ボクシングの試合で、選手がもう立ち上がれないほど打たれ続けているとします。セコンドは、選手本人よりも冷静にその状態を見ています。これ以上は危険だと判断した瞬間、セコンドはリングの中にタオルを投げ入れます。審判はそれを見て試合を止める。タオル1枚が、言葉より先に『もう十分だ』を伝えます。
模試の残り時間が5分を切り、最後の大問にまったく手がついていないとします。解ける問題を見直すか、この1問に賭けるか。シャーペンを置いて次の教科の準備を始めた瞬間、あなたは自分に向かってタオルを投げています。逃げではなく、限られた時間の中での判断です。
なぜこの意味になるのか
ボクシングが生まれの表現です。19世紀には、選手のセコンド(付き添い人)がリングにスポンジを投げ入れて棄権を伝える throw up the sponge という言い方が先にありました。20世紀に入るとタオルに置き換わります。1913年1月のアメリカの新聞に、ボクシングの試合で「負けの印としてコーナーからタオルが投げ入れられた」と伝える記述があります。同じ1913年、ジャック・ロンドンの短編『The Mexican』には、いまと同じ throw in the towel の形が出てきます。
例文で確かめる
The team refused to throw in the towel, even when they were losing 0-3.
そのチームは0対3で負けていても、あきらめようとしなかった。
After months of trying, she finally threw in the towel and closed the shop.
何か月も頑張ったすえ、彼女はついにあきらめて店を閉めた。
発音・リズム
throw in の2語をつなげて『スロウイン』のように読み、towel は『タウル』に近く、後半の el ははっきり発音しない。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①言い換え問題で give up の書き換えとして選ばせる形。②動詞句の語順を問う形(throw the towel in か throw in the towel か)。
- ここで外す
- throw the towel in のように in を後ろに置いてしまう語順の誤りが定番。また、古い形の sponge を towel の代わりに使ってしまう誤りもまれに見られる。
- 決め手
- in は towel の前に固定された句動詞の一部だと覚える。目的語の the towel は in の後ろに置くのが基本形。
同じ内容を伝える2つの文のうち、より自然なのはどちらか。
- 誤答
- After the third failed attempt, he threw the towel in.
- 正答
- After the third failed attempt, he threw in the towel.
読み方が変わる
Before
give up としか言えず、単調な言い方に頼っていた
After
throw in the towel を使うことで、『潔く認める』というニュアンスまで一言で伝えられるようになる
こぼれ話
古い形の throw up the sponge も、ボクシング以外の場面で今でもごくまれに使われます。ただし現代の英語で圧倒的に多いのは towel のほうで、sponge を使うと古風な響きになります。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- give up
- 反対の意味
- keep fightingnever give up
throw in the towel を教室で使う(7分)
ねらい: give up との使い分けと、句動詞の語順を体で覚えさせる
- 「ボクシングで、選手を助けたい人が試合を止めるとき、リングに何を投げ入れると思いますか」と問いかける
- タオルという答えを引き出し、throw in the towel の意味を確認する
- 板書で give up との違いを示す。throw in the towel は『(見ている人が)潔く認めた』というニュアンスが強いことを伝える
- ペアで、自分が最近『タオルを投げた』(あきらめた)出来事を1文ずつ英語で言わせる
出口チケット: give up ではなく throw in the towel を使う理由を、日本語1文で説明させる
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
give up を使った私の英文を渡すので、throw in the towel を使った文に自然に書き換えてください。書き換えたあと、ニュアンスの違いを日本語で一言添えてください。 """(ここに自分の英文を貼る)"""