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日刊原田英語 Harada Eigo Daily
入試に出るイディオム 標準 red herringclue との違い

a red herring

ア・レッド・ヘリング

「本題から注意をそらすもの、人を惑わす偽の手がかり」

記憶フック:においの強い赤いニシンに、犬の鼻はだまされる。red herring は目くらまし。
起源 猟犬の鼻をだました、いぶしたニシン

red herring は、もともと食べ物です。ニシンを強い塩水に漬けるか、しっかりいぶして作ります。そうすると身が赤っぽくなり、においもきつくなります。

1807年2月14日、ウィリアム・コベットが自分の出していた雑誌『Cobbett's Political Register』に、子どものころの話を書きました。ウサギを追う猟犬を、このニシンでわざと別の方向へ引っぱったという話です。においの強いニシンを4〜5マイルも引きずり、犬の鼻をだましたと書いています。

コベットがこの話を持ち出したのは、イギリスの新聞を批判するためでした。新聞はナポレオンが負けたと、まちがって報じていたのです。読者の目を、本当の問題からそらしているという批判でした。

「猟犬の訓練にニシンを使ったのが由来」という説明もよく見かけます。けれども2008年に研究者がこの説を否定し、オックスフォード英語辞典もその見方を取っています。

いま 推理ドラマで、真っ先に疑った人が犯人ではなかった

推理ドラマを見ていて、最初に怪しく見えた人物がいたとします。あなたはその人を犯人だと決めつけました。ところが最後に分かった犯人は、まったく別の人でした。

英語では、この「怪しく見えただけの人物」を a red herring と呼びます。あなたの目を本当の犯人からそらした役だからです。ミステリー小説の書評にも、よく出てくる言葉です。

なぜこの意味になるのか

red は「赤い」、herring は「ニシン」。いぶした赤いニシンは、においが強いのが特徴です。強いにおいがほかのにおいの跡を消してしまう、という理屈から「本当の跡をたどれなくするもの」という意味になりました。

使うときの注意・使い分け

「偽の手がかり」「本題から目をそらすもの」を指す名詞です。わざとそらした場合にも、結果として惑わせた場合にも使います。本物の手がかりは a clue で、red herring とは向きが逆です。

例文で確かめる

The detective soon realized that the missing letter was just a red herring.

探偵はまもなく、なくなった手紙がただの目くらましだったと気づきました。

Talking about his opponent's age is a red herring; the real issue is the budget.

相手の年齢の話は、本題から目をそらすものです。本当の問題は予算です。

発音・リズム

herring はヘを強く読み、リングを軽く添えます。red と herring は切らずに、レッドゥヘリングとひと息で読むと自然に聞こえます。

入試での出方と、外し方

こう問われる
①下線部の言い換えで、a distraction / a clue / evidence / a rare fish の4つから選ばせる形。②ミステリーを扱う長文の内容一致で、登場人物が追った手がかりが本物だったかを問う形。③話をそらす論法を説明する評論文で、red herring の指すものを問う形。
ここで外す
red herring を「赤いニシン」「めずらしいもの」と直訳する誤りが定番です。もう1つは a clue(本物の手がかり)と取り違えて、「事件を解く鍵」と訳す答案です。向きが正反対になります。
決め手
前後に the real issue / the question / the real culprit のような「本題」を表す語があるかを見ます。あれば、red herring はそこから注意をそらすもので、clue とは逆の向きです。

The broken window was a red herring; the thief had actually used a key.

誤答
割れた窓は、泥棒がどこから入ったかを示す本当の手がかりだった。
正答
割れた窓は捜査の目をそらすものにすぎず、泥棒は実際には鍵を使っていた。

読み方が変わる

Before

red herring を「赤いニシン」と直訳してしまい、ミステリーや評論の長文で、急に魚の話が出てきたように読めて話がつながらなかった

After

red herring が出たら「これは本題ではない」と読み、本題を述べた文を探しにいける。セミコロンや but のあとに来る本当の答えへ、迷わず目を移せる

こぼれ話

コベットより前、1682年の小冊子にも、この言葉を比喩として使った例があります。シャフツベリー伯を弁護する文章で、「国じゅうを引きずり回される red-herring」という言い方が出てきます。

似た表現・反対の表現

似た意味
a distractiona decoy
反対の意味
a cluethe real issue
a red herring を教室で使う(6分)

ねらい: においの強いニシンで猟犬の鼻をだます絵から、「注意をそらすもの」という意味をつかませる

  1. 黒板に、ウサギを追う犬と、別の方向へ引きずられるニシンの絵を描きます
  2. 「犬はどちらへ走ると思いますか」と聞き、「においの強いニシンのほう」という答えを引き出します
  3. a red herring を板書し、「本題から注意をそらすもの、という意味で使います」と説明します
  4. 「推理ドラマで、犯人だと思ったら違った人物はいましたか」と聞き、2〜3人に話してもらいます
  5. The first suspect was a red herring. を板書し、全員で音読します

出口チケット: The first suspect was a red herring. を日本語に訳させ、「red herring が指しているのは誰か」を1行で書かせる

MAKE IT YOURS

AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。

a red herring を使った英文を3つ作ってください。条件は次のとおりです。①推理小説の場面、②ディベートで相手が話をそらす場面、③ニュースで本当の問題が隠される場面。④それぞれに日本語訳を付けてください。⑤最後に、clue との意味の違いを1文で説明してください。

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