原田英語の多読ベストジュニア このサイトについてはじめて
えんぴつはなぜ字が書けるの?のイラスト

身のまわりのもの ・ 243/300

えんぴつはなぜ字が書けるの?

How does a pencil write?

ひとことで言うと

えんぴつのしんには、うすい層が重なった黒鉛(こくえん)とねん土が入っていて、紙にこすると黒鉛のかけらがはがれ、紙のでこぼこにひっかかって残るからだよ。

やさしい英語でEasy English ・ 英検5〜4級くらい

The black part of a pencil is called the lead. But it is not real lead. It is made of graphite and clay. Graphite is soft. When you rub it on paper, tiny black bits come off. They stay on the paper. That is your writing!

日本語の訳を見る

えんぴつの黒いところは「リード(しん)」とよばれます。でも、本物の鉛(なまり)ではありません。黒鉛とねん土でできています。黒鉛はやわらかいです。紙にこすると、小さな黒いかけらがはがれます。かけらは紙の上に残ります。それがあなたの字なのです!

ふつうの英語でStandard English ・ 英検3〜準2級くらい

The writing core of a pencil is often called lead, but it contains no lead metal. It is a mixture of graphite and clay. Graphite is a form of carbon made of very thin layers, like a stack of paper. These layers slide over one another easily. Paper looks smooth, but it is really a network of tiny fibers with many bumps. When you move a pencil across paper, the bumps scrape off thin flakes of graphite, and the flakes get caught between the fibers. The black line you see is made of many tiny flakes. Pencil makers add more clay to make a harder, lighter pencil marked H, and less clay to make a softer, darker pencil marked B.

日本語の訳を見る

えんぴつの字を書くしんは、英語で「リード」とよばれることがありますが、鉛という金属は入っていません。黒鉛とねん土をまぜたものです。黒鉛は炭素(たんそ)の一つの形で、紙を重ねたたばのような、とてもうすい層からできています。この層は、たがいの上をかんたんにすべります。紙はなめらかに見えますが、じつは小さなせんいがあみのようにからまり、たくさんのでこぼこがあります。えんぴつを紙の上で動かすと、でこぼこが黒鉛のうすいかけらをけずり取り、かけらはせんいの間にひっかかります。目に見える黒い線は、たくさんの小さなかけらでできています。えんぴつ会社は、ねん土を多くして、かたくてうすい線が書けるHのえんぴつを作ります。ねん土を少なくすると、やわらかくて濃い線が書けるBのえんぴつになります。

この質問の英単語

  • pencilえんぴつ
  • graphite黒鉛(こくえん)
  • clayねん土
  • rubこする
  • layers層(そう)
  • fibersせんい
  • flakesうすいかけら

超絶解説もっと知りたい人へ

しんの正体は「黒鉛」

えんぴつのしんの主役は黒鉛です。黒鉛は炭素という小さなつぶが、六角形のあみ目のように手をつないでできた、ものすごくうすいシートです。このシートが何十万枚もかさなっていますが、シートどうしのつながりはとても弱いのです。トランプのたばを横からおすと、ずるっとずれますね。黒鉛も同じで、紙にこするとシートがかんたんにずれてはがれます。おどろくことに、ダイヤモンドも同じ炭素だけでできています。つぶのならび方がちがうだけで、いっぽうは世界一かたい宝石に、もういっぽうは紙に字が書けるやわらかいしんになるのです。

紙はでこぼこのジャングル

紙をけんび鏡で見ると、植物の細いせんいがぐちゃぐちゃにからまった、でこぼこの世界です。えんぴつをすべらせると、このでこぼこがやすりのように黒鉛をけずり、はがれたかけらがせんいのすき間にひっかかって残ります。ガラスのようなつるつるの面にえんぴつで書きにくいのは、黒鉛をけずり取るでこぼこがないからです。

「鉛」じゃないのに鉛筆?

1560年代ごろ、イギリスのボローデールという所で、とてもじゅんすいな黒鉛の大きなかたまりが見つかりました。当時の人はこれを鉛の仲間だと思い、「黒い鉛」とよびました。これが「鉛筆」という名前の始まりです。最初は黒鉛のぼうをひもや木でくるんで使っていました。1795年、フランスのコンテが、黒鉛の粉とねん土をまぜて焼く方法を考え出し、ねん土の量でかたさを自由に変えられるようになりました。日本では、徳川家康が持っていたとされるえんぴつが静岡県の久能山東照宮に残っていて、日本で最も古いえんぴつの一つといわれています。

えんぴつからノーベル賞

2004年、イギリスの研究者ゲイムとノボセロフは、黒鉛にセロハンテープをはってはがす、ということをくり返し、ついに炭素のつぶ1こ分の厚さしかないシートを取り出しました。これをグラフェンといいます。とてもうすいのにとても強く、電気をよく通すこのシートの発見で、2人は2010年にノーベル物理学賞を受けました。えんぴつで線を引くとき、あなたの線の中にも、ほんの数枚分の黒鉛シートがまじっているかもしれません。

みんなが驚く豆知識

  1. 英語の pencil は、ラテン語の「小さなしっぽ」という意味の言葉から来ています。昔は絵をかくための細い筆のことを pencil とよんでいたのです。

  2. 黒鉛は金属ではありませんが、電気を通します。黒鉛の中には動きやすい電子があるためです。ただし、えんぴつのしんにはねん土もまざっているので、金属の線ほど電気を通しません。

  3. 「NASAが大金をかけて宇宙で書けるペンを作ったのに、ソ連はえんぴつを使った」という話は俗説です。宇宙用ボールペンは会社が自分のお金で開発し、アメリカもソ連も使いました。

おうちでやってみよう

えんぴつで紙の一部分を濃くぬりつぶし、そこを指でそっとこすってみよう。黒鉛が指につき、指が銀色っぽく光って、少しつるつるすることがあります。これは、黒鉛のうすいかけらが紙からはがれ、指についたためです。終わったら手をよく洗おうね。

英文と解説は、このコーナーのために子ども向けに書き下ろしたものです(AIと人が作成。Codex で英語・和訳・事実をチェックし、人の目でも順次確認しています)。100年以上前の原文をそのまま載せている「おはなし」のページとは分けています。

身のまわりのものの「なぜ?」をもっと

「なぜ?」300の一覧へ えいご なぞなぞ大会