2026年2月10日。
X(旧Twitter)のバイラルアカウント @interesting_aIl が投稿した1本の動画が、瞬く間に40万回再生を突破しました。
内容はシンプル。
“Asking British and Americans
what rules they dislike about Japan”
(イギリス人とアメリカ人に日本の嫌いなルールを聞いてみた)
![]()
https://x.com/interesting_aIl/status/2021004263283892569?s=20
インタビューに答えた英米の女性たちが挙げた不満は主に2つ。
① ジロジロ見られること
「日本では人が私たちをすごく見てくる。イギリスではそれはとても失礼な行為」
② レストランで「すみません」と声を出して店員を呼ぶこと
「イギリスでは店員にアイコンタクトで合図する。大声で呼ぶのは失礼」
——たったこれだけの内容なのに、コメント欄が完全なる戦場と化しました。
日本人、アメリカ人、イギリス人、フィンランド人、シンガポール人……
世界中から意見が殺到し、文化論・マナー論・そして残念ながら容姿への攻撃まで入り乱れるカオスに。
でもこの記事はそこがメインではありません。
英語学習者にとっての「宝の山」は、このコメント欄に飛び交うリアルな英語表現のほうです。
教科書には絶対に載らない、でもネイティブが本気の議論で使う英語がてんこ盛り。
今日はそこを徹底的に掘っていきます。
コメント欄は大きく分けて4つの陣営に分かれていました。
では、特に英語学習的においしいコメントをピックアップしていきましょう。
日本語の「郷に入れば郷に従え」にあたる英語の大定番ことわざです。
実はこのコメント欄で、日本人が日本語で「郷に入れば郷に従え」と何度も書いているのですが、英語話者もまったく同じことわざを使っているのが面白いポイント。文化が違っても「よその国に行ったらそこのルールに従え」という考え方は万国共通なんですね。
📝 覚えておきたいポイント
・省略して “When in Rome…” だけで通じる(超頻出)
・”Rome” と “Romans” で頭韻(R)を踏んでいるのがリズムの秘密
・旅行先でも、転職先でも、あらゆる「新しい環境に飛び込んだ場面」で使える
これ、教科書には載らないけどネイティブが死ぬほど使う表現です。
💡
“it comes with the territory” の意味
直訳すると「それはその領土についてくるもの」。転じて「ある状況に置かれれば当然起こること」「しょうがないこと」という意味。
このコメント主は「日本で見た目が違う自分がジロジロ見られるのは、まあ当然のことだよ」と言っています。怒るわけでもなく、達観した大人の対応。
フィンランド在住の日本人による完璧なカウンターパンチ。「私もフィンランドでジロジロ見られてるけど?お互い様でしょ」。
💡
“it goes both ways” の意味
「それはお互い様だよ」「双方向だよ」という意味。議論や人間関係において「自分だけが被害者じゃないよ」と指摘するときに最強のフレーズ。
これは英語スラングの中でも特に人気の高い煽りフレーズです。
💡
“Suck it up, buttercup” の意味
「我慢しろよ、お嬢ちゃん」というニュアンス。”suck it up” だけで「耐えろ・我慢しろ」という意味があり、そこに “buttercup”(キンポウゲ=花の名前→転じて「甘ちゃん」)を付けて韻を踏んでいるのがポイント。
suck / up / buttercup で “ʌk” の音が3回繰り返される気持ちよさ。英語話者は本当に韻が大好きです。
汚い言葉のオンパレードですが、英語学習的には非常に重要なパターンが含まれています。
📝 学べるポイント
・“You can’t keep ~ing” = 「いつまでも〜し続けるなよ」(苛立ちの表現)
・“adapt to their ways” = 「彼らのやり方に適応しろ」(”ways” = 文化・習慣)
・“Bitch, you’re not in ~ anymore” = 映画やドラマでも頻出の「現実を突きつける」構文
⚠️ 注意:もちろん “bitch” や “fucking” はかなり強い罵倒語です。自分で使うのはおすすめしません。でも聞いて理解できることは大事。映画・ドラマ・SNSでは日常的に飛び交っています。
この人は炎上に対して冷静に反論しています。ここに出てくる文法パターンが英語学習的に美味しい。
この一文、英語の論理構造がめちゃくちゃきれいなんです。
🔍 構文解析してみよう
Getting upset ← 動名詞が主語(「怒ること」)
because they gave their opinions politely ← 理由の副詞節
seems very childish ← 動詞+補語
→ 全体の意味:「丁寧に意見を言っただけなのに怒るのは、かなり幼稚に見える」
動名詞主語 + because節 + seems + 形容詞——この構文は英作文でもそのまま使えます。ぜひ自分の引き出しに入れてください。
今回のスレッドで英語学習的に一番面白かったのは、「レストランで店員を呼ぶマナー」の文化差です。
イギリス人女性は「店員を大声で呼ぶのは失礼。アイコンタクトで呼ぶべき」と主張。
それに対して複数のコメントが秀逸な反論を展開しました。
“OK, by the way, what should Japanese people do when they need waiters?”
“Just look deeply at them”
What a Fckin British manner😂
これは見事な矛盾の指摘でした。
「人をジロジロ見るのは失礼」と言いながら「店員はアイコンタクト(=じっと見つめて)で呼べ」——矛盾してない?というツッコミ。
日本語でも英語でも、同じ矛盾に気づいた人が多数。
ちなみにこの矛盾を英語で指摘するなら、こんな言い方ができます:
💡
“double standard” = ダブルスタンダード(二重基準)
自分には甘いのに他人には厳しい、矛盾した基準のこと。SNSでの議論で最強クラスの反論ワードです。
コメント欄で日本語を学んでいる人が鋭いツッコミを入れていました。
I went to London once and the service was awful
まさにその通り。日本語の「すみません」は“Excuse me” に近い丁寧な呼びかけであって、「おい!」ではないんですよね。
ここで英語の「人を呼ぶ表現」を整理しておきましょう。
| 英語表現 | 丁寧度 | 場面 |
|---|---|---|
| Excuse me | ⭐⭐⭐⭐⭐ | ≒「すみません」。最も一般的で丁寧 |
| Pardon me | ⭐⭐⭐⭐⭐ | やや上品。イギリス英語で好まれる |
| Hey | ⭐⭐⭐ | カジュアル。友人同士なら普通 |
| Oi! | ⭐ | イギリス英語のスラング。かなり失礼 |
| Yo! | ⭐ | アメリカ英語のスラング。超カジュアル |
つまり「すみません」= “Excuse me” は英語圏でも最も丁寧な呼びかけです。これを「失礼」と感じるのは、そもそも声を出して呼ぶこと自体がイギリス文化で避けられるからであって、言葉の問題ではないんですね。
殺伐としたコメント欄の中にも、思わず笑ってしまうウィットに富んだコメントがいくつかありました。
これ、日本に住んだことがある外国人あるあるですね。コンビニで「いらっしゃいませ〜」と言われて律儀に「こんにちは!」と返したら店員に驚かれる、というやつ。
ここで覚えたい表現は “you’re not supposed to ~”。
💡
“you’re not supposed to ~” の意味
「〜するものではない」「〜しないのが普通」。明確なルールというよりも、暗黙の了解やマナーを表すときに使います。
「日本にいても誰も俺のことは見てくれないけどね」——自虐の天才。
こういうドライなユーモアがサラッと言えるようになったら英語上級者です。
| フレーズ | 意味 | 使える場面 |
|---|---|---|
| When in Rome (do as the Romans do) | 郷に入れば郷に従え | 文化適応の話全般 |
| it comes with the territory | ある立場に伴う避けられないこと | 仕事・環境の不満を受け入れるとき |
| it goes both ways | お互い様だ | 議論で「自分だけじゃない」と言うとき |
| suck it up (buttercup) | 我慢しろ(甘えるな) | カジュアルに叱咤激励 |
| double standard | ダブスタ(二重基準) | 矛盾を指摘するとき |
| you’re not supposed to ~ | 〜しないのが普通 | 暗黙のルールを説明するとき |
| adapt to their ways | 彼らのやり方に適応する | 異文化体験を語るとき |
最後に、英語表現だけでなく「議論の質」についても触れておきます。
このスレッドのコメント欄には、残念ながら容姿への攻撃的なコメントが大量に寄せられていました。日本語でも英語でも。
でも、そんな中で光っていたのは冷静で建設的なコメントでした。
「文化によって “失礼” の定義が違う。それを見るのが面白い」——この一言が、このスレッド全体で最も知的なコメントだったと思います。
英語を学ぶということは、別の文化の「ものの見方」を学ぶということ。
「どっちが正しいか」ではなく「なぜそう感じるのか」を理解する力こそ、本当の英語力ではないでしょうか。
今日の結論:SNSの炎上スレッドは、教科書では学べない「生きた英語」の最高の教材です。ただし、罵倒語を覚えるためではなく、文化の違いを理解し、議論の構造を学ぶために読みましょう。
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