Don't get me wrong.
ドント・ゲット・ミー・ロング
「誤解しないでね(本音を言う前に、先に気持ちを打ち消しておく一言)」
まず、この絵を頭に置いてください。あなたがこれから言う言葉が、相手の頭の中でねじれて届きそうだと感じた瞬間です。そこで先に「そう取らないでね」と一言はさむ。それが Don't get me wrong. です。
辞書 Merriam-Webster は、get someone wrong を「人の言うことを正しく理解しそこなう」と説明しています。例文には、Don't get me wrong. I like his parents. They're just a little too strict. が挙がっています。
「ご両親は好きだよ」と先に言い、そのあとで「ちょっと厳しすぎる」と本音を足す形です。この言い回しがいつ生まれたのかは、この辞書にも書かれていません。
キャプテンが作った新しい練習メニューに、あなたは意見があります。内容はいいのに、時間が長すぎるのです。そのまま「長すぎる」と言えば、全部を否定したように聞こえます。
そこで Don't get me wrong, I like the new plan. It's just too long. と言います。先に「気に入っている」と伝えてから本音を足すので、言われた側も受け止めやすくなります。
なぜこの意味になるのか
get はここで「理解する」の意味です(Do you get it? の get)。wrong は「まちがって」。get me wrong で「私をまちがって理解する」、Don't を付けて「誤解しないで」になります。
使うときの注意・使い分け
相手を気づかう前置きです。このあとには、たいてい少し言いにくい本音が続きます。Don't take this the wrong way. もほぼ同じ場面で使えます。
例文で確かめる
Don't get me wrong, I love this city. It's just too crowded in the summer.
誤解しないでね、この街は大好きなんだ。ただ、夏は混みすぎるだけで。
Don't get me wrong. I'm happy for you, but I'm going to miss you.
誤解しないで。あなたのことを喜んでいるけれど、会えなくなるのはさびしいの。
発音・リズム
get me はゲッミーとつなげ、t はほとんど聞こえません。いちばん強く読むのは wrong です。w から入り、ゥローングと口をすぼめて始めます。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①下線部の言い換えで、Don't misunderstand me. / Don't blame me. / Don't forget me. から選ばせる形。②会話文の空所で、Don't get me wrong と Don't get me down を並べる形。③会話文で、Don't get me wrong のあとに続く本音の文を選ばせる形。
- ここで外す
- get を「手に入れる」と読み、「私をまちがって捕まえないで」のように訳す誤りが定番です。もう1つは Don't blame me.(私を責めないで)と取り違える答案です。責められる前ではなく、誤解される前に言う一言です。
- 決め手
- 直後の文と、その次の but / just の文を見ます。直後には「好き」「感謝している」など先に言っておきたい気持ちが来て、話し手の本当の言い分は but や just のあとに来ます。
- 誤答
- Don't get me down/get me down は「私を落ちこませる」で、楽しかったと続かない
- 正答
- Don't get me wrong/「誤解しないで」と打ち消してから、本音を足す形
読み方が変わる
Before
get を「手に入れる」「着く」の意味でしか覚えておらず、Don't get me wrong を見るたびに意味が組み立てられなかった
After
get には「分かる」の意味がある(Do you get it? と同じ)と分かり、Don't get me wrong を「誤解しないで」と一度で読める。会話文では、but のあとに本音が来ると先読みできる
こぼれ話
Merriam-Webster の同じ項目には、She got the instructions wrong.(彼女は指示を誤解した)という例文も載っています。人だけでなく、物事を誤解するときにも使えます。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- Don't misunderstand me.Don't take this the wrong way.
Don't get me wrong. を教室で使う(5分)
ねらい: get の「理解する」という意味を確かめ、本音の前に置く一言として使わせる
- Do you get it? を板書し、「この get はどんな意味ですか」と聞いて「分かる」を引き出します
- Don't get me wrong. を板書し、「私のことを、まちがって理解しないで」と訳を組み立てます
- 「好きだけど、ちょっと困っていること」を1つ考えさせます(例:部活、スマホ、給食)
- Don't get me wrong, I like ___. It's just ___. の型を板書し、ペアで言い合わせます
出口チケット: Don't get me wrong, I like ___. It's just ___. の型で、自分の本音を1文書かせる
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
Don't get me wrong. を使った短い会話を3つ作ってください。条件は次のとおりです。①友達の手料理に意見を言う場面、②部活の練習方針に意見を言う場面、③アルバイト先で店長に相談する場面。④それぞれに日本語訳を付けてください。⑤最後に、but のあとに来る本音がどれかを示してください。