Once bitten, twice shy.
ワンス・ビトゥン・トゥワイス・シャイ
「一度いやな目にあうと、次は用心深くなる(あつものに懲りてなますを吹く)」
語句の由来を調べるサイト Phrase Finder によると、このことわざとほぼ同じ内容の文が、1751年の小説 The History of Miss Betsy Thoughtless に出てきます。
I have been bit once, and have made a vow never to settle upon any woman while I live, again.
「一度ひどい目にあったので、生きているあいだは二度とどの女性とも身を固めないと誓った」という意味の文です。まだ、いまの形ではありません。
Phrase Finder が見つけた、いまの言い方と同じ形でいちばん古い例は、1806年の小説 Lady Maclairn の once bit twice shy です。登場人物が「一度かまれたら二度目は用心、というのが私がいちばん強く思っている教えだ」と話す場面で出てきます。「私が見つけた最初の例」と書かれているので、これより古い例がある可能性は残ります。
去年、あなたは電車の座席にスマホを置き忘れて、見つかるまで一晩中不安でした。
それ以来、電車を降りる前には、かならず座席を振り返ります。友だちには「心配しすぎ」と笑われますが、やめられません。
一度いやな目にあったから、次は用心する。
この考えを、英語のことわざは Once bitten, twice shy. と言います。I always check my seat now. Once bitten, twice shy. と言えます。
なぜこの意味になるのか
bitten は bite「かむ」の過去分詞で、once bitten は「一度かまれたら」です。twice shy は「二度目は用心深い」です。shy には「恥ずかしがり」のほかに、「警戒してためらう」の意味があるので、全体で「一度いやな目にあうと、二度目は警戒する」という意味になります。
使うときの注意・使い分け
いやな経験をして、次は慎重になるときに使います。Wiktionary は、かまれたり傷ついたりした人は、同じ目にあうことを警戒するようになる、という意味のことわざと説明しています。
例文で確かめる
I lost my phone on a train last year, so I never leave it on a seat now. Once bitten, twice shy.
去年は電車で携帯をなくしたので、いまはもう座席に置かない。一度いやな目にあうと、次は用心深くなるものだ。
My brother won't try the same trick again. Once bitten, twice shy.
兄は、同じ手はもう使わないでしょう。一度いやな目にあうと、次は用心するものです。
発音・リズム
once bitten は「ワンス・ビトゥン」と区切って読みます。twice shy は、tw の音をはっきり出し、「トゥワイス・シャイ」と言います。
入試での出方と、外し方
- こう問われる
- ①下線部の言い換えで、Once bitten, twice shy. を people become careful after a bad experience / dogs are afraid of shy people / friends should not bite each other から選ばせる形。②和訳で、shy を「恥ずかしがり」と訳していないかを見る形。③空所補充で、Once ( ), twice shy. に bitten を入れさせる形。
- ここで外す
- shy を「恥ずかしがり」と訳して、「一度かまれると二度目は恥ずかしがる」とする和訳が起きやすい誤りです。空所補充では、bite の過去形 bit を入れてしまう答案もあります。1806年の例のように once bit という古い形もありますが、いまふつうに使うのは過去分詞の bitten です。
- 決め手
- このことわざの shy は「恥ずかしがり」ではなく「用心深い」です。前の文に失敗や痛い経験が書かれていれば、このことわざを「次は慎重になる」と読みます。
I lost my phone on a train last year, so I never leave it on a seat now. Once bitten, twice shy.
- 誤答
- 去年は電車で携帯をなくしたので、いまはもう座席に置かない。一度かまれると、二度目は恥ずかしがるものだ。
- 正答
- 去年は電車で携帯をなくしたので、いまはもう座席に置かない。一度いやな目にあうと、次は用心深くなるものだ。
読み方が変わる
Before
Once bitten, twice shy. の shy を「恥ずかしがり」と覚えていて、和訳でつじつまの合わない日本語になっていた
After
ことわざの shy は「用心深い」だと分かる。前の文の失敗とつなげて、「だから次は用心する」と訳せる
こぼれ話
Wiktionary は、同じ意味の言い方として once burned, twice shy も挙げています。「かまれる」のかわりに「やけどする」を使った形です。また、近い意味のことわざとして、a burnt child dreads the fire も載っています。
似た表現・反対の表現
- 似た意味
- Once burned, twice shy.A burnt child dreads the fire.
Once bitten, twice shy. を教室で使う(5分)
ねらい: Once bitten, twice shy. の shy が「用心深い」であることを言え、前後の文脈から和訳できるようにする
- 黒板に Once bitten, twice shy. と書き、「shy は何と訳しますか」と聞きます。「恥ずかしがり」と答えが出たら、そのまま書き取ります
- 「このことわざでは、shy は『用心深い』です。bitten は『かまれた』ことから、いやな目にあったことを指します」と伝えます
- 「一度かまれたら、二度目は用心する」と声に出して言わせ、自分の体験に置き換えさせます
- ペアで、1人が I once ... と過去の失敗を英語で言い、もう1人が Once bitten, twice shy. と返します。役を替えて2回やらせます
出口チケット: 「一度やけどした人は、次は気をつける」を、Once bitten, twice shy. を使って英語で書かせる
AIに貼ると、この表現があなたの生活の中の文になって返ってきます。
Once bitten, twice shy. を使った短い英文を3つ作ってください。条件は次のとおりです。①高校生が、部活・勉強・友人関係で失敗したあとの場面にする。②shy が「恥ずかしがり」ではなく「用心深い」の意味で使われていることに、日本語で短く触れる。③1つは、前の文で失敗を述べ、次の文でこのことわざを使う形にする。④それぞれに日本語訳を付ける。