本文へスキップ
日刊原田英語 Harada Eigo Daily

Where there's a will, there's a way.

ウェア・ゼアズ・ア・ウィル、ゼアズ・ア・ウェイ

「意志さえあれば、道は開ける。」

記憶フック:直後に動詞が無いwillは『意志』。there's a wayと対句なら、まず名詞を疑う。
起源 1640年、牧師が書き留めた1行

17世紀イギリスの詩人で牧師でもあったジョージ・ハーバートは、各地に伝わる言い回しを1000以上も書き集めていました。それが本になったのは、ハーバートが亡くなって7年後の1640年です。『Outlandish Proverbs(見慣れないことわざ集)』というその本に、「To him that will, ways are not wanting.(望む者には、道は欠けていない)」という一文が記録されています。

いまの形にことばが整い、New Monthly Magazine という雑誌に「Where there's a will, there's a way.」として載ったのは1822年のことです。180年かけて、語順も語数も削ぎ落とされ、いまの覚えやすい形になりました。

いま 『向いていない』と思っていた教科

得意ではない教科があると、「自分には向いていない」で片づけたくなります。けれど、向き不向きより先に、そもそもやる気を持って机に向かった時間がどれだけあったか。

Where there's a will, there's a way. が言っているのは、才能の有無ではなく、意志の有無です。「できない」を「まだやっていない」に置き換えられるかどうか、そこが分かれ目だという話です。

なぜこの意味になるのか

will はゲルマン祖語の「望む」を表す語根から来ており、もともと動詞にも名詞にも使われてきました。「〜だろう」という未来の助動詞は、この『望む』という意味が薄れてできた用法です。ことわざの中の will は、薄れる前の『望む力・意志』という古い意味のほうが生きています。

使うときの注意・使い分け

will をここでは名詞として読みます。助動詞の「〜だろう」でも、名詞の「遺言」でもありません。直後に動詞が続かず、there's a way と対になっている形を見たら、will は『意志・やる気』の意味だと判断してください。

例文で確かめる

She had no money for tuition, but where there's a will, there's a way.

彼女には学費が無かったが、意志さえあれば道は開けるものだ。

He kept saying, "Where there's a will, there's a way," until he passed the exam.

彼は試験に受かるまで『意志さえあれば道は開ける』と言い続けた。

発音・リズム

Where there's a を1つの塊で「ウェアゼアザ」と滑らかにつなげます。willとwayの頭のwの音を強めに出すと、韻を踏んでいることが伝わります。

入試での出方と、外し方

こう問われる
①ことわざの意味を選ばせる形(willを正しく『意志』と読めるか)②自由英作文の結びに引用させる形③下線部和訳で will を名詞として訳せるか問う形
ここで外す
will を『〜だろう』の助動詞、または『遺言』の名詞と誤読する誤りが定番です。特に Where there's a will のように文頭に来ると、助動詞用法だと勘違いしやすくなります。
決め手
willの直後に動詞が続かず、there's a wayと対句の形になっていたら、willは『意志』を表す名詞。

Where there's a will, there's a way.

誤答
遺言があるところに、道がある
正答
意志さえあれば、道は開ける

読み方が変わる

Before

willを見ると反射的に『〜だろう』の助動詞、あるいは『遺言』の名詞だと決めつけて読んでいた

After

willの直後に動詞が続かない形を見たら、まず『意志』という名詞の可能性を考えられる。willの多義性を文脈で判断できるようになる

こぼれ話

will と way の頭文字がどちらも W で揃っているのは偶然ではなく、英語のことわざでは頭韻(同じ音で始める言葉を並べる技法)がよく使われます。声に出したときのリズムのよさが、このことわざが長く使われてきた理由の1つです。

似た表現・反対の表現

似た意味
If you really want to do something, you'll find a way.
Where there's a will, there's a way. を教室で使う(5分)

ねらい: willの多義性(助動詞・名詞『意志』・名詞『遺言』)を、ことわざを軸に整理する

  1. 板書に "will" とだけ書き、「知っている意味を全部言って」と生徒に投げる。たいてい助動詞しか出てこない
  2. Where there's a will, there's a way. を提示し、「ここのwillは動詞?名詞?」とペアで30秒相談させる
  3. 「willの直後に動詞が無い」という決め手を確認し、名詞『意志』の意味を板書に追加する
  4. 最後に "He wrote a will before the operation."(遺言)の例文も見せ、3つのwillを1枚の板書にまとめる

出口チケット: will が名詞『意志』として使われている英文を1つ、自分で作りなさい。

MAKE IT YOURS

AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。

あなたは大学入試の英語講師です。willの3つの意味(助動詞『〜だろう』・名詞『意志』・名詞『遺言』)を私が見分けられるようにしてください。条件:①それぞれの意味になる典型的な文の形を示す ②3つのwillがすべて登場する短い英文(80語程度・日本語訳つき)を作る ③どのwillか答えさせる穴埋め問題を5問、各問1行の解説つきで作ってください。

2026年8月18日の他のイディオム