指導案の書き方ガイド:英語科の学習指導案を新任の先生向けにゼロから

新任の先生・教育実習生向けに、英語科の学習指導案の書き方を全18章でくわしく解説。単元の目標・評価規準(3観点の型)・教材観/生徒観/指導観・単元計画・本時の展開(50分の組み立て)・板書・言いかえ辞典・言語活動アイデア・英語版・研究授業の当日・提出前チェックリスト30・用語集まで。

指導案の書き方ガイドとは

はじめて学習指導案を書く新任の先生や教育実習生のために、英語科の指導案の書き方を項目ごとに、例文と「よくある書き方→こう直す」の比較つきで解説したガイドです。指導案の役割と略案・細案のちがい、書き始める前に確認すること、一般案の全体構成と書く順番、単元の目標と目的・場面・状況のつくり方、3観点の評価規準の型(領域別テンプレート)、教材観・生徒観・指導観のつなげ方、単元計画、50分の組み立て、展開表の各欄の書き方、板書計画とルーブリック、言いかえ辞典、言語活動のアイデア、英語版指導案、研究授業当日と協議会の自評、提出前チェックリスト30、用語集までをまとめました。

主な機能

  • 全18章:はじめに・準備・全体構成・目標・評価規準・三つの観・単元計画・本時の展開・各欄の書き方 ほか
  • 3観点の評価規準を領域別(聞く・読む・やり取り・発表・書く)のテンプレートで
  • 「△よくある書き方 → ◎こう直す」の比較表と、「〜させる」などの言いかえ辞典
  • 50分の時間配分の目安、Small Talk・中間指導・振り返りの入れ方
  • 英語版指導案(English Lesson Plan)の見出し・表現集
  • 提出前チェックリスト30・よくあるNGとQ&A・用語集、ガイド内検索と印刷

使い方(3ステップ)

  1. 「はじめに」と「書き始める前の準備」を読んで全体像をつかむ
  2. 書きながら、目次や検索ボックスで必要な章を辞書のように引く
  3. 提出前に「提出前チェックリスト30」で見直す(🖨 で印刷も可)

授業での活用アイデア

はじめての研究授業・教育実習に細案の各項目に何を書けばよいかを、記入例を見ながら確認できます。評価規準や本時の目標の型をそのまま使えるので、書き始めのハードルが下がります。
校内研修・初任者研修の資料に「🖨 ガイドを印刷」で冊子にして、指導案の書き方の研修資料として配布できます。言いかえ辞典やチェックリストは、指導教員が助言するときの共通言語にも。
本格版の指導案メーカーと一緒に学習指導案メーカー(本格版)の「📖 書き方ガイド」タブからも読めます。ガイドで書き方を確かめ、メーカーの自動チェックで見直す流れがおすすめです。

よくある質問

無料で読めますか?

はい、無料・登録不要です。ガイドの印刷もできます。

小学校・高校の指導案にも使えますか?

中学校を中心に説明していますが、小学校(外国語活動・外国語科)・高校(英語コミュニケーション、論理・表現)でのちがいもQ&Aで解説しています。

学習指導要領のどの考え方に沿っていますか?

小・中学校(平成29年告示)・高等学校(平成30年告示)の学習指導要領「外国語」と、国立教育政策研究所の学習評価の参考資料の考え方(3観点、記録に残す評価/指導に生かす評価)に沿って書いています。最終的には各学校の様式と指導教員の指示に従ってください。

指導案をすぐに作りたいときは?

学習指導案メーカー(本格版)でAIの下書きや「型だけ作る」が使えます。略案なら簡易版の学習指導案テンプレートが手軽です。

01🔰 はじめに:指導案ってなに?(3分でわかる全体像)

学習指導案(指導案)は、「この授業で、何をめざして、どんな活動を、どの順番で行い、どうやって評価するか」を書いた授業の設計図です。はじめて書くときは誰でも迷います。このガイドでは、新任の先生や教育実習生が「何を・どう書けばいいか」を、例文つきで一つずつ説明します。

指導案には3つの役割がある

役割だれのため?どういうこと?
① 授業の設計図自分目標・活動・評価・時間配分を事前に考え抜くことで、授業中に迷わなくなります。「書きながら授業を考える」ためのものです。
② 共有のための資料参観者・指導教員・ALT研究授業では、参観者は指導案を見ながら授業を見ます。「何をねらった授業なのか」が伝わらないと、よい助言がもらえません。
③ 振り返りの記録未来の自分・同僚授業後に「実際の時間」「生徒の反応」を書き込めば、次に同じ単元を教えるときの財産になります。

「略案」と「一般案(細案)」のちがい

略案(りゃくあん)一般案・細案(さいあん)
分量A4で1〜2枚A4で4〜8枚ほど
主な中身本時の目標・展開・評価が中心単元の目標・評価規準・教材観・生徒観・指導観・単元計画・本時の展開・板書計画・ルーブリックまで
使う場面日常の授業、校内の相互参観、教育実習の毎日の授業研究授業・公開授業・教育実習の査定授業・初任者研修の授業
別の呼び方本時案・時案・略案細案・本案・正案・指導案(学校によってちがう)
💡 迷ったら必ず聞く「略案でいいですか? 細案ですか?」「学校の様式(Wordファイル)はありますか?」は、書き始める前に指導教員・研究主任に必ず確認しましょう。様式が決まっている学校がほとんどです。

まず知っておきたい4つのキーワード

キーワードひとことで言うと指導案のどこに関係する?
学習指導要領国が定めた教育課程の基準。英語は「外国語」。小・中は平成29年告示、高校は平成30年告示が現行版です。すべて(目標・評価・活動の根っこ)
5つの領域聞くこと/読むこと/話すこと[やり取り]/話すこと[発表]/書くこと単元の目標・評価規準・本時の言語活動
3つの観点知識・技能/思考・判断・表現/主体的に学習に取り組む態度評価規準・評価の計画・展開の評価欄
言語活動目的・場面・状況のある中で、実際に英語を使って考えや気持ちを伝え合う活動。単なる練習とはちがいます。本時の展開の中心(メインの活動)

指導案ができるまでの流れ

  1. 依頼を受けたら確認:形式(略案/細案)・様式・締切・部数を指導教員に聞く。
  2. 単元全体を見通す:単元の終わりに生徒がどんな姿になっていてほしいか(単元のゴール)を決める。
  3. 単元の目標と評価規準を書く:ゴールから逆算して、3観点で書く。
  4. 単元の指導と評価の計画を作る:各時間に何をするか、どこで何を評価するかを決める。
  5. 本時の目標を決める:単元計画の中で、本時に何ができるようになればよいかを1〜2文で。
  6. 本時の展開を書く:導入・展開・まとめの流れと時間配分、学習活動・支援・評価。
  7. 板書計画・ワークシート・ルーブリックを作る。
  8. 教材観・生徒観・指導観を書く:中身が固まってから書くと、一貫した文章になります。
  9. チェック・相談・修正:初稿 → 指導 → 修正を2〜3回くり返すのがふつうです。
  10. 模擬授業:タイマーで時間を計って、時間配分を確かめる。
  11. 授業・協議会:自評をして、いただいた助言をメモする。
  12. 振り返り:指導案に「実際の時間・生徒の反応・改善点」を書き込んで保存する。
🔑 いちばん大切な考え方:「目標 → 評価 → 活動」の順で考えるつい「どんな活動をしよう?」から考えたくなりますが、先に「何ができるようになればいいか(目標)」と「それをどうやって確かめるか(評価)」を決め、最後に「そのための活動」を考えると、ぶれない指導案になります。これを逆向き設計と呼ぶこともあります。

02🧭 書き始める前の準備(STEP 0〜3)

いきなり書き始めると、何度も書き直すことになります。書く前の30分の準備で、完成までの時間がぐっと短くなります。

STEP 0 指導教員・研究主任に確認すること

確認することなぜ必要?
形式(略案か細案か)分量と書く項目がまったくちがうため。
学校指定の様式(Wordファイル)項目の順番・名前・表の形が学校で決まっていることが多い。もらえれば、それに合わせて書くだけでOK。
用語「目標」か「ねらい」か、「生徒の活動」か「学習活動」か、「評価規準」の表の形など。学校の言い方に合わせます。
締切(初稿・最終稿)初稿 → 指導 → 修正をくり返すため、初稿の締切から逆算します。
部数・配布先参観者の人数分+予備。座席表を添付するかどうかも確認。
校内研究の主題研究授業では「研究主題と本時の関係」を書く欄がある学校が多い。
ALTの来校日・役割ティーム・ティーチングにするなら、打ち合わせの日程も早めに。
⚠️ 締切は「初稿」から逆算する指導案は一度で通ることはまずありません。研究授業なら2週間前に初稿、1週間前に最終稿が目安です。「前日に完成」では、指導を受ける時間も、教材を作る時間もなくなります。

STEP 1 集めておく資料

  • 教科書と教師用指導書:単元の目標・言語材料・展開例・評価例がのっています。
  • 学校の年間指導計画・CAN-DOリスト:この単元が1年間のどこに位置づくかが分かります。
  • 学習指導要領解説 外国語編(英語編):目標や言語活動の考え方の根拠になります。
  • 国立教育政策研究所の「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料(外国語):評価規準の書き方の手本です。
  • 前年度・先輩の指導案:学校の様式や書きぶりの参考に(そのまま写すのではなく、形をまねる)。
  • 生徒の実態が分かる資料:アンケート、前の単元の小テスト・パフォーマンステストの結果、ノートやワークシート。
💡 指導書の展開例は「選ぶ・削る・足す」指導書の展開例は全国の平均的な学級を想定したものです。そのまま写すのではなく、自分の学級に合わせて活動を選び、時間に収まらないものを削り、生徒に必要な支援を足しましょう。そこに先生らしさが出ます。

STEP 2 単元のゴールを決める

単元の最後に、生徒が英語を使って何ができるようになっていてほしいか(単元のゴール活動)を先に決めます。ゴールが決まると、各時間に何をすればよいかが自然に見えてきます。

📝 単元のゴールの例
・Unit 6(比較表現)が終わったとき、生徒は ALT の先生に「日本のおすすめの食べ物・場所」を、比べながら理由を付けて紹介できる。
・Unit 3(過去形)が終わったとき、生徒は夏休みの思い出を、写真を見せながら1分間で発表できる。
・高1「英語コミュニケーションⅠ」:本文の内容をふまえて、プラスチックごみを減らすための自分の意見を、理由を2つ挙げて書くことができる。

STEP 3 本時の位置づけを確かめる

本時が単元の何時間目で、前の時間までに何ができていて、本時で何を積み上げ、次の時間にどうつながるのかを整理します。研究授業の協議会では、ほぼ必ず「本時は単元の中でどんな役割ですか?」と聞かれます。

スケジュール例(研究授業の3週間前から)

時期やること
3週間前単元のゴールと単元計画、本時のおおまかな流れを指導教員に相談
2週間前初稿を提出(細部は未完成でもよいので、まず全体を出す)
10日前指導を受けて第2稿。ワークシート・ピクチャーカード・スライドを作り始める
1週間前最終稿。空き教室で模擬授業をして、時間を計る
3日前指導案を印刷。ALTと打ち合わせ。教材の最終確認
前日教室の準備(掲示物・座席・機器の動作確認)
当日授業 → 協議会(自評・質疑)
後日お礼を伝える。指導案に実際の時間と反省を書き込んで保存

03🗺️ 指導案の全体構成マップ(どこに何を書く?)

都道府県や学校によって多少ちがいますが、英語科の一般案(細案)はほとんどが次の形か、その変形です。

順項目何を書く?分量の目安
—表題・基本情報「第2学年 英語科学習指導案」、日時、学級(人数)、場所、授業者、指導者数行
1単元名教科書の Unit 名と、題材・言語材料1行
2単元の目標単元が終わったときの生徒の姿(3観点または領域ごと)3〜5行
3単元の評価規準3観点ごとに「〜している」の形で表1つ
4単元について(1)教材観 (2)生徒観 (3)指導観各200〜400字
5単元の指導と評価の計画各時間の主な学習活動と、評価する観点(◎○)・方法表1つ
6本時の学習(1)目標 (2)評価規準 (3)準備物 (4)展開1〜2ページ
7板書計画黒板のレイアウト図1つ
8評価の基準・資料ルーブリック(A・B・C)、ワークシート、座席表など必要に応じて

略案は、表題・基本情報 → 単元名 → 本時の目標 →(本時の評価規準)→ 準備物 → 本時の展開 →(板書計画)が基本です。

🔑 指導案の命は「一貫性」単元の目標 ⇄ 単元の評価規準 ⇄ 単元計画 ⇄ 本時の目標 ⇄ 本時の展開 ⇄ 本時の評価 が、一本の線でつながっているかどうかが最も見られます。「目標にあるのに、展開でやっていない」「展開でやっているのに、評価していない」「評価規準にあるのに、単元計画のどこにも◎がない」は、よくある指摘です。

書く順番のおすすめ(上から順に書かない!)

  1. 単元のゴール(単元の最後の言語活動)を決める
  2. 単元の目標・単元の評価規準を書く
  3. 単元の指導と評価の計画(何時間目に何をして、どこで評価するか)
  4. 本時の目標
  5. 本時の展開(時間配分・学習活動・支援・評価)
  6. 板書計画・ルーブリック・ワークシート
  7. 教材観・生徒観・指導観(中身が決まってから書くと、ぶれない)
  8. 表題・基本情報
  9. 全体を通して読み、一貫性と時間の合計をチェック
💡 このツールなら📘 学習指導案メーカー(本格版)は、この構成どおりの入力欄とA4レイアウトになっています。「✅ 提出前チェック」で、時間の合計や評価規準の文末なども自動で確かめられます。

04🎯 単元名・単元の目標の書き方

単元名

教科書の Unit 名をそのまま書き、題材や言語材料を( )で添えると、何を学ぶ単元かが一目で分かります。

📝 単元名の例
Unit 6 Which Is Better?(比較表現)
Lesson 3 Plastic Waste in the Ocean(英語コミュニケーションⅠ/関係代名詞の非制限用法)
Unit 4 What would you like?(小5・ていねいな注文の言い方)

単元の目標の書き方

単元の目標は「この単元が終わったとき、生徒が何をできるようになっているか」です。書き方は主に2通りあり、学校の様式に合わせます。

  • 3観点に対応させて書く:(1) 知識・技能、(2) 思考・判断・表現、(3) 主体的に学習に取り組む態度 の3つを並べる(このガイドの記入例はこの形)。
  • 領域ごとに書く:本単元で重点的に扱う領域(例:話すこと[やり取り]・書くこと)ごとに「〜することができる」と書く。
観点書き出しの型
知識・技能〜(言語材料)の形・意味・用法を理解し、それらを用いて…する技能を身に付ける。
思考・判断・表現(目的・場面・状況)ために、〜について、事実や自分の考えなどを…することができる。
主体的に学習に取り組む態度(目的・場面・状況)ために、〜について、…しようとする。

「目的・場面・状況」をつくる

学習指導要領では、言語活動に目的や場面、状況などを設定することが重視されています。「だれに・何のために・どんな状況で」英語を使うのかを決めるだけで、単なるパターン練習が、本物のコミュニケーションに変わります。

△ 設定が弱い◎ 設定が強い
ペアで好きな食べ物について話す。新しく来たALTの先生に、日本でぜひ食べてほしい食べ物を、理由を付けてすすめる。
過去形を使って文を書く。夏休みの思い出を、姉妹校の生徒に伝えるメッセージとして書く。
教科書本文を読む。修学旅行で行く町の英語パンフレットを読んで、班で行きたい場所を3つ決める。
助動詞 must を練習する。来日する留学生のために、学校生活のルールを英語で説明するポスターを作る。

設定のアイデア:ALTへの紹介・送別メッセージ/留学生への学校案内/姉妹校・海外の学校とのオンライン交流/英語版の学校ウェブサイトやパンフレット/外国人観光客へのインタビュー/英語での地域紹介動画/クラスで決める行事のアンケート など。

△ よくある書き方◎ こう直すどこがよくなった?
比較級を理解させる。比較表現を用いて、身近なものを比べながら、自分の考えとその理由を伝え合うことができる。教師が主語の「〜させる」を、生徒が主語の「できる」に。何をする姿かが見える。
英語で積極的に話す。ALTの先生に日本のおすすめを紹介するために、相手の反応を確かめながら、比較表現を用いて伝え合おうとする。「積極的」が何をすることなのかを具体化。目的・場面・状況も入った。
本文の内容を読み取る。海の環境問題について書かれた文章を読んで、筆者の主張とその理由を捉えることができる。何を読み取るのか(主張と理由)がはっきりした。
⚠️ 目標を欲張らない単元の目標に5領域すべてを入れると、何を重点に指導するのかがぼやけます。本単元で特に伸ばしたい領域を1〜2つに絞りましょう。

05📊 評価規準(3観点)の書き方

評価規準は、指導案の中で一番「型」がはっきりしている部分です。型を覚えてしまえば、どの単元でも書けるようになります。

「評価規準」と「評価基準」のちがい

評価規準(きじゅん・のりじゅん)評価基準(きじゅん・もといじゅん)
意味何ができればよいか(めざす姿・質的なめあて)どの程度できているか(A・B・Cなどの尺度)
例「比較表現を用いて、自分の考えとその理由を伝え合っている。」A:観点を複数示し、相手に質問も返している/B:考えと理由を伝え合っている/C:……
指導案の中では単元の評価規準・本時の評価規準ルーブリック(評価の基準)

3つの観点の中身

観点何を見る?文末の型
知識・技能言語材料(文法・語彙・音声など)を理解しているか[知識]と、それを実際の場面で使えるか[技能]「〜を理解している。」「〜する技能を身に付けている。」
思考・判断・表現目的・場面・状況に応じて、何をどう伝えるか(どう理解するか)を考えて、英語を使っているか「〜している。」
主体的に学習に取り組む態度粘り強く取り組もうとしているか、自分の学習を調整しようとしているか「〜しようとしている。」

知識・技能のテンプレート

📝 型
[知識]〜(言語材料)の特徴やきまり(形・意味・用法)を理解している。
[技能]〜を用いて、…について、事実や自分の考えなどを話す(書く/伝え合う)技能を身に付けている。
    〜について、話される(書かれた)英語の内容を、〜を活用して聞き取る(読み取る)技能を身に付けている。

領域別テンプレート(思考・判断・表現/主体的に学習に取り組む態度)

領域思考・判断・表現主体的に学習に取り組む態度
聞くこと(目的や場面、状況など)ために、…について、話される英語を聞いて、その概要/要点を捉えている。(目的や場面、状況など)ために、…について、話される英語を聞いて、その概要/要点を捉えようとしている。
読むこと(目的や場面、状況など)ために、…について書かれた文章を読んで、その概要/要点を捉えている。(目的や場面、状況など)ために、…について書かれた文章を読んで、その概要/要点を捉えようとしている。
話すこと[やり取り](目的や場面、状況など)ために、…について、〜を用いて、事実や自分の考え、気持ちなどを伝え合っている。(目的や場面、状況など)ために、…について、〜を用いて、事実や自分の考え、気持ちなどを伝え合おうとしている。
話すこと[発表](目的や場面、状況など)ために、…について、〜を用いて、事実や自分の考え、気持ちなどを整理して話している。(目的や場面、状況など)ために、…について、〜を用いて、事実や自分の考え、気持ちなどを整理して話そうとしている。
書くこと(目的や場面、状況など)ために、…について、〜を用いて、事実や自分の考え、気持ちなどを整理して書いている。(目的や場面、状況など)ために、…について、〜を用いて、事実や自分の考え、気持ちなどを整理して書こうとしている。
💡 「思考・判断・表現」と「態度」は、前半をそろえて文末だけ変える外国語科では、この2つの観点を同じ言語活動で見取ることが多いため、文の前半(目的・場面・状況、話題、言語材料)をそろえ、文末を「〜している」「〜しようとしている」と変える書き方がよく使われます。態度には「相手の反応を確かめながら」「粘り強く」「よりよく伝えるために工夫して」など、粘り強さや自己調整の要素を加えると、2つの観点のちがいがはっきりします。

「記録に残す評価」と「指導に生かす評価」

毎時間すべての観点を評価して記録する必要はありません。単元の中で、

  • 指導に生かす評価(○):生徒の学習状況を見取って、その後の指導や支援に生かす評価。記録して成績に使うことが主目的ではない。
  • 記録に残す評価(◎):評定(成績)の資料として記録する評価。生徒が十分に練習した後、単元の後半(パフォーマンステストなど)で行うのが基本。

を使い分け、単元計画の表に◎や○で示します(記号は学校によってちがうので、凡例を添えましょう)。

評価方法の種類

方法向いている観点ポイント
行動観察思考・判断・表現/態度見る観点を決めておく。全員を1時間で見ることはできないので、記録は別の場面で。
ワークシート・ノート知識・技能/思考・判断・表現後から確認できる。何を書けばB・Aなのかを事前に決めておく。
パフォーマンステスト3観点すべてスピーキング(インタビュー・発表)やライティング。ルーブリックを事前に生徒に示す。
小テスト・定期テスト知識・技能(思考・判断・表現も可)単元で身に付けた知識・技能を確かめる。
振り返りシート態度「何ができたか」「次にどう工夫するか」を書かせると、自己調整の様子が見える。
録音・録画(ICT)知識・技能/思考・判断・表現スピーキングを何度も撮り直して提出できる。教師も後から聞き直せる。

A・B・C の決め方(ルーブリックの作り方)

  1. まずB(おおむね満足できる)を決める。これは評価規準そのものです。
  2. A(十分満足できる)は「B+質的な高まり」(理由が具体的、相手に質問を返している、まとまりがある など)。
  3. C(努力を要する)は「Bに届かない状態」。
  4. 最も大事なのは、Cの生徒への手立て(どう支援してBに近づけるか)を書くこと。
⚠️ 態度を「挙手の回数」や「提出物の有無」だけで評価しない「主体的に学習に取り組む態度」は、挙手の回数やノートを取っているかなど、性格や行動面の傾向だけで評価するものではありません。言語活動に向かう粘り強さや、学習を振り返って改善しようとする姿を、振り返りシートやパフォーマンスの様子から見取ります。
💡 このツールなら本格版の編集欄では、評価規準の入力欄の下の「型」ボタンを押すと、領域別のテンプレートがそのまま入ります。ルーブリックはルーブリックメーカー、評価シートは評価シートメーカーでも作れます。

06🧑‍🏫 教材観・生徒観・指導観の書き方

3つの「観」は、三段ロケットです。「この教材には、こんな価値がある(教材観)」→「生徒は今こんな状態だ(生徒観)」→「だから、こう指導する(指導観)」と、論理がつながっていることが一番大切です。

(1)教材観:この単元を学ぶ価値

次の3点を、2段落ほどで書きます。

  • 言語材料の特徴:どんな文法・表現を扱い、それは生徒にとってどんな場面で役立つのか。
  • 題材(内容)の価値:本文のテーマは、生徒にとってどんな学びや気づきがあるのか。
  • 単元のゴール活動との関係:どんな目的・場面・状況で英語を使うのか。
📝 使える書き出し
本単元は、〜(言語材料)を扱う。〜は、…する場面で頻繁に用いられ、生徒が自分の考えや気持ちを伝えるうえで必要性の高い言語材料である。
本単元の題材は〜である。…について考えることを通して、…に気づくことができる。
単元のゴールとして「〜」という課題を設定した。

(2)生徒観(小学校は児童観):生徒の今の姿

  • 学級の雰囲気・よい面:協力的、ペア活動に意欲的 など。
  • 英語学習に関する実態:アンケートや前単元のテスト結果を数字で示すと説得力が出ます(例:「英語で話すことが好き」約7割)。
  • 既習事項と、本単元に関わる課題:何ができて、何がまだ難しいのか。
⚠️ 生徒観で絶対にやってはいけないこと・個人が特定できる書き方(名前、「〇〇な生徒が1名いる」など)は絶対に書かない。指導案は多くの人が読みます。
・否定的なことだけを並べない。「〜できない生徒が多い」より「〜には課題が見られる」と書き、よい面とバランスをとる。
・特別な支援が必要な生徒について書く場合は、個人が特定されない書き方にし、管理職・指導教員と相談する。

(3)指導観:だから、こう指導する

3つの中でいちばん大切です。「指導にあたっては、」で書き始めるのが定番です。

  • 単元全体の指導の方針:単元のゴールをいつ・どう示すか、新出表現をどう導入するか。
  • 本時の手立て:メインの言語活動をうまくいかせるための工夫(モデルの提示、中間指導、ペアの組み方など)。
  • 一人一人への支援:つまずく生徒への支援、ICTの活用、ユニバーサルデザインの工夫。
🔑 つながりチェック:生徒観の「課題」を、指導観で必ず「手立て」として回収する
生徒観に書いた課題指導観に書く手立て
理由を付けて話すことが難しい比べる観点のカードと、理由を述べる表現(Because …)を示す
相手の発言に反応できない中間指導で、あいづち・質問の返し方を全体で共有する
英語で書くことに抵抗があるマッピングで内容を整理してから書き、モデル文を参照できるようにする
間違えることを恐れて話さないペアの相手を替えて同じ話題を3回くり返し、回を重ねるごとに自信をもてるようにする
💡 研究授業では研究主題とつなげる校内研究の主題(例:「主体的に伝え合う生徒の育成」)がある場合は、指導観の中で「本時では、研究主題に迫るために〜を工夫する」と一言書くと、指導案全体が引き締まります。
💡 書く順番は最後がおすすめ3つの観は、単元計画と本時の展開が決まってから書くと、中身と一致した文章になります。

07📅 単元の指導と評価の計画の書き方

単元の何時間目に何をして、どこで何を評価するのかを表にまとめます。参観者はこの表で「本時が単元のどこにあるのか」をつかみます。

表の形(例:全7時間)

時主な学習活動知思態評価方法
1単元のゴールを知る。比較級(-er than)の導入○行動観察
2more ~ than を使って、アンケート結果を比べて伝える○ワークシート
3最上級を使って「日本一クイズ」を作り、出し合う◎小テスト
4
★本時
ALTにすすめたい食べ物を、ペアで比べながら伝え合う○○行動観察・ワークシート
5as ~ as を知り、本文を読んで登場人物のおすすめを読み取る○○ワークシート
6おすすめ紹介の原稿を書き、ペアで読み合って推敲する○○原稿
7ALTにおすすめを紹介する(パフォーマンステスト)・振り返り◎◎◎パフォーマンステスト・振り返りシート

◎…記録に残す評価 ○…指導に生かす評価

作るときのポイント

  • 最後の時間に単元のゴール活動を置き、そこから逆算して各時間を並べる。
  • 第1時に単元のゴールを示すと、生徒が見通しをもって学習できる(ALTのビデオメッセージなどが効果的)。
  • ◎は単元の後半に。十分に練習してから記録する。
  • 各観点の◎が単元のどこかに必ずあるようにする。
  • 本時の行を目立たせる(★本時、太字、網かけなど)。
  • 単元の時数と行数(「2・3」のようにまとめた行も含めて)が合っているかを確かめる。

よくある単元の流れ(6〜8時間の場合)

時期ねらい主な活動
第1時出合う・見通しをもつ単元のゴールの提示、Small Talk で新出表現と出合う
第2〜3時慣れる・使ってみる表現の練習と、小さな言語活動(ペアでのやり取りなど)
第4〜5時深める本文の読み取り、内容についての意見交換、表現を広げる
第6時準備するゴール活動の原稿づくり・リハーサル・ピアフィードバック
第7時発揮する・振り返るゴール活動(パフォーマンステスト)、単元の振り返り

08⏱️ 本時の目標と本時の展開(50分の組み立て方)

本時の目標

  • 1時間で達成できる大きさにする(単元の目標をそのまま書かない)。
  • 1〜2文で、生徒を主語にして「〜することができる。」で結ぶ。
  • 目的・場面・状況を入れる。
  • 授業の最後に「できた・できない」が見て分かる行動で書く(「理解する」「親しむ」だけにしない)。
△ よくある書き方◎ こう直すどこがよくなった?
比較級を使えるようにする。ALTの先生に日本のおすすめの食べ物を紹介するために、比較表現を用いて、ペアで食べ物を比べながら、自分の考えとその理由を伝え合うことができる。目的・場面・状況、使う表現、何をする姿かがすべて入った。
There is / are を理解する。自分の町を知らない留学生に町の魅力を伝えるために、There is / are を用いて、町にある場所とそのよさを3文以上で書くことができる。観察可能な「3文以上で書く」で、達成が見える。
本文を読んで内容をつかむ。本文を読んで、筆者がプラスチックの削減を訴える理由を2つ捉え、ペアで説明することができる。何を読み取ればよいか(理由を2つ)が明確。

50分の「黄金比」

段階時間の目安主な中身
導入8〜12分あいさつ、Small Talk、帯活動、前時の復習、本時のめあての提示
展開30〜35分新出事項との出合い → 気づき → 練習 → 言語活動(メイン) → 中間指導 → もう一度言語活動
まとめ5〜8分共有・フィードバック、めあてに照らした振り返り、次時の予告

45分なら展開を5分短く、65分や100分(2コマ)なら、言語活動を2回に分けたり、書く活動を加えたりします。

導入:生徒の頭と心を英語モードに

  • Small Talk:教師が自分の身近な話題を、本時や既習の表現をさりげなく使って話し、生徒に問いかける。慣れてきたら生徒同士で。
  • 帯活動:毎時間くり返す短い活動(1分チャット、単語クイズ、音読など)。積み重ねで力がつく。
  • 前時の復習:本時の活動に必要な表現を思い出す。
  • めあての提示:本時の目標を、生徒に分かる言葉にして示す(例:「食べ物を比べて、おすすめとその理由を伝え合おう」)。
📝 Small Talk の例(比較表現)
T: Which season do you like better, summer or winter?
   I like winter better than summer. Why? Because I can enjoy hot nabe!
   How about you, Ken? Which do you like better?
S: I like summer better.
T: Oh, why?

展開:「出合う → 気づく → 練習する → 使う」

新しい表現は、いきなり文法説明から入るより、意味のある場面の中で出合わせ、形や意味に気づかせてから練習し、最後に目的・場面・状況のある言語活動で使う流れが基本です。

練習(ドリル)言語活動
ねらい正しい形を身に付ける考えや気持ちを伝え合う
答え決まっている(だれが言っても同じ)人によってちがう(伝えたい内容がある)
目的・場面・状況なくてもよい必ずある
例ピクチャーカードを見て、比較級の文を言うALTにすすめたい食べ物を、理由を付けてペアで伝え合う

中間指導とは、言語活動の途中でいったん止め、うまくいっていた表現を全体で共有したり、困っていたことを解決したりする指導です。1回目と2回目の間に入れると、2回目の質がぐっと上がります。研究授業でよく注目されるポイントです。

まとめ:めあてに戻る

  • よかった表現や生徒の発言を価値付ける(ほめて、全体で共有する)。
  • めあてに照らして振り返る:「今日、比べる言い方を使って伝えられたか」「どんな表現が使えたか」「次は何に挑戦したいか」。
  • 次の時間の予告で、単元のゴールへのつながりを示す。

時間配分の例(50分)

段階分活動
導入5あいさつ・Small Talk
導入5帯活動(1分チャット)
導入2めあての確認
展開8モデル対話を聞き、表現に気づく
展開8表現の練習(全体 → ペア)
展開15メインの言語活動(ペアを替えて3回・中間指導つき)
まとめ7書いてまとめる・振り返り
計50
💡 時間は実際に計る指示や説明は、予想の1.5倍かかると思っておきましょう。模擬授業でタイマーを使って計ると、どこを削ればよいかが分かります。授業中は授業進行タイマーで残り時間を見える化するのもおすすめです。
💡 「削ってもよい活動」を決めておく本番は計画どおりに進まないものです。時間が押したときに短くする(削る)活動を、あらかじめ決めておきましょう。メインの言語活動と振り返りは削らないのが鉄則です。

09✍️ 展開表の各欄の書き方(学習活動・留意点・評価)

展開表は、参観者が授業中にいちばん見る場所です。「だれが・何を・どの英語で・なぜ」が分かるように書きます。

学習活動の欄(生徒が主語)

  • 生徒を主語にして、「〜する。」で結ぶ。
  • 通し番号(1、2、3…)を付けると、留意点の欄と対応させやすい。
  • 活動名だけで終わらせず、何をどの英語でするのかまで書く。
△ よくある書き方◎ こう直すどこがよくなった?
ペアワークペアで、週末の予定について be going to を使って尋ね合う。何を・どの表現でやるのかが分かる。
音読する。本文を、意味のまとまりに気をつけて、ペアで交互に音読する(Read and Look up)。音読の方法とねらいが分かる。
ゲームをする。最上級を使ったクイズを班で出し合い、答えを英語で言う。ゲームで何の表現を使うのかが分かる。

指導上の留意点・支援の欄(教師が主語)

教師を主語にして、●(または・)で始めます。「何をするか」だけでなく「なぜ・どうやって」を書きます。次の3種類を意識すると、内容が充実します。

  1. 全体への指導:活動の目的の説明、モデルの提示、時間の指示など。
  2. つまずく生徒への手立て:ヒントカード、モデル文を指さす、教師と一緒に一文目を言う など。
  3. 早く終わった生徒への手立て:追加の質問カード、もう1文加える、相手を替える など(発展)。
△ よくある書き方◎ こう直すどこがよくなった?
机間指導をする。机間指導を行い、理由を言えていないペアには、比べる観点のカード(price / taste)を示す。だれに・何をして支援するのかが具体的。
ほめる。よい表現を使っていたペアを紹介し、全体でその表現を確認する。ほめることが、全体の学びにつながる。
説明する。日本語で簡潔に、be動詞の過去形との形のちがいに気づくよう、2つの文を並べて示す。何をどう説明するのかが分かる。

評価の欄

  • 「【観点】方法」の形で書く(例:【思】行動観察、【知】ワークシート)。
  • 本時で実際に見取る場面だけに書く。全部の行に書く必要はない。
  • 指導に生かす評価なのか、記録に残す評価なのかを添えると、さらに丁寧(例:【思】行動観察(指導に生かす))。

Teacher Talk(英語の発話例)

授業は英語で行うことが基本です。各場面で教師が実際に言う英語を書いておくと、指導案が具体的になり、自分の練習にもなります。

場面使える英語
あいさつ・導入Good morning, everyone. How are you today? / Let's start today's lesson.
めあての提示Today's goal is to … / By the end of this lesson, you will be able to …
活動の指示Make pairs. / Change roles. / You have three minutes. / Stand up and find a new partner.
モデルの提示Watch and listen. Mr. Smith and I will show you an example.
中間指導Stop, please. Ken said, "Why do you think so?" That's a great question!
支援Look at the card. You can say, "I think … because …."
まとめ・振り返りLet's look back on today's goal. What expressions could you use?

表を見やすくするコツ

  • 学習活動と、それに対応する留意点を同じ高さにそろえる。
  • 段階(導入・展開・まとめ)の区切りをはっきりさせる。
  • 時間の欄の合計が授業時間とぴったりになっているか必ず確かめる(いちばん多いミス!)。

10🖍️ 板書計画・ルーブリック・ワークシート

板書計画は「授業の設計図の縮図」

1時間が終わったときに黒板を見れば、授業の流れが分かるのが理想です。黒板を3つに分けて考えると計画しやすくなります。

左中央右
日付・めあて
Small Talk で出た表現
モデル対話・ターゲットセンテンス
ピクチャーカード
Useful Expressions
振り返りの観点
  • めあては必ず書く(まとめで振り返るときに指させるように)。
  • ターゲットセンテンスは大きく、形のポイント(比較級の -er など)は色や下線で示す。
  • 色チョークは色だけに頼らず、囲み・下線・記号も使う(色の見え方には個人差があるため)。
  • 電子黒板・スライドとの役割分担:残したいものは黒板、流してよいもの(写真・動画・タイマー)はスクリーンに。

ルーブリックの作り方

  1. 評価する観点と活動を決める(例:思考・判断・表現/ペアでのやり取り)。
  2. B(おおむね満足できる)=評価規準を書く。
  3. A(十分満足できる)=Bに質的な高まりを加える。
  4. C(努力を要する)と、Cの生徒への手立てを書く。
  5. 事前に生徒に示す(何をすればよいかが分かり、自己評価にも使える)。
📝 ルーブリックの例(思考・判断・表現)
A:比べる観点を複数示し、具体的な理由を加えて自分の考えを伝え、相手の考えに質問や感想を返しながら伝え合っている。
B:比較表現を用いて、自分のおすすめとその理由を伝え合っている。
C:比較表現を用いて、自分の考えや理由を伝えることが難しい。
 ▶手立て:比べる観点のカードと Useful Expressions を示し、教師が一緒に一文目を言ってから続きを言えるよう支援する。

ワークシートを資料として付ける

  • 冒頭に目的・場面・状況を書く(例:「新しいALTの先生に、日本でおすすめの食べ物を紹介しよう!」)。
  • Useful Expressions、モデル文、メモ欄、自己評価欄・振り返り欄を入れる。
  • 指導案の最後に「資料」として付けると、参観者が活動をイメージしやすい。

11🖊️ 指導案の言葉づかい・言いかえ辞典

基本のルール

  • 文体は常体(である調)が一般的。「〜する。」「〜である。」で書く。
  • 小学校は児童、中学校・高校は生徒。
  • 主語を使い分ける:学習活動の欄は生徒、留意点の欄は教師。
  • 用語は最初から最後まで統一する(「めあて」と「目標」、「ペア活動」と「ペアワーク」を混ぜない)。
  • 英文は半角英数字で書き、スペルと大文字・小文字・ピリオドを確かめる。

言いかえ辞典

よく見る表現おすすめの言いかえ理由
〜させる〜するよう促す/〜する場を設ける/〜できるよう支援する生徒が主体の書き方になる
〜を理解させる〜に気づくよう、…を示す教え込みではなく気づきを促す
発表させる数名を指名し、発表を促す/発表する機会を設ける「させる」を避ける
机間指導をする机間指導を行い、〜している生徒には…を示す支援の中身が分かる
ほめる称賛し、よい点を全体で共有する(価値付ける)ほめる目的が分かる
頑張らせる粘り強く取り組めるよう、〜を示す具体的な手立てになる
わからない生徒表現に困っている生徒/つまずいている生徒状態を具体的に
できない生徒が多い〜には課題が見られる否定的な印象を避ける
英語が苦手な生徒英語で表現することに自信がもてない生徒人ではなく状態に注目する
楽しく活動する目的をもって〜するねらいが分かる
確認する〜を、〜で確認する(例:答えを、ペアで確認する)何を・どうやってが分かる

よく使う言い回し

場面言い回し
導入既習事項を想起できるよう/本時の学習に見通しをもてるよう/めあてを提示し、学習の目的を確認する
展開意味のある文脈の中で新出表現を導入する/形・意味・用法に気づくよう促す/必然性のある場面を設定する/中間指導で表現を共有する
支援個に応じた支援を行う/ヒントカードを準備し、必要に応じて参照できるようにする/モデル文を示す
まとめめあてに照らして振り返るよう促す/よい表現を全体で共有し、価値付ける/次時への見通しをもてるようにする

12💡 言語活動アイデア集(5領域)

「目的・場面・状況」を付けると、どの活動も本物の言語活動になります。

領域活動こんな表現と相性がよい
聞くことALTの自己紹介ビデオを見て、質問したいことをメモする疑問詞・過去形
聞くこと天気予報や駅のアナウンスを聞いて、必要な情報だけを聞き取る未来の表現・数字・時刻
聞くことリスニング・ビンゴ/ディクテーション単語・定型表現
読むことジグソー・リーディング(グループで別々の部分を読み、教え合う)説明文・物語文
読むことメニュー・パンフレット・掲示物から、目的に合う情報を探す比較・助動詞
読むこと本文の要点を図や表にまとめ、リテリングの準備をするあらゆる本文
話すこと[やり取り]Small Talk(スモールトークルーレット)既習表現の総復習
話すこと[やり取り]Find Someone Who(条件に合う人を探すインタビュー)Have you ever …? / Do you …?
話すこと[やり取り]情報ギャップ(インフォメーションギャップ・メーカー)疑問文・位置・時刻
話すこと[やり取り]ミニディベート(Which is better, A or B?)比較・意見と理由
話すこと[やり取り]4/3/2(同じ話題で、相手を替えて4分→3分→2分)流暢さを伸ばしたいとき
話すこと[発表]Show & Tell(実物や写真を見せてスピーチ)過去形・現在完了
話すこと[発表]リテリング(キーワードや絵をたよりに、本文を自分の言葉で)あらゆる本文
話すこと[発表]スライドを使ったおすすめ紹介・プレゼンテーション比較・最上級・理由
書くことALTや海外の友達への返信メール疑問文への答え・理由
書くこと意見文(主張 → 理由2つ → まとめ)I think … because … / First, … Second, …
書くことライティングのプロセス:マッピング → 下書き → ペアで読み合い → 推敲 → 清書まとまりのある文章

帯活動のアイデア

  • 1分チャット(毎回テーマを変える)
  • 単語のフラッシュカード・クイズ
  • 音読(Read and Look up、Shadowing)
  • 既習表現を使った30秒スピーチ
  • 日付・天気・曜日の英語のやり取り(小学校・中1)

ICT(1人1台端末)を使うときは「何のために」を書く

使い方何のため?(指導案に書くこと)
音読・スピーチを録音して提出何度も撮り直せるので、一人一人の練習量(試行回数)が増える
スライド・ドキュメントの共同編集グループの考えをすぐに共有・比較できる
アンケート機能で導入クイズ結果をすぐにグラフにして、英語で話す材料にできる
デジタルポートフォリオCAN-DOの振り返りを蓄積し、自分の成長を実感できる
⚠️ ICTは目的ではなく手段「タブレットを使う」こと自体が目的にならないように。紙や対面のほうがよい場面もあります。指導案には、ICTを使うことで何がよくなるのかを一言添えましょう。

13🌐 英語版指導案(English Lesson Plan)の書き方

ALTとの打ち合わせ、海外の学校との交流、英語で行う研究授業などで使います。日本語版をそのまま直訳するより、英語圏の lesson plan の言い方に合わせると伝わりやすくなります。

見出し・用語の英訳

日本語English
学習指導案Lesson Plan / Teaching Plan
単元名Unit / Topic
単元の目標Unit Goals
単元の評価規準Evaluation Criteria for the Unit
教材観About the Teaching Materials
生徒観About the Students
指導観Teaching Approach
単元の指導と評価の計画Teaching and Evaluation Plan for the Unit
本時の目標Lesson Objective(s) / Aims of This Lesson
準備物Materials
本時の展開Teaching Procedure
導入/展開/まとめIntroduction (Warm-up) / Development (Main Activities) / Consolidation (Wrap-up)
指導上の留意点Teacher's Support / Points to Note
板書計画Board Plan
知識・技能Knowledge and Skills
思考・判断・表現Thinking, Judgment and Expression
主体的に学習に取り組む態度Attitudes toward Proactive Learning
机間指導monitoring (walking around and supporting students)
中間指導mid-activity feedback
振り返りreflection

目標の書き方

📝 Objective の型
Students will be able to compare Japanese foods and recommend one to the ALT, giving reasons.
By the end of the lesson, students will be able to write three or more sentences about their town using "There is / are".

Procedure で使える表現

  • Greet the students and have a small talk about …
  • Review the expressions from the previous lesson.
  • Introduce the target sentence through a model dialogue.
  • Have students practice … in pairs.
  • Monitor the students and give support to those who need help.
  • Stop the activity and share good expressions with the whole class.
  • Wrap up the lesson and have students reflect on today's goal.

ALTとの役割分担を書く

ティーム・ティーチングでは、Procedure の各行に (JTE) (ALT) と書いたり、「JTE」「ALT」の列を分けたりして、だれが何をするのかを明確にします。打ち合わせのときに英語版を渡すと、ALTも準備しやすくなります。

💡 このツールなら本格版で「🇬🇧 English」に切り替えると見出しが英語になり、AIモードなら「🌐 英語版に翻訳」で日本語の指導案をまるごと英訳できます。

14🎤 研究授業・教育実習の当日と協議会

前日までにやること

  • 模擬授業:空き教室で、タイマーを使って通しでやってみる。指示の英語も声に出して練習。
  • 教材の予備:ワークシートは多めに印刷、カードは予備も。
  • 機器の確認:電子黒板・タブレット・スピーカー・インターネット。動かなかったときの代わり(紙の資料)も用意。
  • 指導案の印刷・配布:参観者の人数分+予備。座席表を添付すると、参観者が生徒の様子を見取りやすい。
  • ALTとの最終打ち合わせ:役割・モデル対話の練習。

当日の心がまえ

  • 計画どおりにいかなくて当たり前。「削ってもよい活動」を決めておけば落ち着ける。
  • 指導案を見るより生徒を見る。生徒の反応に合わせて、支援の手立てを使う。
  • 時間はこまめに確認(タイマーを生徒にも見せると、活動にメリハリが出る)。
  • メインの言語活動と、めあてに照らした振り返りは削らない。

協議会(研究協議)での自評

授業後の協議会では、最初に授業者が「自評」をすることが多いです。3つのポイントで、2〜3分にまとめましょう。

📝 自評の型
① 本時のねらい:「本時は、〜するために、〜することをねらいとしました。」
② うまくいった点:「〜の手立てによって、〜する生徒の姿が見られました。」
③ 課題:「一方で、〜については課題が残りました。〜については、ご助言をいただきたいと思います。」
  • 質問には、指導案のどこに書いたことかを示しながら答えると伝わりやすい。
  • いただいた助言はすべてメモし、終わったらお礼を伝える。

授業が終わったら

指導案に、実際にかかった時間、生徒の反応、次に変えたいことを書き込んで保存しましょう。次に同じ単元を教えるとき、何よりの財産になります。

15✅ 提出前チェックリスト30

提出前に、上から順に確かめましょう。本格版の「✅ 提出前チェック」では、一部を自動で判定できます。

全体・一貫性

  • □ 学校指定の様式・項目の順番・用語に合わせた
  • □ 単元の目標 → 評価規準 → 単元計画 → 本時の目標 → 展開 → 評価が一本の線でつながっている
  • □ 目標にない活動、評価されない目標がない
  • □ 単元の中の本時の位置づけ(何時間目で、前後とどうつながるか)が分かる
  • □ 校内研究の主題との関係が書いてある(研究授業の場合)

目標

  • □ 本時の目標は生徒が主語で「〜することができる」で結んでいる
  • □ 1時間で達成できる大きさになっている
  • □ 目的・場面・状況が入っている
  • □ 授業の最後に「できた・できない」が見て分かる

評価

  • □ 単元の評価規準が3観点すべて書いてある
  • □ 思考・判断・表現に目的・場面・状況が入っている
  • □ 態度の文末が「〜しようとしている」になっている
  • □ 単元計画に◎○の記号と凡例がある
  • □ 各観点の「記録に残す評価(◎)」が単元のどこかにある
  • □ 毎時間すべての観点を評価する計画になっていない
  • □ 評価方法が具体的(「観察」だけになっていない)
  • □ Cの生徒への手立てを考えてある

展開

  • □ 時間の合計が授業時間とぴったり(いちばん多いミス!)
  • □ メインの言語活動に十分な時間をとっている(説明ばかりになっていない)
  • □ 導入でめあてを示し、まとめでめあてに照らして振り返っている
  • □ 学習活動は生徒が主語、留意点は教師が主語になっている
  • □ 活動名だけでなく、何をどの英語でするのかが書いてある
  • □ つまずく生徒・早く終わった生徒への手立てが書いてある
  • □ 「〜させる」を使いすぎていない

三つの観・その他

  • □ 教材観 → 生徒観 → 指導観の論理がつながっている
  • □ 生徒観の課題を、指導観で手立てとして回収している
  • □ 生徒観に個人が特定できる情報を書いていない
  • □ 板書計画がある(めあてが書いてある)
  • □ 誤字脱字・英語のスペルミスがない(Teacher Talk の英文も)
  • □ 日時・学級・人数・授業者の名前に間違いがない

16🚫 よくあるNGと、新任の先生のQ&A

よくあるNG集

NGなぜダメ?どう直す?
「〜させる」のオンパレード教師が主体の授業に見える「〜するよう促す」「〜する場を設ける」に言いかえる
活動名だけで中身が分からない(「ペアワーク」)参観者が授業をイメージできないだれが・何を・どの英語でやるのかまで書く
評価欄が全部「観察」評価の根拠が残らないワークシート・発表・振り返りシートを組み合わせる
毎時間3観点すべてを評価現実的に見取れない本時に重点的に見る観点を1〜2つに絞る
導入のゲームが盛り上がるだけ本時の目標とつながっていないゲームの中で本時や既習の表現を使う仕掛けにする
説明が長く、言語活動が短い生徒が英語を使う時間がないメインの言語活動に授業の3割前後を確保する
時間の合計が合わない計画性を疑われる提出前に必ず計算する
生徒観に個人が特定できる情報個人情報・人権への配慮に欠ける学級全体の傾向として書く
板書計画がない/スライドを流すだけ授業の流れが残らない残すものは黒板に。めあては必ず書く

Q&A

Q. 指導書の展開例をそのまま使ってもいいですか?

A. 参考にするのはよいことですが、そのまま写すのではなく、自分の学級の実態に合わせて「選ぶ・削る・足す」をしましょう。協議会で「なぜこの活動にしたのですか?」と聞かれたときに、自分の言葉で答えられることが大切です。

Q. 授業中、日本語はどこまで使っていいですか?

A. 中学校・高校では「授業は英語で行うことを基本とする」とされています。ただし、生徒の理解の程度に応じた英語を使うことが前提で、文法の説明などを日本語で簡潔に補うこともあります。「文法の説明は日本語で短く行う」など、使い分けの方針を指導観に書いておくと丁寧です。

Q. 1時間の授業で、3観点すべてを評価しないといけませんか?

A. いいえ。本時で重点的に見る観点を1〜2つに絞りましょう。記録に残す評価は、生徒が十分に練習した単元の後半で行うのが基本です。

Q. 生徒観に数字を書くときの注意は?

A. アンケートやテストの結果は「約7割」「半数を超える」など、学級全体の傾向として示します。個人の成績や、少人数で個人が特定できるような数字は書きません。

Q. 小学校の指導案で、中学校とちがうところは?

A. 「児童」と書きます。3・4年生の外国語活動は「聞くこと」「話すこと[やり取り]」「話すこと[発表]」の3領域で、教科ではないため数値による評価(評定)は行いません。5・6年生の外国語科は5領域です。学級担任と専科教員・ALTとの役割分担や、音声で十分に慣れ親しんでから文字を扱う流れを意識しましょう。

Q. 高校の指導案で、中学校とちがうところは?

A. 科目名(英語コミュニケーションⅠ〜Ⅲ、論理・表現Ⅰ〜Ⅲ)を書きます。複数の領域を結び付けた統合的な言語活動(読んだ内容について話し合う・意見を書く など)や、論理・表現での発信(スピーチ・ディベート・意見文)が重視されます。

Q. AIで作った指導案を使ってもいいですか?

A. 下書きやアイデア出しに使うのは、とても効率的です。ただし、学校・自治体の生成AIの利用ルールに従い、内容は必ず自分で確かめて、自分の学級に合わせて書き直してください。生徒の名前などの個人情報は入力しないでください。最終的な責任は授業者にあります。

Q. 指導案を書くのに、どれくらい時間がかかりますか?

A. はじめての細案なら、相談や修正も含めて2〜3週間かかるのがふつうです。慣れてくると略案は30分〜1時間で書けるようになります。型(テンプレート)をもっておくことが早く書くコツです。

17📚 用語集(これだけは知っておきたい)

用語意味
学習指導要領文部科学省が定める教育課程の基準。英語は「外国語」。小・中は平成29年告示、高校は平成30年告示。
学習指導要領解説学習指導要領の内容をくわしく説明したもの。外国語編(高校は外国語編・英語編)。
5つの領域聞くこと・読むこと・話すこと[やり取り]・話すこと[発表]・書くこと。
3観点知識・技能/思考・判断・表現/主体的に学習に取り組む態度。
評価規準何ができればよいか(めざす姿)を文章で示したもの。
評価基準どの程度できているかの尺度(A・B・Cなど)。ルーブリックで示す。
指導と評価の一体化評価の結果を指導の改善に生かし、指導したことを評価すること。
記録に残す評価/指導に生かす評価評定の資料として記録する評価/その後の指導に生かすための評価。
CAN-DOリスト「〜することができる」の形で示した学習到達目標。学校ごとに作成する。
言語活動目的・場面・状況のある中で、実際に英語を使って考えや気持ちを伝え合う活動。
言語材料扱う文法事項・語彙・表現・音声など。
目的・場面・状況「だれに・何のために・どんな状況で」英語を使うのかという設定。
Small Talk教師(または生徒同士)が身近な話題について英語で短くやり取りする活動。
帯活動毎時間、授業の決まった時間にくり返し行う短い活動。
めあて本時の目標を、生徒に分かる言葉にしたもの。導入で示し、まとめで振り返る。
机間指導活動中に教室を回り、生徒の様子を見取って支援すること。
中間指導言語活動の途中でいったん止め、よい表現の共有や課題の解決をする指導。
パフォーマンステスト実際に話す・書くなどの課題で、英語を使う力を評価するテスト。
ルーブリック評価の観点と、A・B・Cなどの段階ごとの基準を表にしたもの。
ティーム・ティーチング(TT)日本人の英語教員(JTE)とALTなど、複数の教員で行う授業。
ALT外国語指導助手(Assistant Language Teacher)。
リテリング読んだ・聞いた内容を、キーワードや絵をたよりに自分の言葉で伝え直す活動。
ユニバーサルデザイン(UD)だれにとっても分かりやすく学びやすい授業の工夫(見通し・視覚化・焦点化など)。
個別最適な学び・協働的な学び一人一人に応じた学びと、他者と学び合う学びを一体的に充実させるという考え方。
略案/細案本時中心の簡単な指導案/単元全体を含むくわしい指導案。
自評研究授業の後の協議会で、授業者が自分の授業について述べること。

18🔗 一次資料・参考リンク

迷ったときは、必ず一次情報(文部科学省・国立教育政策研究所)にあたるのが鉄則です。

原田英語のサイト

玉手箱の指導案ツール

プリント作成のほかのツール

🖨️ プリント作成の一覧 ・ すべてのツール(407種) ・ 英語の先生のためのリンク集