Every cloud has a silver lining.
エヴリ・クラウド・ハズ・ア・シルバー・ライニング
「どんなにつらい状況にも、必ず良い面がある」
嵐の雲が空を覆っているとき、太陽は隠れているだけで、消えたわけではありません。雲の向こうから来る光が、いちばん分厚い雲の縁にだけ回り込み、銀色の細い線をつくることがあります。17世紀のイギリスの詩人が、この景色に気づき、『黒い雲が、その銀の裏地を夜に向けたのだろうか』と書きました。この『銀の裏地』という言い方が200年かけて広まり、1840年代に『どの雲にも銀の裏地がある』ということわざになりました。
模試の結果が悪く、落ち込んで見返す気になれない日があります。それでも答案を見直すと、いつも同じ種類の問題で点を落としていることに気づくことがあります。悪い結果そのものは変えられませんが、『次に何を直せばいいか』という情報は、良い結果からは絶対に手に入りません。つらい結果の中に、次につながる材料が隠れている。それが、このことわざが指している場面です。
なぜこの意味になるのか
1634年、イギリスの詩人ジョン・ミルトンが仮面劇『コーマス』の中で『暗い雲も、裏側に銀の縁を見せているのではないか』という意味の一節を書きました(原文は疑問形)。月明かりが分厚い雲の向こうから漏れ、雲の縁を銀色に光らせる、その情景がもとになっています。ただしミルトンが書いたのは1つの雲についての疑問文であって、ことわざそのものではありません。『どの雲にも銀の裏地がある』ということわざの形が印刷物に現れるのは、200年後の1840年代です。
例文で確かめる
I lost my job, but every cloud has a silver lining. I finally started the business I always wanted.
仕事を失ったが、どんな困難にも良い面はある。私はついに、ずっとやりたかった事業を始めた。
The trip got cancelled, but every cloud has a silver lining; we found a much better one for half the price.
旅行は中止になったが、悪いことばかりではない。半額でもっと良い旅行を見つけられた。
発音・リズム
lining は『ライニング』と読みます。line(線)+ing なので、最初は『リ』ではなく『ライ』です。living(リビング)と読み違えないよう注意してください。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①内容一致で、絶望的な状況を表す文として誤答の選択肢に使われる形。②会話文の応答選択で、Look on the bright side. のような『前向きに捉えよう』系の表現とセットで問われる形。
- ここで外す
- on cloud nine(有頂天で、最高の気分で)と混同しやすいので注意してください。どちらも cloud という語を含みますが、on cloud nine は『すでに幸せいっぱい』という意味で、つらい状況の話は一切していません。文脈が『困難な状況→でも』という流れになっているかを確認せずに、cloud という語だけで意味を判断すると外します。
- 決め手
- 文の前半に困難・失敗を表す内容があり、but や however のあとに前向きな結果が続いていれば silver lining。文全体がすでに幸せな内容なら on cloud nine。
Losing the final match taught us where we needed to improve. Every cloud has a silver lining, I guess.
- 誤答
- つらい試合だったので、もう二度と挑戦したくないという気持ちを表している。
- 正答
- 負けた試合だったが、そこから学べることもあったという前向きな捉え方を表している。
読み方が変わる
Before
silver lining を『銀色の裏地』という服の話だと思い、なぜ良いことを表すのか分からないまま丸暗記していた
After
暗い雲の端が裏から差す光で銀色に光る絵が浮かぶので、but のあとを待たなくても『この文はこのあと前向きな話になる』と予測しながら読める
こぼれ話
silver lining は、ことわざ全体を使わず looking for the silver lining(良い面を探す)のように、この2語だけを名詞として使うこともよくあります。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- Look on the bright side.a blessing in disguise
- 反対の意味
- When it rains, it pours.
Every cloud has a silver lining. を教室で使う(6分)
ねらい: つらい出来事の中から、前向きな一言を英語で引き出す練習をする
- 先生が「最近あった、ちょっと残念な出来事を1つ思い出してください」と声をかける
- ペアで日本語で1分ずつ話す
- 「One good thing about ___ is ___.」の型を板書し、自分の出来事に当てはめて英作文させる
- 2〜3人に発表してもらい、最後に「これが Every cloud has a silver lining. です」とつなげる
出口チケット: 自分の経験を1文、One good thing about my mistake is ___. の形で書かせて提出させる
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
最近あった残念な出来事を日本語で書くので、それを Every cloud has a silver lining. を使った前向きな英語の1文に言い換えてください。 """(ここに残念だった出来事を書く)""" 条件:①中学英語の範囲の単語だけを使う ②2文以内に収める ③最後に日本語訳もつける