Where there's smoke, there's fire.
ウェア・ゼアズ・スモーク・ゼアズ・ファイア
「火のないところに煙は立たない」
まず、こんな場面を思い浮かべてください。遠くの家の屋根から、煙が上がっています。火はまだ見えません。それでも、そこで何かが燃えているはずだと分かります。
語句の由来を調べるサイト Phrase Finder によると、この言い方ははじめは文字どおりの意味で使われていました。たとえとして広く使われるようになったのは、16世紀のイングランドだそうです。
1894年の英語の辞典 Brewer's Dictionary of Phrase and Fable は、No smoke without fire(火のないところに煙は立たない)を次のように説明しています。
Every slander has some foundation.
「どんな悪いうわさにも、何かしらの元がある」という意味です。
朝の教室で、「クラスの2人が付き合っているらしい」といううわさが広まっていました。2人とも「違うよ」と言っています。
でも、昨日2人で帰るところを見た人が何人もいます。
うわさが立つのは、何かしらの理由があるからだ。
この考え方を、英語は Where there's smoke, there's fire. と言います。日本語の「火のないところに煙は立たない」と、煙と火の順番まで同じです。
なぜこの意味になるのか
where は「〜するところには」、there's は「〜がある」です。煙(smoke)が見えるところには、その元の火(fire)があるという形なので、「うわさが立つのは、元になる事実があるから」という意味になります。
使うときの注意・使い分け
目に見えるしるしやうわさがあるなら、その元になる事実がたぶんあると言うときに使います。Phrase Finder は「何かが本当だというしるしがあるなら、少なくとも一部は本当にちがいない」と説明しています。うわさを信じるときに使うので、言われた人がいやな気持ちになることもあります。
例文で確かめる
Everyone is talking about it. Where there's smoke, there's fire.
みんながその話をしている。火のないところに煙は立たないよ。
Is the shop really closing?
あの店、本当に閉まるの?
I don't know, but where there's smoke, there's fire.
分からないけど、火のないところに煙は立たないからね。
発音・リズム
smoke と fire を強く読みます。there's は「ゼアズ」と短く言い、カンマのところで少し区切ります。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①意味の近い日本語のことわざとして、火のないところに煙は立たない / 寝耳に水 / 焼け石に水 から選ばせる形。②会話文の応答選択で、うわさの話への返事として Where there's smoke, there's fire. / No news is good news. から選ばせる形。③整序問題で、where / there's / smoke / there's / fire を並べさせる形。
- ここで外す
- No fire without smoke と、smoke と fire の順番を入れかえて書く誤りが出ます。Brewer's Dictionary によると、こちらは「どんなよいことにも、何かしら欠点がある」という別の意味のことわざです。
- 決め手
- 先に出てくるのが smoke(目に見えるしるし)なら、「うわさには元がある」という意味です。fire が先に来ていたら、別のことわざだと考えます。
- 誤答
- no news is good news./「便りのないのはよい便り」なので、うわさの話につながりません
- 正答
- where there's smoke, there's fire./「火のないところに煙は立たない」なので、少しは本当かもとつながります
読み方が変わる
Before
Where there's smoke, there's fire. を「煙があるところには火がある」と文字どおり訳して、うわさの話だと気づけなかった
After
smoke が先、fire があとという順番を見るだけで、「火のないところに煙は立たない」と訳せる。fire が先の No fire without smoke と取り違えなくなる
こぼれ話
Wiktionary の翻訳の欄には、ほかの言葉でも煙と火を使う言い方が並んでいます。フランス語は il n'y a pas de fumée sans feu(火のない煙は無い)、ドイツ語は wo Rauch ist, ist auch Feuer(煙のあるところには火もある)です。日本語の「火のないところに煙は立たない」も、ここに載っています。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- There's no smoke without fire.
Where there's smoke, there's fire. を教室で使う(5分)
ねらい: Where there's smoke, there's fire. が「火のないところに煙は立たない」の意味だと言え、smoke と fire の順番で別のことわざと見分けられるようにする
- 黒板に Where there's smoke, there's fire. と書き、「日本語のことわざで、同じ意味のものは何でしょう」と聞きます
- 「火のないところに煙は立たない、です。煙と火の順番まで、日本語と同じです」と伝えます
- その下に No fire without smoke と書き、「順番を逆にすると、『どんなよいことにも欠点がある』という別のことわざになります」と伝えます
- ペアで、1人が日本語でうわさを1つ言い(「あの店はもうすぐ閉まるらしい」)、もう1人が Where there's smoke, there's fire. と返します。役を替えて2回やらせます
出口チケット: Where there's smoke, there's fire. と同じ意味の日本語のことわざを書かせる
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
Where there's smoke, there's fire. を使った短い会話を3つ作ってください。条件は次のとおりです。①高校生のクラスや部活で、うわさが出る場面にする。②日本語の「火のないところに煙は立たない」と同じ意味だと、日本語で短く触れる。③1つは、うわさが本当ではなかった場面にして、このことわざがいつも当たるわけではないと分かる会話にする。④それぞれに日本語訳を付ける。