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英検準1級 📖 約10分

🔍 準1級に何度も落ちる人の本当の敗因と処方箋

準1級に落ちてしまうのは、努力が足りないからではなく、努力の方向がずれているからです。この記事では、よくある敗因を7つに分けて、診断チェックリストと処方箋を用意しました。まず自分の症状から原因を探し、優先順位の高いものから直していきましょう。

何度も落ちる人の共通点は「量」ではなく「方向」

準1級に2回、3回と落ちてしまう人に会うたびに感じるのは、努力が足りないのではなく、努力の向きが試験の要求とずれているということです。2級までは、単語帳を1冊やって過去問を解けば受かった人が、同じやり方で準1級に挑んで壁にぶつかるのは、ごく自然なことです。

準1級は、単語の質(抽象語・社会問題の語彙)、書く力(意見論述と要約)、聞く力(アカデミックな長めの音声)、話す力(4コマナレーションと意見)のすべてで、2級より一段上の処理が求められます。そして一次試験のCSEスコアは、リーディング・リスニング・ライティングがそれぞれ同じ配分で評価されます。得意な技能で稼いでも、苦手な技能が極端に低いと、合格ラインの1792点に届きません。

この記事では、落ちる原因を7つに分け、それぞれに診断と処方箋を用意しました。まず、自分がどれに当てはまるかを確認してください。

ご注意

ここでの分類は、受験者の相談で多い悩みを著者が整理したものです。統計的な割合を示すものではありません。自分の成績表を見て、自分自身のデータで判断することを最優先にしてください。

診断チェックリスト:症状から原因を探す



複数に当てはまる人がほとんどです。その場合は、次の優先順位を目安にしてください。語彙とライティングは他のすべての技能にも効くので、最初に手を付けます。

敗因1:語彙が「出てこない」

2級と準1級では、単語の「質」が違います。準1級は、sustainable / regulate / incentive / consensus のような抽象概念を表す語が大量に出ます。単語帳を眺めて意味を確認するだけの学習では、選択肢の中から意味を思い出すところまで届きません。

処方箋は、「書く」から「見る回数を増やす」への切り替えです。書き写す時間で何十語も見直せます。具体的には次のとおりです。

  • 1回3分で30語を、その日のうちに複数回見る(見る→答えを思い出す→確認)
  • 1冊を完璧にするより、同じ1冊を短い周期で何周も回す
  • 過去問の大問1の選択肢を、正解だけでなく不正解も含めて意味まで確認する
  • 音声付きの教材やアプリを使い、耳からも入れる
コツ:大問1は「25〜40秒」で切る

語彙問題は、知らない語で粘っても正解は出ません。分からなければ仮の答えを入れて次へ進み、時間を長文に回します。大問1で粘りすぎることが、後半の失点の原因になっている人は少なくありません。

敗因2:ライティングが2題とも伸びない

ライティングは、意見論述と要約の2題で構成され、CSEの3分の1を占めます。ここを捨てて合格するのは、非常に難しいのが実情です。

意見論述の処方箋は、型の固定です。序論で立場とPOINTSの予告、本論①・②でそれぞれ理由と具体例、結論で言い換え、という4段落構成を、毎回同じ順序で書きます。POINTSは、具体例をすぐ思いつくものを選び、本心とは関係なく決めます。

要約は、200語程度の英文を60〜70語にまとめる問題です。次の点に気をつけます。

  • 自分の意見は絶対に入れない(本文の要約であって、意見文ではない)
  • 本文にない内容を足さない
  • 本文をそのまま写さない(できるだけ言い換える)
  • すべての段落の要点を落とさない
  • 具体例は列挙せず、抽象化して1語にまとめる

たとえば rice, wheat, and corn は crops や agricultural products に、bacteria and viruses は microorganisms に言い換えられます。この「具体から抽象へ」の言い換え力が、要約の得点を分けます。

合格ポイント

ライティングは、日々の学習で一番伸ばしやすい技能です。型を覚えて毎日1題書くだけで、1か月後には別人のように書けるようになります。

敗因3:リスニングPart2で全滅する

Part2は、約1分間のアカデミックな英文を聞き、内容に関する2問に答える形式です。聞きながら内容を理解し、しかも記憶を保つという二重の負担があります。

処方箋は3つあります。

  1. 先読みを徹底する。音声が流れる前に、選択肢を読んで話のテーマを予想する
  2. 「聞こえた語と同じ語が入った選択肢」は疑う。正解は多くの場合、パラフレーズされている
  3. Part2は全問正解を狙わない。12問中6問を取れれば十分と割り切り、Part1とPart3で確実に取る

S-CBTでは、ヘッドホンで音声を聞きながら、画面で選択肢を確認します。メモ用紙にキーワードを2〜3個書き留めておくと、記憶の負担が軽くなります。

敗因4〜5:CSEのバランスと時間配分

敗因4(技能のバランス):不合格通知には、技能別のCSEスコアが載っています。まず、最も低い技能を特定してください。素点とCSEは単純比例ではないので、感覚ではなくスコアで判断します。そのうえで、その1技能だけに3週間集中して底上げするのが、最も効率のよい逆転策です。

敗因5(時間配分):リーディングの標準配分は、大問1が約12分、大問2が約12〜13分、大問3が約27分です。大問3に時間を残すために、大問1・2を速く処理する必要があります。


注意:S-CBTの順番

S-CBTは、スピーキング→リスニング→リーディング→ライティングの順に進みます。リーディングの後にライティングが控えているので、リーディングで時間を使いすぎると、ライティングの余裕がなくなります。画面の残り時間表示を見て、リーディングを終える時刻をあらかじめ決めておきましょう。

敗因6〜7:スピーキングとメンタル

スピーキング:ナレーションは「時間表現+動作・セリフ・感情の3文型+過去形」で型にします。No.1は I'd be thinking that ...、No.2〜No.4は「立場→理由→具体例」です。何より、沈黙が最大の敵です。Well, や Let me see, と声を出すだけでも、何も言わないより確実に有利です。

メンタル:「2級は楽に受かったのに」と落ち込む人が多いのですが、準1級は、努力の方向を修正すれば受かる試験です。次の3つの考え方を持ってください。

  • 不合格の回数は、弱点を見つけるためのデータとして分析する
  • 他人の合格までの期間と自分を比べない(1年で受かる人も、3年かかる人もいる)
  • 「向いていない」ではなく「やり方が違っていた」と言い換える


単語とライティングを同時に伸ばすコツは、単語帳の例文を、そのままライティングで使える表現として覚え直すことです。次のようなフレーズは、意見論述でそのまま使えます。

  • implement (a policy) / contribute to ... / have a negative impact on ... / It is essential that S should V / Considering ..., we should ...

最後に、これまでの自分の学習を、次の1行で見直してください。「今の勉強は、試験が要求する形式のアウトプットにつながっているか」。この問いに「はい」と答えられれば、努力の方向は正しいはずです。