句動詞とは?なぜ難しいのか
句動詞とは、動詞+副詞(または前置詞)で1つの意味をつくる表現です。
- give up(あきらめる)
- find out(わかる・突き止める)
- put off(延期する)
- turn down(断る)
- look after(世話をする)
難しい理由は2つあります。
- 足し算で意味が出ない:put(置く)+off(離れて)が、なぜ「延期する」になるのかすぐにはわかりにくい。
- 数がとても多い:get・take・put・come・go などの基本動詞と、up・out・off などを組み合わせると、何百通りにもなる。
ただ、2つ目の「数が多い」には希望もあります。up や out などの小さな単語は、どの動詞と組み合わさっても似たイメージを持っていることが多いのです。このイメージをつかむと、句動詞が一気に整理しやすくなります。
ポイント:句動詞は動詞ではなく「後ろの小さい単語」に注目すると、グループで覚えられます。
up:上へ、そして「最後まで・すっかり」
up の基本は「上へ」です。そこから、「最後まで」「すっかり完了」「近づいて現れる」といったイメージに広がります。
上へ
- pick up the pen(ペンを拾い上げる)
- stand up(立ち上がる)
完了・すっかり
- eat up(食べ尽くす)
- use up(使い切る)
- give up(あきらめる=すっかり手放す)
- clean up(すっかり片付ける)
現れる・近づく
- show up(現れる)
- come up with an idea(アイデアを思いつく=考えが浮かび上がる)
例文
- Don't give up. You're almost there.(あきらめないで。あと少しだよ)
- He didn't show up at the meeting.(彼は会議に現れなかった)
- She came up with a great plan.(彼女はすばらしい計画を思いついた)
「最後まで」の up を知っていると、drink up(飲み干す)や fill up(満タンにする)もすぐに理解できます。
out と off:外へ、離れて
out:中から外へ、最後まで
out は「中から外に出る」イメージです。見えなかったものが外に出てくる → 「わかる」「現れる」、中身がなくなる → 「尽きる」と広がります。
- find out the truth(真実を突き止める=隠れていたものを外に出す)
- run out of milk(牛乳を切らす=中身が外に出きってしまう)
- carry out a plan(計画を実行する=最後までやり抜く)
- point out a mistake(間違いを指摘する)
off:くっついていたものが離れる
off は「接触していたものが離れる」イメージです。
- take off your shoes(靴を脱ぐ=足から離す)
- The plane took off.(飛行機が離陸した=地面から離れた)
- turn off the TV(テレビを消す=電源から切り離す)
- put off the meeting(会議を延期する=予定から離して先に置く)
- call off the game(試合を中止する)
例文
- We ran out of time.(時間がなくなった)
- Please turn off your phone during the test.(試験中は携帯の電源を切ってください)
- They put off the trip until next month.(彼らは旅行を来月に延期した)
on と down:くっつく・続く、下がる・弱まる
on:接触・継続
on は「くっついている」イメージ。そこから「身につける」「続ける」「電源が入る」に広がります。
- put on a jacket(上着を着る=体にくっつける)
- turn on the light(電気をつける)
- go on / carry on(続ける)
- hold on(ちょっと待つ=つかまったまま)
down:下へ、減る・弱まる、紙に書く
- sit down(座る)
- slow down(スピードを落とす)
- turn down the volume(音量を下げる)
- turn down an offer(申し出を断る=下に押しやる)
- write down a number(番号を書き留める)
- My car broke down.(車が故障した=壊れて動かなくなった)
反対の組み合わせで覚える
on と off、up と down はペアで覚えると効率的です。
- turn on ⇔ turn off
- put on ⇔ take off
- turn up ⇔ turn down(音量を上げる/下げる)
ポイント:反対の句動詞は、同じ日にペアで覚えると、片方を思い出したときにもう片方も出てきやすくなります。
句動詞学習のよくある失敗
失敗1:アルファベット順の一覧で丸暗記
一覧表で「add up、ask for、back up……」と覚えると、意味どうしのつながりがなく、すぐに混ざります。後ろの小さい単語でグループ分けしましょう。
失敗2:イメージだけで全部わかった気になる
イメージはとても便利ですが、すべての句動詞がきれいに説明できるわけではありません。たとえば make up は「作り上げる」「化粧をする」「仲直りする」など意味が多く、1つのイメージでは説明しきれません。イメージで整理しつつ、例文で確認するのが基本です。
失敗3:語順のルールを知らない
turn off のような句動詞は、目的語が代名詞のとき語順が決まっています。
- turn off the TV / turn the TV off(どちらもOK)
- turn it off(OK)
- turn off it(ふつう言わない)
it や them のような代名詞は、動詞と up / off の間に入れる、と覚えておきましょう。
失敗4:1語の動詞だけで話そうとする
postpone(延期する)や discover(発見する)はフォーマルな語で、日常会話では put off や find out がよく使われます。両方を知っておくと、場面に合わせて使い分けられます。
1週間の句動詞トレーニング
1日10〜15分のメニューです。
- 月曜:up の日――「上へ」「すっかり」「現れる」の3グループで、句動詞を合計6つ集める。
- 火曜:out の日――find out / run out of / carry out / point out を例文と一緒にノートへ。
- 水曜:off の日――take off / turn off / put off / call off を「離れる」の絵と一緒に覚える。
- 木曜:on と down の日――反対ペア(turn on ⇔ turn off など)を3組作る。
- 金曜:言い換えクイズ――postpone → put off、discover → find out、cancel → call off など、1語動詞を句動詞に言い換える。
- 土曜:自分の1日を句動詞で――I got up at seven. I put on my uniform. I turned off the alarm. のように5文作る。
- 日曜:シャッフル想起――今週の句動詞を日本語だけ見て英語で言う。言えなかったものに印をつける。
ポイント:土曜の「自分の1日」は、句動詞を実際に使う練習として一番効果的です。朝の行動には句動詞がたくさん隠れています。
まとめ:小さな単語のイメージが鍵
句動詞は、次の手順で覚えると整理しやすくなります。
- up・out・off・on・down の基本イメージをつかむ
- 同じ小さな単語を持つ句動詞をグループにする
- 反対ペアを一緒に覚える
- 自分の生活の文で使ってみる
明日の朝、起きてから家を出るまでの行動を、句動詞で心の中で実況してみてください。I get up. I turn off the alarm. I put on my shoes. それだけで、句動詞がぐっと身近になります。



