「声優」「吹き替え」を英語で
まずは基本の用語から覚えましょう。
- voice actor:声優(性別に関係なく使われることが多い)
- voice acting:声の演技
- dub / dubbing:吹き替え(動詞は dub)
- sub / subtitles:字幕
- cast:出演者、配役(動詞で「配役する」)
- audition:オーディション
- recording session:収録
例文:
- Who's the voice actor for the main character in the English dub?(英語吹き替え版の主人公の声優は誰?)
- This anime was dubbed into several languages.(このアニメはいくつかの言語に吹き替えられた)
- She was cast as the lead role.(彼女は主役に抜てきされた)
「dub と sub、どっち派?」は海外のアニメファンの間でよく話題になる質問です。*Do you prefer subs or dubs?* と聞かれたら、*I usually watch subs, but I like the dub of this show.* のように答えられます。
ポイント:dub は「吹き替え版」、sub は「字幕版」を指す口語としても使われます。
日本のアフレコと英語の吹き替えの違い
日本のアニメ制作では、映像に合わせて声を録る「アフレコ」がよく知られています。英語では、映画などで撮影後に声を録り直すことを ADR(Automated Dialogue Replacement) と呼ぶことがあり、吹き替えの収録について話すときにもこの用語が使われることがあります。
日本語から英語への吹き替えでは、一般に次のような工程があると言われます。
- 日本語の台本を英語に翻訳する
- キャラクターの口の動き(lip flaps)や長さに合うように、セリフを書き直す
- 声優が映像を見ながら、タイミングを合わせて演じる
2の工程がとても重要です。日本語と英語では同じ意味でも長さが違うため、そのまま訳すと口の動きと合わなくなります。そこで、意味を保ちながら長さやリズムを調整した英語が作られるのです。
制作体制は会社や作品によって違うので、ここで紹介したのはあくまで一般的なイメージです。ただ、「セリフは翻訳した後にさらに調整されている」と知っておくと、吹き替えの英語を聞くときの見方が変わります。
吹き替えのセリフから学べる「言い換え力」
口の動きに合わせてセリフを調整する作業は、英語学習で大切な言い換え(paraphrase)の力そのものです。
同じ意味を、長さを変えて言ってみましょう(自作例)。
- 短い:*Let's go.*
- 中くらい:*Come on, let's get going.*
- 長い:*We don't have much time, so let's get going.*
- 短い:*Thanks.*
- 中くらい:*Thanks a lot.*
- 長い:*Thanks for always being there for me.*
英語の試験でも、リスニングやリーディングの選択肢は、本文の言葉を言い換えて作られることがよくあります。同じ内容をいろいろな長さ・言い方で表す練習は、試験対策にもつながるのです。
練習
日本語の短い一言(「ありがとう」「ごめん」「急いで」など)を選び、英語で短・中・長の3通りを作ってみましょう。
声優に学ぶ「感情を乗せる」音読
声優は、同じセリフでも感情によって声の高さ・速さ・強さを変えます。この技術は、英語の音読にもそのまま活かせます。
同じ文を4つの感情で読む
例文:*I can't believe you did that.*
- 驚き(surprised):声を高めに、最後を上げる
- 怒り(angry):低めに、強く、ゆっくり
- 喜び(happy):明るく、少し速く
- あきれ(disappointed):ため息まじりに、弱く
英語は、強く読む単語(ストレス)によって意味やニュアンスが変わる言語です。
- I can't believe you did that.(信じられない、という驚き)
- I can't believe you did that.(まさか「あなたが」やるなんて)
感情を乗せて読むと、自然にイントネーションやリズムが身につきます。棒読みの音読よりずっと楽しく、記憶にも残りやすいのでおすすめです。
声の仕事について英語で話す表現
声優や吹き替えについて、海外のファンと話すときに使える表現を集めました。
- I think the English voice really fits the character.(英語版の声がキャラにすごく合ってると思う)
- The voice actor did an amazing job in the emotional scenes.(感情的な場面での演技がすごかった)
- I was surprised that the same actor voices two different characters.(同じ声優が2人のキャラを演じていて驚いた)
- The Japanese and English versions have a different feel.(日本語版と英語版では雰囲気が違う)
- I'd love to try voice acting someday.(いつか声の演技をやってみたい)
voice は「声」という名詞だけでなく、「声を演じる」という動詞としても使えます(*She voices the main character.*)。
意見を言うときは、I think / I feel / In my opinion を使うと、やわらかく伝えられます。吹き替えの好みは人それぞれなので、相手の意見も *What do you think?* と聞いてみましょう。
英語圏の声の仕事いろいろ
英語で voice acting というと、アニメの吹き替えだけでなく、さまざまな仕事を含みます。関連する英語を知っておくと、ニュースや記事も読みやすくなります。
- narration / narrator:ナレーション/ナレーター(ドキュメンタリーなど)
- audiobook:オーディオブック(本の朗読)
- video game voice acting:ゲームのキャラクターの声
- commercial / voice-over:CMのナレーション(voice-over は画面外からの声)
例文:
- She does voice-overs for commercials.(彼女はCMのナレーションをしている)
- He narrated an audiobook for the first time.(彼は初めてオーディオブックの朗読をした)
英語のオーディオブックは、プロが感情を込めて読んでいるので、リスニング教材としてもおすすめです。声の仕事に興味を持ったら、アニメの吹き替えとオーディオブックの読み方を聞き比べてみるのもおもしろいですよ。
よくある失敗と1週間メニュー
よくある失敗
- 「声優」を voice actor 以外で言おうとする:seiyuu はファンの間では通じることもありますが、一般的には voice actor が基本です。
- 吹き替え版を「原作と違う」と否定だけする:違いは翻訳と調整の工夫の結果。比べて楽しむ視点を持ちましょう。
- 音読が棒読みになる:感情と強調する単語を決めてから読みましょう。
1週間メニュー(1日10〜15分)
- 月:声の仕事の用語7つを覚える
- 火:英語吹き替え版の短い場面(1分)を見る
- 水:同じ場面の英語字幕と音声の違いを探す
- 木:短い一言を「短・中・長」で言い換える練習
- 金:1文を4つの感情で音読して録音
- 土:好きな吹き替え版の感想を英語3文で書く
- 日:振り返り
今日は、*I can't believe it.* を「驚き」と「喜び」の2通りで読み分けてみてください。



