steal someone's thunder
スティール・サムワンズ・サンダー
「人の手柄や注目を、先に横取りする。人が発表しようとしていたことを先に言ってしまい、注目を奪う。」
18世紀初めの劇作家ジョン・デニスは、自作の劇『Appius and Virginia』(1709年)のために、舞台裏で雷の音を再現する仕掛けを考えました。ところがこの劇はすぐに打ち切りになってしまいます。その後、同じ劇場で上演された『マクベス』で、デニスの考えた雷の仕掛けだけが、断りなく使われているのを客席で聞いてしまいました。伝えられている言葉は『あれは私の雷だ。芝居は上演させないくせに、雷だけは盗みおって』というもので、正確な言い回しは記録によって少しずつ違い、はっきりとは分かっていません。この逸話が1753年の伝記集で活字になり、そこから比喩表現として広まりました。
委員会で自分が新しい企画を発表するつもりだった。ところが会議の最初に、別の委員が同じ内容を先に話してしまう。悪気はなさそうだったが、拍手はその人に向いていた。He stole my thunder.(彼に先を越されてしまった)とは、まさにこの状況を指す。
なぜこの意味になるのか
18世紀初め、劇作家ジョン・デニスが自作の劇『Appius and Virginia』(1709年)のために、舞台裏で雷の音を再現する仕掛けを考案しました。ところがこの劇はすぐに打ち切りになります。その後、同じ劇場でシェイクスピアの『マクベス』が上演された際、デニスの考えた雷の仕掛けだけが、断りなく使われているのを客席で聞いてしまいました。伝えられている言葉は『あれは私の雷だ。芝居は上演させないくせに、雷だけは盗みおって』というもので、正確な言い回しは記録によって少しずつ違い、はっきりとは分かっていません。この逸話は、1753年にロンドンで出版された詩人・劇作家の伝記集『The Lives of the Poets of Great Britain and Ireland』(ロバート・シールズとセオフィラス・シバー)で活字になり、そこから『人の手柄を横取りする』という意味の言い回しが広まりました。
使うときの注意・使い分け
悪意があるとは限りません。本人にそのつもりがなくても、結果として相手の見せ場を奪ってしまった場合に使われます。
例文で確かめる
I was about to announce our engagement, but my sister stole my thunder by posting it online first.
私たちの婚約を発表しようとしていたのに、姉が先にネットに投稿して先を越されてしまった。
He didn't mean to steal her thunder; he just didn't know she was planning to share the news herself.
彼は彼女の手柄を奪うつもりはなかった。彼女自身がそのニュースを発表するつもりだとは知らなかっただけだ。
発音・リズム
thunderの語頭thはthinkと同じ無声音です。日本語の『サ』ではなく、舌を上下の歯の間に軽くはさんで息を出す音を意識してください。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①長文の内容一致で、登場人物が自分の手柄や発表の機会を奪われた場面の言い換えとして選ばせる形。②会話文で、誰かが先に話してしまって注目を奪われた状況を表す形として空所に入れる形。③文字どおりの『雷を盗む』ではなく、比喩の意味を選ばせる形。
- ここで外す
- stealをtookなど別の動詞に置き換えて書いてしまう誤りが定番です。steal one's thunderは決まった形で使い、動詞を入れ替えると不自然になります。
- 決め手
- thunderの前にsomeone's(またはmy / his / herなど)が付き、steal(盗む)と組み合わさっていれば、天候の話ではなく『人の手柄や注目を奪う』という比喩です。
The intern hadn't meant to steal his manager's thunder, but the client praised the intern's idea before the manager could present it.
- 誤答
- そのインターンは、上司の雷雨を盗むつもりはなかったが、上司が発表する前に、顧客がインターンのアイデアを褒めてしまった。
- 正答
- そのインターンは、上司の手柄を奪うつもりはなかったが、上司が発表する前に、顧客がインターンのアイデアを褒めてしまった。
読み方が変わる
Before
steal one's thunderを見て、『雷を盗む』という不思議な組み合わせのまま丸暗記しようとしていた
After
劇作家の逸話が浮かび、『人の見せ場や手柄を先に奪う』という比喩だとすぐに読み取れる
こぼれ話
似た響きの表現にupstage(人の目立つ場所を奪う)があります。もとは舞台の奥(アップステージ)に立って観客の注目を集める演技を指した語で、これも演劇から生まれた比喩という共通点があります。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- upstage someoneoutshine someone
- 反対の意味
- give someone their duelet someone have their moment
steal someone's thunder を教室で使う(5分)
ねらい: 人の手柄や発表の機会を奪ってしまった、または奪われた経験を、steal someone's thunderで言わせる
- 先生「発表しようとしていたことを、先に誰かに言われてしまったことは?」と問いかける
- 劇作家ジョン・デニスの逸話を板書し、thunderが比喩として使われるようになった経緯を確認する
- ペアで、先を越された(または越してしまった)経験を1つ話し、steal someone's thunderを使って言い直させる
- 出口チケットで、SheまたはHe stole my thunderの形で1文を書かせる
出口チケット: 『自分が話そうとしていたことを、先に友達が言ってしまった』という場面を、steal someone's thunderを使って英語で書きなさい。
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
以下の条件で、steal someone's thunderを使った会話文を作ってください。①誰かの手柄や発表の機会を、意図せず先に奪ってしまう場面にする。②中学・高校生が実際に使いそうな場面にする。③日本語訳も添える。