まず、こんな場面を思い浮かべてください。ボクシングの試合で、1人の選手がロープ際に追いつめられています。もう倒れる、というその瞬間に、ラウンド終わりのベルが鳴ります。
Phrase Finder によると、saved by the bell は19世紀後半に生まれたボクシングの言葉です。負けそうな選手が、ラウンドの終わりを知らせるベルで休めるので「救われる」わけです。
同サイトが見つけた最も古い例は、1893年2月のマサチューセッツ州の新聞 The Fitchburg Daily Sentinel です。
Half a dozen times Flaherty was saved by the bell in the earlier rounds.
「前半のラウンドで、Flaherty は6回もベルに救われた」という意味です。
この言い方には、「生き埋めになった人が、棺に付けたベルを鳴らして助かったことから」という話も広まっています。けれど Phrase Finder は、そういう棺で誰かが助かった証拠は無いと書いています。
英語の授業の終わりぎわです。先生が「では次の問題を」と言って、あなたの方を見ました。
あなたは、その問題をまだ解いていません。先生が名前を呼ぼうとした瞬間、チャイムが鳴りました。
あと少しで困るところを、ぎりぎりで助かった。
この一言を、英語は Saved by the bell! と言います。The teacher was about to call on me. Saved by the bell! と言えます。
なぜこの意味になるのか
saved は「救われた」、by the bell は「ベルによって」です。ボクシングでは、ラウンドの終わりをベルで知らせるので、「ベルのおかげで負けずにすんだ」という意味になります。
使うときの注意・使い分け
困ったことになる直前に、何かが割り込んで助かったときに使います。Phrase Finder は「最後の瞬間の割り込みに救われること」と説明しています。会話では、主語を付けずに Saved by the bell! とだけ言えます。
例文で確かめる
The teacher was about to call on me. Saved by the bell!
先生が私を当てようとしていた。ぎりぎりで助かった!
The boxer was saved by the bell at the end of the round.
そのボクサーは、ラウンド終わりのベルに救われた。
発音・リズム
Saved と bell を強く読みます。by the は弱く、「バイザ」と短くつなげて言います。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①会話文の応答選択で、ぎりぎりで助かった場面の返事として Saved by the bell! / That rings a bell. から選ばせる形。②和訳で、bell を「ベル」のまま訳していないかを見る形。③下線部の言い換えで、I was saved by the bell. を I was rescued at the last minute / I heard a bell / I liked the bell から選ばせる形。
- ここで外す
- 同じ bell を使う That rings a bell.(聞き覚えがある)を選ぶ誤りが出ます。和訳では、「ベルに救われた」と直訳して、何が起きたのか伝わらない答案もあります。
- 決め手
- 直前に困った場面があって、何かが割り込んで終わったなら Saved by the bell! です。名前や話を聞いて思い出す場面なら That rings a bell. です。
- 誤答
- That rings a bell./「聞き覚えがある」なので、話がつながりません
- 正答
- Saved by the bell!/「ぎりぎりで助かったね」と返しています
読み方が変わる
Before
bell が出てくる会話文で、Saved by the bell! と That rings a bell. の区別がつかず、勘で選んでいた
After
直前に困った場面があるか、思い出す場面かを見るだけで、2つを分けられる。会話の応答選択で迷わなくなる
こぼれ話
Phrase Finder によると、生き埋めを防ぐための棺は実際に特許が取られていました。1868年の Franz Vester の特許には、ベルのほかに、中の人の顔が見えるガラス窓まで付いています。ただし、使われたという証拠は無いと同サイトは書いています。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- just in timein the nick of time
Saved by the bell! を教室で使う(5分)
ねらい: Saved by the bell! が「ぎりぎりで助かった」の意味だと言え、That rings a bell. と区別できるようにする
- 黒板に Saved by the bell! と書き、「この bell は、もとは何のベルでしょう」と聞きます
- 「ボクシングのラウンド終わりのベルです。負けそうな選手が、ベルで休めて救われます」と伝えます
- その横に That rings a bell. と書き、「こちらは『聞き覚えがある』です。どちらも bell なので、場面で分けます」と伝えます
- ペアで、1人が困った場面か、聞き覚えのある名前を日本語で言い、もう1人が2つのどちらかで返します。役を替えて2回やらせます
出口チケット: 「先生に当てられる直前にチャイムが鳴った。ぎりぎりで助かった」を、Saved by the bell! を使って英語で書かせる
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
Saved by the bell! を使った短い会話を3つ作ってください。条件は次のとおりです。①高校生の授業・部活・家庭の場面にする。②もとはボクシングのラウンド終わりのベルだったことに、日本語で短く触れる。③1つは、That rings a bell.(聞き覚えがある)と並べて使い分けが分かる会話にする。④それぞれに日本語訳を付ける。