EXAM STRATEGY × PEAK PERFORMANCE
定期考査や大学入試の
試験開始30秒でやるべき「神ルーティン」
― 満点講師が絶対にやっている3つの儀式 ―
💬 こんな経験、ありませんか?
「試験開始!」の合図で、慌てて1問目に飛びつく。でも問題文が頭に入ってこない。焦って時計を見ると、もう5分も経っている――実はこの「最初の30秒」の使い方こそが、試験の出来を左右する最大のカギだったのです。
定期テストでも、大学入試でも、資格試験でも、ほとんどの人は「始め!」と言われた瞬間に問題を解き始めます。
一秒でも早く解き始めたほうが有利――直感的にはそう思いますよね。
でも、長年にわたって試験で高得点を出し続けてきた講師やプロの受験生たちは、実はまったく逆のことをしています。試験開始の合図が鳴ったあと、すぐには問題を解き始めない。その代わりに、わずか30秒ほどの「儀式」を行ってからペンを動かし始めるのです。
その30秒が、残りの試験時間のすべてを変えます。
🫁 儀式①:深呼吸を1回だけ入れる(5〜7秒)
「試験前に深呼吸しなさい」と言われたことがある人は多いはず。でも、ここで言っているのは試験「前」ではなく、試験開始の合図が鳴った「直後」の深呼吸です。
なぜこのタイミングなのか。
人間の脳は「始め!」の合図を聞いた瞬間、交感神経が一気に活性化します。心拍数が上がり、呼吸が浅くなり、視野が狭まる。これはいわゆる「闘争・逃走反応(fight-or-flight response)」で、原始時代に猛獣から逃げるために進化した反応です。
問題:試験で求められるのは「逃げる能力」ではなく「考える能力」
解決策:副交感神経を起動させて、脳を「思考モード」に切り替える
方法:たった1回の深呼吸(4秒吸って、7秒かけて吐く)
実はこれ、科学的に裏付けられています。2016年にシンガポール国立大学の研究チームが発表した研究では、テスト前に深呼吸を行った小学生グループは、不安が有意に低下し、テストの成績が向上したことが報告されています。深呼吸が副交感神経を活性化し、脳が「冷静に考えられる状態」に切り替わるためです。
英語ではこの現象を “activating the parasympathetic nervous system”(副交感神経系の活性化)と言います。試験の場面では、この切り替えがパフォーマンスに直結するのです。
🗺️ 儀式②:問題全体をパラパラめくる(15〜20秒)
深呼吸のあと、いきなり1問目を読み始めてはいけません。まずやるべきは、問題用紙の全ページをパラパラとめくること。
この作業の目的は、問題を「解く」ことではありません。以下の3つの情報を、ほんの十数秒で頭に入れることです。
📐
全体のボリューム
大問がいくつあるか
ページ数はどのくらいか
⚖️
配点の偏り
どの大問が何点か
どこに時間を割くべきか
💎
「得点源」の位置
すぐ解けそうな問題
自分の得意分野はどこか
これは、登山に例えるとわかりやすい。頂上を目指す前に、まず全体の地図を見ますよね。どこに急な斜面があって、どこに休憩ポイントがあるか。それを知らずにいきなり歩き始めたら、体力の配分を間違えます。
試験もまったく同じ。全体の「地図」を頭に入れてから歩き始める人と、いきなり歩き始める人では、ゴールに着く速さが違うのです。
📌 プロの時間配分の黄金比
仮に試験時間が50分、大問が5つなら、1問あたりの目安は約8分。ただし配点が異なれば当然傾斜をつける。最後の5分は必ず見直し用に確保する。この「逆算」が、全体を見なければ絶対にできない計算です。
✍️ 儀式③:名前と受験番号を「丁寧に」書く(5〜8秒)
「名前くらい書くでしょ」と思いましたか? ポイントは、「丁寧に」書くことにあります。
これには2つの重要な意味があります。
意味①:ウォーミングアップ効果
テストの最初の動作が「焦って1問目を解く」だと、手が温まっていない状態でミスしやすくなります。名前を丁寧に書く動作は、手と脳の接続をスムーズに起動させるウォーミングアップになります。スポーツ選手が試合前にストレッチをするのと同じ原理です。
意味②:「自分のペース」を宣言する儀式
周囲の受験生がガサガサとページをめくる音が聞こえる中で、あえて名前を丁寧に書く。この行為は、「私は自分のペースでやる」という心理的な宣言です。心理学でいう「ルーティン」の効果そのもので、アスリートが試合前に決まった動作をするのと同じメカニズムです。
ちなみに、名前の書き忘れは笑い話ではありません。実際に毎年、定期テストでも入試でも一定数の「名前未記入」が発生しています。慌てて解き始めた結果、最も基本的なことを忘れてしまう。最初に名前を書くことは、このリスクをゼロにする最も確実な方法でもあります。
⏱️ 神ルーティン完全タイムライン ― わずか30秒の全工程
「始め!」の合図
周囲がガサガサと問題を開く音が聞こえる
🫁 儀式① 深呼吸(4秒吸う → 7秒吐く)
副交感神経ON → 脳が「思考モード」に切り替わる
✍️ 儀式② 名前と受験番号を丁寧に書く
手のウォーミングアップ+書き忘れ防止+ペース宣言
🗺️ 儀式③ 問題全体をパラパラめくる
大問数・配点・得意分野の位置を把握 → 時間配分を決定
▼ ここから、万全の状態で1問目に着手 ▼
🧠 なぜ「たった30秒」で差がつくのか?
この30秒ルーティンが効果的な理由を、もう少し掘り下げましょう。
心理学では、「メタ認知(metacognition)」という概念があります。これは「自分の思考について考える力」のことで、平たく言えば「今、自分がどういう状態にあるか」を客観的に把握する力です。
試験開始直後に焦って解き始める人は、メタ認知が働いていない状態。問題の難易度も、時間の余裕も、自分の緊張レベルも把握できていないまま走り出しているようなものです。
30秒のルーティンとは
「メタ認知のスイッチを入れる作業」である
この「スイッチ」が入った状態で試験に臨むと、次のようなことが自然にできるようになります。
✔ 難問に出会ったとき「これは飛ばそう」と即座に判断できる
✔ 時間の残りと問題数を常に意識して解ける
✔ ケアレスミスに自分で気づける確率が上がる
✔ 「周りが解けていなさそう」という余計な情報に振り回されない
逆に、メタ認知が働いていない状態では、1問の難問に15分もハマってしまい、後半の簡単な問題に手をつけられなかった――という悲劇が起こります。これは知識の問題ではなく、「試験の受け方」の問題なのです。
📖 英語で学ぶ!試験テクニックの表現
ここで、今回のテーマに関連する英語表現を紹介しましょう。実はこうした試験テクニックの用語は、英語圏でもたくさん研究されています。
| 英語表現 | 意味 | 使い方・解説 |
| pre-performance routine | パフォーマンス前のルーティン | スポーツ心理学で頻出。試験前の深呼吸もこれに該当 |
| fight-or-flight response | 闘争・逃走反応 | 緊張時に交感神経が起動する生理反応のこと |
| time management | 時間配分・時間管理 | “Good time management is key to acing the test.” |
| scan the entire exam | 試験全体にざっと目を通す | scanは「精読する」ではなく「素早く目を走らせる」 |
| metacognition | メタ認知 | 「自分の思考を俯瞰する力」教育心理学の重要概念 |
| low-hanging fruit | 簡単に取れる成果 | 試験では「確実に解ける問題」のこと。まずここから攻める |
💡 ワンポイント:“scan” と “read” の違いを押さえよう。”Scan the exam first”(まず全体にざっと目を通しなさい)は、試験テクニックの鉄板アドバイス。scanは情報を拾い読みすること。readは精読。この使い分けができると、試験関連の英語がグッと理解しやすくなります。
❓ よくある疑問に答えます
Q. 30秒もロスして、時間が足りなくならない?
50分の試験で30秒は全体のわずか1%。しかし、この30秒の「投資」によって、難問にハマって失う5〜10分を防げます。結果的に、使える時間はむしろ増えるのです。全体像が見えていれば「この問題は3分で切り上げよう」という判断も素早くできます。
Q. 問題をめくっているときにチラッと答えが見えてしまうのでは?
むしろそれが狙いです。パラパラめくるときに「あ、この分野は得意だ」「ここは難しそう」という直感が働きます。この直感こそが、最適な解答順序を決めるための情報になります。詳しく読む必要はなく、大問の構成と雰囲気がわかれば十分です。
Q. 周りが解き始めているのに、自分だけ何もしていないと焦りませんか?
最初は焦りを感じるかもしれません。だからこそ、模試や定期テストで事前に練習しておくことが重要です。ルーティンは繰り返すほど効果が強くなります。3回もやれば「自分だけの儀式」として自然に体に染みつきます。
📋 次のテストから使える!実践チェックリスト
☐ 試験開始の合図が鳴ったら、まず1回深呼吸(4秒吸って7秒吐く)
☐ 答案用紙に名前と受験番号を丁寧に記入
☐ 問題用紙を最初から最後までパラパラめくる
☐ 大問の数と配点をざっくり確認
☐ 得意な分野・すぐ解けそうな問題の場所を把握
☐ 大まかな時間配分を決定(最後5分は見直し用に確保)
☐ 得点しやすい問題(low-hanging fruit)から着手
💡 このチェックリストを手帳に書き写して、次のテスト前に見返してみてください。
✨ まとめ ― 30秒が、残りの50分を変える
整理しましょう。
✔ 試験開始直後の30秒は「ロス」ではなく「投資」
✔ 深呼吸1回で脳が「闘争モード」から「思考モード」に切り替わる
✔ 名前を丁寧に書くことが、手と心のウォーミングアップになる
✔ 全体を俯瞰することで「時間配分の設計図」が頭に入る
✔ この30秒が「メタ認知」のスイッチを入れ、試験全体のパフォーマンスを底上げする
勉強量が同じでも、試験の「受け方」ひとつで点数は変わります。30秒のルーティンは、練習すればするほど自然に身につき、いざという本番で最大の効果を発揮します。
次のテストで、ぜひ試してみてください。「始め!」の合図が聞こえたら、まず息を吸って、ゆっくり吐く。それだけで、あなたの試験は変わり始めます。
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