本文へスキップ
日刊原田英語 Harada Eigo Daily
入試に出るイディオム 標準 Strike while the iron is hot.好機を逃さないことわざ

Strike while the iron is hot.

ストライク・ワイル・ジ・アイアン・イズ・ホット

「好機を逃さず、行動すべきときにすぐ行動する」

記憶フック:鉄は熱いうちにしか打てない。チャンスも、熱があるうちにしか形にならない。
起源 冷めたら二度と打てない、鉄

鍛冶屋(かじや)は、炉で真っ赤に熱した鉄を、柔らかいうちに一気にハンマーで打って形を作ります。鉄は冷めると硬くなり、もう思うようには曲がりません。

この絵は古くから知られていて、紀元前1世紀のローマの作家プブリリウス・シルスは『鉄は熱いうちに打つべきだ』という趣旨の言葉を残しています。英語での比喩としての使用は1300年代のチョーサーの作品にまでさかのぼり、1546年のジョン・ヘイウッドのことわざ集にも収められています。

何百年ものあいだ、『機会は、熱があるうちにしか形にならない』という同じ絵が、姿を変えずに使われ続けてきました。

いま オープンキャンパスで、先輩に声をかけそびれた

オープンキャンパスで、気になる部活の先輩を見かけたことがあります。話しかけようと思った瞬間はあったのに、『あとでいいか』と先延ばしにして、結局その日は声をかけられませんでした。

あとになって、Strike while the iron is hot. という言葉を知り、あの一瞬が『鉄が熱かった』瞬間だったんだと気づきました。

なぜこの意味になるのか

iron(鉄)は熱いあいだだけ柔らかく、金づちで打てば自由に形を変えられます。冷めた瞬間に硬くなり、もう打っても形は変わりません。この『時間が経つと二度とできなくなる』という鉄の性質が、そのまま『機会』の性質に重ねられています。

使うときの注意・使い分け

ビジネスの場面でも日常会話でも、幅広く使える表現です。焦って軽率な決断を促すときにも使われることがあるので、strike while the iron is hot と言われたときは、本当にいま動くべきかを一度考える余地も残しておきましょう。

例文で確かめる

The store was offering a huge discount, so we decided to strike while the iron was hot and bought the tickets right away.

その店が大幅な割引をしていたので、私たちは好機を逃さず、すぐにチケットを買うことにしました。

If you want to ask for a raise, strike while the iron is hot — right after you finish a big project.

昇給を頼みたいなら、好機を逃さないことです。大きなプロジェクトを終えた直後がそのときです。

発音・リズム

iron は『アイロン』ではなくアイアンと読みます。真ん中にrの音が入り、日本語の家電の『アイロン』とは発音がずれるので注意してください。

入試での出方と、外し方

こう問われる
①長文の内容一致問題で、登場人物がなぜすぐに行動を起こしたのかを問う形。②会話文で、迷っている相手に行動を促す一言として空所に入れる形。③文字どおり『鉄を打つ』作業の話だと誤読させる形。
ここで外す
字義どおり『金属加工の話』だと取り違える誤りが定番です。文脈に、ある人物が機会やチャンスについて話している場面があれば、これは比喩です。また、Make hay while the sun shines.(日が照っているうちに干し草を作れ)という似た意味のことわざと混同することもあります。
決め手
直前・直後に、チャンスや機会(opportunity, chance)についての言及があるかどうかを見ます。あれば、これは『好機を逃すな』ということわざです。

She got a great response to her first video, so she decided to strike while the iron was hot and posted a follow-up the very next day.

誤答
彼女は鉄でできた道具を、熱いうちに使うことにした、という意味です
正答
彼女は好機を逃さず、すぐに次の行動を取ることにした、という意味です

読み方が変わる

Before

『いまがチャンスだ』と感じても、それを一言で言い表す英語を知らず、行動をためらう理由を無駄に長く説明していた

After

Strike while the iron is hot. の一言でその感覚を言い表せるようになる。長文で似た比喩に出会っても、行動を促す場面だとすぐに見抜ける

こぼれ話

紀元前1世紀のローマの作家プブリリウス・シルスが、すでに同じ趣旨の言葉を残しています。『鉄は熱いうちに打て』という発想は、洋の東西を問わず、古くから人々の実感に合っていたようです。

似た表現・反対の表現

似た意味
Make hay while the sun shines.The early bird catches the worm.
反対の意味
There's no rush.Slow and steady wins the race.
Strike while the iron is hot. を教室で使う(6分)

ねらい: 熱した鉄がすぐ冷める、という物理的なイメージを『好機』の比喩に結びつけて理解させる

  1. 「アイロンを熱く温めてから、しばらく放置するとどうなりますか」と聞き、『冷める』という答えを引き出します
  2. 「冷めたアイロンで、しわはうまく伸ばせますか」と聞き、『伸ばせない』ことを確認します
  3. Strike while the iron is hot. を板書し、「鉄も同じで、熱いうちにしか形を変えられません」と説明します
  4. 「自分の経験で、『あのときすぐやればよかった』と思ったことはありますか」と聞き、2〜3人に発表させます
  5. 発表の内容を、I should have struck while the iron was hot. の形にまとめて黒板に書きます

出口チケット: 自分の経験を1つ選び、I should have struck while the iron was hot because ~ の形で英語にして書かせる

MAKE IT YOURS

AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。

Strike while the iron is hot. を使った例文を3つ作ってください。それぞれ、①部活や習い事、②アルバイトや仕事、③人間関係、という異なる場面で書き、日本語訳も添えてください。

2026年9月22日の他のイディオム