with flying colors
ウィズ・フライング・カラーズ
「見事に、大成功で(試験などに楽々と合格して)」
ここでの colors は「色」ではなく、船や軍隊の旗です。flying は「風になびいている」という意味です。
この旗がどこでなびいていたのかは、説が2つあります。
- ① Wiktionary は、海の話だとしています。船が旗を揚げたまま港へ帰り、勝ったことを示した、という説明です。
- ② 語の起こりを調べるサイト Wordorigins は、陸の戦場の話だとしています。旗を敵に取られるのは大敗のしるしでした。旗をなびかせたまま戦場を去るのは、負けていないしるしだった、という説明です。
Wordorigins が挙げる、いちばん古い活字の例は1612年です。John Speed の本に、Philips Army with flying colours sent lately into Ireland という一節があります。
夏休みのあいだ、毎朝1時間だけ英語の長文を読み続けました。
今日、秋の模試の結果が返ってきました。英語の偏差値が、これまででいちばん高い数字です。
胸を張って家に帰ると、家族が聞きます。
「どうだった?」
英語なら I passed with flying colors. と言えます。ぎりぎりではなく、見事に通った、というひと言です。
なぜこの意味になるのか
colors は複数形で「旗」を指します。flying は「風になびいている」です。「旗をなびかせたままで」という並びが、「負けずに、堂々と」を表します。Wordorigins は、いまのような「大成功」の意味がはっきり見える例を、19世紀のものとしています。それより前は、「大負けせずに切り抜ける」という意味で使われていたそうです。
使うときの注意・使い分け
試験や試練を、見事な成績で通り抜けたときに使います。Merriam-Webster は「完全な、または際立った成功をおさめて」と説明しています。pass the test with flying colors の形でよく出ます。
例文で確かめる
My sister passed her driving test with flying colors.
姉は運転免許の試験に見事に合格した。
The team came through the tough season with flying colors.
チームは厳しいシーズンを見事に乗り切った。
発音・リズム
flying と colors を強く「ウィズ・フライング・カラーズ」と言います。イギリスでは colours とつづりますが、発音は同じです。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①下線部の言い換えで、with flying colors を very successfully や with great success と同じ意味だと選ばせ、barely(かろうじて)を並べる形。②pass the exam with ( ) colors の空所に flying を入れさせ、bright や true を並べる形。③She passed the test with flying colors. を訳させる形。
- ここで外す
- colors を「色」と読んで、「派手な色で合格した」と訳す答案が出ます。もう1つは、show one's true colors(本性を現す)と取り違えて、true を空所に入れる誤りです。
- 決め手
- 直前の動詞を見ます。pass(合格する)や come through(切り抜ける)のうしろに with flying colors が来たら、色ではなく「結果がとてもよかった」という意味です。
She passed the entrance exam with flying colors.
- 誤答
- 彼女は色とりどりの旗を持って入学試験に合格した。
- 正答
- 彼女は入学試験に見事に合格した。
読み方が変わる
Before
flying を「飛んでいる」、colors を「色」と1語ずつ訳して「飛ぶ色で合格した」となり、下線部の言い換えで barely と very successfully のどちらか決められなかった
After
colors = 旗、with flying colors = 旗を揚げたままと読めば、「負けずに、見事に」とすぐ取れる。言い換えでは very successfully を選び、barely を外せる
こぼれ話
Wordorigins によると、1707年の George Farquhar の喜劇『The Beaux Stratagem』にも came off with flying Colours という言い方が出てきます。ここでは、お金が無いことを隠し通して、うまく切り抜けたという意味でした。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- very successfullywith great success
- 反対の意味
- barely
with flying colors を教室で使う(5分)
ねらい: with flying colors を「見事に、大成功で」とひとかたまりで読み、colors が「旗」だと説明できるようにする
- 黒板に旗を揚げた船と、旗を下ろした船を並べて描き、「どちらが勝った船でしょう」と聞きます
- 「英語の colors には『旗』という意味があります。旗を揚げたまま帰るのが with flying colors です」と伝えます
- She passed the test with flying colors. を板書し、「ぎりぎりの合格ですか、見事な合格ですか」と聞いて答えさせます
- She barely passed the test. も並べて書き、「barely はかろうじてです。反対の位置にある言い方です」と確認します
出口チケット: 「彼は運転免許の試験に見事に合格した」を、with flying colors を使って英文1文で書かせる
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
with flying colors を使った英文を4つ作ってください。条件は次のとおりです。①高校生の定期テスト・英検・部活の試合・発表会の場面にする。②pass か come through を必ず使う。③それぞれに日本語訳を付ける。④1つだけ barely を使った反対の文を足し、2つの違いを日本語で一言添える。