There's no place like home.
ゼアズ・ノウ・プレイス・ライク・ホウム
「わが家にまさる場所はない」
このことわざは、1823年の歌「Home! Sweet Home!」から広まりました。詞を書いたのはアメリカの俳優で劇作家の John Howard Payne、曲はイギリスの作曲家 Henry Bishop です。
もとは、Payne のオペラ『Clari, or the Maid of Milan』の中の歌でした。
歌の出だしは、豪華な宮殿をめぐり歩いても、と始まります。そして次の行で、こう言い切ります。
Be it ever so humble, there's no place like home(どんなに粗末でも、わが家にまさる場所はない)。
最後は There's no place like home! を2回くり返して、歌が終わります。
4日間の修学旅行が終わりました。ホテルのベッドは大きくて、ごはんもおいしかったです。
それでも、夜おそく家に着いて自分の部屋の電気をつけた瞬間、肩の力が抜けました。
いつもの机、いつもの布団、いつもの家族の声。
「やっぱり家がいちばん」
英語なら There's no place like home. と言えます。
なぜこの意味になるのか
no place は「どこにも無い」、like home は「家のような」です。「家のような場所は、どこにも無い」という並びが、「家がいちばん」を表します。no + 名詞 + like A で最上級と同じ意味を作る、英語でよく使う形です。
使うときの注意・使い分け
旅や外出から帰って、家のよさをしみじみ感じたときに使います。家が立派かどうかは関係ありません。もとの歌が「どんなに粗末でも」と言っているとおりです。
例文で確かめる
The hotel was nice, but there's no place like home.
ホテルはよかったけれど、わが家にまさる場所はない。
I'm so glad to be back in my own bed. There's no place like home.
自分のベッドに戻れて本当にうれしい。やっぱり家がいちばんだ。
発音・リズム
place と home を強く「ゼアズ・ノウ・プレイス・ライク・ホウム」と言います。home は「ホーム」ではなく、「ホウム」と口を丸めて言います。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①同じ意味の文を選ぶ問題で、Home is the best place. や Nothing is as comfortable as home. を選ばせ、I have no home. を並べる形。②There's no place ( ) home. の空所に like を入れさせ、than や as を並べる形。③Be it ever so humble の部分を「どんなに粗末でも」と訳させる形。
- ここで外す
- no を見て「家のような場所がない」=「家が無い」と訳す答案が出ます。もう1つは、比べる話だと思って There's no place than home. と than を入れる誤りです。
- 決め手
- no + 名詞 + like A の形を見たら、最上級に読みかえます。「A のような〜は無い」は「A がいちばんだ」です。空所が名詞のすぐあとなら like、比較級のあとなら than です。
After a long trip, I always feel that there's no place like home.
- 誤答
- 長い旅行のあと、私はいつも家が無いと感じる。
- 正答
- 長い旅行のあと、私はいつも、わが家にまさる場所はないと感じる。
読み方が変わる
Before
no を見て「無い」とだけ読み、There's no place like home. を「家のような場所は無い」と訳して、何が言いたい文なのか分からなかった
After
no + 名詞 + like A = A がいちばんと、最上級の言いかえとして読める。Nothing is as 〜 as A や A is the best 〜 への書きかえも、同じ形として選べる
こぼれ話
Bishop のこの曲は、日本では『埴生の宿』として知られています。英語版 Wikipedia によると、映画『ビルマの竪琴』と『火垂るの墓』でも使われました。1939年の映画『オズの魔法使』では、最後の場面でこの曲が流れ、Dorothy が家族に there's no place like home と言います。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- Home sweet home.East or West, home is best.
There's no place like home. を教室で使う(6分)
ねらい: There's no place like home. を最上級の意味で読み、Nothing is as 〜 as への書きかえと結びつけられるようにする
- 黒板に There's no place like home. と書き、「家が無い、という意味でしょうか」と聞きます
- 「no + 名詞 + like A は『A のような〜は無い』、つまり A がいちばんです」と伝え、Home is the best place. を下に書きます
- 「1823年の歌の一行です。Be it ever so humble は『どんなに粗末でも』です」と言って、歌の一行を板書します
- ペアで「〜のような〜は無い」を1つずつ作り、There's no 〜 like 〜. で言い合わせます
出口チケット: 「母の料理にまさる料理はない」を、There's no 〜 like 〜. の形で英文1文で書かせる
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
There's no place like home. と同じ形の英文を4つ作ってください。条件は次のとおりです。①There's no 名詞 like A. の形にする。②高校生の部活・食べ物・友達・地元の場面にする。③それぞれに日本語訳を付ける。④それぞれを Nothing is as 〜 as A. の形にも書きかえて並べる。