When life gives you lemons, make lemonade.
ウェン・ライフ・ギヴズ・ユー・レモンズ、メイク・レモネイド
「つらいことが起きたら、それを良いことに変えてしまえ」
英語版 Wikipedia によると、この言い方が活字になった最初の例として知られているのは、作家エルバート・ハバードの言葉です。1909年の雑誌『リテラリー・ダイジェスト』に、こう載りました。
A genius is a man who takes the lemons that Fate hands him and starts a lemonade-stand with them.(天才とは、運命が手渡したレモンを受け取り、それでレモネード屋を始める人のことだ)
ハバードは1915年にも、俳優マーシャル・P・ワイルダーへの追悼文で同じたとえを使いました。体に障害をかかえながら活躍した人を、運命が送ってきたレモンを拾って、レモネード屋を始めたとたたえています。
酸っぱいレモンは、そのままでは食べにくい。でも砂糖と水を足せば、おいしい飲み物になる。英語版 Wikipedia によると、同じ考え方は、そのあともいろいろな言葉で言い表されてきました。
ずっと練習してきた、テニス部の練習試合の日です。朝から雨で、外のコートでの試合は中止になりました。
がっかりして体育館に集まると、顧問の先生が言います。「今日は1日、体育館が使える。苦手なサーブだけ、とことん練習しよう」
夕方には、ずっと入らなかったセカンドサーブが、少しずつ入るようになっていました。
「中止になったおかげで、いちばん練習したかったことができた」
英語なら When life gives you lemons, make lemonade. と言えます。
なぜこの意味になるのか
life gives you lemons は「人生があなたにレモンを渡す」です。レモンは酸っぱいので「つらいこと」、make lemonade は「それを材料にして、おいしいものを作る」という組み立てです。悪い材料を捨てずに、手を加えて生かす、という絵になっています。
使うときの注意・使い分け
つらいこと、思いどおりにならないことを、前向きに生かそうと励ますときに使います。英語版 Wikipedia は、逆境の中で前向きな気持ちと「やればできる」という姿勢を持つよう励ます言葉だと説明しています。lemons は幸運ではなく、つらいことのたとえです。
例文で確かめる
I failed the audition, but I learned a lot. When life gives you lemons, make lemonade.
オーディションには落ちたけれど、たくさん学べた。つらいことは、良いことに変えればいい。
The train stopped, so we studied at the station café. When life gives you lemons, make lemonade!
電車が止まったので、駅のカフェで勉強した。悪いことも、生かしてしまえばいい!
発音・リズム
lemons と lemonade を強く「レモンズ……レモネイド」と言います。lemonade は「ネイ」を強く長めに言います。日本語の「レモネード」の「ネー」のまま平らに言わないこと。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①When life gives you lemons, make ( ). の空所に lemonade を入れさせ、juice や lemon tea を並べる形。②このことわざの言い換えで make the best of a bad situation(悪い状況をできるだけ生かす)を選ばせ、avoid sour things(酸っぱいものを避ける)や give up easily(すぐあきらめる)を並べる形。③会話文の応答選択で、予定が台無しになった友達への返事にこのことわざを選ばせ、Don't cry over spilled milk.(済んだことを悔やんでも仕方ない)を並べる形。
- ここで外す
- lemons を「良いもの」と読み、「人生が幸運をくれたら、それを楽しめ」と訳す答案が出ます。もう1つは、Don't cry over spilled milk. との取り違えです。こちらは「悔やむな」で止まり、悪い状況を生かして何かを作る、という意味まではありません。
- 決め手
- そのあとに「この状況を生かして何かしよう」という提案が続くかを見ます。続いていれば When life gives you lemons, make lemonade.、「悔やんでも仕方ない」で終わっていれば Don't cry over spilled milk. です。
- 誤答
- Don't cry over spilled milk./悔やむなと言うだけで、時間を生かして動画を作ろうという B の続きにつながりません
- 正答
- When life gives you lemons, make lemonade./悪い状況を良いことに変えよう、で「この時間を使って動画を作ろう」という提案につながります
読み方が変わる
Before
lemon を果物のレモンとしか読めず、「人生がレモンをくれたら」で止まって、Don't cry over spilled milk. との違いも分からなかった
After
レモン=酸っぱい、つらいこと。レモネード=それを変えて作ったものと読めば、「悪い状況を生かせ」とすぐ取れる。会話文では、提案が続けばこちら、悔やむなで終われば spilled milk と選び分けられる
こぼれ話
英語版 Wikipedia によると、ベヨンセが2016年に出したアルバム『Lemonade』の題名は、このことわざを指しているのではないかと、一部の音楽評論家が書いています。なお、このことわざを広めた人としてよく名前が挙がるのは、1948年に本で If You Have a Lemon, Make a Lemonade. と書いたデール・カーネギーですが、活字の例はハバードのほうが先です。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- make the best of a bad situationEvery cloud has a silver lining.
When life gives you lemons, make lemonade. を教室で使う(6分)
ねらい: When life gives you lemons, make lemonade. を「つらいことを良いことに変えよう」と読み、Don't cry over spilled milk. と場面で使い分けられるようにする
- 「レモンをそのまま1個かじったら、どんな味がしますか」と聞き、「酸っぱい」と答えさせます
- 「では、そのレモンに砂糖と水を足すと、何ができますか」と聞き、「レモネード」を引き出します
- 黒板に When life gives you lemons, make lemonade. と書き、「レモンは人生のつらいこと、レモネードはそれを変えて作った良いものです」と伝えます
- Don't cry over spilled milk. を並べて書き、「試合が中止になった友達に『その時間で練習しよう』と言うなら、どちらですか」と聞いて答えさせます
出口チケット: 「つらいことがあったら、それを良いことに変えればいい」という考えを、When life gives you lemons, make lemonade. を使って、自分の経験に合わせて英文2文で書かせる
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
When life gives you lemons, make lemonade. を使った会話を4つ作ってください。条件は次のとおりです。①高校生の部活・模試・アルバイト・家族の場面にする。②どの会話でも、予定が台無しになる出来事を入れ、そのあと状況を生かす提案で受ける。③それぞれに日本語訳を付ける。④1つだけ Don't cry over spilled milk. を使った会話を足し、2つのことわざの違いを日本語で一言添える。