The squeaky wheel gets the grease.
ザ・スクウィーキー・ウィール・ゲッツ・ザ・グリース
「声を上げる者が対応してもらえる、黙っていると後回しにされる」
馬や牛が引く荷馬車の時代、車輪の軸は定期的に油(グリース)を差さないと軋み始めました。軋み(squeak)がひどい車輪ほど、御者は真っ先に手当てをします。放っておくと車輪ごと壊れてしまうからです。ただし、このことわざを誰がいつ言い出したのかは分かっていません。はっきり日付をたどれるいちばん古い記録は、1903年にアメリカの演芸家キャル・スチュワートが出した物語集の巻頭に置かれた4行の詩で、『いちばん大きく軋む車輪が、油をもらう車輪だ』と歌われています。
体育祭の準備で部活の時間が延び、模試前の勉強時間が削られている。誰かが言い出してくれるのを待っていても、状況は変わりません。The squeaky wheel gets the grease.は、そんなときに『黙っていないで、困っていることを言葉にしてみよう』と背中を押してくれることわざです。
なぜこの意味になるのか
squeaky(キーキー軋む)+wheel(車輪)+grease(潤滑油)という3つの単語からできています。軋む車輪ほど先に油を差してもらえる、という具体的な場面をそのまま文にしたことわざです。
使うときの注意・使い分け
日本語の『我慢は美徳』とは逆向きの発想です。困っていることを言葉にして初めて、周りは気づいて動いてくれる、という実利的な考え方を表します。
例文で確かめる
"Why did you email the manager again?" "Well, the squeaky wheel gets the grease."
「なんでまた店長にメールしたの?」「だって、黙っていたら後回しにされるからね」
She kept asking about the broken printer until it was finally fixed — the squeaky wheel gets the grease.
彼女は壊れたプリンターのことを何度も言い続け、ついに修理された。声を上げた者が対応してもらえるのだ。
発音・リズム
squeakyは/ˈskwiːki/で、最初のskwをまとめて発音します。greaseは/ɡriːs/で、最後を『ズ』と濁らせず、/s/のまま言い切ります。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①長文の主題を一文で言い換えさせる形。②自由英作文で、意見や要望を伝える大切さについて書かせるときの結論として使わせる形。
- ここで外す
- squeakyを『きしむ』という不快な意味ではなく、なんとなく良い意味の語だと誤解し、文脈と逆に読んでしまう誤りが定番です。squeakyはあくまで『不快な音を立てる』というマイナスの響きを持つ語です。
- 決め手
- squeaky(不快な軋み)とgrease(対応・注目)が対になっていれば、『黙っていては後回しにされる、声を上げた者が対応してもらえる』という意味だと判断します。
Employees who speak up about problems tend to get results, just as the squeaky wheel gets the grease.
- 誤答
- 静かな車輪ほど油を差してもらえるように、問題について発言しない社員のほうが成果を上げやすい
- 正答
- 軋む車輪が油を差してもらえるように、問題について声を上げる社員のほうが成果を上げやすい
読み方が変わる
Before
困っていることを黙って我慢していれば、いつか誰かが気づいて助けてくれると思っていた
After
The squeaky wheel gets the grease.の発想を知り、英語の文章で『声を上げること』が肯定的に書かれている場面をそのまま読み取れるようになる
こぼれ話
アメリカのユーモア作家ジョシュ・ビリングズが1870年ごろの詩『The Kicker』で作った、としばしば紹介されますが、その出典は確認されておらず、根拠は薄いとされています。確実に日付を特定できる最初期の記録は、1903年に出版された演芸家キャル・スチュワートの作品集にある一節です。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- Speak up if you want to be heard.
- 反対の意味
- Silence gets you nowhere.
The squeaky wheel gets the grease. を教室で使う(6分)
ねらい: squeakyのマイナスの響きと、声を上げることの大切さを結び付ける
- 先生「車輪が壊れる前に油を差してもらうには、どうすればいい?」と問いかける
- The squeaky wheel gets the grease.を板書し、『軋む車輪から先に油を差される』という場面を確認する
- ペアで、日本語の『我慢は美徳』という発想との違いを話し合う
- 出口チケットで、困っていることを1つ挙げ、The squeaky wheel gets the grease.を使って英語で一言書かせる
出口チケット: 文化祭の準備で困っていることを1つ挙げ、The squeaky wheel gets the grease.を使って英語で書きなさい。
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
以下の条件で、私が書いた自由英作文の一文を直してください。①The squeaky wheel gets the grease.を自然に使う。②squeakyのマイナスの響きが伝わる文脈になっているか確認する。③直した文とその理由を日本語で書く。 """(ここに自分の文を貼る)"""