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脳・心理・行動

記憶・睡眠・思い込み。脳の話が読めると強い

  • 記憶・睡眠・習慣が出やすい話題
  • 認知バイアスの語彙が読解の鍵
  • 「ただし限界もある」の流れに注目
原田英語の予想

睡眠・集中・SNSと心の健康・習慣づくり。実験→結果→解釈の流れは、長文の定番の組み立てです。

なぜ入試に出るの?

脳や心理の話は誰にとっても身近で、しかも研究結果を根拠に論を進めやすいため、長文の素材として重宝されます。「実験でこう分かった」「ただし一般化には注意が必要だ」という科学的な文章の型が学べる点も理由のひとつです。さらに、スマホ依存、ストレス、学習の効率、睡眠不足など現代の課題ともつながるので、自由英作文や小論文のお題にもなりやすい分野です。専門用語は多そうに見えて、実は繰り返し登場する基本語が中心なので、慣れれば得点源にできます。

📝 こんな形で出る

1長文読解

実験結果を紹介し、その解釈と限界を述べる論説文が中心です。「研究によると〜だが、〜とは限らない」という展開をつかめると、内容一致や要約の設問に強くなります。筆者が結論をどこまで言い切っているかにも注意しましょう。

2リスニング

講義形式や研究者へのインタビューで出やすい話題です。睡眠と記憶、ストレスへの対処などを題材に、実験の手順と結果を順に聞き取る力が試されます。数字や順序をメモしながら聞くと安定します。

3自由英作文・小論文

「スマホは集中力を奪うか」「失敗から学ぶには」など、身近な行動を題材にした意見論述が考えられます。理由と具体例を添えて書く練習に向いています。賛否を決めてから書き始めましょう。

📚 3分で分かる背景知識

脳は、約860億個と推定される神経細胞(ニューロン)が電気と化学の信号をやり取りすることで働く器官です。記憶は大きく、短い時間だけ保つ短期記憶と、長く残る長期記憶に分けて説明されます。睡眠中には、日中に得た情報が整理され定着しやすくなると考えられており、睡眠不足が集中力や判断力を下げることも広く知られています。また、脳は経験によって配線を変える性質があり、これを神経可塑性(plasticity)と呼びます。人の判断は、いつも合理的とは限りません。思い込みに引っ張られる確証バイアスや、最初に見た数字に影響される係留(アンカリング)など、認知バイアスと呼ばれる偏りが知られています。ダニエル・カーネマンが広めた「速い思考と遅い思考」という整理も、よく引き合いに出されます。一方で、「脳は10%しか使われていない」といった話は俗説です。また、心理学の一部の実験結果が再現できなかった問題もあり、研究結果は慎重に読む姿勢が求められます。入試では、こうした用語の意味に加え、「なぜそう言えるのか」という根拠の読み取りが問われます。

🧩 よく出る文章の組み立て
  • 常識への疑い:「意志が強ければ誘惑に勝てる」は一見もっともだが、実は環境づくりのほうが重要だ、と常識を覆して主張を示す展開です。
  • 実験→結果→限界:実験の内容、得られた結果、そして「対象が限られる」といった限界の順に述べます。However のあとに、筆者の慎重な見方が出やすいです。
  • 問題→原因→対策:ストレスや睡眠不足などの問題を示し、脳のしくみから原因を説明して、生活習慣の改善という解決策で締める型です。
  • 個人差の指摘:「効果がある」と述べた後に「ただし人によって差がある」と補います。安易な一般化を避けるのが、科学的な文章の作法です。
❓ 脳や心理の長文は、専門知識がないと読めませんか。

いいえ。専門用語は文中で説明されることが多く、繰り返し出る基本語を押さえておけば十分に読めます。この解説の24語から始めましょう。

❓ 「脳科学的に正しい」と書いてあれば、内容は信じてよいのでしょうか。

入試の英文でも、筆者は「ただし限界がある」と補うことがよくあります。結論だけでなく、どんな根拠で、どこまで言えるのかを読み取る習慣をつけましょう。

❓ 自由英作文で脳の話を使うと有利ですか。

有利になるとは限りません。ただ、睡眠や習慣など具体的な知識があると、理由づけが説得力を持ちます。断定せず、suggest などで控えめに述べましょう。

💡 脳・心理系の動画は、実験の紹介から日常への応用へと進む型が多めです。観る前に「どんな実験が出てくるか」を1分予想し、日本語字幕で「実験→結果→限界」の流れをつかみましょう。英語字幕では however や for example を含む表現を3つメモ。実験を説明する30秒をまねたら、最後に「自分の生活でどう使うか」を英語で1〜3文書きます。

賛成・反対の両方の言い分を知っておくと、自由英作文で「理由」がすぐ出ます。下の予想お題で書いてみよう。

論点1 スマホは脳に悪いか

👍 賛成側
通知や短い動画が注意を細切れにし、集中力や深く考える力を妨げるおそれがあります。寝る前の使用が睡眠の質を下げることも心配されているという主張です。
👎 反対側
使い方しだいで学びや交流の道具にもなります。影響には個人差が大きく、原因と結果が逆の可能性もあるため、「脳に悪い」と断定すべきではないという主張です。

論点2 才能は生まれか育ちか

👍 賛成側
性格や能力に遺伝の影響があることは、双子の研究などから示されています。得意・不得意には、生まれ持った差もあると考える立場です。
👎 反対側
脳は経験によって変化し、環境や練習の影響は大きいものです。生まれつきを強調しすぎると、努力や教育の意味を軽く見てしまうという主張です。

論点3 マルチタスクは有効か

👍 賛成側
簡単な作業や慣れた作業なら、同時にこなせることもあります。音楽を聴きながらのほうがはかどる人もおり、場面を選べば時間の節約になるという主張です。
👎 反対側
複雑な作業では、切り替えるたびに効率が落ちることが多くの研究で示されています。同時にこなすより、一つずつ集中するほうが良い結果になりやすいという主張です。

論点4 脳トレは効果的か

👍 賛成側
練習したゲームの成績は確かに上がるので、記憶力や処理速度の維持に役立つ可能性があります。楽しみながら頭を使う習慣がつくのも利点だという主張です。
👎 反対側
練習した課題以外の力にまで効果が広がるかは、はっきりしていません。運動や睡眠のほうが確かな効果があるとして、過大な期待を戒める主張です。

論点5 感情は理性の敵か

👍 賛成側
怒りや不安は、冷静な判断をゆがめることがあります。大事な決断ほど、いったん感情から距離を置いて考えるべきだという見方です。
👎 反対側
感情は、危険を察知したり、何が大切かを判断したりする助けにもなります。感情が働かないと決断そのものが難しくなるという研究もあり、両者は協力関係にあるという主張です。

論点6 心理実験は信用できるか

👍 賛成側
よく設計された実験は、直感に頼らずに人の行動を調べる有力な方法です。多くの知見は繰り返し確認されており、事実に基づく議論の土台になるという主張です。
👎 反対側
参加者が大学生に偏るなどの限界があり、再現できなかった結果も報告されています。一つの研究だけで結論を出すのは危険だと考える立場です。

✍️ 予想・自由英作文のお題

  1. 「スマホは脳に悪いか」について、あなたの意見を理由を2つ挙げて80〜100語の英語で書きなさい。
  2. 「才能は生まれか育ちか」について、あなたの意見を理由を2つ挙げて80〜100語の英語で書きなさい。
  3. 「マルチタスクは有効か」について、あなたの意見を理由を2つ挙げて80〜100語の英語で書きなさい。
  4. 「脳トレは効果的か」について、あなたの意見を理由を2つ挙げて80〜100語の英語で書きなさい。

※原田英語のオリジナル予想問題です。

単語意味例文
cognition
名
認知、知的な働きSleep affects memory and other parts of cognition.睡眠は記憶など、認知のさまざまな働きに影響します。
perception
名
知覚、受け止め方Our perception of time changes when we are bored.退屈しているとき、時間の感じ方は変わります。
stimulus
名
刺激A loud sound is a strong stimulus for the brain.大きな音は、脳にとって強い刺激です。
consolidate
動
定着させる、固めるSleep helps the brain consolidate new memories.睡眠は、脳が新しい記憶を定着させるのを助けます。
plasticity
名
可塑性(変化する性質)Brain plasticity allows us to learn new skills at any age.脳の可塑性のおかげで、私たちは何歳でも新しい技能を身につけられます。
neuron
名
神経細胞、ニューロンEach neuron sends signals to many others.一つひとつのニューロンが、多くの別のニューロンに信号を送ります。
bias
名
偏り、先入観Everyone has a bias, even if they do not notice it.気づいていなくても、誰にでも偏りはあります。
impulse
名
衝動She fought the impulse to check her phone.彼女はスマホを見たい衝動を必死に抑えました。
anxiety
名
不安Speaking in public often causes anxiety.人前で話すことは、しばしば不安を引き起こします。
resilience
名
回復力、立ち直る力Resilience helps people recover from failure.回復力があると、人は失敗から立ち直りやすくなります。
attention
名
注意、集中It is hard to pay attention when you are tired.疲れていると、集中するのは難しいものです。
distract
動
気を散らすNotifications can distract students from their homework.通知は、生徒の宿題への集中をそらすことがあります。
motivation
名
やる気、動機づけSmall goals can raise your motivation.小さな目標は、やる気を高めてくれます。
reward
名
報酬、ごほうびThe brain releases chemicals when we expect a reward.ごほうびを期待すると、脳はある種の化学物質を出します。
instinct
名
本能、直感Fear is an instinct that helps us avoid danger.恐怖は、危険を避けるのに役立つ本能です。
addiction
名
依存、中毒Some people worry about addiction to social media.SNSへの依存を心配する人もいます。
empathy
名
共感Reading stories can develop empathy for other people.物語を読むことで、他の人への共感が育つことがあります。
unconscious
形
無意識のMany of our choices are made by unconscious processes.私たちの選択の多くは、無意識の働きによって決まっています。
deprive
動
奪う(deprive A of B)Lack of sleep can deprive the brain of the rest it needs.睡眠不足は、脳に必要な休息を奪いかねません。
habit
名
習慣、癖A good habit is easier to keep if it is simple.良い習慣は、簡単なものほど続けやすいです。
trait
名
特性、性質Curiosity is a personality trait shared by many scientists.好奇心は、多くの科学者に共通する性格上の特性です。
mindset
名
ものの考え方A positive mindset can change how we deal with problems.前向きな考え方は、問題への向き合い方を変えることがあります。
retain
動
保持する、覚えているWe retain more information when we review it regularly.定期的に復習すると、より多くの情報を覚えていられます。
procrastinate
動
先延ばしにするMany students procrastinate until the night before the test.多くの生徒が、テストの前の晩まで勉強を先延ばしにします。
Studies suggest that ...研究によれば〜と考えられる
This does not necessarily mean that ...これは必ずしも〜を意味しない
There is a growing body of evidence that ...〜という証拠が増えつつある
It is easy to overlook the fact that ...〜という事実は見落とされがちだ
Individual differences play a role.個人差が影響している
This tendency can be explained by ...この傾向は〜で説明できる
On the one hand ..., on the other hand ...一方では〜、他方では〜
We should be careful not to generalize.一般化しすぎないよう注意すべきだ
TALKS

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