあり、毎年たくさんの人がその1本を見守ります。
英語の cherry は、桜の木とさくらんぼの両方を表すことば。果物がなる木の花は flower より blossom とよぶことが多く、桜の花は cherry blossom といいます。

おうちでやってみよう
近くの桜の木を1本決めて、つぼみがふくらんでから満開になるまで、毎日同じ時間に絵にかいたり写真をとったりして記録してみよう。何日で満開になるかな?
英文と解説は、このコーナーのために子ども向けに書き下ろしたものです(AIと人が作成。Codex で英語・和訳・事実をチェックし、人の目でも順次確認しています)。100年以上前の原文をそのまま載せている「おはなし」のページとは分けています。






